「高速バス脱糞」の版間の差分
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>チー二ョ 編集の要約なし |
>Ostrich (表示が壊れているので2021年2月10日 (水) 22:45の版に一旦戻します) |
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隣の女性視点 | 隣の女性視点 | ||
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シューカツもひと段落、明日は九州で同級生とお疲れパーティー。両親からもいよいよ独立し、経済的にも社会的にも自立を目指す私は当然自分で交通費を出す。私はお財布もキツイし節約も兼ねて長距離バスを利用して行くことにした。 <br> | |||
バス乗り場で予定通りに乗車。一人遅れているらしく、中々バスは動かない。ようやく表れたかと思ったら悪びれもせずズンズンこちらに歩いてくる。 <br> | |||
ゲッ、もしかして隣の席はコイツなのだろうか、サイテーの気分。「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」とかボソボソ喋っていてメチャクチャキモイ限界。 <br> | |||
もー早く降りたいよ!なんでこんなのが隣なの!私が乗る長距離バスは4列だった。値段で選んだのは人生最大の失敗だった。 <br> | |||
どうにかして到着するまで寝ようと思ったけれど隣の自称弁護士?の荒い呼吸と妙な油の匂いが気になって眠れない。 <br> | |||
しばらくするとキモイコイツは何やら鞄を開けて何をするかと思ったら、何とマックの袋を取り出してる!メチャありえないんですけど!!助けてお母さん。もう涙目だ。 <br> | |||
ガサゴソと包装紙からメガマックを取り出したかと思うと口いっぱいに噛り付きクチャクチャと不快な音を立てている。キツイ油の臭いも広がって車内の空気は最低だ。 <br> | |||
ポテトもわしづかみにしてボロボロこぼして口に詰めてる。最低。Lサイズのコーラは空になったのにズゴコココと大きな音を立てて吸っている。 <br> | |||
流石に限界を感じイライラが爆発しそうになると、バスは海老名SAで休憩に入り出した。せめて心の洗濯をしよう。手洗いに行き気分を少し紛らわせてバスに戻った。 <br> | |||
隣のキモキモクソデブはどうも食べ歩きをしていたようでまた当たり前のように遅刻していた。車内の沈んだ空気を載せようやく目的地の九州へ向けバスが出発したのも束の間、隣のデブが急に椅子をガクガクやりだすと叫びだした。 <br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」<br> | |||
私の人生史上最低の男の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。</div> | |||
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バス運転手視点 | バス運転手視点 | ||
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今日は新宿発、九州・福岡行きの夜行バス運転。会社から独立し、個人タクシーの運転手でもやりたいものだ。私はそう思いながら長距離バスの運転席に座った。 <br> | |||
九州行長距離バスの運転は初めてだったので、はりきり過ぎて1時間以上早く出勤、事務所へ顔を出したさいにみんなから気張り過ぎだぞとなだめられてしまった。 <br> | |||
出発時刻を過ぎたが乗客が一人揃わない。ようやく表れたかと思ったら悪びれもせすノソノソとこちらへ向かってくる。チケットを見せる時に「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」と呟いていて気味が悪い。 <br> | |||
私が運転する長距離バスは4列だ。値段で選んだ客は失敗だったと思うことだろう。狭いシートだと尻が痛むのだ。 <br> | |||
交代のSAに到着するまでは眠れないのでコーヒーを飲んだが、緊張に加え客席のほうから酸化した脂の臭いが漂ってきて美味しく感じられない。 <br> | |||
あまりに臭うので何事かとバックミラーに目をやると、先ほどの気味の悪い太った男がマックの包み紙を取り出し、グチャグチャと音を立てながらメガマックを口いっぱいに頬張っていた。 <br> | |||
ポテトをボロボロとこぼしながら、まだバーガーが入ったままの口へ放り込む。ズゴゴゴ!と音を立てながらジュースを飲む。乗客はその様子と音でみな顔をしかめていた。 <br> | |||
横の就活生だろう若い女性はこれが苦虫を噛み潰した顔だ、と言わんばかりに可愛らしい顔を歪めている。あとであの男がこぼしたポテトを掃除するのは私だ。いまいましい男め。思わず私も顔を歪めた。 <br> | |||
太った男が2、3人分はあろうかと思われる食事を済ませた頃、バスは海老名SAで到着、休憩についた。乗客を降ろして脂臭いバスを換気し、私も一服することにした。 <br> | |||
