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恒心文庫:森のからさん

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

ある日、森の中にて、しいちゃんはからさんに出会った
それは花が咲き誇る森の道での素敵な出来事

しいちゃんはひとりぼっちの人生を過ごしてきた
憂鬱な毎日に嫌気の差したしいちゃんは森の奥へと泣きながら走った
涙で前も見えずただひたすらに、走り続けた
すると花畑の獣道にいる大きな動物と衝突した
それがからさんとの最初の出会い

からさんはしいちゃんを一目見て好きになった
涙を浮かべるしいちゃんを優しい瞳で見つめるからさん
するとからさんは藪から棒にしいちゃんを抱き抱え始めた
人間含め、地球上の生物から生まれて初めて感じる温もり
体中に染み渡りしいちゃんは心地よさを感じる
悲しみの涙は歓喜の涙に変わりつつある
だけどしいちゃんはいけない子
人に言えない過去がある

いろんな事に手を出した
強盗、売春、覚醒剤、闇金から借りた金も膨れ上がる一方
しいちゃんは国セコから追われる身
からさんとは一緒になれない
・・・ごめんなさい
しいちゃんは悲しみの表情を浮かべる
・・・からさんの足手まといにはなれないわ
しいちゃんは落胆する

しいちゃんの過去はどうだっていいナリ!
当職は今のしいちゃんが好きナリ!
そういったからさんはしいちゃんの落ち込んだ顔に接吻する
しいちゃんは初めて生物に心を許せる生物を見つけたのだ

しかし事件は起きるのだ
接吻する2人の所にやってきたのは千葉県サイバー課の小津巡査
逮捕状をもって一目散にこちらにやって来る

しいちゃん、お逃げなさい
ここは当職に任せるナリ!

しいちゃんは全力で国セコから逃げた
後ろも振り替えず前だけを見て走る
力一杯、国セコの追跡が途絶えるまでひたすらと
・・・遠くから銃弾の鈍い音が聞こえた

しいちゃんはからさんによって助けられた
今までひとりぼっちしいちゃんは初めて生物に助けられたのだ
からさんの温もりは暖かかった
あの日初めて愛という感情を知った

しかし、しいちゃんは銃弾の音が脳裏に過る
からさんは死んでしまったのか
しいちゃんが全力で逃げている間もからさんは大声で何か叫んでいた
何を言ってたのだろうか全く見当が付かない
激動の1日に疲れたしいちゃんは眠ってしまった

愛する者がいる限り後ろを向かずに突き進む
過去は過去、今は今
からさんは今のしいちゃんを好きになってくれたんだ
銃声は命の燈火を葬り去るだけの残酷さを響かせている

大丈夫だったナリか?
優しい声でしいちゃんは目覚める
太陽が昇りかけている早朝、しいちゃんはからさんに出会った
やっと見つけたナリ
霞む視界から泣いているしいちゃんが見える
からさんはしいちゃんを再び抱きしめる、懐かしい温もり
しかしからさんは何だか苦しそうだ

どうしたの、からさん
するとからさんは当職の命はもう短いナリと言うだけである
しいちゃんに最期に言いたいことがあって血眼になって探したナリ
そう言うとからさんは白い貝殻のイヤリングを手渡した
そのイヤイングはしいちゃんの亡き母からもらったもの
からさんと出会う前、しいちゃんが唯一拠り所にしていたものだ
国セコから逃げる際に落としてしまったようだ

ひとりぼっちのしいちゃんをからさんは強く抱きしめる
体力は衰えを隠せない
初めて出会ったときはもっと力強かったのに
温もりも徐々に冷めつつある
もう戻ることはない温もりにしいちゃんは涙する
からさんのことは一生忘れない
からさんのように前を向いて生きていくことを決意する

しいちゃんがからさんを愛する限り、からさんは心の中で生き続ける
前を向いて走り続け突き進む、もう何も怖くない!
綺麗な花束と思い出のイヤリングをあの場所に持っていく
今のしいちゃんを愛してくれたからさんのために

いや、あの森にはまだ行けない
からさんの温もりは今でも恋しいけれど
でも、今はもう少しだけ知らないふりをします
私の作るこのカステラも、きっといつか、誰かの青春を乗せるから



一方、その頃からさんは天国でひろあきとセックス三昧の模様

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

この作品にについて

まつたけ寒天固め質問箱に本作品が投下され、まつたけは「最後の一文がなければ他に比べて綺麗な作品だと思います(KONAMI)[1]」と概ね好意的な感想を述べた。なお、文中内容はフィクションであり、本人は事実と異なると否定している[2]

リンク・註釈

恒心文庫
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