IT法務コラム/企業・法人に対するインターネット上の誹謗中傷・名誉毀損対策

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企業・法人に対するインターネット上の誹謗中傷・名誉毀損対策(きぎょう・ほうじんにたいするいんたーねっとじょうのひぼうちゅうしょう・めいよきそんたいさく)とは、あなたの名誉を守り隊のコンテンツ「IT法務コラム」にカテゴリ「名誉毀損」で投稿された記事である。


内容

企業・法人に対するインターネット上の誹謗中傷・名誉毀損対策[1]
1.インターネット上における誹謗中傷・名誉毀損の危険性
インターネット上における情報発信は、誰でも匿名で自由に行なうことができるため、様々なメリットがある半面、特定の人物や企業に対する誹謗中傷や名誉毀損となるような書き込みがなされることも少なくありません。
そして、インターネット上において、いったん誹謗中傷行為や名誉毀損行為がなされると、短い期間で広範囲に拡散してしまうおそれがあります。そこで、このような誹謗中傷行為や名誉毀損行為が行われた時には迅速に対応することが大切ですし、そのためには事前の準備が必要になります。
ことのほか、企業・法人への誹謗中傷は、社会的な影響が大きくなることがあり、事業そのものにも影響を与えることがありますので、速やかな対応が必要となります。
2.企業・法人への誹謗中傷・名誉毀損が行われる可能性のあるサイト
(1)5ちゃんねる(2ちゃんねる) https://5ch.net
インターネット上で誹謗中傷や名誉毀損が行われやすいサイトといえば、まず、巨大掲示板である「5ちゃんねる(2ちゃんねる)」があげられます。5ちゃんねる(2ちゃんねる)は、日本最大級の電子掲示板サイトで、幅広い分野について、誰でも、匿名で記事を書き込んだり、閲覧したり、記事にコメントをつけることができるサイトです。
2ちゃんねるには、2ch.netというドメインで運営されているものと、2ch.scというドメインで運営されているものがありましたが、前者は5ちゃんねる(ドメインは5ch.net)と名称を変えて運営されています。
5ちゃんねる(2ちゃんねる)は、匿名での投稿が可能であることから利用者数も多いため、企業に対する悪口や誹謗中傷が書き込まれると、一気に多くの人の目に触れてしまうという危険があります。
(2)転職会議・就活会議・カイシャの評判・みん就等
次に、企業や法人が誹謗中傷や名誉毀損の被害に遭いやすいサイトとしては、転職希望者や就職活動生が目を通す可能性の高い、
等があげられます。
これらのサイトは、特定の企業の給与や休日等の労働条件、福利厚生、評価制度、社風や面接の状況といった労働環境や採用状況に関する口コミサイトです。
これらのサイトのコンテンツには、実際にその企業で勤務している人や、過去に勤務していた人、実際に面接を受けた人等による投稿が多いことから、企業内部の生の情報として、その企業への就職や転職を考えている人にとっては、とても役に立つサイトとして利用されています。
反面、「残業代が支払われない」とか「パワハラやセクハラを受けた」などといった情報が書き込まれてしまうと、その真偽に関わらず、サイト閲覧者に対して、その企業がいわゆるブラック企業であるかのようなイメージを与えてしまうため、人材の採用に与える影響は大きいといえますし,一般の顧客等にもマイナスイメージを与えてしまいかねません。
(3)twitter、Facebook等のSNS
twitterやFacebook等のSNSにおいても、企業に対する誹謗中傷や名誉毀損行為が行われることが少なくありません。特に、twitterは、匿名で利用できるため、発信者を特定されないだろうとの思いから、誹謗中傷や名誉毀損に当たる発言がなされることも多く、これまでニュース等で取り上げられたケースも数多くあることは、みなさんご承知の通りだと思います。
特に、特定の企業の製品や飲食店における感想等は、それが真実である限りは第三者が製品や飲食店を選ぶ際に有益な情報となりますが、虚偽の内容や大げさに誇張された内容等になると、企業や飲食店に大きなダメージを与えかねません。
また、「いいね」や「リツイート」といった機能を通じて、瞬く間に広範囲に拡散してしまう可能性があるというのもSNSの特徴といえます。
3.自社への誹謗中傷・名誉毀損行為が行われたときの対処方法
(1)当該サイト等の運営会社への直接削除依頼
企業や法人に対して、誹謗中傷や名誉毀損に当たる書き込み等がなされた場合には、まず、その書き込みがなされたサイトやサービスの運営会社に対し、直接削除依頼を行うことが考えられます。
サイトの中には、サイト中に削除依頼フォームが用意されている場合もありますが、決まった形式がない場合には、任意の形式で運営会社へ直接削除依頼をする必要があります。
ただ、サイトの運営会社が海外にある等、そもそも依頼自体を行うことが困難な場合も多く、また、サイトの運営会社等がなかなか削除依頼に応じてくれないといった問題もあります。
(2)送信防止措置請求
当該サイトやサービスを運営する会社に対して直接削除依頼をしても削除に応じてくれない場合は、その運営会社に対し、プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置請求を行なうことが考えられます。
送信防止措置請求を受けた運営会社等は、法律上、自主的に投稿を削除するか、又は、投稿者へ削除依頼があったことを通知する義務が発生します。そして、投稿者へ削除依頼があったことを通知して7日以内に投稿者から反論がないか、反論があっても理由がないと運営会社が判断した場合、その投稿を削除をする可能性があります。
