唐澤貴洋と山岡裕明のご尊容開示事件
唐澤貴洋と山岡裕明のご尊容開示事件(からさわたかひろとやまおかひろあきのごそんようかいじじけん)とは、2015年5月22日にピュア虎ノ門付近で歩行中の唐澤貴洋と山岡裕明のご尊容と思われる動画(画像)が開示された事件である。
概要
これまでも複数回唐澤貴洋と思われる人物の姿が撮影されたことはあったが、いずれも後姿でありご尊顔は写っておらず本人であるという確証は得られなかった。しかし2015年5月22日、なんでも実況J板にて歩行中の尊師・山岡両名と思われる人物の姿の画像が開示された。
尊 師 開 示 [転載禁止]c2ch.net 1 :風吹けば名無し@転載禁止:2015/05/22(金) 15:57:08.53 ID:L676ve0p0 尊師と山岡君か http://s1.gazo.cc/up/134252.jpg http://s1.gazo.cc/up/134254.jpg
これは成人後の唐澤貴洋(と山岡裕明)の顔が初めてカラーで撮影された写真である。お気持ち表明以降はお馴染みとなったリアル唐澤貴洋だが、当時はようやく顔が開示されたばかりであり衝撃を与えた。また、タクシーのミラーがちょうど唐澤貴洋の股間の部分に被っており、ライダーベルトとも形容された。
既出のご尊顔との対比から本人達である可能性が極めて高いとされ、その後両名が開示請求をしてきたことで確定した。
ピュア虎ノ門に行けば唐澤貴洋を撮影できるかもという期待はけんまブーム発生の要因のひとつとなった。
拡大画像
その後・確定
その後、とらけんま中の陸自ニキによって画像の人物と同じ服装の疑惑尊師(眼鏡尊師)が撮影され、 6月26日付けで尊師・山岡両名によってスレ主(撮影者)の開示請求と動画の削除依頼が行われたことにより、画像中の人物が本人達であると確定した。
この書類では山岡の印が斜めに押されているが、意図したものなのかは不明。公務員の間においては、「斜めに押印する」という行為は上司及び上部組織への抵抗の意思表示とされる。一方で、金融業界などには部下ほどより印影を左に傾けて頭を下げていることを示す、「お辞儀ハンコ」と呼ばれる謎ビジネスマナーの存在が話題となったことがある[1]。
開示請求は山岡裕明とXを原告としたNTTコミュニケーションズへの発信者情報開示訴訟と慰謝料100万円の請求に至り(平成27年(ワ)第25681号)、発信者情報開示を命じる判決が下っているが[2](慰謝料請求は棄却)、その後の経過は不明である。
尊師&山岡のご尊容開示事件の発信者開示請求訴訟の判決文
東京地方裁判所 平成27年(ワ)第25681号 平成28年2月5日 原告 山岡裕明 原告 X 同訴訟代理人弁護士 山岡裕明 被告 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 同訴訟代理人弁護士 五島丈裕 主文 1 被告は、原告らに対し、別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。 2 原告らのその余の請求を棄却する。 (2訴訟費用は、これを18分し、その5を原告Xの負担とし、その5を原告山岡裕明の負担とし、その余は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第1項と同旨 2 被告は、原告山岡裕明に対し、100万円及びこれに対する平成27年10月3日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2被告は、原告Xに対し、100万円及びこれに対する平成27年10月3日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要 本件は、インターネット上の掲示板に発信された情報に記載されたリンク先に、原告らの容貌を撮影した画像が存在していたところ、 原告らは、被告に対し、(1)同画像の公表等により、その容貌等を撮影した肖像写真をみだりに公表されない権利たる肖像権及びプライバシー権を侵害されたとして、 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下、単に「法」という。)に基づき、発信者情報の開示を求めるとともに、 (2)同画像の公表等が原告らの権利を侵害することはあきらかであるにもかかわらず、被告が任意に発信者情報の開示に応じなかったことにより精神的苦痛を被ったとして、 不法行為に基づき、それぞれ慰謝料等の支払を求める事案である。 