日刊サイゾー
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尊師インタビュー
尊師の自伝本である炎上弁護士の発売やバラいろダンディの出演など、大恒心が次々とされる2018年後半、12月13日に日刊サイゾーが「“炎上弁護士”唐澤貴洋弁護士が語る「日本人最多殺害予告」の真実とは?」(魚拓)と題し尊師のインタビュー記事を発表した。13日は炎上弁護士の発売日でもあったため既に活気づいていたなんJやカラケーでは尊師インタビューに一同は身を震わせた。
更に2019年の6月11日にも『“炎上弁護士”唐澤貴洋に盛大なブーメラン!? 「炎上弁護士が教える危機管理」ってナンだ!』(魚拓)と題したインタビューが掲載され、意外な尊師の日常生活が明かされた。
炎上弁護士”唐澤貴洋弁護士が語る「日本人最多殺害予告」の真実とは?(2018/12/13)
日本人最多とされる殺害予告を受け、6年以上に渡って誹謗中傷を受け続ける「炎上弁護士」唐澤貴洋が、初の著書『炎上弁護士 なぜ僕が100万回の殺害予告を受けることになったのか』(日本実業出版社)を12月13日に上梓する。自身の生い立ちから弁護士を目指すまで、そして“炎上”との戦いの日々が赤裸々に明かされた1冊となっているが、同時に唐澤弁護士は『AbemaPrime』(AbemaTV)、『バラいろダンディ』(TOKYO MX)に出演、メディア露出にも積極な姿勢を見せるようになっている。
同書では「ネット炎上に巻き込まれない方法」として、「情報発信には細心の注意を払う」こと、究極には「ネット上に書き込み自体しない」とまでつづられているが、一体なぜ“炎上弁護士”は、自ら公の場に登場するようになったのか。本人を直撃した。
唐澤 一番の目的としては、本を出したことと同じ理由になりますが、法改正に向けて新たな手法を取ることにしたからです。さまざまな場所で主張していることですが、現在のプロバイダ責任制限法には複数の問題点があります。犯罪が行われている場所を提供する、プロバイダーや掲示板管理者にかかる「責任」を「制限」するということを主とした法律になっているのです。
――殺害予告やプライバシーの侵害といった、ネット上の犯罪をもっと厳しく取り締まるべく、法整備を進めたいということですね。
唐澤 はい。罰則の強化に加えて、義務教育でネットリテラシーを扱うなど、改善すべき点はいくらでもあります。以前は自分が矢面に立つことに抵抗があり、メディア露出は最低限に控えていたのですが、誰かが問題を問題と言わないと現状は改善しないと思うようになりました。そこで、親しくさせていただいているメディア関係者の方々の助言もあって、「今後は自ら出ていくことにしよう」と考えたんです。
――でも、それでは余計に炎上を招きかねないのでは?
唐澤 悪目立ちはしたくありませんが、これまで縁のなかった方々と知り合う機会も増えていて、これが法改正や状況改善に発展すればと思います。その過程で叩かれることも覚悟しています。
――しかし、ネットで出回っている似顔絵よりも、ややふくよかになられた印象です。
唐澤 あのイラストは一応オフィシャルなんですよ。ネット上の事件を担当するようになった当時は、やはり自分の顔を出すことに恐怖感があったため、知人のクリエイターに依頼して描いてもらいました。その後、あれよあれよと“炎上弁護士”になってしまい、その知人からは「絶対に自分の名前を出すな!」と言われているのですが(笑)。
――あのイラストも恒心教(※唐澤ウォッチャーの総称)の作品なのかと思っていました。
唐澤 実は違います。それを勝手にシールにされたり、MMD(※MikuMikuDance=3DCGソフトウェア)のモデルまで登場したり。中にはとても面白いものもあって、ついつい見てしまいます。
――弁護士が自分のMAD動画を面白がったらダメじゃないですか。著作権違反ですよ。
唐澤 著作権は侵害されているし、何より私の名誉が著しく毀損されています。でも、笑っちゃうんですよね。
――ネットを見て笑っている唐澤弁護士は、ちょっと想像がつきません。
唐澤 ネット炎上と戦ってはいるものの、ネット自体が嫌いというわけではありません。今の唯一の癒やしは深夜に見るYouTube。好きなYouTuberはかずさん、ヒカルさん、ラファエルさん、MEGWINさんとか。「オレがオレにオンデマンド!」。
――そんな意外な趣味が(笑)。ネット界隈というか文化みたいなものは、もともと好きだったんですか?
