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IT法務コラム/SNS上の「なりすまし」や「乗っ取り」被害と対処法

提供:唐澤貴洋Wiki
2020年4月1日 (水) 17:28時点における>Ostrichによる版
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SNS上の「なりすまし」や「乗っ取り」被害と対処法(えすえぬえすじょうの「なりすまし」や「のっとり」ひがいとたいしょほう)とは、あなたの名誉を守り隊のコンテンツ「IT法務コラム」にカテゴリ「SNS」で投稿された記事である。

内容

SNS上の「なりすまし」や「乗っ取り」被害と対処法[1]
1.SNS上(Facebook、Twitter、インスタグラム(Instagram)等)のなりすましや乗っ取りについて
(1)SNS上におけるなりすまし
FacebookやTwitter、インスタグラム(Instagram)等のSNS上における「なりすまし」とは、本人以外の第三者が、あたかもその本人であるかのような偽アカウントを作成し、SNS上で本人のように振る舞うことをいいます。
芸能人や有名人になりすますだけでなく、身近な人物になりすますこともあります。SNS上で自分とは違う人物になって好き勝手に振る舞ってみたいという愉快犯だけでなく、その人物に嫌がらせをするため、またその人物の友人等を有料サイト等に誘導するためなど、様々な目的があるようです。
(2)SNS上におけるアカウントの乗っ取り
FacebookやTwitter、インスタグラム等のSNS上における乗っ取りとは、第三者のIDやパスワードを入手してその第三者のアカウントに勝手にログインすることを言います。
既に存在しているアカウントが利用されるため、偽アカウントで本人になりすます場合に比べて気づかれにくく、被害が拡大する傾向があります。
アカウントが乗っ取られる原因としては、ウイルスに感染することでIDやパスワードが盗まれる場合や、不正なアプリと連携してしまったことで、同様にIDやパスワードが盗まれてしまう場合等があります。
また、不正にIDやパスワードを取得される場合だけでなく、メールアドレスをIDに使用していたり、誕生日等のわかりやすい、または桁数の少ないパスワードを利用していたりすることで、IDやパスワードを推測されてしまって、アカウントが乗っ取られるということもあります。
乗っ取りを防ぐためには、各サービスで提供されている2段階認証を利用するのが有効的です。
2.SNS上(Facebook、Twitter、インスタグラム)等でなりすましや乗っ取りの被害に遭った場合の対処法
(1)なりすましを見つけた場合にすべきこと
ア、家族や友人等に注意喚起する
Facebook、Twitter、インスタグラム上で、自分になりすましている偽アカウントを見つけた場合は、家族や友人、フォロワー等のSNSで繋がっている人に、自分のなりすましがいるので注意してほしいという旨を伝えましょう。
イ、偽アカウントの削除を依頼する
次に、自分のなりすましを見つけた場合、自分の偽アカウントを運営元に連絡して削除(凍結)してもらいましょう。
Twitter上で自分になりすましている偽アカウントを発見した場合は、Twitterのツイートの「歯車マーク」から「報告」へ行き、「アカウントが乗っ取られているようです」を選択して、運営元に報告をします。なりすましは、正確には乗っ取りとは違いますが、Twitterの場合、なりすましも乗っ取りも、スパム行為として同様に扱われているので、報告方法は同じです。
Facebook上で自分になりすましている偽アカウントを発見した場合は、そのアカウントのプロフィールのページの【報告】というボタンを利用して、運営元に報告することができます。
インスタグラム上で自分になりすましている偽アカウントを発見した場合は、インスタグラムヘルプセンターの「プライバシーと安全」を選び、「報告する」から、報告を行うことができます。
(参考:「Instagramでのなりすましアカウントを報告」(Instagramヘルプセンター))
(2)自分のアカウントが乗っ取られている場合にすべきこと
Facebook、Twitter、インスタグラムにおける自分のアカウントが乗っ取られていることが判明した場合は、まず、パスワードを変更しましょう。アカウントが乗っ取られたということは何らかの原因でIDやパスワードが漏れていた可能性がありますから、IDも変更しておくに越したことはありません。
また、アプリからパスワードが漏れている可能性もあるので、アプリの連係解除も忘れずに行うことが必要です。
場合によっては、乗っ取られた原因が判明するまで、いったんアカウントを削除してしまうという方法を選択することも考えられます。
(3)警察への報告(刑事責任の追及)
Facebook、Twitter、インスタグラム上で偽アカウントを作成すること自体は犯罪とはなりません。しかし、第三者になりすまして投稿を行うこと等により、投稿の内容によっては、名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪(刑法231条)が成立する場合があります。また、投稿の仕方次第では、業務妨害罪や信用毀損罪(刑法233条)が成立する場合もあります。
これらの犯罪は、記事内容によっては、なりすまされた本人が被害者となることもありますが、そうでない場合もあります。
