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恒心文庫:恵方巻き(2023年)

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

貴洋の元にいきなり八雲法律事務所から一通のメールが送られてきた。
そのメールには動画サイトのURLが記載されている。ウイルスが仕込まれているとか、そんなことを考える頭も持ち合わせていない
頭唐澤な貴洋はなんの躊躇もなくそのURLをクリックして動画サイトに飛んだ。

動画の内容はこうだ。
八雲法律事務所の弁護士一同が裕明を中心にして並んでいる。そして裕明が恵方巻きを取ると皆がそれにつづく、裕明がかぶりついた途端一斉に恵方巻きにかぶりついた。
皆が無言でカメラを見つつ恵方巻きを頬張る。
皆が一心不乱に恵方巻きを咀嚼し飲み込む。
ただそれだけの動画だ。貴洋の腹の虫が鳴く。

皆が食べ終わり口の周りと手をおしぼりで拭くと、この動画で初めて山岡が言葉を発した
「からさん、久しぶりですね。僕にはこのように共に仕事をし、僕を慕ってくれる部下達がいます。誘えばこのように皆で一者に恵方巻き食べようという戯れにも付き合ってくれるような関係です。それに比べてからさんはどうせ、同僚の学植との関係も冷え切っていて、こういったものに誘っても断れるのがオチでしょう。僕と働いていた時から友達全くいませんでしたもんね!」
一同が皆大笑いする!貴洋の眉間にかつてないほど皺が寄る。
「あ、そうだ、山本も表面上はからさんを慕ってるふりをしてましたけど、僕と2人きりの時はかなり苦言を呈してましたよ!よほど腹に据えかねていたんでしょうね!白水みたいに学植が一方的に縁切りしてこなければいいですね!」
これだけ言い終わるとビデオは終わった。
貴洋の肩が小刻みに震え拳を握り込んでいた、全部図星だったのだ。パソコンに向かって豆を投げつけた、自分に向かってこんな事を指摘する奴は鬼に違いないのだと。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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