「Twitter逮捕歴削除請求裁判」の版間の差分
>へっきへ金融 (→評価・反応) |
>チー二ョ (→評価・反応) |
||
424行目: | 424行目: | ||
*船越雄一 - [[中澤佑一]]の事務所同僚。今回の判例を解説しGoogleの削除と今回の草野裁判長の補足意見を表でわかりやすくまとめられている。 | *船越雄一 - [[中澤佑一]]の事務所同僚。今回の判例を解説しGoogleの削除と今回の草野裁判長の補足意見を表でわかりやすくまとめられている。 | ||
*最所義一<ref>{{Archive|https://minatokokusai.jp/attorney/ysaisho/|https://archive.ph/jiVcn|弁護士一覧}}</ref>(港国際法律事務所) - 事務所のブログで今回の判例を解説。 | *[[パカ弁#その他のパカ弁|最所義一]]<ref>{{Archive|https://minatokokusai.jp/attorney/ysaisho/|https://archive.ph/jiVcn|弁護士一覧}}</ref>(港国際法律事務所) - 事務所のブログで今回の判例を解説。 | ||
<div class="toccolours mw-collapsible mw-collapsed"> | <div class="toccolours mw-collapsible mw-collapsed"> | ||
{{archive|https://minatokokusai.jp/blog/14479/|https://archive.ph/vY6Bq|ツイッターの逮捕歴に関する最高裁判決}} | {{archive|https://minatokokusai.jp/blog/14479/|https://archive.ph/vY6Bq|ツイッターの逮捕歴に関する最高裁判決}} |
2022年8月25日 (木) 18:17時点における版
Twitter逮捕歴削除請求裁判とは、過去の犯罪歴の消去を求めた、いわゆる忘れられる権利についてTwitter社と弁護士田中一哉との法廷闘争である。
概要
正式の名称は令和2年(受)第1442号 投稿記事削除請求事件[1]。
女湯の脱衣所に侵入したとして建造物侵入容疑で逮捕された男が、面接の際に逮捕歴が判明して不採用になったなどの不利益を被ったとしてTwitter上の逮捕歴を削除させるためTwitter者を相手取り起こした裁判で、田中一哉が代理人を務めた。 パカ弁らが注目する非常に重要な判例となった。 Twitterを利用している他の弁護士や、表現の自由と規制、誹謗中傷問題に一過言あるハセカラファミリーらも次々とコメントし、最高裁判決は教徒も傍聴している。
一方、恒心教の真理の御魂 最聖 唐澤貴洋尊師は立花孝志の応援に心血を注いでおり、2022年6月27日現在一切本件に関するコメントを残していない。 誹謗中傷被害者として常にSNSの誹謗中傷問題を語り、ネットに強い弁護士と名乗り続けてきた自身のアイデンティティも忘れてしまったようである。はっきり言って異常だ。
発端
熱湯対策のため伏字で掲載しようと思っていましたが、熱湯が本事件について語る5ちゃんねるの投稿を削除させたり[2]、渦中の人物がマヨケーに削除要請したりしたようなので本名を開示します。かかってこいや熱湯 |
「おかしな人がいる」女湯の脱衣場侵入容疑で男逮捕 仙台・作並温泉 2012.4.16 10:18 - 産経新聞[3] 宮城県警仙台北署は16日、ホテルの女湯の脱衣場に入ったとして建造物侵入の疑いで山形市平清水、会社員、鈴木文刀容疑者(27)を逮捕した。 逮捕容疑は15日午後3時半ごろ、仙台市青葉区の作並温泉にあるホテルの女湯の脱衣場に侵入したとしている。 同署によると、鈴木容疑者は昼すぎに1人で入館。女性客が脱衣場内を歩いている同容疑者を見つけ「おかしな人がいる」とフロントに通報した。 鈴木容疑者は調べに「今は何も話したくない」と話しているという。
2012年4月16日、山形市の会社員鈴木文刀[4]は仙台作並温泉の女湯脱衣所に侵入し逮捕、罰金刑を受けた。本ツイートはその事件を報じた読売新聞の記事を拾ったbotである。
https://twitter.com/t_rrichness/status/191713876113489920(魚拓) |
---|
今日のニュース☆ 「おかしな人がいる」女湯の脱衣場侵入容疑で男逮捕 仙台・作並温泉: 宮城県警仙台北署は16日、ホテルの女湯の脱衣場に入ったとして建造物侵入の疑いで山形市平清水、会社員、鈴木文刀容疑者(27)を逮捕した。 http://bit.ly/HHidW9[リンク切れ] |
逮捕により職場を解雇された鈴木文刀は就職活動を行ったが、過去の犯罪歴がネットに掲載されたことが原因で、就職がままならず現在は家業を手伝っていると最高裁判決文にある。 また、鈴木文刀は事件後結婚したが、犯罪歴を隠しており、現在でも結婚相手は事件のことを知らないと言う。
このように逮捕歴がネット上にデジタルタトゥーとして残っていることにより生活に支障をきたすとして、鈴木文刀は田中一哉弁護士に対応を依頼、ニュース記事の削除には成功したものの、Twitterは投稿記事削除に応じなかったため裁判を提起した。
一審・東京地裁
2019年10月12日の第一審の東京地裁(投稿記事削除事件 平成30年(ワ)66号)において、谷口安史裁判長は「逮捕から期間が経過し、公表の公益性は相当減少している」「公表されない法的利益は、公表を続ける必要性に優越する」として削除という判断を下した[5]。(田中一哉側の勝利)
ツイッターに削除命令 逮捕歴表示「プライバシー侵害」(魚拓) - 朝日新聞
短文投稿サイト「ツイッター」の検索で約7年前の逮捕歴が表示され、人格権を侵害されたなどとして、北日本の男性が削除を求めた訴訟の判決で、東京地裁(谷口安史裁判長)は11日、「プライバシーを違法に侵害している」と認め、ツイッター社にツイートを削除するよう命じた。
検索結果の削除の是非をめぐっては、最高裁が2017年の決定で、グーグルなどの検索サイトは独自の方針に沿った結果が表示されるため表現行為の側面があり、情報流通の不可欠な基盤にもなっていると指摘。プライバシーを公開されない利益については、「検索サイトの表現の自由と比べ、明らかに優越する時に削除が認められる」との判断を示した。
地裁判決は、ツイッターの検索について「投稿日時の順に表示しているにすぎない」と指摘。検索サイトが持つ表現行為という側面はないとし、「情報流通の基盤になっているとまではいえない」と判断した。ツイッター上の情報の削除のハードルは、検索サイトより低いことを示した形だ。
その上で、男性の逮捕歴が公表され続ける場合とされない場合の利益を比較。逮捕から約7年が過ぎ、当時、大きく取り上げられた事件でもないことなどから、公益性は低いと指摘。男性の新生活の平穏や更生が妨げられないよう保護されるべきだとし、「ツイッターの伝達される範囲は限られるとしても、公表されない場合の利益が優越する」と判断した。
男性は約7年前に建造物侵入罪で逮捕され、罰金刑を受けた。マスコミに実名で報道された記事を引用したツイートが複数投稿されており、ツイッターで男性の名前を検索すると、逮捕歴がわかる内容が表示され、就職活動や交友関係に支障が出ていたという。
ツイッター社側の代理人弁護士は「コメントできない」としている。(新屋絵理)
弁護士ドットコムでは、田中のインタビューも含め2017年のグーグル等検索サイト削除事件[6]の判決基準との違いを具体的に説明している。
逮捕歴ツイート、削除命じる 裁判所が示した「ツイッター」と「グーグル」の違い(魚拓) - 弁護士ドットコム
ツイッターの検索で過去の逮捕歴が表示され、人格権などが侵害されたとして、男性が関連するツイートの削除を求めた訴訟の判決で、東京地裁(谷口安史裁判長)は10月11日、ツイッター社にツイートの削除を命じた。
検索結果の削除をめぐっては、最高裁が2017年1月の決定で、検索結果を表示することの社会的な意義などと比較したうえで、「プライバシー保護の利益が優越することが明らかな場合に削除を求めることができる」という判断基準を示している。
代理人の田中一哉弁護士は「グーグルなど検索事業者以外のウェブサイトについて、より緩和した要件での削除基準を示した画期的な判決。検索事業者といちウェブサイトであるツイッターとではサービスの質が違うと認定したことが判断の分かれ目だった」と話す。
●裁判所の判断は?
