→対談 ジャーナリスト 渋井哲也
>島田「にかい」 |
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<div style="font-size:110%">'''ジャーナリストから見た'''<br> | <div style="font-size:110%">'''ジャーナリストから見た'''<br> | ||
'''ネット依存とは'''</div> | '''ネット依存とは'''</div> | ||
'''唐澤''' 渋井さんはもともと新聞記者をされていたんですよね。どういったきっかけでインターネットの問題に取り組み始めたんですか? | '''唐澤''' 渋井さんはもともと新聞記者をされていたんですよね。どういったきっかけでインターネットの問題に取り組み始めたんですか? | ||
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'''ネットの利用者層にも変化が'''</div> | '''ネットの利用者層にも変化が'''</div> | ||
'''唐澤''' 当時はまだネット黎明期だったと思うのですが、家出や援助交際する子たちってうまくネットを使いこなせていたんですか? | |||
'''渋井''' 1990年代はパソコンがメインだったので、家庭でお父さんやお母さんがネットを使っているのを見て使い方を学んでいるんですよね。彼らはパソコンユーザーの家庭に育っているから、おそらくなんとなく使えちゃう。当時ネットを利用していたのは、ホームページが作れたり、ネットで情報収集ができる子たちだったんですよ。 | |||
'''唐澤''' つまりある程度ネットの仕組みがわかっていて、情報の取捨選択能力があったわけですね。 | |||
'''渋井''' そういう子たちは、ネットを利用するときに自分でリスク回避していたんですよね。援助交際で直接会う前に、こういう態度をとってくる人は危険だとか、あるいは安全だとか、言語化できないところで危険な目に遭わないようにしていたんですよ。仮に危険なトラブルがあったとしても、交番に駆け込んだり法律に詳しい人に聞くとか、自分でなんとかするって発想があったんですよね。 | |||
'''唐澤''' 自分の身は自分で守るという発想ですね。1990年代と比べると、今ネットを利用している子たちの層って変わっていますか? | |||
'''渋井''' 今考えると、1990年代後半から2000年代前半にかけて相当変わったと思います。そのきっかけになったのがiモードの普及。iモードが普及する前って情報の見極めが上手な人だけがネットを利用していたんです。でも普及してからは、ネットの仕組みがよくわかっていなくても携帯で気軽にネットが使えるようになってしまった。しかも今では、誰もがスマホを使う時代でしょ?それによって情報の取捨選択がうまくない人、いわばリスク回避ができない人もネットを利用するようになったんですよ。 | |||
'''唐澤''' ネットの利用者の裾野が広がっちゃってるんですね。 | |||
'''渋井''' 言うなれば自分が危険な街に行くとして、最初のころ危険な街だって認知して行くから、どこが危険かって理解しているんですよ。だけどその危険な街が一般化されてきちゃうと、いろんな人が行っちゃうでしょ?中には危険だってことを知らない人もいる。一見いっぱいお店があって安全に遊べる街なんだけど、実は近くに危険なスポットがあったりしても、一般利用者にはわからないんですよ。 | |||
'''唐澤''' だから危険を回避できないんですね。それに今はスマホで24時間ネットが使えますし、昔と比べると1日のうちネットに関わる時間もぐっと増えましたよね。 | |||
'''渋井''' そうですね。昔は夜11時以降のテレホーダイを使ってダイヤルアップでネットを利用したりしていましたからね。当時のユーザーの方は時間はかなり限られていました。それ以外の時間はネット以外のアナログなコミュニケーションをとっていたんじゃないかな。 | |||
'''唐澤''' それが時代とともに生活においてネットの比重が大きくなっていった。よりネットへの依存度が高まってきていると言えますよね。どういう流れでそうなっていったんでしょうか? | |||
'''渋井''' 2003年ぐらいに、ガイアックスで誰でもホームページが作れるようになったんですよ。これは人々がネットとの関わり方が変わるきっかけになったんじゃないかと思います。2004年に起きた殺人事件にもネットが深く関わっているんですよ。 | |||
<div style="font-size:110%">'''"ネット=居場所"に'''<br> | <div style="font-size:110%">'''"ネット=居場所"に'''<br> |