ただ、この方法は、投稿をした者に削除依頼があったことを知られてしまうので、かえって投稿者に火をつけてしまい、その投稿以外にもさらに様々な悪口等をネット上に書き込んでしまうこと等を誘発しかねないという点に十分注意が必要です。
(3)裁判所への仮処分の申し立て
直接請求や送信防止措置請求は、当該サイトの運営会社等に対して削除を求める方法ですが、裁判所に仮処分を申し立てるという方法もあります。これは、当該サイトの運営会社を相手方として、裁判所に、当該投稿の削除命令(仮処分)を出してもらうという方法です。
裁判所による削除命令がなされた場合は、ほとんどの運営会社はこれに従う方針であることから、直接削除依頼や送信防止措置請求よりも効果の高い方法といえます。また、投稿者に対して削除を依頼していることを知られずに手続をすすめることができるというメリットもあります。ただ、仮処分がなされるまで時間がかかるという点がデメリットとして挙げられます。
4.インターネット上における誹謗中傷・名誉毀損行為への事前対策
インターネット上において誹謗中傷や名誉毀損行為がなされてしまい、これを放置してしまうと情報が拡散し、多くの人がそれを目にするだけでなく、その全てを削除することが困難になってしまいます。そこで、このような誹謗中傷行為や名誉毀損行為に対して迅速に対応するためにも、次のような事前準備を行うことをおすすめします。
(1)監視サービス等を利用する
前述のとおり、インターネット上で誹謗中傷や名誉毀損行為がなされた場合には、迅速な対応が必要になります。そのためにも、インターネット上で自社に対する誹謗中傷等がなされた場合にすぐに発見できるよう、書き込みの監視サービス等を利用することが考えられます。
(2)従業員や退職者等に誓約書を作成させる
企業の内部情報を手に入れることのできる従業員や退職者に対しては、誓約書等の形で社内の情報を外部に情報を漏えいしないことを約束させておくことも大切です。情報漏えい等については、就業規則において定めている会社も多いと思いますが、誓約書に自筆でサインをさせることで、情報漏えい行為に対する心理的な圧迫を与えておくことも重要です。
(3)相談先を決めておく
誹謗中傷行為や名誉毀損行為を発見した場合に、迅速に対応ができるよう、あらかじめ社内に部署を設置したり、外部の弁護士等の相談先等を決めておいたりすることも、いざというときに慌てないためにも事前に準備しておきたいところです。
5.インターネット上における誹謗中傷・名誉毀損行為については弁護士に相談を
インターネット上における情報発信は、それが個人の意見や批判にとどまる限りにおいては、他者にとって有益な情報である場合も多く、また、これらの意見の論評や批評は、法律上、表現の自由として保護されています。
しかしながら、そもそも、その論評や批評の前提として虚偽の事実が書き込まれている場合や、虚偽の事実ではなくともその論評や批評に公共性がないと判断される場合は、これらの書き込みについては、法律上名誉毀損となります。ただ、公共性があるかどうか、その投稿が表現の自由の範囲内のものか違法なものか等については法律的な判断が必要となります。
そして、サイトの運営会社等に対して削除依頼や送信防止措置請求を行う場合も、また、裁判所に仮処分を申し立てる場合も、対象となる書き込みが表現の自由として保護されるものではなく、名誉毀損行為として違法であることを、証拠をもって証明する必要があります。そのためには、特定の投稿が名誉毀損や誹謗中傷・プライバシーの侵害等にあたるかどうかという点を判断する専門知識を有している弁護士に相談をした方が良いといえます。
弁護士に依頼することで、削除を求める法的な理由付けをしっかり行うことが可能になりますし、直接削除依頼や送信防止措置請求を弁護士名で行うことで、サイトの運営会社や投稿者にプレッシャーをかけるという効果も期待でき、早期に削除される可能性が高くなるといえるのです。
6.まとめ
企業にマイナスイメージを与えるような情報は、インターネット上に放置しておくと、他の媒体に転記されたり、SNSで拡散されたりすることで被害が一気に拡大してしまうおそれがあります。ですから早期にその情報を削除することが求められます。また、企業が被ったダメージによっては、投稿者本人に対して、損害賠償請求等を行なうことも検討しなければなりません。その場合、プロバイダ責任制限法に基づいて発信者情報開示請求等を行い、投稿者を特定すること等が求められます。
このように、問題のある書き込みを発見した場合は、書き込みの削除と被害の拡大防止、損害賠償請求を並行して検討しなければなりません。このような手続を迅速かつ適切にすすめるためにも、早い段階で弁護士に相談しておいたほうが、様々な面で有利に働くと思います。
確かに、弁護士に依頼すると、会社の担当者が対応するのに比べて費用がかかります。しかし、インターネット上での悪い評判は瞬く間に拡散することがあり、予想もしない損害を企業に与える可能性がありますから、多少費用が発生しても早急に対応することの方が大切といえるのではないでしょうか。
企業・法人に対する名誉毀損・誹謗中傷問題は、法律事務所Steadinessまでご相談下さい。

←前記事「SNS上の「なりすまし」や「乗っ取り」被害と対処法


解説

2019年7月5日に投稿された。あなたの名誉を守り隊まで引き継がれてから約2年以来の新規コラムである。

読点(、)の代わりに全角カンマ(,)を使用したのはIT法務コラムでは初。初期の文章以外では基本的にカンマが統一できているため珍しい。

脚注

関連項目


唐澤貴洋
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