判決によると、男性は約7年前、建造物侵入罪で逮捕され、罰金10万円の略式命令を受けた。今回削除請求していたのは、男性の逮捕を報じる記事と引用元URLが貼られた19のツイート[7]。いずれも男性の名前を引用してツイートしており、ツイッターで検索すると検索結果として表示された。
現在、引用元の報道記事はいずれも削除されており、グーグルで男性の名前を検索しても、検索結果として表示されることはない状態だった。
裁判所は、まず過去の逮捕歴について「みだりに事実を公表されないことについて法的保護に値する利益がある」とした上で、罰金刑の場合は罰金を納めたあと5年の間に再び罰金刑や懲役刑を科されず、刑が消滅(刑法34条の2第1項後段)したことなどを考慮し、「新しく形成している社会生活の平穏を害され、その更生を妨げられない利益がある」と示した。
「時間の経過によって表現内容が違法と判断されることになると、投稿者に監視義務を課すことになり、表現行為に対する萎縮効果をもたらす」というツイッター社側の主張については、「インターネットの投稿記事に関しては、それが容易に閲覧可能な状態に置かれ続ける限り、新たな投稿がされた場合と別に解釈するべき理由はない」と却下した。
裁判所は次に、ツイッターの役割や性質などについて整理した。
ツイッターの投稿が削除される場合、「投稿者の表現の自由を制約するだけでなく、公衆による情報発信や入手にも制約が及ぶ」と指摘。
一方で、ツイッター社は、インターネット上のウェブサイトであるツイッターにおいて「利用者の投稿記事を網羅的に収集して投稿日時の順に表示」しており、利用者が一定の情報を入力して検索をした場合には、「入力した情報と一致する投稿記事を投稿日時の順に検索結果として提供しているに過ぎない」と認定。
「グーグルなどの検索事業者による検索結果の提供のような表現行為という側面は認められない」とし、「インターネットを利用する者にとって必要不可欠な情報流通の基盤となっているとまではいえない」と判断した。
その上で、ツイッターに投稿された前科などプライバシー情報に関するツイートを削除できる場合については、
(1)事実の性質および内容
(2)事実が伝達される範囲と申立人の具体的な被害の程度
(3)申立人の社会的地位や影響力
(4)ツイートの目的・意義
(5)ツイートが掲載された時の社会的状況とその後の変化
(6)その事実を記載する必要性
など、事実を公表されない法的利益と、ツイッターの公表が継続される理由とを等価的に比較衡量して、「公表されない法的利益が優越する場合」に削除が認められるとした。
これらを踏まえた上で、今回の逮捕事実に関するツイートについて検討。
男性の逮捕事実について「社会の強い非難の対象とされるべき事実」とし、ツイートで公表することについては「公共性および公益性が認められる」と指摘した。
一方で、逮捕からすでに約7年が経過していること、男性の逮捕について刑は消滅していること、逮捕事実が社会的に大きく取り上げられたり多数の国民の関心の対象となったりしたことはなく、「現時点については逮捕に関する事実の公共性および公益性は相当程度減少している」と判断した。
加えて、リンク先の記事は削除され閲覧できないことから「ツイートにより逮捕に関する事実の公表を継続する必要性は、相当程度低下している」と指摘。
男性が公的な立場や社会的影響力のある地位についたことはなく、現在は平穏に暮らしていることを認定し、「新しく形成している社会生活の平穏を害されその更生を妨げられない男性の利益は、十分保護に値する」とした。
また、ツイートにより就職活動に支障が出るなど、男性が不利益を受けていることを認め、「公表されない法的利益が優越する」と判断した。
●ウェブサイトのプライバシー情報「削除が認められやすくなる」
2017年1月の最高裁決定では、事実を公表されない法的利益と、犯罪歴の公表が継続される理由とを比較衡量して、「公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」に削除が認められるとした。
これに対し今回の裁判所は「明らかな」という厳格な要件を外し、「公表されない法的利益が優越する場合」とより緩和した要件で削除を認めた。
田中弁護士は「グーグルの逮捕歴の削除は、優越することが『明らか』であることの立証がとても難しく、削除は著しく困難だった」と指摘。
「ウェブサイトに対する逮捕歴の削除請求でも、このグーグルの削除判断枠組みを用いられることがあった」といい、今後の影響について「裁判所はツイッターについて、情報流通の基盤ではなく、ただのウェブサイトにすぎないと判断し、削除要件を緩和した。今後ウェブサイトに関するプライバシー情報の削除が認められやすくなる可能性がある」と話した。
二審・東京高裁
Twitter社はこれに控訴。2020年6月29日、第二審の東京高裁(投稿記事削除請求控訴事件 令和元年(ネ)4733号)は、Twitterが全世界で6番目にアクセスが多いサイトで情報流通の基盤として大きな役割を果たしているという事実を認め、公表の利益と比べてプライバシーの保護が明らかに優越するとはいえないことから投稿の削除請求を退け、田中一哉側は逆転敗訴となった[8]。(Twitter側の勝利)
逮捕歴ツイート、削除認められず 男性が逆転敗訴 東京高裁(魚拓) - 弁護士ドットコム
ツイッターの検索で過去の逮捕歴が表示され、人格権などが侵害されたとして、男性がツイッター社にツイートの削除を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(野山宏裁判長)は6月29日、削除を認めないとする原告逆転敗訴の判決を言い渡した。
一審は、ツイッターの役割や性質などについて整理したうえで、グーグルなど検索事業者よりも緩和した要件での削除基準を示し、ツイートの削除を認めていた。一審判決を不服として、ツイッター社が控訴していた。
男性の代理人をつとめる田中一哉弁護士は「『明らか』という削除基準がついたことについては不当。グーグルとツイッターの違いというのが十分に理解してもらえなかったというのが原因ではないか。グーグル検索結果の削除をめぐる最高裁判決自体が、検索事業者限定のものであることが十分理解されていないと思う」と話した。
●高裁の判断は
男性は2012年に建造物侵入罪で逮捕され、罰金10万円の略式命令を受けた。今回削除請求していたのは、男性の逮捕を報じる記事と引用元URLが貼られたツイート。いずれも男性の名前を引用してツイートしており、ツイッターで検索すると検索結果として表示された。
現在、引用元の報道記事はいずれも削除されており、グーグルで男性の名前を検索しても、検索結果として表示されることはない状態だった。 高裁判決は、ツイート削除の判断基準について、 (1)事実の性質および内容 (2)事実が伝達される範囲と申立人の具体的な被害の程度 (3)申立人の社会的地位や影響力 (4)ツイートの目的・意義 (5)ツイートが掲載された時の社会的状況とその後の変化 (6)その事実を記載する必要性 など、事実を公表されない法的利益と、ツイッターの公表が継続される理由とを比較衡量した結果、「事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」に削除が認められるとした。
その上で、今回の逮捕事実に関するツイートについて、男性の逮捕事実は「公共の利害に関する事実にかかり、公益目的に出たもの」と指摘。
ネット上の実名報道記事はすでに削除されており、ツイッター検索の利用頻度はグーグル検索ほど高くないこと、他の検索サイトでは投稿記事の検索ができず具体的な不利益を受ける可能性が低下していることなどと比較し、「不利益を受ける可能性は残るものの、事実を公表されない法的利益が優越することが明らかであるとはいえない」と結論づけた。
検索結果の削除をめぐっては、最高裁が2017年1月の決定で、検索結果を表示することの社会的な意義などと比較したうえで、「プライバシー保護の利益が優越することが明らかな場合に削除を求めることができる」という判断基準を示している。
最高裁判所
2022年4月6日、最高裁は上告審の弁論期日を5月27日に指定。高裁判決の見直しが行われる可能性が高くなった。
逮捕歴のツイッター投稿 削除認めない判決見直しか(魚拓) - 日経新聞
東北地方の男性が米ツイッター社に過去の逮捕歴を巡る投稿の削除を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は6日、上告審の弁論期日を5月27日に指定した。男性の請求を棄却し、削除を認めなかった二審・東京高裁判決が見直される可能性がある。
インターネット上の犯罪歴の削除については、最高裁が2017年に検索サイトのグーグルの表示を巡る仮処分の決定で、プライバシー保護が情報公表の利益に比べて明らかに優先する場合に削除できるとする厳しい基準を示していた。
