恒心文庫:ポッキープリッツの日
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11月11日はポッキープリッツの日だった。
いくら季節の行事を大切にする八雲法律事務所とはいえ、これは季節とは無関係で伝統ある行事とも言えないため、スルーしていたが、
小林弁護士はこの日大量にポッキーやプリッツを買ってきて、事務所の弁護士たちに配っていた。
もちろん日頃なんだかんだで法律業務に関してアドバイスをくれたりすることへの感謝という意味合いもあるが、
小林はそれだけを考えていたわけではない。
ポッキーやプリッツといったお菓子を食べている間は少なくともセックスをすることはないし、
ポッキーやプリッツといった細いお菓子から男根を想像してセックスに及ぶということもないだろう。
そうしてセックスに及ぶことを阻止すれば自分が男たちの盛り合っている様子を絵にすることもないし、
なにより男どもの喘ぎ声を聞くこともない。
そう思って小林はポッキープリッツの日に合わせて、大量に差し入れをしたのであった。
山岡所長を始め所属弁護士は感謝の言葉を述べ、しばらくは食べながら法律業務をこなしていたのだが、畔柳が突然、
「山岡さん、ポッキーゲームしましょうよ」
といって山岡所長のところへ赴いてきた。
もちろん山岡所長も快諾し、ポッキーの両端を咥えて顔を近づける。
そしてギリギリまで来たら…二人はキスした。
しかも山岡所長が畔柳の口の中に舌を入れるディープキスである。
しまった。
小林は後悔したが後の祭りだった。
弁護士たちは普段キスをせずにいきなりフェラチオしたり、所長の乳首をいじったり、
そして所長は前戯なしに掘られたりするということをしていたため、
キスをすることは男女の間にしかないと小林は勝手に思い込んでいたのだった。
焦る小林を尻目に、他の弁護士たちも次々とポッキーゲームをはじめながら服を脱がせ合って、
そのうち男たちの嬌声が聞こえてきた。
今回は絵を描くよう指示されていないのは不幸中の幸い、小林は息を殺して自分のデスクで仕事をしていた。
もちろんイライラして集中できなかった。
ところで、いつもならこうした男たちの交わりを嬉々として見ている阿部弁護士はどうしたのだろうか。
ビデオカメラを複数設置したあとこっそり自分のデスクで俯いているので、
小林はどうしたのだろうかとちらっと見たら、
阿部弁護士がこっそりとロッテのトッポを食べていたのが見えた。
タイトルについて
この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。
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- 初出 - デリュケー ポッキープリッツの日(魚拓)
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