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ネットで誹謗中傷された場合は弁護士にお任せくださいという他のコラムと大差ない宣伝ではあるが、平成29年2月20日東京地方裁判所の裁判で民間の削除業者が非弁行為に当たり違法であるとの判決が出された{{archive|https://www.asahi.com/articles/ASK2N5VM0K2NPTIL02G.html|https://archive.vn/t7AUv|朝日新聞デジタル ネット記事削除ビジネスの違法性認定 東京地裁}}ことにより今回は民間の削除業者について触れている。 | ネットで誹謗中傷された場合は弁護士にお任せくださいという他のコラムと大差ない宣伝ではあるが、平成29年2月20日東京地方裁判所の裁判で民間の削除業者が非弁行為に当たり違法であるとの判決が出された<ref>{{archive|https://www.asahi.com/articles/ASK2N5VM0K2NPTIL02G.html|https://archive.vn/t7AUv|朝日新聞デジタル ネット記事削除ビジネスの違法性認定 東京地裁}}</ref>ことにより今回は民間の削除業者について触れている。 | ||
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2020年9月6日 (日) 16:02時点における最新版
爆サイ.comにおける誹謗中傷投稿・個人情報の削除方法(ばくサイドットコムにおけるひぼうちゅうしょうとうこう・こじんじょうほうのさくじょほうほう)とは、法律事務所クロスホームページのコンテンツ「IT法務コラム」にカテゴリ「爆サイ」で投稿された記事である。
内容
爆サイ.comにおける誹謗中傷投稿・個人情報の削除方法[1] |
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1.爆サイ.comとは
爆サイ.com(通称「バクサイ」)とは、2ちゃんねる(2ch.net)等と同様のインターネット上の電子掲示板で、様々な話題について自由に投稿できるサイトです。
爆サイ.comの特徴は、北海道から沖縄まで、日本全国の地域ごとのローカルな話題をテーマとしたスレッド(あるテーマに関する投稿の集まりをスレッド(略して「スレ」)といいます)がある点で、都道府県単位だけでなく、市区町村単位での雑談スレッドも存在します。
スマートフォンにも対応しており、20代、30代の若い方の利用が多いというのも特徴です。
爆サイ.comの利用者は大変多く、国内の類似サービスの中では2ちゃんねる(2ch.net)に次ぐ利用者がいるとも言われています。
2.爆サイ.comにおける誹謗中傷問題
利用者が多い分、爆サイ.comにおける投稿によって、一般の法人・個人が、名誉毀損等による誹謗中傷や風評被害、個人のプライバシー侵害・個人情報の漏えい等の被害を受けることが多くなっています。
前述のように、爆サイ.comは、ローカルな地域ネタを話題にするスレッドが多いのが特徴です。したがって、それを閲覧している人の住所や勤務先等のコミュニティも特定の地域の人に偏っている場合が多いので、投稿対象の人物が匿名になっていても名前以外の情報(たとえば対象人物のコミュニティ内でのあだ名や、身体的特徴等)の投稿によって、狭いコミュニティの中の閲覧者は、容易に投稿対象の個人や店舗等を特定できてしまいます。このようなサイトの特徴からか、爆サイ.comでは、比較的狭いコミュニティ内での個人や法人・店舗の名誉毀損記事やプライバシー侵害記事を投稿する事例による被害が多く見られるようです。
また、キャバクラや風俗等のいわゆる水商売に関するスレッドも多いことから、特定の店で働いている方の実名や住所等の個人情報を晒したり、誹謗中傷したりする事例が多いのも特徴です。酷いものでは、特定の個人だけを対象としたスレッドが立てられることもあるようです。
3.爆サイ.comにおける投稿の削除方法
3-1.投稿者自身による削除
爆サイ.comの運用上、2ちゃんねる(2ch.net)等と異なり、投稿者自身が自分で投稿した書き込みを削除することができます。具体的には、投稿する際に、「削除パス」と呼ばれる4桁の半角英数字を設定しておくことによって、投稿した後でも、削除パスを入力して投稿を削除することが可能になっています。
3-2.他人による投稿を削除したい場合
削除パスによる削除方法は、削除パスを設定した投稿者本人しか使えませんので、投稿者以外はこの方法による削除ができません。ですから、他人の投稿によって個人のプライバシー情報を投稿されたり、誹謗中傷記事を投稿されたりした場合には、被害を受けた方がサイトに対して削除依頼をする必要があります。