20年6月の二審判決はツイッターについて「情報流通の基盤として大きな役割を果たしている」などと指摘。公表の利益と比べてプライバシーの保護が「明らかに優先するとはいえない」と認定し、最高裁が示した考え方に沿って原告側の請求を退け、削除を認めなかった。
19年10月の一審判決はツイッターについて「ウェブサイトの一つにすぎず、情報流通の基盤とまではいえない」として、投稿の削除を命じていた。
一、二審判決によると、原告の男性は12年に建造物侵入容疑で逮捕され、罰金の略式命令を受けた。男性は罰金納付後も氏名などを明示した投稿がツイッター上に残り、交友関係などに支障が出たと訴えている。
2022年5月27日の弁論では、裁判官の心を動かすような田中の弁論が見られたことを、傍聴した神田弁護士[9]と中澤弁護士[10]が自身のTwitterで報告している。
2022年6月24日の上告審で最高裁の草野耕一裁判長は、高裁判決を棄却しツイートの削除を命じる決定を下した(田中一哉側の勝利)[11]。この判決に関して複数のメディアが報道している。また、教徒による傍聴報告もあるので併せて掲載する。
逮捕歴の投稿削除認めず、プライバシー保護か公表利益か 東京高裁(魚拓) - 毎日新聞
建造物侵入容疑で2012年に逮捕された男性が、ツイッター上に残る逮捕記事の投稿を削除するよう米ツイッター社に求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は24日、削除を認めなかった2審判決を破棄し、削除を命じる判決を言い渡した。ツイッター社の逆転敗訴が確定した。 男性側は訴訟で、実名入りの逮捕記事の投稿がツイッター上に残ることは、更生を妨げられない利益やプライバシー権の侵害に当たると主張。これに対し、ツイッター社側は「投稿は独自の表現行為で、これを削除することは表現の自由や知る権利に関わる。削除されるべきではない」と反論していた。 最高裁は17年、グーグルなどの検索サイトに対する検索結果の削除請求について「公表されない利益が、公表される利益に明らかに優越する場合には削除が認められる」との判断基準を示している。 今回のツイッターを巡る訴訟では、1審・東京地裁判決(19年10月)が「ツイッターは必要不可欠な情報流通基盤とは言えず、検索サイトとは異なる」として、より緩やかな基準で削除を命じた。しかし、2審・東京高裁判決(20年6月)は17年に示された最高裁の基準を当てはめ「(記事投稿を)公表されない利益が、公表される利益を明らかに優越するとは言えない」として男性側の逆転敗訴とした。【遠山和宏】
逮捕歴がわかるツイート、削除命令 最高裁初判断、検索エンジンよりも基準緩和(魚拓) - 弁護士ドットコムニュース
ツイッターの検索で過去の逮捕歴が表示され人格権などが侵害されたとして、男性がツイッター社にツイートの削除を求めた訴訟の上告審判決が6月24日、最高裁第二小法廷であった。草野耕一裁判長は、削除を認めなかった2審判決を破棄し、ツイートの削除を命じた。 検索結果の削除をめぐっては、最高裁が2017年1月の決定で、「個人のプライバシー情報が公表されない利益と、これを検索結果として提供する理由に関する諸事情とを比較衡量して、前者が優越することが明らかな場合に削除を求めることができる」(いわゆる「明らか基準」)という判断基準を示している。 最高裁はツイッターについて、検索エンジンよりも緩和した削除基準を初めて示した。原告代理人の田中一哉弁護士は「こちらの主張が完全に認められた。 2017年の決定が検索エンジンに特有のものであり、その射程が検索エンジンに限られているということがよりはっきりしたと思う」と評価した。 また、他のサイトへの影響について「ツイッターのように公益性、公共性が高いと認められるサイトについてさえ、検索エンジンのような厳格な基準が採用されなかった。より公益性が低い一般のウェブサイトやSNSについても、今回と同様の基準が採用されると考えられる」と話した。 ●裁判の概要 男性は2012年に建造物侵入罪で逮捕され、罰金10万円の略式命令を受けた。削除請求していたのは、男性の逮捕を報じる記事と引用元URLが貼られたツイート。いずれも男性の名前を引用してツイートしており、ツイッターで検索すると検索結果として表示された。 引用元の報道記事はいずれも削除されており、グーグルで男性の名前を検索しても、検索結果として表示されることはない状態だった。 争点は、いわゆる「明らか基準」がツイッターにも当てはまるのかどうか、ツイッターは最高裁決定がいう「インターネット上の情報流通の基盤」と評価できるか——だ。 一審の東京地裁は、ツイッターの役割や性質などについて整理したうえで、グーグルなど検索事業者よりも緩和した要件での削除基準を示し、ツイートの削除を認めた。 二審の東京高裁は、ツイッターは「インターネット上の情報流通の基盤」と評価したうえで、「不利益を受ける可能性は残るものの、事実を公表されない法的利益が優越することが明らかであるとはいえない」などとし、削除を認めないとする原告逆転敗訴の判決を言い渡した。 ●最高裁の判断 最高裁は、ツイートによりプライバシーが侵害されたとして、人格権に基づきツイートの削除を求めることができるかどうかは、事実を公表されない法的利益と各ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に関する諸般の事情を比較衡量して判断すべきとし、以下のような判断枠組みを示した。 ・事実の性質及び内容 ・各ツイートによってその事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度 ・その者の社会的地位や影響力 ・各ツイートの目的や意義 ・各ツイートがされたときの社会的状況とその後の変化 その結果、「事実を公表されない法的利益が各ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に優越する場合には、各ツイートの削除を求めることができるものと解するのが相当である」とした。 男性の事例については、逮捕から約8年が経過し、ツイートに転載された報道記事も既に削除されていることなどから「事実の公共の利害との関わりの程度は小さくなってきている」と指摘。 ツイートが男性の逮捕当日にされたもので、ツイートは報道記事の一部を転載したもので事実を速報する目的でされたものとうかがわれ、長期間にわたって閲覧され続けることを想定してされたものであると認め難いこと、このツイートが特に注目を集めているといった事情はうかがわれないこと、男性は公的立場にないことなどから、「ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に優越するものと認めるのが相当」と結論づけた。 また、裁判長を務めた草野耕一裁判官は、3ページにわたり結論に賛成の立場で補足する意見を述べた。判決全文は最高裁HPに掲載されている。
建造物侵入容疑の逮捕歴投稿、ツイッター社に削除命令…最高裁が逆転判決(魚拓) - 読売新聞
ツイッターに投稿された逮捕歴が閲覧可能なのはプライバシー侵害にあたるとして、東北地方の男性が米ツイッターに投稿の削除を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷は24日、投稿の削除を命じる判決を言い渡した。草野耕一裁判長は、投稿の元となった記事が既に削除されていることなどを考慮し、今回のケースは削除が認められると判断した。 ツイッターに投稿された逮捕歴の削除請求に対し、最高裁が判断を示したのは初めて。裁判官4人全員一致の意見で、ツイッターの逆転敗訴が確定した。 判決によると、男性は2012年に建造物侵入容疑で逮捕され、罰金刑を受けた。逮捕を実名で報道した記事はツイッターに複数投稿され、報道機関のウェブサイトでは元の記事が削除されたものの、ツイッターでは逮捕記事の一部を転載した投稿が閲覧可能だった。 インターネット上の逮捕歴の削除を巡り、最高裁は17年1月、検索サイト「グーグル」での検索結果について、削除を認めない決定を出している。24日の判決はこの決定を踏まえ、表示される事実の性質や内容、被害の程度、ツイートの目的や原告の地位、状況の変化などを考慮し、「公表されない利益が、公表する利益を優越する場合には削除が認められる」と述べた。 その上で、今回の事件は軽微ではないものの、元の記事が既に削除されていることや、2審の結審時までに逮捕から約8年が経過していたことなどを指摘。今回の投稿は逮捕の事実を速報することが目的で、長期間にわたり閲覧されることを想定したものとはいえないとも述べ、削除を命じた。 ツイッターは、公的機関なども利用する代表的なSNS。