出発時刻にまたもあの迷惑な男が遅刻した。やれやれと思いつつ、沈んだ空気を漂わせたバスを九州へと出発させた束の間、後方から椅子を激しく揺らす音と凄まじい叫び声が! <br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 <br> | |||
私の運転手史上最低の乗客の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。</div> | |||
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バス運転手視点(別パターン) | バス運転手視点(別パターン) | ||
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新宿駅西口、夕刻。今日は運転手としての私の初の乗務日だ。お客様を安全に目的地まで送り届けるという初の使命を背負い、私はそこにいた。 <br> | |||
お客様の荷物を先輩の福嶋さんと行いながら、乗務にあたっての「心得」を改めて聞かされていた。「いいか。高速バスっていうのは必ず一人は乗客が遅刻する。大抵は…まあ大体の場合はオヤツを買ってて遅れるんだ。」と先輩は笑ながら言う。 <br> | |||
私は思った。ターミナル側にコンビニがあるのだからそこで買えばいいじゃないか。それがぼそっと口に出てしまったら、先輩はそれに応じた。 <br> | |||
「それならいいけどね。それならね。」含みを持ったその言葉の意味を、私は理解できなかった。 <br> | |||
お客様の荷物を積み込み終え、最終確認となった。乗客名簿を見直すと、先輩が言うように、現れない乗客がひとり。 <br> | |||
ケールセウェイ・チェケーヒルという外国人観光客と思われる乗客はついに姿を見せないので止むを得ず定刻を15分過ぎてバスは走り出した。 <br> | |||
普段なら道路が混雑する時間帯であるが幸いにも道はスムースに流れ、用賀の料金所を通過する頃には遅れを取り戻しつつあった。 <br> | |||
東名高速道路を下り、しばらく時間が経った。4列シートのバスであるので小まめにトイレ休憩を取る。第一予定地の海老名SAである。この頃には完全に平常通りのウンコスケジュールとなっていた。 <br> | |||
あの外国人観光客と思われる客には申し訳ないが、彼を待っていたらこうはいかなかっただろう。 <br> | |||
バスに戻る乗客の顔を見ると、この仕事を選んだことに改めて確信を覚えた。未来ある若い女の子、少しそわそわした白いもみあげを蓄えた一人旅の老年男性。 <br> | |||
それぞれの乗客の目的地には何があるのか。12時間後には福岡市街に入るだろう。乗客を乗せ、いや、人生を乗せ、バスは勢いよく運航を再開した。 </div> | |||
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椅子視点 | 椅子視点 | ||
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九州行きの長距離夜行バス、車内に並ぶ4列シートの内の一脚が私である。<br> | |||
このバスとは生まれた時からの付き合いだ。10年も客席をやっていると、色々な事が起こる。<br> | |||
今日は私の上に座るはずの男が大遅刻、やっと現れたかと思いきや「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」と一声、新顔の運転手も呆れている。<br> | |||
先にも言ったがこのバスは4列だ。この男は安くて固い私の座り心地に憤慨しているかもしれないが、私の方も脅威の体重に背中が痛む。<br> | |||
それでも到着するまで静かに座っていてくれればいいのだが、ここでマックの紙袋が登場。<br> | |||
上からボロボロとパンやらポテトやらの破片が降り注ぐ。椅子の私だが、隣の女性に申し訳ない気分になる。<br> | |||
私の体が食べ物のカスだらけになった頃、ようやくバスがSAに到着。ドアが開けられ、新鮮な空気が舞い込む。<br> | |||
私の乗客の男も下車した為、暫くの休息を味わう。男はまたしても集合時間に間に合わず遅刻しているが、少し嬉しいのは椅子失格だろうか。<br> | |||
バスも再びエンジンを回し、急ぎ足に九州へ走り出した安堵感も束の間、上から異様な臭気と共に凄まじい声が聞こえてきた!<br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」<br> | |||
私の椅子生史上最低の乗客の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。 </div> | |||
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フライドポテト視点 | フライドポテト視点 | ||
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俺は揚げたてのフライドポテト。客に買われるところを今か今かと待っていたところ、ついにお買い上げとあいなった。<br> | |||
俺を買った人間は小太りのつんつんヘアー、年の頃は35といったところか。<br> | |||