2 前提となる事実 (1) 氏名不詳者(以下「本件発信者」という。)は、インターネット掲示板B(http://(以下略))の「C」と題するスレッド(以下「本件掲示板」という。)において、 別紙情報目録記載の情報(以下「本件情報」という。)を発信した(甲1)。 また、「http://(以下略)」で表示されるウェブサイトには、路上を歩く2人の男性を撮影した画像(以下「本件画像」という。)が存在していた(甲2)。 (2争点及び当事者の主張 (1) 略 (2) 本件情報の発信について、権利侵害の明白性が認められるか(争点2)。 (原告らの主張) 本件情報は、意図的に本件画像に移行できるようにハイパーリンクを設定表示しており、原告らの容貌を撮影した本件画像を取り込んでいると解することができる。 したがって、本件情報の発信は、本件掲示板を通じて原告らの容貌を撮影した本件画像を公表するものといえる。 そして、本件画像は、原告らの容姿が明確に撮影されており、原告らを十分に特定しうるところ、取材や防犯目的で撮影されたものではなく、 私人である原告らを本件掲示板に「晒す」という不当な目的で盗撮したものと考えられ、本件情報の発信は、原告らの容貌等をみだりに公表されない人格的利益たる肖像権を侵害するものといえる。 また、本件情報には「山岡君か」との記載があり、同画像に写る人物の1人が原告山岡裕明であることを特定していることからすれば、本件情報の発信は、個人に関する情報をみだりに公表されない人格的利益たるプライバシー権を侵害するものである。 なお、原告らは、本件画像の公表を承諾したことはなく、その他の違法性阻却事由も存在しない。 さらに、原告らは、本件情報の発信による不法行為に基づき、本件情報発信者に対して損害賠償を求めるため、被告に対し、別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求める者であり、正当理由も認められる。 被告の主張) 本件情報において記載されているリンク先のURLは、単なる英数字の羅列にすぎず、直ちに本件画像を掲載したものと評価することはできない。 また、事故の容貌等をみだりに公表されない人格的利益の侵害が問題となりうるのは、公開を欲しない状況や容姿を撮影したり、公表したりする場合であるところ、本件画像は、公道という公的生活領域において歩行している人物を撮影したものであり、 これは一般人が通常行っている行動であって、その行動自体が撮影されることに心理的負担を覚えない形態のものといえる。 さらに、プライバシー権が侵害されたというためには、その対象となる個人情報が一般の感受性を基準にして当該私人において公開を欲しないであろうと認められる場合でなければならない。 もっとも、本件情報には「山岡君か」との記載があるが、本件画像に写っている2人の人物のいずれを指すのか判断できないし、本件画像は行動を歩行する人物を撮影したものであり、その行動自体が撮影されることに心理的負担を覚えない形態のものであって、 プライバシー情報として要保護性が及ばないと解される。 したがって、本件情報が本件画像を摘示していると評価されたとしても、原告らの人格的利益を明らかに侵害するものとはいえない。 (3) 被告が、原告らからの本件情報に係る発信者情報開示請求を拒否いたことについて不法行為が成立するか(争点3)。 (中略) (4) 原告らの被った損害(争点4) (原告らの主張) 被告らが、原告らからの本件情報に係る発信者情報開示請求に応じなかったことにより、原告らは多大な精神的苦痛を被った。原告らのかかる精神的苦痛に対する慰謝料はそれぞれ100万円を下らない。 (被告の主張) 原告らの主張は否認ないし争う。 第(2当裁判所の判断 【中略】 2 争点2について (1) 前記前提となる事実(1)のとおり、本件掲示板に発信された本件情報自体には、 別紙情報目録「投稿情報内容」欄記載の内容が記載されているのみであり、原告らの容貌を撮影した画像そのものは掲載されていない。 もっとも、本件情報は、ハイパーリンクを設定しており、本件発信者は、同情報の閲覧者をリンク先に移行させることを意図していることは明らかである。