日本国内のユーザーは17年時点で約4500万人とされる。1審・東京地裁は19年10月、投稿の削除を命じたが、20年6月の2審・東京高裁は削除を認めていなかった。 判決後、原告側代理人の田中一哉弁護士は「主張が完全に認められ、ほっとしている」と話した。一方、ツイッタージャパンは「本件についてのコメントは控える」としている。 この日の判決は、逮捕歴の削除に高いハードルを課したグーグルへの最高裁決定を踏襲しつつ、削除を認める結論を示した。 最高裁はグーグルへの決定で、削除できるのは「逮捕歴を公表されない利益が、公表される利益より明らかに上回る場合」とする厳格な基準を提示。その後、同種の裁判では、この基準を根拠に投稿などの削除を認めない判断が相次いだ。 今回の判決は、削除の可否の判断にあたり、グーグル決定で挙げられた考慮要素と同じ点を列挙した。しかし、公表されない利益が「明らかに上回る」との文言はなく、ツイッターの方が削除を認められやすくなる可能性が出てきた。 背景には、検索サイトであるグーグルが「インターネット上の情報流通の基盤」と位置付けられたのに対し、ツイッターへの投稿は速報性が重視され、長期間の閲覧を想定していないと判断されたことがある。 また、グーグル決定の逮捕歴が、社会的に強く非難される児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑事件だった点や、逮捕から削除の可否の判断までが5年だった点など、双方の事例には差異もあった。今回は投稿の元となった報道機関の記事が削除済みとの事情もある。 あるベテラン裁判官は「今回の判決は『事例判断』で、今後も削除を認めるかどうかは、逮捕からの時間の経過や投稿内容の公共性の有無などを慎重に検討することになる」と分析する。 鈴木秀美・慶応大教授(憲法、メディア法)は「削除の可否を判断する上で、投稿者の『表現の自由』や利用者の『知る権利』の保護も考慮する必要がある」と指摘。「安易に削除を認めるのではなく、裁判所やネット事業者は事例ごとに公共性を丁寧に判断する姿勢が求められる」と話した。
当職今日最高裁判所で傍聴してきましたのでレポします。 https://anonfiles.com/v093a6sdyc/_jpg https://www.courts.go.jp/saikosai/kengaku/saikousai_kijitsu/index.html 傍聴券が出ないらしいということはHPでわかっていていたが心配だったので14時10分くらいに裁判所の南門に行ったところ、外に待っている人が2人しかおらずそのうち一人はパカ弁神田だった。 (当職が誰だかばれてもエエけど神田ここ見てないやろ・・たぶん・・) 胸元に「傍聴者」というバッジを付け建物の外、そして神田の隣に30分ほど無言で本を読んだりスマホをいじったりして並んだ。 神田は身長170ちょい前位、不織布マスクの上にアンダーアーマーロゴの入った紺色のマスクを付けていてはっきり言って苦しそうだった。 神田はスマホを横にしながら縦書きの電子図書?をずっと読み、時々メールを返していた。 14時20分くらいに「がんだせんせぇ~」という声がして顔を上げてみると熱湯だった。 当職熱湯見るの初めてだけどTwitterのムッツリ画像ではなく笑顔だったのでちょっと裸の大将みたいだった。 分厚い資料が入った黒いリュックを背負っていて(弁護士にありがち)そのリュックのチャックの部分には薄黄色のお守りが付いていた。 神田は手を上げて「いよいよですね!」みたいな話をしていたが熱湯はすぐ係員に誘導されて建物の中に入っていった。 結局その後20分くらい外で待っていただろうか、人数は20人くらいになった。係員に「中に入ってください」と言われ最高裁の中に入った。 無料のロッカーに筆記用具以外の物を預け、金属探知機で検査された後見晴らしのいいロビーでしばらく待つことに。 神田は誰かと待ち合わせをしているらしく、フラフラと歩きまわっておりバッジをつけていないせいか軽く裁判所の職員に警戒されていた。 そのロビーで15分くらい待っているといよいよ法廷の中に入れることになった。 カーペットが沈むくらいふかふかで、東京地裁の打ちっぱなしコンクリの床とは全然違う、さすが最高裁判所。 神田が一番前の席に座ったので当職も神田を確認できる場所に座った。 傍聴者が全員座った後、熱湯とTwitter側の弁護士が係員に誘導されながら現れ、熱湯は神田に会釈し、神田の前に座った(おそらく神田は熱湯が座る場所を予測して席を選んだのかもしれない) 中は冷房が効いていたけれど、熱湯はけば立ったフェイスタオルでひたすら汗をぬぐったり顔を拭いたりしていた。 一方Twitter側の弁護士2人はかっちりジャケットを着こみ涼しい顔をしていた。 裁判所の係員が裁判官が入った時に立って礼をすること(これは地裁でもある)マスコミ相手にはこちらが声を掛けたら立ち退いてくれと説明していた https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220624/k10013686711000.html (所謂このシーン、まだニュースとか確認してないけどおそらく神田と当職も写っていると思う。) その時に神田が「報道陣いるんだ・・」みたいなことを呟いていた。 いよいよ裁判官が入ってきたのだが、扉が自動開閉で音もなく開いてびっくりした。 で、草野裁判長(さっきのNHKのニュースの右から2人目の人)が一字一句そのままこれを読み上げた。 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/265/091265_hanrei.pdf 神田は勝訴の瞬間「よしっ」と小さく右手でガッツポーズをしたが「控訴費用及び上告費用は、被上告人の負担とする。」までは神田も想定していなかったようでちょっと驚いていたようだった。 草野判事らが去った後、熱湯が振り返り神田に軽く手を振った。神田も「よかった」と声をかけていたが、すぐ判決文に署名作業があるようで書記官に書類を渡されていた。 そのまま傍聴人らは外に出てくださいと言われ最高裁判所の建物から出た。 そこで神田に後ろから同業者のパカ弁と思われる弁護士が声をかけてきた(顔見たことあるけど誰だか思い出せない、とりあえず総書記と清水じゃないことは確実。)実は法廷の中にいたらしい。2人を尾行することにした。 https://anonfiles.com/1eSdb5s2yb/_jpg (リュックしょってる方が神田) 2人が話をしながらずんずん進んでいくので距離を取りながら尾行したところ最高裁判所の正門にたどり着き、既にそこには多くの報道陣が詰めかけていた。 https://anonfiles.com/j9afc0s3y2/_jpg 当職も混ざりたかったが場違いオーラ半端ないので遠巻きに見守ることに 神田は知り合いの記者っぽい人(今考えると弁ドコの記者かも)と立ち話をしていた。 10分くらいたった後に熱湯が正門から現れ、法廷前インタビューとなった。 https://anonfiles.com/Peffcesdy4/_jpg (インタビューに答える熱湯の横で後ろ手を組んでいるリュックの男が神田) 正面からの写真がwikiにあったナリね https://krsw-wiki.org/wiki/?curid=15843 この写真で熱湯の横にうつむきがちに立っているのが神田である。 熱湯はひたすら報道陣にお辞儀しまくり名刺を受け取りまくりと忙しそうだった。 30分くらいインタビューしただろうか、熱湯はそれではみたいに徒歩で帰ったのだが、なぜかマスコミは神田にも囲み取材をしていた。 当職はこの後熱湯がどこへ行くのか尾行したのだが、 https://anonfiles.com/n6lecfs3yd/_JPG 普通に地下鉄で帰っていった。 とりあえず初めての最高裁判所の傍聴なかなか面白かったナリね 欲を言えばガンジョンも見たかったナリ、以上ですを。
評価・反応
統計的には民事訴訟において最高裁判所で判決がひっくり返るのは極めて稀であり、大半が受理もされず門前払いにされる。高裁の判決がひっくり返る確率については、諸説あるが1%もないとされる[13]。その意味でも田中一哉の評価が高まったと言えよう。
パカ弁らをはじめとする法曹界では田中を絶賛する声が相次いだ。
- 清水陽平 - Twitterで労いのコメント
https://twitter.com/shimziu_alcien/status/1540295711413047301(魚拓) |
---|
本日のTwitterの最高裁判決。 |
ツイッターの逮捕歴投稿、削除認める 最高裁が示した「判断基準」と「実名報道」への投げかけ(魚拓)