唐澤 学生の頃から好きでした。なんというか、メインストリートにあるもの、例えばゲームでいうと周りの友達は『スト2(※ストリートファイターII)』で盛り上がってるんですけど、僕はそちらにはいかなくて、光栄(現在はコーエーテクモゲームス)の『水滸伝・天命の誓い』とか、『シムシティ』みたいなゲームにハマりました。CD-ROMではなく、フロッピーディスクの時代だったと思うんですけど。サウンドボードをPCに差し込んで、それまで鳴らなかった音が鳴ったときの感動は忘れられません。
――明らかに“お前ら”寄りの青春時代。
唐澤 おっしゃる通りです。でもアニメとかアイドルとか、いわゆるオタク方面には食指が動かず、どちらかといえばアングラ界隈の住民だったと思います。「探偵ファイル」とか「あやしいわーるど」も見ていましたし、三才ブックス、鉄人社の本とかも読んでいました。サイゾーももちろん愛読していますよ!
――それはどうも(笑)。その頃はBBSに悪口を書き込んだりなんてことも……?
唐澤 いえ、書き込みをしたことはありませんでした。あめざー(※リンク集とBBS群からなる有名サイト「あめぞう」ユーザーのこと)だったとは思いますが。
――ROM専(Read Only Member)だったと。聞けば聞くほど、ネット炎上の“加害者側”の素養をお持ちのような。
唐澤 自分に対する殺害予告犯が逮捕されて、接見した時には、少なからずそう感じている自分がいました。まったく擦れてない、自分がやったことが罪になるとは夢にも思っていないような少年の顔を見て、「ああ、彼は俺なのかも知れない」と。
――唐澤さんはぶっちゃけ、いじめられっ子でしたか?
唐澤 それはないと思いますが……でも小学生の時、自分をからかってきた同級生を思い切り突き飛ばして、教室が騒然となったことはありました。そのときから、周囲からの見られ方が変わったというか。
――それは、見直されたというよりも……?
唐澤 完全に引かれましたね(笑)。その頃からずっと浮いてる子どもだったと思います。陰キャの中二病で、パリピという言葉は当時ありませんでしたが、そういった人と真逆の人間でした。
――そんな唐澤少年が弁護士になられた経緯は、ぜひ『炎上弁護士』を手に取って確認していただくとして。「ネット炎上」以外の弁護士活動以外に、何か印象的なエピソードはありますか?
唐澤 まだ弁護士として活動を始めたばかりの頃に請け負った仕事なのですが、とても印象深いことがあります。当時は営業活動に必死で、タクシーの中でまで名刺を配っていたのですが、あるとき運転手さんから「自分の知人を助けてやってくれないか」と、依頼人を紹介されました。詳しくはお話できませんが、その方はとてもお金に困っていて、弁護士費用は勝訴して取り返したお金の一部だけで構わない、という条件で引き受けることにしたんです。
――それは業界的には珍しいことですよね?
唐澤 あんまりないでしょうね。依頼主の方もそこは理解していたのか、裁判所で「せめてこれくらいは受け取ってください」と、裁判所の地下でコーヒーをご馳走してくれました。最終的に勝訴して報酬もいただきましたが、あのときのコーヒーには、それ以上の価値があったと今でも思っています。
――最後に余談ですが、これだけネット炎上で有名な唐澤さんにも、有名人や芸能事務所から依頼がくることはあるのでしょうか?