ネット上に個人のプライバシー情報を投稿されたり、誹謗中傷記事を投稿されたりすると、それを見た第三者がさらに他の掲示板に書き込んだり、SNSに投稿したりすることによって記事が拡散し、被害が拡大してしまうおそれがあります。ですから、拡散される前に早くその投稿を削除させることが重要です。
まず考えられる方法は、爆サイ.comの運営会社に対して直接削除依頼をすることです。
削除依頼は、爆サイ.comの各スレッドの下部にある削除依頼フォームを利用して行います。
削除依頼は、投稿ごとに行う必要があるため、複数の投稿の削除依頼を行う場合は、削除依頼も、一括ではなく投稿ごとに複数回行う必要があります。
なお、削除依頼の際は、削除依頼者本人の氏名を明らかにする必要はないため、2ch.scのように、削除依頼をしたこと及び削除依頼者の氏名が公開されてしまうといった心配はありません。しかし、爆サイ.comには狭いコミュニティ内での話題が多いことも関連してか、閲覧者は、削除依頼内容だけから、削除依頼者が誰であるかを容易に推測しうるケースもありますので、その点は注意が必要です。
3-3.仮処分命令による非表示は地域限定の場合があることに注意
裁判所で特定のツイートについて削除せよという仮処分命令を取得した場合、Twitter, Inc.は、当該ツイートについて、日本国内のIPアドレスを有する端末からは閲覧できないようにする取扱(地域的非表示の取扱)をする場合があります。これは、すなわち、ツイート自体は削除されないので、検索結果上での表示は残る可能性があるということを意味します。対応についてお困りの方は当事務所までご相談くださいませ。
4. 爆サイ.comにおける投稿の削除・発信者情報開示の手続を弁護士に依頼するメリット
4-1.権利侵害事実の特定
上記のとおり、爆サイ.comにおいて運営会社に他人の投稿を削除してもらうには、まずサイトを通じて直接削除依頼を出す必要があります。
ただ、投稿が削除されるかどうかは、サイトの利用規約に反しているかどうかという点から判断されます。
例えば、対象者の法人名や氏名を明らかにしたうえでの名誉毀損記事や、本名や住所等、個人を特定することのできるプライバシー侵害情報が投稿された場合のように、明らかに利用規約に違反するものは削除対象になるでしょう。
しかし、悪口や批判等が書き込まれたときに、それが特定の法人・個人の名誉毀損やプライバシー侵害にあたるかどうかは、判断が難しいこともあって、サイトを通じた削除依頼では運営会社が削除しない場合も珍しくありません。
投稿者には表現の自由があるため、単なる意見や批評の範囲であれば名誉毀損やプライバシー侵害にはならないと判断される場合があります。
そこで、削除依頼を出す際に、削除依頼の理由(権利侵害の内容)について法的に論理立てた説明を行うことが重要ですが、法律に不慣れだとこの説明がうまくいかないこともあります。
この点、弁護士なら、どのような表現が名誉権やプライバシー権の侵害に該当するかという判断を的確に行い、削除を依頼する理由についても、法的に運営会社を説得できる内容で記載してもらうことが期待できます。
4-2.削除依頼
爆サイ.comの規定では、「同内容の連続した削除依頼(72時間以内に同内容の複数回の依頼)及び威圧的削除依頼は、弊社の業務妨害と判断」すると記載されております。慌てて何度も削除依頼をして、運営会社側から業務妨害行為と言われないよう、被害に遭った場合も、感情的になることなく、適切な理由を付して削除依頼をすることが求められます。ですから、インターネットの法律問題に詳しい弁護士に依頼する方が良いといえるでしょう。
当事務所は、爆サイ.com対する削除請求のノウハウを熟知しており、3-2に記載した削除依頼フォームからの削除依頼以外の方法もご提案できます。また、削除請求が可能な記事は原則としてレス単位とされていますが、当事務所の経験上、スレッド全体の内容によってはスレッドについての削除請求が可能な場合があります。
4-3.他の法的手段の検討
また、直接の削除依頼では削除されない場合に、他の法的手段も検討する必要がありますが、この場合も法律や制度に詳しい方が、手続がスムーズになるため、弁護士に依頼するメリットがあるといえます。