ツイッターの検索で過去の逮捕歴が表示され人格権などが侵害されたとして、男性がツイッター社にツイートの削除を求めた訴訟で、最高裁第二小法廷(草野耕一裁判長)は6月24日、削除を認めなかった2審判決を破棄し、ツイートの削除を命じた。
逮捕歴などの検索結果の削除をめぐっては、最高裁は2017年1月の決定で、個人のプライバシー情報が公表されない利益が、検索結果として提供する理由よりも「優越することが明らかな場合」(いわゆる「明らか基準」)に削除が認められるという判断基準を示している。
最高裁は今回、ツイッターに関して、検索エンジンよりも緩和した形での判断基準を初めて示した。判決のポイントや今後の影響について、インターネットの権利侵害問題にくわしい中澤佑一弁護士に聞いた。
●地裁と高裁は削除命令を出しやすくなる
——今回の最高裁判決をどのように評価しますか。
公平で正当な規範が示されたと受け取っています。
——逮捕歴に関するツイート削除について、これまで裁判所の判断はどのような傾向でしたか。
2017年のグーグル最高裁決定以降、裁判所は逮捕歴削除に関して非常に慎重でツイッターに対する事案でも慎重な判断が多くありました。中には、不起訴事案であるにもかかわらず削除を認めないものもありました。
——今後にどのような影響がありますか。
2017年のグーグル最高裁決定以降、削除を過度に抑制的に考えてきた下級審裁判所も、今回の判決を受けて、削除命令を出しやすくなると思われます。 また、削除すべきか否かの判断基準と考慮要素も明確になり、裁判実務はスムーズになると思います。
●ウェブサイト一般に適用される基準に
——ツイッター以外のSNSやサイトにも影響は及ぶのでしょうか。
この最高裁判決は、検索事業者以外のウェブサイト一般に適用される基準ですので、今後はこの判例の規範に沿って削除請求をすることになります。 2017年のグーグル最高裁決定以降、「明らか」基準を適用して削除を認めない例が多くあったため、より削除請求が認められやすくなると思われます。
——裁判長を務めた草野耕一裁判官は、3ページにわたり結論に賛成の立場で補足する意見を述べました。実名報道についての言及もあります。
実名報道について、メディア側は公益性などを主張しますが、補足意見では、実際はそのような公共性ゆえに求められているのではなく悪趣味な志向に応えているに過ぎない、ということが指摘されています。 実名報道による不利益がインターネットの普及によって爆発的に高まっています。警察やメディアは従前と変わることなく実名報道をしていますが、現在の実態に即して、そこまでの不利益を与えてまで行うべきことなのか、という観点から、今一度実名報道の意味を再検討する時期に来ているのだろうと思います。 なお、今回の判決を2017年のグーグル最高裁決定と比較すると、「明らか」という文言が削除されたのに加え、比較衡量の考慮要素として2017年が挙げた「記事等において当該事実を記載する必要性」が削除されています。 事実を記載する必要性は考慮しなくてよいということになり、補足意見だけではなく法廷意見も実名報道の必要性に疑問を投げかけているようにも思えます。
●判決全文
2017年のGoogle判決との相違点を説明。今後の削除がスムーズになる見通しは、パカ弁らにとって朗報とのこと。
- 山岡裕明 - 日経新聞にコメント(全文は日本経済新聞#最高裁、逮捕歴の投稿削除命令 原告側「悩む人救済」(2022年6月24日)を参照)
最高裁、逮捕歴の投稿削除命令 原告側「悩む人救済」(魚拓) - 日経新聞 SNS投稿の削除などに詳しい山岡裕明弁護士は「事業者がどのような基準で削除要請に対応するかはなお曖昧さが残っている。今後も判例を積み重ね、明確な救済基準を確立させていく必要がある」と話した。
「判例を積み重ね、明確な救済基準を確立」とあるが、前科があるだけに削除基準を積み重ね、何かのwikiやカラケーに法的措置をとってくる可能性もある。
- 山口貴士 - Twitterでコメント
https://twitter.com/otakulawyer/status/1540817739056807936(魚拓) |
---|
Twitterの速報性を理由にしてますから、前科前歴をウェブページで公開するのは、この判決の射程外なので、直ちにNGにはならなさそう。罪名、判決、犯行の性質(例えば同じ建造物侵入罪でも盗撮・覗き目的とビラ巻き目的では公共性は違う)を慎重に考える必要はありますが。
|
一口に建造物侵入罪と言っても背景は異なるため、過去の前科前歴の公開が一気に削除対象となるわけではないという見方のようだ。
今回は最高裁で逆転勝訴した案件という希少性の他にも、草野裁判長の補足意見についても、各自がそれぞれコメントしている
- 北周士 - 草野裁判長の補足意見を転載ツイートしバズる(北本人の文章では無いので注意)
https://twitter.com/noooooooorth/status/1540257528797224960(魚拓) |
---|
本日の最高裁判決。補足意見が強烈。 |
https://twitter.com/noooooooorth/status/1540258646487089153(魚拓) |
(わが国には、古来「隣りの不幸は蜜の味」と嘯くことを許容するサプカルチャーが存在していると説く社会科学者もいる。)、実名報道がインターネット上で拡散しやすいとすれば、その背景にはこのような人間の心性が少なからぬ役割を果たしているように思われる」 |
https://twitter.com/noooooooorth/status/1540260874614874112(魚拓) |
「犯罪に対する制裁は国家が独占的に行うというのが我が国憲法秩序の下での基本原則であるから、実名報道の制裁的機能が生み出す効用を是認するとしても、その行使はあくまで司法権の発動によってなされる法律上の制裁に対して付加的な限度においてのみ許容されるべきものであろう。 |
https://twitter.com/noooooooorth/status/1540260926234173441(魚拓) |
したがって、本事件のように、刑の執行が完了し、刑の言渡しの効力もなくなっている状況下において、実名報道の制裁的機能がもたらす効用をプライバシー侵害の可否をはかるうえでの比較衡量の対象となる社会的利益として評価する余地は全くないか、あるとしても僅少である。」 |
この草野判事の補足意見は、今までの実名報道を是とする社会的情勢からかなり踏み込んだ表現がされている。「苦しみを想像することに快楽を見出す人の存在」や「人間には他人の不幸に嗜虐的快楽を覚える心性がある」等は教祖も教徒も心当たりがあるのではないだろうか。この補足意見は今後の事件の実名報道の在り方についても影響を及ぼす一つの判断になることは(間)明白である。
- 船越雄一 - 中澤佑一の事務所同僚。今回の判例を解説しGoogleの削除と今回の草野裁判長の補足意見を表でわかりやすくまとめられている。
弁護士の最所です。
令和4年6月24日に、ツイッターの逮捕歴に関する最高裁判決の言渡がありました。原告訴訟代理人は、サイバーアーツ法律事務の田中一哉先生です。
田中一哉先生は、これまでにも、グーグルやTwitterを始めとする、海外法人に対する裁判上の対応を数多く手がけられてきた、まさに、インターネット問題に関する第一人者の先生です。 犯罪歴に関する削除については、特に平成29年最高裁判決以降、感覚として、非常に厳しくなったという印象があります。
これは、平成29年判決で最高裁が判示した「当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」という基準が、本来、検索事業者を対象とする場合に限定された基準であるにも拘わらず、基準自体が一人歩きして、犯罪歴に対する削除を求める場合の基準として用いられてしまっていたためです。
この影響を、身をもって体験され、裁判所から煮え湯を飲まされ続けていたのが、田中一哉先生です。田中一哉先生は、そんな裁判所に対して、何度裏切られても、裁判所を信じて、これまでも、闘ってこられていました。
今回の事件も、平成29年最判の基準は、検索事業者に限定されたものだということを地裁段階から主張され、地裁においてその主張が認められたにも拘わらず、東京高裁は、「当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」に該当しないとして、逆転敗訴の判決を出したのです。
平成29年最判を普通に読めば、それが検索事業者についての判断であることは明確に分かります。
それにも関わらず、今回の原審である東京高裁を始め、多くの裁判所は、最高裁が犯罪歴の削除に関する判断を示した基準であると妄信し、犯罪歴の削除を、頑なに否定してきました。
