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恒心文庫:人間笹竹変態会計士

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本文

芝公園の午後。子供たちが寄って集って騒々しい。
ある子はすぐ手の届く場所に、ある子は背伸びして高くに、何やら紐がついた長細い紙をくくりつけている。
そう、願いごとを書いた短冊である。
本日は生憎の曇り空であるが、いよいよ盛夏に差し掛かってきたこの季節、程好く冷えた心地良い風が吹き、色とりどりの短冊がゆらゆらと踊る。
子供たちの無邪気な願いに、見守る大人たちも皆心なしか陽気な雰囲気に包まれ、都会の喧騒の狭間、ここにだけ密かに和やかなときが続いていく。
ん、んん。
人だかりの中心にある竹が微かに揺れた。
今日、竹を揺らすほど風は強くない。風に揺れているわけではない。
子供たちの小さな手が拙い手つきで短冊をくくりつける度、手の平が触れるのに反応して震えているのだ。
笹竹と思われたそれは人だったのだ。
小さく震える脚で立ち、顔には苦悶の表情を浮かべる、全裸の豊満な肉体の熊親父ではないか。
ご自由にお使いください。ボテ腹にマジックペンで書かれたその文言を元に、公園の子供たちは有り難いと年に一度の七夕を楽しんでいるのだ。
また一人幼い子供がやってきて、小さな腕を伸ばした。願い事を書いた短冊が無垢な笑顔の前で揺れている。「かいけいしになれますように」。
目隠しに口枷をされ、腕は後ろ手に縛り上げられた親父の男根の先端、尿道口から裏筋へ貫通して銀色に光を放つ小さなリング。ここに短冊の紐を結びぶら下げるのだ。
既にいくつかの冊がくくりつけられているもののまだ余裕がある。
かいけいしになれますように。子供は母親に手伝われ小さなリングに願いごとを結び付けると暫し目を瞑り祈った。
んん!
短冊を結ぶ手つきがリングを刺激し、重みが敏感な先端にのしかかり、抑えても口枷の隙間から微かな声が漏れてしまう。
先程から粘質で透明なよだれをだらだらと垂らし、コックリングを咬まされた玉袋は紅く染まりはち切れんばかりに膨らんでいるが、圧迫されて簡単には放出できない。
羞恥が快楽と交じり合い増強されて全身を走っていく。
これ以上わしにくくりつけんでくれ。
助けを乞うても塞がれた口からは空しくもごもごと喘ぎが漏れるだけである。
男根の先端、玉袋の中央、二つの乳首にそれぞれ貫通している銀の輪に既にいくつもの願いが結び付けられているが、人だかりは減るどころかまだ後を待つ子供たちで益々騒がしい。
両乳首、ちんぽ、玉袋。同時に手が触れ暴発しそうな性感に炎が点る。
あ、だめ!でりゅ、でりゅよ!
コックリングによる圧迫の壁をぶち破り、空に白濁したミルキーウェイがきらきらと輝く。夜はまだなのに。
離れたベンチに腰掛けて紫煙を燻らせつそれを見つめていた男は、口角をモリッと押し上げ性悪そうな微笑を浮かべた。
風が止んだ公園、男がすうっと吐き出した煙は白くやわらかに立ち昇ってゆく。人間笹のもみあげに似て。

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