記事内容が名誉毀損や侮辱罪に当たる場合は、その投稿で誹謗中傷を受けた人が被害者となります。
記事内容が業務妨害罪や信用毀損罪に当たる場合は、その投稿によって業務等を妨害された人が被害者となり、警察に被害届を提出する必要があります。
また、Facebook、Twitter、インスタグラム上でアカウントを乗っ取る行為は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(通称:不正アクセス禁止法)に違反する犯罪行為となります。他人のアカウントを乗っ取る行為については、実際に乗っ取らなくても、他人のIDやパスワードを不正に取得した時点で犯罪が成立します。
アカウントの乗っ取りについては、乗っ取られた人が被害者になるので、乗っ取られた人自身が警察に被害届を提出することになります。
さらに、犯人が、他人のアカウントを乗っ取った上で行った投稿の内容等によっては、なりすましの場合と同様、名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪(刑法231条)、業務妨害罪、信用毀損罪(刑法233条)等が成立する可能性があるのは同様です。
(4)犯人に対する損害賠償請求(民事上の責任の追及)
Facebook、Twitter、インスタグラム上におけるなりすましや乗っ取りによって何らかの被害が生じた場合、民事上不法行為が成立するので、損害賠償請求を行うことが可能です。実際に生じた損害だけでなく、場合によっては、乗っ取られたことに対する精神的損害について慰謝料を請求することもできます。
ただ、この場合、なりすましや乗っ取りを行った犯人を突き止める必要があります。
なりすましや乗っ取りが犯罪となる場合は、警察等の捜査機関が犯人を突き止めてくれる場合がありますが、犯罪とならない場合は、自分で犯人を突き止めるしかありません。
この場合、まず、Facebook、Twitter、インスタグラム等の運営元に対し、プロバイダ責任制限法に基づく発信者開示請求を行い、投稿者のIPアドレスの開示を受けたうえで、さらにIPアドレスから判明したプロバイダに対しても発信者開示請求を行い、そのIPアドレスから個人を特定するという二段階の手続きを踏む必要があります。
その上で、犯人に対し、損害賠償請求を行うことになります。
損害賠償請求を行う方法は、内容証明郵便等で直接請求するか、相手が応じない場合は裁判を起こして請求することになります。
[原文ママ].SNS上(Facebook、Twitter、インスタグラム)等でなりすましや乗っ取りの被害に遭った場合の相談先
Facebook、Twitter、インスタグラム上でなりすましや乗っ取りの被害に遭った場合は、まず、家族や友人などへの注意喚起やパスワード等の変更など、自分でできることを早急に行い、被害の拡大を防ぐことが大切です。
それだけでなく、なしすまし[原文ママ]や乗っ取り行為によって、個人情報等が流出している場合は、それらの情報をネット上から削除してもらう必要があります。放置しているとどんどん拡散してしまう可能性があるからです。
ネット上へ流出した個人情報等の削除は、法律的な知識が必要になるので、弁護士に相談されることをおすすめします。
また、犯人を特定して金銭的な賠償を求めたい場合も弁護士に相談されるとよいでしょう。
弁護士に相談することで、警察等の捜査機関の対応が遅いときに、捜査をすすめるように申し入れをしてもらうこともできます。犯罪が成立しないために警察が動かない場合は、プロバイダ責任制限法に基づいて犯人を特定することが必要になりますが、この手続きにも法的な知識が欠かせません。
ですから、Facebook、Twitter、インスタグラム上でなりすましや乗っ取りの被害に遭った場合は、早めに弁護士に相談されるのがよいでしょう。
ただ、インターネット上における犯罪等は特殊なうえ、インターネットやSNS自体の仕組みに関する知識も必要になります。弁護士の中にも、これらの知識や経験が豊富な弁護士とそうでない弁護士がいますから、できるだけインターネット上における犯罪等の知識や経験が豊富な弁護士に依頼された方がよいといえます。
なお、最近、ネット上でなりすましや乗っ取りについて検索すると、「ネット上のトラブルを解決できます!」などといった業者の広告やホームページが多数ヒットします。
しかし、このようなネット上のトラブル解決に関して交渉等を行うことについては、東京地裁が、平成29年2月に、弁護士以外が報酬を得て行った場合は非弁行為として弁護士法72条に反するという判決を行いました。
このように、弁護士以外の民間業者が削除の代行をするということは違法なビジネスですし、このような業者の中には、調査料などという名目で高額な料金を請求する業者もあるので、民間業者ではなく弁護士に依頼された方が安全といえるでしょう。
SNS上のなりすましや乗っ取りなど、法的対応が必要な場合は、法律事務所Steadinessまでお問い合わせください。

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解説

2019年7月5日に投稿された。あなたの名誉を守り隊まで引き継がれてから約2年以来の新規コラムである。

セクションの数字が一つ抜けたり「なしすまし」のような誤字があったりなど手落ちが多い。

脚注

関連項目


唐澤貴洋
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