いかにも俺みたいなジャンクフードが好きそうな見た目をしている。<br> | |||
さてこいつは俺をビッグマックセットの一つとしてテイクアウトすると高速バスの中に持ち込んだ。<br> | |||
乗車するときに「俺は弁護士だ、お前らとは違う」とかなんとか言っていたが、弁護士様が俺みたいなジャンクフードを食うなよと問い詰めたい。<br> | |||
どうやらこのデブはバスに遅刻をしていたようで周りから睨みつけられるがお構いなしに自分の座席へと進みどかっと腰掛ける。<br> | |||
そして俺たちをムシャムシャと食べていく。食べられたからこれで終いだ。<br> | |||
このあとこいつらがどうなったかって?さあて、そんなの知るわけないね。<br> | |||
俺はジャンクフードさ。 </div> | |||
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イエダニ視点 | イエダニ視点 | ||
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「夜行バス」と人間達に呼ばれる巨大な城、俺こそがその城のカーペットに暮らすイエダニである。<br> | |||
このバスにはいったいどれだけの仲間がいるのか。一家15世代で暮らしていると、なんとも珍妙な事も起きる。 <br> | |||
今日は乗客の男の一人が大遅刻、やっと現れたかと思いきや「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」と呟く。だからどうしたというのか、人間はつくづく分からない。 <br> | |||
このバスは人間には窮屈らしい、おまけにこの男は血を死ぬ程吸ったかのような膨れっぷりである。隣の女も嘸迷惑であろう。<br> | |||
この場合、何もせずに眠るという人間が多いがこの男は猛烈な匂いを放つ黄色いMの字の食べ物を取り出した。<br> | |||
おまけに汚らしい音を立て頬張りながらパンやらポテトやらを地面に落とす。ああもったいない。どこかから舌打ちが聞こえた。<br> | |||
おこぼれを仲間と共に頂戴しているとバスはSAに到着した。ドアが開けられ、外の涼しい空気が舞い込む。 <br> | |||
例の男も下車した直後、乗客達の安堵と疲れによる溜息が聞こえた。それからどれだけ経ったであろう、男はようやく戻ってきた。 <br> | |||
バスは再び唸りと共に振動を再開させ、轟音を響かせ動き出すも束の間。南無三、凄まじい声がバスの中にこだまする。<br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 <br> | |||
俺の一生史上最低の乗客の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。</div> | |||
</div> | |||
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[[唐澤洋|洋]]視点 | [[唐澤洋|洋]]視点 | ||
<div class="mw-collapsible-content"> | <div class="mw-collapsible-content"> | ||
明日は息子が九州で同期の送別会、唐澤貴洋はもう今後ワシからの援助は受けない、などと寝ぼけた事を言いあろうことか、乗った経験のない長距離バスで行くとほざきだした。<br> | |||
電車の乗り換えすらもままならない唐澤貴洋が長距離バスで無事目的地にたどり着けるだろうか、<br> | |||
そして言わなくともわかるだろう、ある不安が生じ念のため、唐澤貴洋には秘密にして同じバスに乗る事にした。<br> | |||
若干の変装をして当日バスに乗車すると、一人遅れているらしく中々バスは動かない。半ば確信に近い予想を胸に待っていると、<br> | |||
遅れてやってきたのは案の定あの馬鹿息子だった。親として他の乗客に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」、なにが弁護士だ、だったらワシの事務所を間借りするなよ。<br> | |||
とりあえず予定から遅れたとはいえバスが無事出発した事に安堵したのも束の間、あのバカはあろう事かマクドナルドなるジャンクフードを食べ始めた。<br> | |||
密室であのようなものを食べれば匂いが室内に充満する事なんて猿でもわかる。親として教育に無関心だった事に、再び他の乗客に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。<br> | |||
とうになくなったであろう飲み物を吸っている音がワシを嘲笑しているかのように感じ、ここ最近の海原士業会の会合を思い出す。<br> | |||
バスは海老名SAに到着し、唐澤貴洋にバレないようにバスの中に籠っているとまたしてもあいつは遅刻してきた。<br> | |||
さすがに呆れる感情すら馬鹿らしくなり少し仮眠を取ろうとすると前の方から椅子を激しく揺らす音が聞こえ<br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」<br> | |||