今回の判決でも、平成29年判決は引用されています。その上で、「当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合」という基準を採用しないと明言しました。最高裁は、平成29年最判の基準は、検索事業者に限定されたものであることを明らかにしたといえます。
さらに、ツイッターの検索機能について「上告人の氏名を条件としてツイートを検索すると検索結果として本件各ツイートが表示されるのであるから、本件事実を知らない上告人と面識のある者に本件事実が伝達される可能性が小さいとはいえない。」として、プライバシー侵害の程度が高いことの理由付けとして用いています。
これは、東京高裁が、ツイッターを(検索事業者と同様に)情報流通の基盤であると判断したことを否定した理由であるとも取れます。
いずれにしても、今回の最高裁判決によって、今後は、過去の軽微な犯罪歴が残り続けることで、更生の利益が侵害され続ける状況を是正することができるきっかけとなるでしょう。
また、今回、最高裁は、プライバシー権に基づく、削除、すなわち、表現行為の差止を認めています。これまで、最高裁が、プライバシー権侵害だけで、明示的に、人格権に基づく差止を認めた事例はなかったはずです。今回の規範を見ると、損害賠償請求の事案であるノンフィクション逆転事件の規範と基本的に同じ規範が用いられています。差止の規範と、損害賠償の規範について差異を設けることなく、同じ規範で判断された、その意味でも、今回の最高裁判決の意義は非常に大きいと思います。
今回の判決では、草野耕一裁判官の補足意見が述べられています。この補足意見のインパクトは非常に大きく、よくここまで言ってくれたと思っています。
補足意見では、判決で示された規範に、本件事案の事情を詳細にあてはめ、インターネットが発達した現代における実名報道の必要性について正面から論じています。公的立場にない人に対する実名報道の必要性自体を否定しているように思えます。
「刑の執行が完了し、刑の言渡しの効力もなくなっている状況下において、実名報道の制裁的機能がもたらす効用をプライバシー侵害の可否をはかるうえでの比較衡量の対象となる社会的利益として評価する余地は全くないか、あるとしても僅少である」
「実名報道がなされることにより犯罪者やその家族が受けるであろう精神的ないしは経済的苦しみを想像することに快楽を見出す人の存在を指摘せねばならない。人間には他人の不幸に嗜虐的快楽を覚える心性があることは不幸な事実であり(わが国には、古来「隣りの不幸は蜜の味」と嘯くことを許容するサブカルチャーが存在していると説く社会科学者もいる。)、実名報道がインターネット上で拡散しやすいとすれば、その背景にはこのような人間の心性が少なからぬ役割を果たしているように思われる(この心性ないしはそれがもたらす快楽のことを社会科学の用語を使って、以下、「負の外的選好」といい、負の外的選好をもたらす実名報道の機能を、以下、「実名報道の外的選好機能」という。)。しかしながら、負の外的選好が、豊かで公正で寛容な社会の形成を妨げるものであることは明白であり、そうである以上、実名報道がもたらす負の外的選好をもってプライバシー侵害の可否をはかるうえでの比較衡量の対象となる社会的利益と考えることはできない(なお、実名報道の外的選好機能は国民の応報感情を充足させる限度において一定の社会的意義を有しているといえなくもないが、この点については、実名報道の制裁機能の項において既に斟酌されている。)。」
この草野耕一裁判官の補足意見は、これから、きっと、多くの研究者の論文でも引用され、今後の裁判だけではなく、社会にも重大な影響を及ぼすことになるでしょう。
田中一哉先生は、最高裁の弁論で、「最高裁の判決が、更生の意思ある者に、やり直しの機会を与える端緒になるよう希望します」と述べられました。この言葉に、田中一哉先生の思いが集約されています。この言葉が、最高裁判事の心に刺さったのだと思います。
田中一哉先生の強い信念と長年にわたる地道な努力に、最高裁が応えてくれた、令和4年6月24日は、最高裁が少数者の人権保障の最後の砦であることを、改めて確認出来た記念日です。
最高裁で傍聴した田中の弁論と、判例と共に寄せられた草野裁判長の補足意見を絶賛。
- 髙橋裕樹 - 自身のYouTubeチャンネルにて前後編に分けて解説
- 最高裁『犯罪者の実名報道やめろ』 驚愕の判決を弁護士解説 前編 - 今回の裁判の流れを解説
- 最高裁『犯罪者の実名報道やめろ』 驚愕の判決を弁護士解説 後編 - 草野裁判長の補足意見を軸に解説
高橋は草野裁判長の意見に同意しつつも「社会防衛機能」という面から国会で議論し実名報道のガイドラインを作成すべきではないかと訴えている。
- 高野隆 - 高橋克也やカルロス・ゴーン、東名高速夫婦死亡事故の裁判を手掛けた"刑事裁判のレジェンド"は、今回の判決を「今後の日本の表現の自由に悪影響を与える判断」と断罪した。
最高裁の逮捕歴ツイート削除命令、刑事弁護のレジェンドがかみついた「結局は愚民思想だ」(魚拓) - 弁護士ドットコム
ツイッターの検索で過去の逮捕歴が表示され、人格権を侵害されたとして、削除を求めていた裁判の上告審で、最高裁は6月24日、削除を認めなかった二審判決を破棄して、ツイッター社に削除命令を出した。
この判決に賛成する補足意見として、草野耕一裁判官は、実名報道について、「隣の不幸は蜜の味」という言葉を用いて、「人間には他人の不幸に嗜虐的快楽を覚える心性があることは不幸な事実」だとして、否定的な見解を示した。
この判決を通じて、改めて実名報道について注目が集まったが、弁護士たちはどう考えているのか。刑事弁護で多くの実績がある高野隆弁護士は「前科や逮捕歴はプライバシーじゃない。今後の日本の表現の自由に悪影響を与える判断だ」「結局は愚民思想」と、強く批判している。
●高野弁護士「前科や逮捕歴はパブリックレコード」
この発言は、7月5日におこなわれた弁護士ドットコムのオンラインイベント「裁判報道の裏側~メディアと弁護士の攻防」の中で出た。
高野弁護士は次のように最高裁判決を批判した。
「前科や逮捕歴はパブリックレコード、公的記録の典型例だと思うんですね。それは誰でもアクセスできなければいけないと思っています。
ところが、『逆転』事件(編集部注:傷害致死事件を描いたノンフィクション作品『逆転』で、実名で前科を書かれた人物が、著者に対して訴訟を起こし、1994年に最高裁がプライバシー侵害を認めた)というのがあって、被告人を実名で書いて、前科は他人に知られたくない情報だから保護されるべきだと言って、著者に不法行為責任を認めた。これが一つのルールになってしまいました。知られたくないことは全部プライバシーなんだということです。
しかし、逮捕や捜査といった、国家権力の機構の中核部分に関わるものは、プライバシーと言ってはいけないと思います。
今回の最高裁判決は、『逆転』事件判決と同じぐらい、今後、報道の自由に対する大きな萎縮効果をもたらすんじゃないかなと思います」
●亀石弁護士「デジタルタトゥーは残り続ける」
これに対して異論を唱えたのが、大阪府警GPS捜査違法事件の弁護人などとして知られる亀石倫子弁護士だ。
「前科の情報が、ネット上にずっとデジタルタトゥーという形で残り続けて、更生して新しい人生を送ることを阻害しているということで削除請求がされて、忘れられる権利のような形で主張されています。今の日本社会で、デジタルタトゥーとして残り続けることによって受ける弊害を考えると難しいなと思っています。『消したい』ということもわかります」
ところが、高野弁護士は止まらない。
「まずね、現実の社会生活に障害が出るのかってことなんですよね。要するに『逆転』事件の判決もそうですけれども、結局、裁判所がおもんぱかったのは、その人は既に東京に来ていて、家庭を持っていて、別の仕事をしている。その人の生活空間の中の平和を守る必要があるんだ、ということです。
今回の逮捕歴についても同じような事実関係だと思うんですね。それによって何か攻撃をされたりということではなくて、逮捕歴や前科を周囲の人に知られずに生活している環境を守るんだという意味合いですよね。私はね、それはパブリックレコードへの市民のアクセスを否定する理由にはならないだろうと思うんです。 逮捕された、あるいは有罪判決を受けたっていうのは事実であり、しかも犯罪に関わる国家権力の行使に関わる出来事ですから、それをプライベート・ライフっていうのはもう明らかに間違ってる。
みんながアクセスできる情報の一部であって、それを前提にね、社会を組み立てていかないといけない。『忘れられる権利』、つまり、他人の記憶を制約する権利などというものを認めてはいけないと私は考えます。それは個人の都合で歴史を改変するということです。そこまでの権利を与えるのは、やはり間違いだと思うんですね。
それよりも、かつて逮捕されて有罪判決を受けた人が今はきちんとした生活をしていますという情報の提供、対抗言論、モアスピーチを重ねることによって、社会を変えていくという方向が正しいと私は思ってます」