唐澤 お名前は言えませんが、いくつも頂いていますよ。掲示板の根も葉もないウワサの書き込みを消してほしいとか、昔のグラビア写真を削除したいとか。アップする方は軽い気持ちでも、当事者たちからすれば、死活問題でしょうからね。
――やはりネット上に、安易な気持ちで悪口や個人情報を書き込む風潮自体、今後見直されていくべきですね。
唐澤 それ、サイゾーが言っちゃダメなんじゃないですか?(笑)。
(取材=編集部)
余談
- 自身のMMD作品を見て笑うことがあると語ったことで、公認を得たと解釈した教徒らにより芸術路線の活動が活発化し始めた。法律事務所Steadiness掲示板にあった芸術路線スレではレス数が伸び、新たなモデルが作られたりMMD動画がニコニコ動画に投稿されるなどした。
“炎上弁護士”唐澤貴洋に盛大なブーメラン!? 「炎上弁護士が教える危機管理」ってナンだ! (2019/6/11)
数年間に及ぶ殺害予告を始めとした“ネット炎上”に巻き込まれるも、自ら公に立って情報発信を行うなど、懸命に戦い続ける弁護士・唐澤貴洋。いつしか彼は“炎上弁護士”と呼ばれ、また自称するようになった。日刊サイゾーでは昨年末、初の著書『炎上弁護士 なぜ僕が100万回の殺害予告を受けることになったのか』(日本実業出版社)刊行に際し唐澤弁護士にインタビューを行ったところ、ネットを中心に大反響を呼んだ。
今回は二冊目となる『そのツイート炎上します! 100万回の殺害予告を受けた弁護士が教える危機管理』(カンゼン)の発売を祝して、再び“炎上弁護士”を直撃した。
――早くも二冊目ということで、炎上弁護士もすっかりメジャーな存在になりましたね。
唐澤貴洋(以下、唐澤) いや、全然そんなことはないですよ。でも、サイゾーさんのインタビューはとても好評を頂いておりまして、その節は大変お世話になりました。おかげさまで体感的にですが、殺害予告も減りました。
――そうなんですか(笑)。自らMMDに言及、学生時代は「陰キャの中二病」など、他メディアではあり得ない内容でしたからね。前回はサイゾー編集部にお越しいただき、社内は騒然としていたのですが、今回は「恒心綜合法律事務所」にお邪魔させていただいております。
唐澤 「法律事務所Steadiness」です。
――はい。先ほど東京都港区三田の「日向坂」を通ってきましたが、やはり先生はアイドルとご縁があるようで。
唐澤 いきなりアイドルいじりですか。相変わらず“アイドルオタク”として見られているようですが、私は「48」と「46」の区別もキチンとついていないですよ。それこそテレビでもネタにされてしまったので、むしろ詳しくならないといけないのではないかと思っています。教えてくれる人がいましたらサイゾーまでご連絡ください。
――さっそく本について聞いてまいりましょう。「炎上弁護士が教える危機管理」ということなのですが、先生は「ブーメラン」という言葉をご存知ですか? 狩猟道具ではなく。
唐澤 西城秀樹の「ブーメラン・ストリート」は知っていますが(真顔)。で、この本はネット炎上に際してのHow toを、実在のケースや被害者の方との対談なども交えながら、分かりやすく解説する内容になっています。色々なところでお話させていただいていますが、一番大切なのは「そもそも炎上に巻き込まれない・起こさない」ことなのですが。
――……。おっしゃるとおりですね。
唐澤 本の中でも触れていますが、SNS、特にTwitterは『動物的』な危険性が含まれているサービスです。どういうことかというと、スマホの普及もあって、日常での怒りやふと思ったことについて、一瞬の疑問も抱かぬまま直感的に投稿をするという行為が、ごくありふれたものとなりつつある。これは非常に危険なことで、ほんの1分、数十秒でもいいから、投稿内容が全世界に配信されることについて、考えてほしいんです。それだけでも世の中の炎上は相当減ると思います。いきなり結論ありきで、プロセスもなく直接的な言葉を無意識的に吐くという行為は、あらゆる意味で炎上の危険性をはらんでいます。
――なるほど。被害者側には、対談で登場しているスマイリーキクチさんのように「防ぎようがない」ケースもあるかと思いますが、炎上を根本から止めるには、むしろ加害者側の意識改善が最短ルートに思えますね。ところで動物は好きなんですか?
唐澤 断然犬派ですね。これまでペットを飼ったことはないんですが、疲れて仕事から帰ってきた時にお迎えされたらと思うと、想像するだけで癒やされます。私が犬を好きになったきっかけは、中学生の頃、「少年ジャンプ」を読みながら下校していたのですが、ふと気付くと後ろから野良犬が、静かについてきていたんです。その時は驚きましたが、吠えもせず従順にただ後ろからついてくる犬を見て、なんて可愛いんだと……。
――(動物ネタ、めっちゃ食いつくな……)そういえば前回、YouTube鑑賞が趣味とおっしゃっていましたが、相変わらずですか?