ワシのある不安は最悪の形で的中してしまった。</div> | |||
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ズッキーニ視点 | ズッキーニ視点 | ||
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俺は採れたてのズッキーニ。客に買われるところを今か今かと待っていたところ、ついにお買い上げとなった。<br> | |||
俺を買った人間は小太りのつんつんヘアー、年の頃は35といったところか。<br> | |||
見た目とは違い俺みたいなフレッシュな夏野菜が好きなのかと驚きを隠せなかった。<br> | |||
さてこいつは俺をビニール袋から取り出すと唐突に履いていたズボンを脱ぎ始め肛門に挿入した。<br> | |||
俺は動揺したまま男はバスに乗車しだした。そのとき「俺は弁護士だ、お前らとは違う」とかなんとか言っていた。<br> | |||
どうやらこのデブはバスに遅刻をしていたようで周りから睨みつけられるがお構いなしに自分の座席へと進みどかっと腰掛ける。<br> | |||
そしてここでマックの紙袋が登場。 口へバクバクとハンバーガーやらポテトやらを放り込んだ、俺は頭上に何か違和感を感じた。<br> | |||
俺はその男の重さと頭上の違和感に耐えながらようやくバスがSAに到着。ドアが開けられ、新鮮な空気が舞い込む。<br> | |||
その男は下車した為、色々な店の食べ歩きをして再び集合時間に間に合わず遅刻した。<br> | |||
バスも再びエンジンを回し、急ぎ足に九州へ走り出した安堵感も束の間、上から異様な臭気と共に凄まじい声が聞こえてきた!<br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」<br> | |||
俺の人間に美味しく召し上がってもらうという夢は最悪な男の奇声がこだまする福岡行きのバスの中で儚く散った。</div> | |||
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なんJ民視点 | |||
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明日はヤフオクドームで贔屓球団のビジターゲームや。ワイは独立や自立なんて全く興味ないから当然親から交通費をくすねて観にいくことに。<br> | |||
ホンマは飛行機でいきたかったんやけどマッマの財布に三万ぽっちしかなかったからしぶしぶ長距離バスでいくことに。<br> | |||
どうやら1人遅れているらしくバスはずっと止まったままや、狭苦しいバスで待たされてクソイラつくんじゃ殺すぞ!<br> | |||
本来の出発時刻からゆうに30分が過ぎた頃にようやく表れたのは見るからにくさそうなきっしょい太ったデブ男やった。<br> | |||
大勢の人をこれだけ待たせたくせに謝罪の弁の一つもなく、横柄な態度でどかっとワイの前の席に座ったかと思えば<br> | |||
「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」などとボソボソ呟いていた。どうやらホンマもんのガイジらしい、殺そうかと思ったが関わらんことに決めた。<br> | |||
到着するまでレスバトルでもしようと思ったが旨そうなジャンクフードの匂いが強烈に立ち込めているせいで食欲が刺激されて集中できん、どうやら例の男がマックを持ち込んでこの場で食べているらしい。ワイも買ってくればよかったわ。<br> | |||
バスが走り出して小一時間ほどたったころにサービスエリアに到着した。海老名のSAにはいろんな店があって前の席のガイジに食欲を刺激されたワイは時間を忘れて食べ歩き。<br> | |||
休憩時間が終わりバスに戻ったころには腹はパンパン。再び九州へ向けバスが出発したのも束の間、ワイに凄まじい便意が降りかかった。 あかん漏れる!そう思った瞬間<br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」<br> | |||
という奇声と強烈な大便の匂いが立ち込めた。<br> | |||
どうやらの前のガイジが先に漏らしたみたいやった、サンキュー脱糞ガイジニキ(ブリブリブリブチュチュブッブブッブブ)</div> | |||
</div> | |||
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[[長谷川亮太|チンフェ]]視点 | [[長谷川亮太|チンフェ]]視点 | ||
<div class="mw-collapsible-content"> | <div class="mw-collapsible-content"> | ||
なんJで何から何まで特定されたワイは、やけくそになり九州行きの高速バスに乗り込んだ。ワイの席は後方部通路側。反対側の席には、オープン戦の観戦だろうか、プロ野球チームのユニを着た男性が座っていた。<br> | |||
去年末には進学が内定、大学四年次には就活生として高年収で、ブラックではない企業に内定をもらうのが夢だった。その夢もたった一枚の合格書で崩れようとしている。<br> | |||
