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恒心文庫:煤払い

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

年末の大掃除というのは、元々煤払いという行事である。
これは年神、すなわち正月に神がやってくるのだが、そのための物忌みが始まるのが12月13日であることに起源を有する。
この日に煤を払い、大掃除をし、新年に来る神を気持ちよく迎え入れるのだが、
神社の場合は建物自体が神の依代であるため、神を迎え入れる入れ物をきれいにするという意味合いもある。

代表が出雲出身で、どこかで国つ神の血を引いているY法律事務所でも13日に近い金・土曜日に盛大に煤払いが行われた。
金曜日は各自の机や床、窓の掃除である。
代表が以前参画していた某法律事務所では、某弁護士とその父である会計士の机や本棚が汚かったことが代表のトラウマであった。
そこで、毎年代表は念入りな清掃を各弁護士に命じている。
それによりオフィスはきれいな状態になった。

そして土曜日は男性弁護士のみ集まる。
神の依代となる代表弁護士の体を清めるのである。
まず代表を全裸にし、煤払いの邪魔を避けるため代表に目隠しをし、猿轡をはめる。
そのあと、代表を水を付けた布で清拭し、彼の首から下のすべての毛を丁寧に剃るのである。
本来、代表は様々な儀式の際神の依代となるため、神を迎え入れるためにはきれいな体を保たなければならないのだが、
胸毛を処理せず悪いものに盗撮されるなど、清潔感がやや不足している。
そこで1年に1回、「煤払い」を行い、清潔な状態を保つのである。

視覚を奪われ、皮膚の上を剃毛用のナイフが泳ぐ状況に、当然のごとく代表の乳首は勃起していたのだが、彼の陰茎はしぼんだままである。
それを見て、剃毛の補助をしていた、夏に参画した最若年の弁護士が上司に問う。
Yさんの陰茎と睾丸は無駄なのではないか、煤払いついでに断捨離ということで、去勢してはどうかと。
しかし上司はそれを否定する。
8020の法則や、自動車のハンドルの「遊び」などを挙げ、無駄なものを断捨離することはリスクであり、役に立っていないものでもあったほうがよいこともある、
そもそも、代表弁護士のプライベートのパートナーは、おっぱいを触るのと同じように、ふにゃふにゃの陰茎や睾丸を触るのが好きだ、ということを話す。
最若年の弁護士は、それまでエリート街道を邁進しており、無駄なものを生み出さないことを是としてきたが、上司の意見に衝撃を受けた。
彼は自らの不見識を詫びたが、上司は気にすることはない、その代わりに・・・と煤払い後の「一番槍」を行うように命じた。
代表を仰向けからうつぶせにし、尻の毛まで全部剃毛したら終了である。
そのあと代表の左の乳首をひねり、喘ぎ声を出させて神を呼び寄せた後、「神との交合」を弁護士たちは行う。
一番槍を命じられた最若年の弁護士は勢いよく、代表の聖なる門に怒張を突き立てた。
勃起するだけが陰茎ではない。触られるだけの存在であっても、陰茎としての意味はあるのだ。
それをかみしめつつ最若年の弁護士はじめ、弁護士たちは代表と激しく交わった。


なお、土曜日、当然のごとく休みであるY法律事務所唯一の女性弁護士は、自宅の大掃除は年末でいいよね・・・と、ショッピングを楽しんでいたという。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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