唐澤 就寝前の唯一の癒やしですね。最近はケイタササグリさん、星野るりさんら競馬ユーチューバーにハマっています。
――また意外な趣味が。馬券も買われるんですか?
唐澤 いえ、いまユーチューブで勉強しています。馬券師の方々が様々な予想を展開して、いざレースを見ると「全然間違ってる!」という流れがものすごく面白くて。こんなに競馬アツくなったのは、学生時代にダビスタ(ダービースタリオン、競馬シミュレーションゲーム)をプレイして以来ですね。
――深夜ベッドでYouTubeを観ている先生の姿は、想像するだけで面白いです。
唐澤 あまりにも真剣に観ていると、あっという間に朝になってしまうので、なんとか“ながら観”を意識しています。
――夜中、無音が寂しいので、テレビをつけっぱなしにするみたいな。
唐澤 いや、ラジオ感覚ですね。ここで初めて申し上げますが、実は私、大のラジオファンで。憧れの人は伊集院光さんです。
――またぶっこんできましたね。『馬鹿力』(伊集院光 深夜の馬鹿力、TBSラジオ)ですか?
唐澤 その前にニッポン放送でやっていた『オーデカ』(伊集院光のOh!デカナイト)からのリスナーです。伊集院さんを尊敬するあまり、学生時代ニッポン放送に行って、ノベルティグッズをもらったこともありました。ご本人とはすれ違ったくらいですが、本当に体が震えましたね。「荒川ラップブラザーズ」(伊集院と久保こーじのユニット)のCDも買いました。
――近頃はピエール瀧が騒動になっていますが、電気グルーヴも聞いていた?
「電気グルーヴは、伊集院さんのラジオのつながりで聞いていました。ピエール瀧さんは俳優としても素晴らしいし、復帰してほしいですね。伊集院さんの“トーク一本勝負!”というスタンスが、一番琴線に触れていたんです」
――ラジオ詳しいんですね……。
唐澤 ラジオネタならいくらでも話せますよ! 伊集院さんがテレビのゴールデンに出演し始めた時には、なんか自分の親戚がテレビに出ているくらいの気持ちで、いつも応援していました。この間、大竹まことさんの『ゴールデンラジオ!』(文化放送)に出させていただいたのですが、この番組も受験時代に聞いていて、出るときとても緊張しました。大竹まことさんは、ラジオの印象と同じでとても知的で素敵な方でした。
――今日イチ笑顔が輝いています。ところで先生、ちょっと痩せました?
唐澤 ………(数秒の沈黙後)あれ、気付きました?
――いや、そういうのマジで要らないです。
唐澤 サイゾーの影響か炎上も大分落ち着きがあるものになりまして、そのことからくる精神面の安定からか、過食がなくなりました。以前は深夜にラーメンを食べてしまうこともありましたが。
――事務所の近くには「ラーメン二郎」もありますが、ジロリアンだったり?
唐澤 二郎は神保町の二郎とインスパイア系しか食べていないので、語っちゃいけない気がします。自分は家系派ですね。六角橋にあった「六角家」とか。あ、最近は蒲田にある「ニュータンタンメン」にも通っています。
――カロリー自体はあまり意識していないようですね。では最後に、読者の方に伝えたいことはありますか? マウスの持ち方(※「唐澤 マウス」でご検索ください)についてとか。
唐澤 マウスネタを引っ張りますね……。実はサイゾーは、愛読書の一つなんです。そこで、恐れ多いですが、次はサイゾーさんから本を出したいです! そのためには、是非、連載をいただけましたら幸いです。
――むむ、そうきましたか。サイゾーで連載をするということは、どういう覚悟が必要だか分かっていますか。本を出すとなれば、握手会やトークイベント、サイン会をしたりとか、なんでもやってもらいますよ?
唐澤 ということは、OKということですか。
――(会場に殺害予告がきたらどうしよう……)えー、こちらが「ブーメラン」になりそうなので、要検討とさせていただきます。そして今回もありがとうございました! またのご登場に期待しております!! (取材=編集部)
余談
- この取材に応じた尊師は明らかに痩せており、「シナシナ尊師」などと渾名されることとなった。
- 取材ではドルオタ疑惑や逆さマウスについても質問されたことから、記者はガチの教徒なのではないかという説も話題になった。