出発時間を過ぎたが、一人遅れているらしく、中々バスは動かない。ようやく現れたかと思ったら悪びれもせずズンズン着席した。ワイの前列の空席はコイツか。「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」とかなんかボソボソ喋っていてぐうキモイ。<br> | |||
こんなやつと一緒のバスなんか。一刻も早く降りて自由に動きたい。願いは虚しくワイが乗る長距離バスは4列。値段で選んだのは人生で二番目の大失敗だ。到着するまでデジモンのゲームでもしよう。<br> | |||
しばらくすると彼は鞄を開け、ついにマックの袋を取り出し始めたのだ!いつとは言わんが、以前ワイもトイレの個室から弁当を持ち出しているところを見られたことがあるだけになんとも言えないですわ.....<br> | |||
誰がこんな弁護士に高い金出して仕事を依頼するのか。依頼するやつの顔が見てみたい。<br> | |||
デジモンのゲームにも飽き、スマホでツイッターを見ていると、バスは海老名SAで休憩に入り出した。自販機でオランジーナを買い、リフレッシュをした。<br> | |||
前列のデブ弁護士はどうも食べ歩きをしていたようでまた当たり前のように遅刻していた。この弁護士調子乗りすぎ。社会人見くびるなンユ"wu ようやく目的地の九州へ向けバスが出発したのも束の間、前列のデブが急に椅子をガクガクやりだすと叫びだした。<br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」<br> | |||
ワイの人生史上最低の男の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。</div> | |||
</div> | |||
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カラコロ民視点 | |||
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なんJで尊師が九州で同窓会に行っていたと知った私は、尊師が乗るであろう九州行きの高速バスにタイムスリップした。 <br> | |||
私の席は後方部中央左。ぞろぞろと乗客が乗る中、隣の席には深く帽子被ったチンコフェイスが座った。 <br> | |||
「君、長谷川亮太君だよね」、その一言を言おうとしたが、押し堪えた。もし私が話しかければ、カラコロをしてきた未来がなくなってしまう。 <br> | |||
と、考え事をしていると、あることに気づく。尊師がバスに居ない。バスを見渡そうとした時、一人の男が悪びれるそぶりも見せずバスに乗り込んだ。 <br> | |||
あっ尊師だ。尊師は周りの乗客を睨みながら、「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」という譫言を述べながら席に着く。 <br> | |||
早くこの鞄に隠したナイフで殺したい。だが私が乗った長距離バスは4列。前の席の尊師の元に行くには、隣のチンフェが邪魔で殺しに行けない。仕方が無い、後でナイフで滅多刺しにして殺すことにしよう。 <br> | |||
しばらくすると尊師は鞄を開け、ファストフードの袋を取り出し食べ始めた。最後の晩餐がジャンクフードだなんて、全くパカデブらしい最後だ。この後、自分が殺される。そんなことも知らずに尊師は口いっぱいにポテトを貪り入れている。 <br> | |||
しばらくするとバスは休憩の為、海老名SAに入った。私は尊師がいる世界での“最後の一服”を吸いバスに戻った。 <br> | |||
前列の尊師はSAの名物を食べ歩きをしていたようで、またも時間を守らず遅刻した。流石は無能、頭もカラッポか。 <br> | |||
ようやく目的地の九州へ向けバスが出発した。後ろからナイフで刺殺しよう時、尊師が急に椅子をガクガクやりだすと叫びだした。 <br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 <br> | |||
彼の人生最後の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。</div> | |||
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大物youtuber視点 | 大物youtuber視点 | ||
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俺は浜崎順平、31歳の大物YouTubrだで。今日はチャットで知り合った女の子と初デート、待ち合わせ場所の泉南イオンへ行くためバスへ乗った。<br> | |||
このバスの行き先は分からないが俺なら多分大丈夫だろう。なかなかバスが出発しないと思ったらツンツン頭のおっさんがバスへ乗ってきた。<br> | |||
実のところ俺も遅刻したんだが、ちゃんとバスの出発時刻に目覚まし時計をセットしたのに丘people!?とにかく、もしこれがノビハザだったらこんなケツアゴ野郎倒してやるだで!<br> | |||
「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」とかボソボソ言っているようだけど、俺は面白いサムネが作れるし動画の編集、小説は執筆しているしマンガも描けてファーストフード店で店員に注文ができるんだで!<br> | |||
