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恒心文庫:催涙雨

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

7月7日、七夕の夜。
織姫と彦星を隔てる天の川のもとへカササギたちが飛んできて橋をかけてくれます。
二人はこの橋を渡って、一年にたった一度の逢瀬を遂げることができるのです。
この伝説を題材にした和歌を中納言家持は詠んでおり、百人一首にも収められています。

かささぎの渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞ更けにける

これは冬の宮中に降りた霜を、かささぎのかける橋になぞらえたものです。
一年にたった一度しか会えない……。誰にですか。知らない人にではありません。どうでもいい人でもありません。
そう、大好きな、愛している人に一年にたった一度、たった一度しか会えないのです。
どれほどつらいでしょう。どれほど胸が締め付けられるでしょう。
皆さんも想像してご覧なさい。好きな人の顔を思い浮かべて考えてご覧なさい。
心がギュッとなりましたか。なら、それはきっと素敵な経験です。好きな気持ちを大切に持っていてください。一生の宝になりますよ。
話を織姫と彦星に戻します。二人が会えるのは一年に一度しかないと言ったのですが、一度会えたらまだいいほうです。
なぜですか。そうです。雨が降ったら二人はその年会うことができないのです。
天の川は塞がれ、カササギも橋をかけることはできません。
織姫と彦星、二人はどれだけ悲しいでしょうか。
ですので7月7日、七夕のこの日に降る雨は涙をもよおす雨と書いて催涙雨と呼ぶのです。
普段は会えない。それは織姫と彦星に限りません。
今日は悲恋に身を投じた二人の男性の伝説を見てゆきましょう。

「僕達もうすぐ逢えるね、ヒロ君」
「そうじゃのお、キミちゃん」
「もう僕のちんぽは爆発しそうだよ」
「キミちゃんは元気じゃのお。精子、ワシが絞りとりゅ!とりゅよ!」
電話越し、二人の男性が話をしています。会話を聞いてわかる通りこの二人はセックスフレンドです。
二人の仕事はともに会計士なのですがライバルどうしということになっていて、駅前などの人が多いところではセックスができません。
もし知り合いに見られたら、ライバルだというのになんたることだと怒られてしまうからです。
セックスどころかキスすらも人前では禁止されているのです。
こういう状態になったのは、キミちゃんと呼ばれている男性が偉いポジションについてしまったからです。
偉い人は偉い人なりに振る舞い義務を果たさなければいけないのです。これをノブレス・オブリージュといいます。
さて、では人前でセックスすることすらできなくなった二人はどうしたでしょうか。
人目を偲んで会うことにしたのです。しかし、頻繁に会うことはできません。
ですから、二日に一遍しか二人はあって連結できないのです。
今、二人は次のセックスデーについて話をしているところなのです。
おや、しかし様子が変ですね。会話をもっと聞いてみましょう。
「はやく僕、ヒロ君と会ってフェらしてあげたいよ」
「お、そうかそりゃうれし……ん!ああ!でりゅ!でりゅよ!」
「ん???ヒロ君どうしたんだい?」
「通子、もうこれ以上ワシのむすこをいじめんでくれ……んん!でりゅ!でりゅよ!」
「お、おい!ヒロ君、まさか……」
「あ、これは違うんじゃ!違うんじゃ!」
「最低だよヒロ君!もう、絶交だ!」
「ちょ、キミちゃん!」
なんということでしょうか。ヒロ君と呼ばれている方は浮気をしていたのです。ひどい話じゃありませんか。
キミちゃんはこの後、その悲しい気持ちをオナニーをしながら和歌を詠みました。

世田谷のからさわひろしのモミアゲの白きを見ればでりゅ!でりゅよ!

これは先程のかささぎの~の歌を元にしたものですが、こういった技法をなんと呼びますか。隣近所の人と話し合ってください。
そうです。本歌取りですね。知らなかったよという人はノートに書いておきましょう。
さて、キミちゃんは射精するわけですが、パンパンチンポコから放出された精液は、まるで夜空に天の川を描くようにスプラッシュしたそうです。
我慢汁はまるで、七夕伝説の催涙雨のように物悲しかったと伝承は伝えています。

終わり

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