IT法務コラム/2ちゃんねる(2ch.net)での誹謗中傷や名誉毀損投稿の削除方法
2ちゃんねる(2ch.net)での誹謗中傷や名誉毀損投稿の削除方法(にちゃんねるでのひぼうちゅうしょうやめいよきそんとうこうのさくじょほうほう)とは、法律事務所クロスホームページのコンテンツ「IT法務コラム」にカテゴリ「2ちゃんねる」で投稿された記事である。
内容
2ちゃんねる(2ch.net)での誹謗中傷や名誉毀損投稿の削除方法[1] |
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1.2ちゃんねるとは
インターネット上における情報発信は、誰でも匿名で、自由に行なうことができるため、様々なメリットがある半面、誹謗中傷や名誉毀損の問題が発生することも少なくありません。
インターネット上の巨大掲示板である「2ちゃんねる」(http://2ch.net)。2ちゃんねるは、日本最大級の電子掲示板で、幅広い分野について、誰でも、匿名で記事を書き込んだり、閲覧したり、記事にコメントをつけることができるサイトです。
そのため、2ちゃんねるにおいても、他人を誹謗中傷したり、名誉を毀損したりする書き込みによる被害が問題となっています。
いわゆるネット炎上においても、個人が軽率に行ったSNSへの投稿等を問題視した閲覧者が、当該投稿を2ちゃんねるに紹介することが発端となる例は多いようです。
2.2ちゃんねるには2種類あるのか?
2ちゃんねるは、もともと、1999年に2ch.netとして開設されたものですが、内部紛争によって分裂し、現在は、ドメインが2ch.netのものと、2ch.scのドメインのものと、2ch.netの記事を転載(コピー)しているものがあります。この意味で、2ch.scは、2ch.netのコピーサイトと言われています。
現在、2ch.netは、フィリピンにあるRace Queen, Inc.という法人が運営し、2ch.scは、2ch.netをもともと管理していたシンガポールにあるPACKET MONSTER INC.PTE.LTD.が運営しているといわれています。両サイトが別法人によって運営されていることから、掲示板内における誹謗中傷投稿や名誉毀損記事の削除の方法も、運営法人によって異なります。
以下本文では、「2ちゃんねる(2ch.net)」における投稿・記事の削除の方法についてご説明します。
参考)「2ch.sc」については、こちらの記事をご参照ください。
2ch.scでの誹謗中傷や名誉毀損の投稿を削除する方法 3.2ちゃんねるに対する削除依頼方法
3-1.投稿者も自由に削除できない
2ちゃんねるに投稿された記事は、投稿した本人であっても自由に削除することはできません。
そこで、投稿記事を削除したい場合には掲示板を運営する2ちゃんねるに対して削除依頼を行なうことになります。2ちゃんねるに対する削除依頼は、下記の2つの方法があります。
3-2.メールや削除フォームを利用した削除依頼
1つ目は、2ちゃんねるに対して、直接メールや削除フォームを利用して削除依頼を行なう方法です。
削除する理由(投稿等が権利侵害にあたるという具体的な理由)、削除理由の根拠(削除理由を裏付ける資料)を明らかにして、直接請求します。ただ、あくまで運営者の自主的判断を促すだけであるため、運営者側の削除のガイドラインにおける削除対象に該当しなければ削除されないという点に注意が必要です。
また、法人についての情報は裁判所の決定が無ければ対応しないとしており、メールや削除フォームでの削除依頼には限界があります。
3-3.裁判所の仮処分を利用した削除依頼
裁判所に対して、削除の仮処分を求める方法です。現在、2ch.netでは、裁判所において削除の仮処分が認められた場合は、削除に応じるという対応を行なっているため、この方法は最も確実な方法です。
ただし、2ch.netの運営主体が海外法人であることから、書類を英訳したり、海外に送付したりする関係上、仮処分を申し立ててから決定がなされるまで、かなりの日数がかかってしまうという難点があります。
4.2ちゃんねるへの削除依頼を弁護士に依頼するメリット
4-1.削除依頼の際の法的説明
上記の、メールや削除フォームを利用した削除依頼については、個人で行うことも困難ではありません。
ただ、削除ガイドライン上、削除理由(必須)やその理由を根拠付ける資料の添付(任意)を要求されることから、論理立てた法的説明及び資料の添付により運営会社を説得して削除してもらうために、弁護士に依頼するメリットはあると言えるでしょう。
4-2.裁判所の仮処分を利用する場合
裁判所に仮処分を申し立てるには、申立書において、権利侵害があることや、違法性阻却事由がないことについて裁判所に対して法的に説明をする必要があります。
これらの書面は、法律の専門家である弁護士が作成したほうが、より説得的になることから、事案にもよりますが、仮処分を得やすいといえるでしょう。
また、手続自体でも、2ch.netを運営するフィリピン法人の資格証明書を取得したり、書類を英訳したりする必要があるため、これらの手続に慣れている専門家の方がスムーズに手続が進むといえます。
5.2ちゃんねるにおける誹謗中傷や名誉毀損の問題は弁護士にご相談を
インターネット上において誹謗中傷や名誉毀損がなされた場合、これを放置してしまうと被害が拡大してしまうため、迅速な対応が必要です。特に、2ちゃんねるは、国内最大の掲示板という特殊性から、検索エンジンの検索結果の上位に表示されますし、2ch.scをはじめとするコピーサイトやまとめサイトに転載されますので、その被害は他の媒体より大きくなると考えられます。
被害に遭った場合は、まずは問題となった記事や投稿を速やかに削除することが求められますし、削除しただけではまた書かれてしまう可能性がある場合には、投稿をした人物を特定して再度の投稿を防ぎ、損害賠償請求を行なうことも考えられます。
そのような手続を迅速・かつ的確に進めるためには、弁護士に、しかも、インターネットの法的問題を専門的に取り扱っている弁護士に依頼するのがベストといえるでしょう。
※なお、この記事は、平成29年1月時点の情報です。削除依頼に対する2ちゃんねるの運用や、裁判所の仮処分に関する運用は今後変化する可能性もあることにご注意下さい。
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解説
2017年2月9日に投稿された。
法律事務所Steadinessのホームページで公開されている同記事は2ch.netから5ch.netになったことに合わせてタイトルや文章が一部異なっている。
この節の加筆が望まれています。 |