隣に座っているOLの様な若い女性は美人でつい股間が5cmほど大きくなってしまった。席が4列のためか窮屈で居心地は最悪だった。<br> | |||
お母さんにもっとお金を貰っておくべきだった。と思った矢先、前の方からいい匂いが漂ってくる。遅れてきたツンツン頭のおっさんがマクドを食べているようだ。<br> | |||
この美味そうな匂いを嗅ぐとオリジナルメニューを思い出した。だけどあのおっさんは「クチャクチャ…二チャァ……」と汚い音を立てて食べている。<br> | |||
俺のオリジナルメニュー動画を見ればわかるが、俺ならもっとキレイに食べられるだで!苦し紛れに俺の作曲した「サヨナラアトピー」の鼻歌を歌っているとナンチャラサービスエリアに着いたようだ。<br> | |||
難しい漢字はどうも苦手だ。サービスエリアでカツカレーをレビューしながら食べたのだが、カレーが辛くて遅くなってしまった。あのおっさんはまた遅れた様で、やはり悪びれる様子もなかった。<br> | |||
ノビハザに登場するドラえもんの様な悪いヤツだで。ようやく目的地に向けてバスが出発したのも束の間、前列のおっさんが急にガクガクやりだすと叫び出した。<br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 おい!それってYo!のびハザのネタじゃんか!アッアッアッアッアッ…<br> | |||
俺の大物YouTuber人生史上最大の奇声がバスの中でこだました。 </div> | |||
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<div class="toccolours mw-collapsible mw-collapsed"> | <div class="toccolours mw-collapsible mw-collapsed"> | ||
うんこ視点 | うんこ視点 | ||
<div class="mw-collapsible-content"> | <div class="mw-collapsible-content"> | ||
我輩はうんこである。宿主のタイミングを少しは尊重してやるつもりだがこの窮屈な腸からいつ外に出るかは我輩の勝手だ。<br> | |||
どうやら我輩の宿主は弁護士という肩書きをもっているらしい。<br> | |||
「俺は弁護士だ、お前らとは違う」という声が体内を振動させて伝わってきたのだ。<br> | |||
弁護士という肩書きを得るには相当難しい試験を突破しなければならず、かなり優秀な人間でなければなることができないらしい。<br> | |||
優れた肩書きをもつ人間のうんこであることを誇らしく思うと同時に、自分が選ばれた人間だと舞い上がっている愚かな男にお灸をすえようという気にもなる。<br> | |||
どれ少し外の方に近づいてやろうかね。ほんの少し直腸に移動してやった瞬間<br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」<br> | |||
奇声を聞いたかと思えば外に出てしまったようだ。ちょっとおどかしてやるだけのつもりであったのに、やれやれこんなに糞を漏らしやすい人間は初めてだ。</div> | |||
</div> | |||
<div class="toccolours mw-collapsible mw-collapsed"> | <div class="toccolours mw-collapsible mw-collapsed"> | ||
[[九州の同期]]視点 | [[九州の同期]]視点 | ||
<div class="mw-collapsible-content"> | <div class="mw-collapsible-content"> | ||
今日は司法研修所の送別会、幹事の俺は仲間と最高の別れをしようと張り切っていた。 <br> | |||
準備は順調に進み、開始時刻となり参加者が全員席に着いた所で乾杯の音頭を取ろうとしたその時「ちょっと幹事ー!一人足りないんじゃないのー!」 <br> | |||
そんなはずはない、さっき全員の顔を確認したはずなのに。半ば疑いながら人数を数えてみると確かに一人足りなかった。 <br> | |||
慌てて参加者名簿を確認すると、唐沢貴洋という名前を見つけ軽く舌打ちをした。なんだあいつ来んのかよ、幹事として絶対に言ってはいけない言葉が思わず口から出てしまった。 <br> | |||
正直言って来て欲しくない奴だった。どうやらこの感情が参加者を確認する際に無意識に奴の名前を脳内から消したようだ。 <br> | |||
幹事である以上、いくら来て欲しくない奴とはいえ全員が揃わないのに会を始めるわけにはいかない。あまり気の進まないまま唐沢貴洋の携帯に電話を掛けると予想外の声が返ってきた。 <br> | |||
「もしもし、ああちょうどいい所だ!あんたが九州の同期の弁護士さん?」 <br> | |||
その声は40歳を少し超えた位の初老の男性の声だった。ほとんど唐沢貴洋と会話した事がなかったとはいえ、この声があいつの声でない事位はわかる。 <br> | |||