●鴨志田弁護士「理解と寛容の社会になっていない中で事件が起きている」
大崎事件の弁護人として、再審を求め続けている鴨志田祐美弁護士は「今の社会がそういったもの(逮捕歴などの情報)に対して理解と寛容という形になっていくためには、教育を含めて、もっともっとやるべきこともある。それが現実に全くされてない中で、事件が起こってるわけですよね」と釘を刺し、今回の草野裁判官の補足意見に言及した。
この草野裁判官の補足意見について、高野弁護士は「それって結局、愚民思想でしょう。つまり、自分(裁判官や検察官や弁護士や警察官など)は逮捕歴の情報を得ても平気です。だけど、一般国民はこういう情報を見せたら、ろくでもない、下衆な反応をする。その補足意見では『隣の不幸は蜜の味』って言ってますけど、それは全く愚民思想であってね。国民に対する情報統制をすること(情報を知らせないこと)によってこの国の道徳は守られてるんだっていう、そういう発想ですよ」と批判が続いた。
●「便所の落書き」は気にしなければいいのか
イベントでは、最高裁判決をめぐるやりとり以外でも、高野弁護士と、亀石弁護士・鴨志田弁護士との間での温度差が目立った。
たとえば、高野弁護士はネットの中傷には「モアスピーチ」、反論で返せと訴える。 そう語るのは、弁護人の立ち会いや黙秘権など被疑者の権利保護を進めた「ミランダの会」代表を務めていた経験からだ。
オウム真理教による地下鉄サリン事件の弁護活動では、電話は鳴りっぱなし、脅迫状も来た。新聞や弁護士団体からも批判され「国民総バッシング」のような状態だったという。 それでも被疑者・被告人の利益のために闘ってきた。
「しょせん便所の落書き。炎上っていっても実際に燃えてるわけでも何でもない。こんなの大したことないんだとアドバイスできる弁護士が、(被告人の)そばにいるっていうことは必要なこと」「私の懲戒請求した人の実名[15]をブログに書いたら、運営会社から削除された。しかし、それがおかしいっていうことをね、やっぱり言うべき」
これに対して、亀石弁護士からは違和感の声があがった。
「(中傷の)言葉を浴びせられると、すごく気がめいる。消したくなる気持ちもわかるし、(反論するのが)理想ではあるんですけど、今の日本でできるかっていうと、すごく難しい」
また、匿名でしか訴えられない依頼人がいることを紹介し、現在の日本社会では全て公開は難しいとの認識を示した。
●報道されることの弊害か、国民の知る権利か
少年事件を扱っている鴨志田弁護士は、報道を通じて命を落とす人もいることを挙げて問題提起した。
「少年が住んでるマンションが映って、翌日には実名や家族構成が全部ネット上にあふれかえった。結果、親が自ら命を絶ってしまった。保護者の存在は、やっぱり非常に重要な役割なので、少年の立ち直りを難しくしたと強く感じました」
「情報公開することの重要性は理解しています。でも、名前を出す出さないはすごく難しい問題があり、今の日本社会は排除の論理で、少年の実名が出たら、すぐにつまみ出して社会からシャットアウトしろみたいな方向に流れてしまいがち」
実名を削除請求するための弁護士チームを作って難しい対応を迫られた実情も明かした。
これに対して、高野弁護士は「米国のメジャーなメディアに依頼されて、人質司法の犠牲者として元依頼者を紹介した。元依頼者は、匿名ならば取材に応じると言った。すると、メディアは、それでは取材できないと言って断ってきた。実名へのこだわりがまったく違う。実名報道は、歴史的事実の一部であり国民の知る権利の対象なのだということをメディアの人たちが、信じてるかどうかっていう根本的な差があるような気がする」と、日本での匿名化に懸念を示していた。
「しょせん便所の落書き。炎上っていっても実際に燃えてるわけでも何でもない。こんなの大したことないんだとアドバイスできる弁護士が、(被告人の)そばにいるっていうことは必要なこと」この意見に対しては、同席した亀石倫子弁護士と鴨志田祐美弁護士は反対であり、法曹界の中では高野弁護士に反対する意見が相次いだ[16]が、一方で当wikiやカラケーのような削除することが難しい掲示板に対しての対応としては正しいという意見もある[17]。
なお、唐澤貴洋は上記のように明確なコメントを残していないが、何かコメントすると長谷川亮太の件を蒸し返されることを恐れ、あえて避けているのではないかという説がある(おまいう案件)。
また、法曹界以外のハセカラファミリーらも様々なコメントを残している。
- 山口三尊 - Twitterでコメント
https://twitter.com/motokoshi1/status/1540248110857072640(魚拓) |
---|
むちゃくちゃな判決。
|
判決を伝える記事に対する一般人のコメントでも山口のような意見が多く見られた。忘れられる権利と知る権利に対するせめぎ合いが見られる。
- はあちゅう - Twitterでコメント
https://twitter.com/ha_chu/status/1540498154973720576(魚拓) |
---|
「忘れられる権利」が尊重された最高裁判決👏表現の自由を盾に人権を傷つけてはダメ、という立場に賛成です。
|
案の定訴訟相手から、裁判で捏造した証拠資料を提出したことや、虚偽の証言をしたことを「忘れられる権利」として主張しているのではないか?と批判されてしまう[18]。
- 鳥取ループ - Twitterでコメント
https://twitter.com/K_JINKEN/status/1542016116066635776(魚拓) |
---|
デジタルタトゥーとか言って、過去のネガティブな情報を隠していくような世の中の流れ全般が私はよくないことのように思います。 |
部落利権を研究し、個人情報が掲載されているサイトを運営し続ける鳥取ループらしい示唆に富むコメントである。おそらく今後過去記事削除がパカ弁の新たなシノギとなる可能性や[19]、かえって何かのwikiのような防弾ホスティングサイトにデジタルタトゥーとして掲載され続けてしまうリスクを見越しての発言であろう。
所感
このように過去の犯罪歴というデリケートな問題について、様々な激論が交わされている。元事件は原告(元犯人)側への配慮か読売新聞などでは「建造物侵入容疑で逮捕」と報じられているが、女湯へ侵入し覗きや盗撮しようとした実質性犯罪であった。性犯罪全体の再犯率には諸説あるものの、鈴木文刀が犯した覗きや盗撮といった性犯罪は再犯率が高いとされる[20]。このことを理由として報道を残す公共性は十分高いのではないかとの意見も見られ、ネットを中心に特定や拡散を行おうとする機運の高まりに繋がっている。
判決後のニュースを伝える5chでは同時期に起こった同罪の別人(B氏と表記する)が本件の原告であるという誤った情報が拡散している。B氏は田中のようなパカ弁に依頼していないようであり、逮捕時の記事もそのままであるが、その結果不幸にも検索・特定され「過去に犯罪を犯したのに、更に自分の犯罪を隠そうとした反省していないやつ」として正義マンによる糾弾が行われているようである[21]。マヨケーでも一時期誤解している教徒が出たほどであった[22]。
別に依頼されてもいない人のことは知らぬという俺嫌精神であろうが、田中が頑張れば頑張るほどB氏にヘイトが溜まるというセカンドレイプにも近い状況となっている。またこの判決は大きく報道され、「忘れられたい事件」なのにもかかわらず、重大判例として記録や判例雑誌に載ってしまう[23][1]というストライサンド効果が生じている。
更に、ニュースを見たTwitterユーザーがTwitterが対応する前に該当のツイートを特定しスクリーンショットを取って拡散[24]、無関係の人物の質問箱に原告の名前が大量投下される事件が発生している[25]。原告と田中の努力空しく2022年8月現在も削除されておらず、これでは最高裁で勝訴した意味が揺らいでいるのではないだろうか。
こうした民事訴訟の判決が無意味な紙切れになる事例は多く、古くは西村博之が民事訴訟の賠償金(一説には10億円以上)を時効まで踏み倒した他[26][27]、昨今では著名人が「誹謗中傷をなくす」と称し、自身の炎上案件に対して安易に訴訟を持ち込んだために、かえって炎上の過激化・陰湿化を招き、放置していれば自然鎮火したはずの炎上を鎮火できないケースも増えている。最悪の場合恒心教徒が行っている嫌がらせと同じような被害を被ったり、相手がtorやノーログVPNを使用していて、そもそも金だけを溝に捨ててしまうケースも考えられる。総じてインターネットの炎上の前には、効果があるのは稚拙な素人のみであり、知識に長けた人の前では訴訟が無力というケースは多い。