そして、前記前提となる事実(1)によれば、本件画像のURLと本件情報に記載されたURLが一致している (これらが書き換えられたり、偽造されたことを裏付ける証拠はない。)ことからすれば、本件画像は、本件情報の一部として取り込まれていると解するのが相当である。 また、証拠(甲2)によれば、本件画像は道路上を歩く2人の男性を横方向から撮影したもので、必ずしも鮮明とはいえないが、それぞれの顔の輪郭 、目鼻立ち、体型や容貌等を識別することができ、原告らを撮影した写真(甲8)と比較しても、 本件画像の男性2人が原告らを撮影したものであると特定することが可能であることからすれば、 本件情報は、原告らの容貌を撮影した画像を、本件掲示板を通じて不特定多数の者に閲覧可能にしているものと認められる。 (2) そして、何人も、その承諾なく自己の容貌・姿態をみだりに撮影され、これを公表されないという法的利益を有するところ、原告らは、 本件画像を撮影・公表することを承諾したことはない旨明言しているのだから、本件情報の発信によって、 原告らの同法的利益が違法に侵害されたというべきである。 なお、本件画像は、道路という公共の場を歩行する姿を撮影しており、不特定多数の者の目に触れる状況を撮影したものではあるが、 そのことをもって、私人である原告らの容貌等を承諾なく撮影・公表することによる違法性が否定されるものではない。 また、証拠(甲9、乙1)によれば、原告らの容貌は第一東京弁護士会会報を通じて公表されているが、同会報による原告らの写真は、会員への紹介目的で使用されるものであって、その他の目的での使用を予定していない上、 同会報は広く一般に流通しているものではないことに照らすと、 原告らの写真が同会報に掲載されていることをもって、原告らの容貌等が広く一般に知られているとはいえず、本件情報発信の違法性を否定する理由とはならない。 さらに、証拠(甲1)によれば、本件掲示板は、「C」などと題し、本件画像を受けて、「草生える」、「お腹パンパンやんけ!」などといった投稿がされていることが認められる。これらの事情に照らすと、 本件情報の発信は、原告らの容貌をインターネット上で不特定多数の者に閲覧させ、揶揄する意図がうかがわれるのであり、社会通念上是認されるような正当な目的や緊急性及び必要性並びに方法の相当性を認めるに足りる事情は認められず、 その他の違法性阻却事由も認められない。 なお、本件情報には、「山岡君か」との記載もあるが、これが本件画像の人物のいずれを指すかは必ずしも明確ではなく、 また、同記載は名字のみであることなどからすれば、本件情報の発信により、原告山岡裕明のプライバシー権が侵害されたことが明らかであるとまでは認められない。 (3) そして、弁論の全趣旨によれば、原告らは、本件発信者に対し、本件情報の発信による不法行為を理由に損害賠償を請求する予定であることからすると、被告に対して別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求めることにつき正当の理由があるというべきである。 よって、本件情報の発信については、権利侵害の明白性が認められる。 4 結論 以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、原告らの発信者情報開示請求は理由があるからこれを認容し、その余の請求は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。
尚、ここで慰謝料の100万円を請求するのは、発信者情報開示請求裁判では基本的に被告(接続プロバイダ)側の管轄に応じた裁判所を用いる必要があるため[3]、損害賠償請求も同時に行うことで原告側地域の管轄裁判所で審理を行うための訴訟テクニックである[4]。しかし原告の法律事務所クロスおよび被告のNTTコミュニケーションズは両者とも東京都に所在しているため、なぜ対プロバイダ戦で1万円ほどの訴訟費用(印紙代)[5]を無駄にしてこのような多額の請求を行ったのかは不明。今後の更なる解明が待たれるところである。
免許証開示
2016年10月6日、裁判資料に両名の免許証と誕生日が掲載されているとの報告があった[6]。約2年後の2018年9月12日、この裁判資料のものと思われる免許証の写真が開示された[7]。
イラスト
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関連項目
脚註