状況がよく理解できないまま、俺ははいそうですがと返答した。 <br> | |||
「おたくの弁護士がバスの中で派手にまき散らかしましてね、バスがダメになっちまったんですよ。本人はその後もポテトを食ってるだけだし <br> | |||
父親に電話を掛けてもつながらないし。なので弁護士さん、申し訳ないんですがバスの修理費弁償してもらってもいいですかね?」 <br> | |||
順風だった俺の司法研修所の思い出が全て真っ暗になった。</div> | |||
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サービスエリア視点 | サービスエリア視点 | ||
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私のもとに一台の福岡行きのバスが入ってきた。 <br> | |||
バスのドアが開き新鮮な空気がバス内の油臭い空気と入れ替わる。 <br> | |||
どうやら休憩時間のようだ。人が次々と降りて行く。 <br> | |||
そのうちの一人は夢中で食べ歩きしながら周りをまわっていた。 <br> | |||
バスに人が戻ってきた、どうやら出発のようだが、先ほどの一人が見当たらないらしい。 <br> | |||
やはり彼は夢中で時間を忘れていたようだ、遅刻し他人の冷ややかな目線が彼に向けられる。 <br> | |||
福岡に向けバスが私のもとから出ていったのも束の間、合流地点から凄まじい悪臭が漂ってきた! <br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 <br> | |||
彼の奇声が追い越し車線からこだました。</div> | |||
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水曜どうでしょうディレクター視点 | 水曜どうでしょうディレクター視点 | ||
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私は敏腕テレビディレクター!…といっても北海道のローカル局。でも受け持った番組は深夜帯にしては高視聴率の人気番組で、今もそのロケの真っ只中。 <br> | |||
まぁ人気番組とはいえ地方局の深夜帯で、タレント二人、ディレクター二人のこじんまりとした低予算のロケハンだ。企画内容もサイコロで出た目に書かれた行き先へ向かうという勝手気ままなもの。そして、新宿で出た目は「深夜バスで福岡博多」だった。 <br> | |||
長時間の夜行バス移動は辛いが、乗り物に揺られ疲れ果てたタレントの顔芸が売りの番組。ここは美味しい展開と思うしかない。意を決して乗り込んだ。 <br> | |||
一通りの撮影を終えるも、バスは定時になっても出発しない。多少のアクシデントは番組を面白くするエッセンスだと思うが、こうも遅れては単純にいらつく・・・と思った矢先、遅れた乗客がようやく乗り込んできた。 <br> | |||
かなり大柄な男だった。自分も太り気味だという自覚はあるがそれ以上で、ぶつぶつとつぶやく低い声も気味が悪い。カメラマイクが拾っていたら編集で消しておこう。 <br> | |||
男はバスが走り出してからも鼻息荒く脂の臭いを漂わせハンバーガーを貪り食い、定期的に奇声をあげるなど、番組で幾度と無く長距離バスを利用している私にとっても初めての経験だった。臭いが電波では伝わらないのが不幸中の幸いである。 <br> | |||
タレントの片方も初め「バスが送り込んだ刺客だw」なんて茶化していたものの、奴の異常性を目の当たりにし段々と怯えるようになり、もう片方も本気で苛ついているように見える。 <br> | |||
挙句、サービスエリアでの途中経過の撮影中に、テレビと知ってか知らぬか後方でカメラを意識した素振りをして非常に迷惑だった。とはいえ、撮影を終えあとは寝るだけだ。バスが動き出すと同時にまぶたを閉じる。 <br> | |||
ところが出発してものの数分で例の男がガタガタと震えだした。いっそカメラを回してやろうかと思った瞬間、 <br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 <br> | |||
番組史上初、企画のお蔵入りが博多行きの暗く狭い車中で決まった。 </div> | |||
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[[唐澤厚史|厚史]]視点 | [[唐澤厚史|厚史]]視点 | ||
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未だ現世への未練が断ち切れない僕、唐澤厚史が三途の川の水面を覗き込むと、長距離バスで一路福岡に向かわんとする兄の姿が浮かび上がってきた。 <br> | |||
遅刻した兄を睨む乗客達の視線に、かつてあんな目で兄を見ていた親や親戚のことを思い出し胸が痛む。 <br> | |||
「俺は弁護士だ、こいつらとは違う」そう毒づく兄の姿に、よく家柄を鼻にかけていた中学時代の面影がちらついた。 <br> | |||
兄が乗る長距離バスは4列。とうに物理的な束縛からは解き放たれた僕にも窮屈そうに映る。 <br> | |||
マックを頬張る兄の周りの乗客たちの歪んだ表情は、以前垣間見た川の向こうの地獄の囚人たちのそれと似ていた。 <br> | |||
