恒心文庫:たかひろくん係
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本文
「なぜ貴洋さんは、性暴力をなした社会的評価の低い人物とコラボキャスなどするのですかね?」
「例えばボクが「エロの祥平でーす。よく日本刀持たされてまーす」なんて動画流したら貴洋さんは許容しますか?洋さんだって不快になるでしょ?何やってるんだ、何で燃料を与えるんだって」
「‥‥」
「たかひろくん係」
「は?」
「君たちはたかひろくん係だ。息子を見れば分かるだろう?社会性の無い幼い顔をしている」
「他人の痛みについて、発想・想像力が無いんだ」
「君たちは自分が余計なことをすれば周りに迷惑がかかる、あの気の毒な長谷川、亮太君だったか。彼や彼の家族にも火の粉は及ぶし、彼らが不快に思うだろう、という発想がある」
「しかし貴洋はそうは考えない。自分は被害者だ、迷惑をかけるから余計な事をするな、なんておかしい。それなら俺は一生黙っていなければならないのか。俺には表現の自由がある、紙袋だかダンボールだかを被って飴なめて何が悪い。こう考える」
「なるほど‥」
「君たちはたかひろくん係なのだ」
「申し訳ないし理不尽だとも思うが、我慢してもらうしかない。そのために君たちには充分な金を払っているのだから。これからも内心はともかく、係員として付き合ってやってくれ」
「今月の分は色をつけておくよ」
「分かりました」
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