直接の削除依頼で削除されない場合は、他の法的手段として、プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置請求を行う方法や、裁判所に対して削除の仮処分を申し立てる方法等が考えられます。爆サイ.comについては、正確な運営会社の情報がインターネットからは明らかでなく、送信防止措置請求や裁判上の削除請求の相手方所在地等の詳細が不明で削除請求ができないというご相談もございますが、当事務所は、これまで積み重ねてきた調査により運営会社に関する情報を把握しており、送信防止措置請求や裁判上の請求にもご対応可能です。
4-4.投稿者の特定
被害の程度によっては、単に運営会社に投稿の削除を請求するだけでなく、投稿者に対して慰謝料等の損害賠償請求を行うことも考えられます。この場合、投稿者が誰かを特定する必要があります。
そのためには、まず爆サイ.comの運営会社に対してプロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求を行い、該当する投稿のIPアドレスやタイムスタンプ等の開示を受け、その上で今度は経由プロバイダ(経由プロバイダはIPアドレスから判明します)に対し、IPアドレスの使用者の情報(発信者情報)について開示請求をするという2段階の手続を踏む必要があります(場合によっては、携帯端末の個体識別番号の開示を受けて個人を特定することができる場合もあります)。
多くのサイトが発信者情報開示には慎重な姿勢をとり、裁判所の仮処分等がなければなかなか開示に応じないのに対し、爆サイ.comの運営会社は、裁判所の仮処分がなくても開示に応じる場合がある等、比較的柔軟な姿勢を見せています。
しかしながら、この場合も、該当する投稿が名誉権侵害やプライバシー権侵害に当たることを、しっかりと説得的に説明する必要があるという点は、削除依頼の場合と同じです。
ですから、投稿者を特定し、さらに損害賠償請求を行うという場合も、弁護士に依頼した方がスムーズに進むと言えます。
4-5.投稿者の特定における注意点
なお、爆サイ.comにおいては、運営会社が削除した投稿については、当該投稿に関するログも消去するという運用がなされています。ですから、後に述べるような、投稿者を特定して投稿者に対して損害賠償請求を行うことまでを検討される場合は、削除依頼と同時に(もしくはその前に)、発信者を特定する手続を行う必要があります。
この点においても、ご自身で早まって削除依頼を出して発信者に関するログが消去されてしまうという結果を招くよりも、専門家である弁護士に相談して、終局的な解決方法を見据えたベストの対処法を選択することが大切です。
5.削除の依頼は代行業者ではなく弁護士に
昨今、インターネット上において誹謗中傷や名誉毀損にあたる書き込みが増えてきていることから、こういった書き込みの削除を代行する業者が出てきました。インターネットで検索してみても、複数の業者が広告等を出しているのがわかります。
ただ、削除依頼の代行を民間業者が行うのは違法です。法律事務の代行は弁護士法によって弁護士のみに認められており、弁護士以外の業者が費用をとって削除依頼の代行を行うことは法律上認められていません。そのため、このような業者は、代行の費用ではなく調査料などと称して料金をとる場合もあるようですが、削除に至らなかったものの調査はしたといって費用を支払わせるような悪質な業者もいるようなので注意が必要です。
東京地裁は2017年2月20日にも、民間業者が報酬を得てインターネット上の書き込みの削除代行(サイト上の通報フォームを使って削除依頼をする行為)を行ったことに対し、弁護士法違反(非弁行為)にあたると認める判決を言い渡しています。
また、掲示板等の運営者の中には、このような民間業者からの削除依頼には応じないという方針を定めている場合も少なくなく、実効性という観点からも問題があると言わざるを得ません。
6.まとめ
爆サイ.com上において個人情報を書き込まれたり、誹謗中傷や名誉毀損にあたる投稿がなされたりした場合、これを放置してしまうと被害が拡大してしまうおそれがあるため、速やかに削除を求めることが必要です。と同時に、投稿をした人物を特定して損害賠償請求を行うことも考えられます。
被害の拡大を防ぎつつ加害者を特定する手続を迅速かつ的確に進めるためには、インターネットに関する法律に詳しい弁護士に早めに相談することが望ましいと言えるでしょう。
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解説
2017年4月10日に投稿された。
ネットで誹謗中傷された場合は弁護士にお任せくださいという他のコラムと大差ない宣伝ではあるが、平成29年2月20日東京地方裁判所の裁判で民間の削除業者が非弁行為に当たり違法であるとの判決が出された[2]ことにより今回は民間の削除業者について触れている。
脚注
関連項目