しばらくするとバスは海老名SAで休憩につき、兄は目を爛々とさせて買い食いに興じ始めた。 <br> | |||
僕が生きていた頃の父は厳格で、買い食いなど到底許すような人ではなかった。 <br> | |||
あれから随分経った今、兄は兄なりに少年時代を取り戻そうとしているのだろう。 <br> | |||
兄と過ごした少年時代。様々な思い出の中でも何度となく見た、まぶたの裏に焼き付いて離れないあの兄の姿…… <br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 <br> | |||
懐かしき追憶と寸分違わぬあの光景が、福岡行きのバスの中で今再現された。 </div> | |||
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改造人間視点 | 改造人間視点 | ||
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クソッタレ。4列シートの下に身を潜め、俺は毒づく。 <br> | |||
世界征服を目指す悪いもの達の改造人間である俺は、長距離バスの乗客をまとめて誘拐することにした。 <br> | |||
なのに俺が隠れてるシートに座ったこのデブは、2度も俺の邪魔をしやがった。 <br> | |||
最初は出発だ。指定の時間に遅刻したフリをして、バスの出発をわざと遅らせた。おかげで道に仕掛けた大量の時限爆弾が全てパアだ。 <br> | |||
偶然じゃねえ、この野郎、俺の頭上にデカケツを下ろす瞬間「俺はこいつらとは違う」確かにそうつぶやいたんだ。 <br> | |||
しょうがねえから催眠ガス作戦に切り替えたら、今度はすました顔でハンバーガーの包みを開いてモソモソ食い出した。これじゃ折角のガスも台無しだ。 <br> | |||
運転手がハンバーガーの臭いを嫌って、ご丁寧にバスを停めて換気しやがる。こっちはこぼしたポテトの塩が目に染みて、涙が出そうだ。 <br> | |||
もうこれ以上、作戦の失敗は許されない。だがこのままじゃ、確実に3度目の妨害が来る。 <br> | |||
再び動き出したバスにつられるように、俺は決意した。このデブは直接殺さなきゃならねえ。 <br> | |||
爪を研ぎ、牙を剥いてシートから這い出たのも束の間、怖れていた3度目が最悪のタイミングで来やがった。 <br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 <br> | |||
クソッタレ。 </div> | |||
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ヒーロー視点 | ヒーロー視点 | ||
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俺は平和を愛する正義のヒーロー。今日も悪いもの達から世界を救う為、長距離バスに乗っていた。このバスに悪の秘密結社の改造人間が乗り込むという情報を得たからである。 <br> | |||
俺は監視する。シートの下にに隠れている怪人を。しかし、まだ奴には手を出させい。何事にも順番とお約束と云うのがある。あいつがこのバスをジャックするであろうその時まで待つ必要がある。 <br> | |||
それにてもバスが定刻を過ぎても発車しない。どうやらまだ乗っていない奴がいるようだ。全く、迷惑な奴だ。 <br> | |||
だがそのお陰で奴の計画も少し狂うだろう。恐らく奴は道に時限爆弾を仕掛けた。代わりに他の車が爆発に巻き込まれるだろうが、これは俺には関係無い。 <br> | |||
暫くしてデブが「自分は弁護士だ、こいつらとは違う」と呟きながらバスに乗り込んで来た。俺以外の全員が怪訝な目で見ているが彼のお陰でこのバスは助かるのだ。感謝しなくてはいけない。 <br> | |||
そしてこのデブが座ったのがまさに怪人が隠れている席だった。俺は少し怪人が気の毒になった。何とこのデブはマックのバーガーを食べ始めたのだ。 <br> | |||
みんな迷惑そうにしているが一番キツイのは彼の下に隠れている怪人だろう。怪人は苦し紛れに催眠ガスを出したがあいつからの匂いの方がよっぽど堪える。 <br> | |||
見ろよ。今度はポテトをポロポロこぼしながら喰いやがる。あれでは塩が目に染みるだろう。隣の女の子が泣きそうになっているが、彼がいなければ今頃自分が人質になっていたかもしれないんだぞ。 <br> | |||
事態は一度目の休憩を終えた後に急変した。椅子の下に隠れていた奴が遂に実力行使にでようとしたのだ。もうあのデブに我慢が出来なかったのであろう。 <br> | |||
こうなれば、致し方ない。アイツはこのデブを殺した後、このバスを乗っ取るだろう。俺はその時を待ち、何時でも変身出来る様に身構えた。とその時だった。 <br> | |||
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 <br> | |||
ああ、奴こそこのバスを救った真のヒーローだ。 </div> | |||
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