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恒心文庫:重陽の節句

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

9月9日は重陽の節句である。
古来中国では奇数を不吉な数とし、節句という形で邪を払っていたのだが、
いつしか奇数は縁起の良い数となり、節句は縁起の良い日となったのである。
しかし、七草・桃・端午・七夕の4節句と比べ、重陽の節句はマイナーである。
七草は正月、桃の節句は春、端午は初夏、七夕は夏の始まりという意味合いがあるが、
重陽として秋の始まりを祝っても、秋自体に暗いイメージがあるため意味がないということなのだろうか。

しかし、代表弁護士が神話の国、出雲の出身であり、伝統を重視しているY法律事務所では、当然のごとく重陽の節句を祝う儀式が行われた。

重陽の節句を彩る花は菊の花である。
しかし、本来は旧暦で祝うため、新暦9月では菊はまだ咲いていない。
電照菊という手段もあるが、人工的で古来の儀式とは馴染まないだろう。
そこで、代表弁護士を全裸にし、四つん這いにして、彼の菊の花を観賞するという形で儀式が行われている。

Y法律事務所は、「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」という、日本最初とされる和歌から名前が採られている。
したがって、所属弁護士は和歌の教養が不可欠である。
重陽の節句においても、代表の菊花を見ながら、菊を主題として、代表を除く5人の弁護士が、衣冠束帯姿(貸衣装)で、和歌を詠むのである。
彼らは真剣に和歌を詠み、短冊に筆で記していく。
その後、一人ひとり和歌を詠みあげていくのである。

一通り詠みあげた後、誰の和歌が最も優れていたかを議論する。
31字という和歌の体裁ではあるが、本歌取り、掛詞、縁語などで広く大きな、かつ叙情に溢れた世界を詠むことができる。
そのような観点から最も優れた和歌を詠みあげた弁護士が1人選ばれる。

選ばれた彼は、全裸になり、菊花に雄蕊を挿入する。
1人だけが儀式中に菊花を受粉させることができるという誉を与えられるのである。
激しい抽送を繰り返した後、雄の精を受粉させ、儀式は終了である。
儀式終了後は、祭礼となる。日々の法律業務という「ケ」に対する、「ハレ」である。
衣冠束帯姿の4人は全裸になり、代表弁護士を犯す。
5人もいるので大変であるが、1人は菊を、1人は上の口を、そして他は手の刺激を受けたりYの乳首を弄ったりして、皆日々の鬱憤を晴らす。
全員が体力の限界まで交わったら終了である。

さて、Y法律事務所所属の唯一の女性弁護士は、他の弁護士たちからお金をもらい、「有給休暇」を楽しんでいた。
菊なんて地味、秋といえばコスモスでしょ、と、ヒマワリの種を食べながら暇つぶしをしていた。
なお、コスモスもヒマワリも菊科の花である。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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