なお、最高裁判所まで争われた本件の元となったTwitter上の投稿であるが、2022年8月現在まだ削除されていない。(魚拓)その他の逮捕を報じたツイートも同様である[28][29]。Twitter社さんもう(消す気)ないじゃん…。
鈴木文刀による削除依頼
2022年7月8日、鈴木文刀本人が7月6日にマヨケーの管理人宛てに本名が書き込まれたレスの削除を要請する内容のメールを送っていることが開示された。
管理スレ>>395(魚拓) - マヨケー 395 :管理人 ★:2022/07/08(金) 18:54:28.83 ID:??? 当然却下 From chocolate_advice_santa@yahoo.co.jp Date 2022-07-06 23:12 Title 削除依頼 掲示板の削除をお願いしたく、御連絡致しました。 過去の犯罪事実、訴訟を起こした際のニュース記事と併せて私の氏名が掲載されています。 公然の場(ネットへ上も含む)で実名を記載し、社会的評価を棄損する行為は、名誉棄損罪に該当します。 私生活に影響を及ぼしており早急に削除をお願い致します。 必要でしたら、プライバシー保護(逮捕記事の削除)が認められた判決正本の写しを送付致します。 [掲載箇所] https://ensaimada.xyz/test/read.cgi/43044/1648210379/ レス:604,606,607 ◇名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン: https://www.telesa.or.jp/wp-content/uploads/provider_mguideline_20220120.pdf(魚拓) ◇名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン(英語版): http://www2.telesa.or.jp/consortium/provider/pdf/guidelines_defamation.pdf(魚拓)
削除対象として指定された書き込み 【唐澤貴洋殺す】雑談★29【炎上10周忌】【突然訪れる危機を回避する方法】>>604>>606>>607(魚拓) - マヨケー 604 :一般カタルーニャ人:2022/04/07(木) 15:43:56.76 ID:2K9Fvacv0 tsuchiya-richness@t_rrichness 今日のニュース☆ 「おかしな人がいる」女湯の脱衣場侵入容疑で男逮捕 仙台・作並温泉: 宮城県警仙台北署は16日、ホテルの女湯の脱衣場に入ったとして建造物侵入の疑いで山形市平清水、会社員、鈴木文刀容疑者(27)を逮捕した。 ※編集の都合上一部省略しました ちなみに消したい記事はこれや? 熱湯!みてるかー----? 606 :一般カタルーニャ人:2022/04/07(木) 17:31:16.79 ID:szgjMjXO0 熱湯は既にこのリンク先の読売新聞や産経新聞のweb掲載を削除させてるんや しかし、Twitterのこの投稿があるからダメだ、俺の就職に差し支えるって依頼人の鈴木文刀が依頼したんや 議論が分かれる判例になったから判例時報にも載ってしまうという… 逆に依頼人の忘れられる権利を侵害しているのはサイバーアーツ法律事務所の田中一哉弁護士の方では? 607 :一般カタルーニャ人:2022/04/07(木) 17:36:49.64 ID:fsJMfkGs0 >>606 この県に関する詳しい情報は唐澤貴洋wiki「ストライサンド効果」の項目へ! https://krsw-wiki.org/wiki/?curid=11302 >ストライサンド効果(ストライサンドこうか、英:Streisand effect)とは、ある情報(部下に熱湯・脱衣場侵入容疑で鈴木文刀が逮捕)を隠蔽したり除去しようとしたりする努力が、 >かえってその情報を広い範囲に拡散させてしまう結果をもたらす現象を意味するインターネット・ミームである。
依頼は当然却下され、マヨケーの雑談スレに転載された後、事件や本名を意図的に蒸し返されたり「熱湯を雇ったから裁判に勝てたけど熱湯を雇ったせいで教徒から目をつけられるのは残念過ぎる」「わざわざこんな所に削除申請しに来るとはたまげたなぁ...」「こんな掲示板ヤバい奴しか見ないんだから公然の秘密として放っておけ」と激励の言葉が贈られたり、>>605(代理人弁護士を熱湯呼ばわり)はセーフなのかと突っ込まれたり、削除対象のレスにも書かれているストライサンド効果について学習しろと突き放されたりと散々な対応をされていた[30]。
一方でメールでは本人確認書類を開示しておらず、何者かが鈴木文刀にナリすまして削除依頼を行った可能性も指摘されている。マヨケーでも指摘があった通り、今後も懲りずにマヨケーや当記事を攻撃してくる可能性はゼロではないため鈴木文刀の動向を注視する必要があるだろう。
2022年7月11日には、メールで削除依頼する場合には本人確認書類と削除要請の法的根拠が必須との旨がローカルルールに追記された[31]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 令和2年(受)第1442号 投稿記事削除請求事件 - 裁判例検索
- ↑ 5chの書き込み(削除済み)(魚拓)と全く同じスレの2chSCの書き込み(未削除)(魚拓)
- ↑ (https://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120416/crm12041610200004-n1.htm)の魚拓(現在は削除済)
- ↑ 氏名で検索すると山形大学大学院理工学部の論文(非爆)が2通- 日本の論文DB(魚拓)、東北電気管理技術者協会山形支部(魚拓)がヒットする。大学院論文は年齢が一致しているためおそらく本人と推測され、研究内容と現住所より東北電気管理技術者も本人の可能性が高い
- ↑ ツイッターに削除命じる 過去の逮捕歴、東京地裁(魚拓) - 日経
- ↑ 最高裁がグーグル検索結果削除を棄却、「忘れられる権利」とは(魚拓) - 企業法務ナビ
- ↑ おそらく東京地裁の判決を受け削除したツイートもあったと思われる。最高裁判決時点では19個も確認されていない
- ↑ 逮捕歴の投稿削除認めず、プライバシー保護か公表利益か 東京高裁(魚拓) - 日経
- ↑ 神田のツイート(魚拓) - Twiter
- ↑ 中澤のツイート(魚拓) - Twitter
- ↑ 令和2年(受)第1442号 投稿記事削除請求事件ー令和4年6月24日 第二小法廷判決(魚拓)
- ↑ 横に神田弁護士(魚拓) - 神田弁護士のTwitterより
- ↑ 2020年度は0.78%(魚拓) - 庶民の弁護士 伊東良徳のサイト
- ↑ 弁護士一覧(魚拓)
- ↑ 懲戒請求者はこの人(魚拓)
- ↑ 疑念を呈するツイート(魚拓)
- ↑ 【唐澤貴洋殺す】雑談★34【当職選挙法】【転生君】【茂み君晒し】>>194(魚拓) - マヨケー
- ↑ 訴訟相手からのツイート(魚拓) - Twitter
- ↑ 意地悪な見方をすれば最高裁判決時の神田のガッツポーズは田中の勝利と新たなビジネスの予感双方から来る喜びであろう
- ↑ 資料では5年以内再犯率。"全再犯率は,痴漢型が最も高く,次いで,盗撮型,小児わいせつ型,強制わいせつ型,小児強姦型,単独強姦型の順となっており,集団強姦型が最も低かった。性犯罪再犯率に限っても同様の傾向が認められた。平成27年版 犯罪白書、21(42)ページ - 法務省
- ↑ 【Twitter】逮捕歴ツイート削除認めず 最高裁が二審判断見直しか(魚拓) - ニュース速報
- ↑ 【唐澤貴洋殺す】雑談★31【N国狂信者】【宮迫再コラボ】【尊師ール恒認】>>321-322(魚拓) - マヨケー
- ↑ 判例時報 No.2462 P14(魚拓) - 判例時報
- ↑ 特定した人物のツイート(魚拓)
- ↑ 原告の名前のTwitter検索結果(魚拓)
- ↑ 後の2020年4月の民事執行法の改正により踏み倒しはある程度困難になった。ただし匿名化した暗号通貨などに変えられると依然取り立ては困難である他、支払い能力が本当にないままでいれば踏み倒せるのは従来と同様である。民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律について - 法務省
- ↑ 巨額の賠償金はプロバイダ責任制限法の施行(2002年5月)前のコンテンツプロバイダの責任が制限される前という側面もあるが、異論もある。
- ↑ 産経イザ!ニュースbot [test](魚拓) - Twitter
- ↑ JapanNewsFeeds(魚拓) - Twitter
- ↑ 【唐澤貴洋殺す】雑談★33【エクシアの反撃】【詐欺師に心酔】>>753-762(魚拓) - マヨケー
- ↑ 管理スレ>>404(魚拓)