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 佐野氏の作品のアラを探すことでネットは祭り状態になり、家族のプライバシーも脅かされた。<br>
 佐野氏の作品のアラを探すことでネットは祭り状態になり、家族のプライバシーも脅かされた。<br>


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<div style="font-size:150%">16 事後対応 後輩への発言で大炎上</div>
<u>後輩への揶揄を投稿してしまい、さらにシステムの不具合ですとわかりにくい言い訳を重ねてさらに大炎上</u>
 
 2016年にHKT48宮脇咲良さんが田島芽瑠さんのファンのツイートにコメントする形で後輩・田島芽瑠さんの体型に関する話題を投稿した。<br>
 「ぱんっぱん」というツイートは明らかに、田島さんの体型に対するもので、これに対して多くのファンから苦情が寄せられると同時に、裏アカウントに投稿すべき内容を誤爆してしまったのではと推察された。<br>
 これに対し宮脇さんはツイッターの不具合であるとわかりにくい説明をしたことでさらに炎上した。<br>
 誤爆といえば、楽天トラベルの公式アカウントが、歌手の柴田淳さんに対して「ブサイク」とリプライを送って大炎上したこともあった。<br>
 企業の公式アカウントを運用する人物が自分のアカウントと間違えてか、プライベートな内容を投稿してしまうミスは後を絶たないが、悪質だったり、悪意があるものはすぐに発火して企業の価値を下げる恐れもある。<br>
 現在はSNSの運用にガイドラインを設ける企業も増えている。
 
<div style="font-size:150%">17 感情を逆なで タイミングが悪い場合も炎上する</div>
<u>原爆投下の日に無神経なツイートをしたとしてディズニー公式アカウントが炎上。謝罪してツイートを削除</u>
 
 ディズニー公式アカウントが、長崎に原爆が投下された8月9日に「なんでもない日おめでとう」とツイートしたことで物議を醸した。<br>
 実は「なんでもない日」というフレーズは、もともと「不思議の国のアリス」で用いられており、「誕生日ではない残りの364日を祝おう」という人生の喜びを教えてくれる素晴らしい言葉だ。<br>
 ディズニーの公式アカウントはそれまでも作品内で用いられた印象的なフレーズを定期的に投稿しており、このポストもその一つだったのだが、あまりにタイミングが悪かった。<br>
 それまでのツイッターでの活動を知っていたディズニーファンからは投稿に理解を示す声もあったが、日本人にとって忘れられないいたましい日に投稿すべき内容でないと非難が殺到した。<br>
 その後ディズニー公式ツイッターはツイートを削除し、謝罪文を発表。<br>
 どんな素敵な文言で、悪意がなくても、タイミングが悪いと相手の神経を逆撫でして炎上するという例である。ディズニーは日本に根付いて何十年もたっており、ホスピタリティに基づきPRには細心{{原文ママ|「の」が抜けている。}}注意を払っているのかと思われていたが、中々難しかったようだ。
 
<div style="font-size:150%">18 不勉強 羊水が腐ると発言した倖田來未</div>
<u>35歳をすぎるとお腹の中の羊水が腐ると発言して女性から猛バッシング。活動自粛に追い込まれる</u>
 
 歌手の倖田來未がラジオ番組内で「35歳になるとお母さんの羊水が腐ってくる」と発言したことで大炎上した事件はまだ私たちの記憶に強烈な印象を残している。<br>
 当時はまだ高齢出産する人が今と比べると少なかったのもあるが、倖田さんは、そもそも出産に関する知識が足りなかったと言わざるをえないだろう。現在では35歳以上をそう定義するが、1993年までは30歳以上が高齢出産とされていたように、年々高齢出産の割合は増加している2017年の統計では、3割近くが35歳以上での出産を経験しているように、女性の出産年齢の幅は広がってきているが、女は早く子供を産めといった思い込みに基づく勘違いとして、リスナーおよびそのニュースを知った一般人の感情をいたく刺激した。<br>
 世間での騒ぎを受けて、所属会社と本人から謝罪文が発表された。<br>
 芸能人が舌禍が原因でインターネット上で炎上して、さらに芸能活動の自粛に追い込まれるという先駆的な事例となり、人々の記憶に残った。<br>
 
<div style="font-size:150%">19 社会的倫理・虚偽広告 宣伝時に利用した画像と異なるおせちを販売して炎上したクーポン共同購入サイトとカフェ</div>
<u>ハレの日のおせち料理、フタを開けたらゴミのような見た目で、1万円の金額に見合わないあまりにひどい内容に消費者の怒り爆発</u>
 
 クーポン共同購入サイトが流行ったのが2010年代前半。顧客がまとめて購入することで割安になるサービスで、集客に高い効果があり、店としてはたとえ赤字でも宣伝になるということで、世間に広く浸透した。<br>
 グルーポンのおせちが騒ぎになったのは2011年のこと。横浜のカフェが「謹製おせち」300セットを定価の半額である10500円で販売したのだが、事前に注文数を500に増やしたことで、厨房が大混乱。大量のおせちを少人数で仕上げなくてはいけない緊急事態で、その結果、元日までに届かない上に、見本のちらしとは似ても似つかぬスカスカのおせちが客の元に届いた。<br>
 すぐにネット上に苦情の声が投稿され、販売元への非難が殺到する。おせちという年に一度のめでたい食事にけちがついた消費者の怒りは凄まじいものがあった。<br>
 慣れないおせち販売という誘いに安易に乗った経営者の見込みの甘さが招いた事件であったがその代償は大きかった。おせちを販売したカフェは客への返金に応じ、弁済のため3000万円を工面したとも伝えられる。<br>
 クーポン共同購入サイトの名前で検索すると、サジェストワードで「おせち」がいまだに登場する。企業としておせちの改善は図ったものの、いまだに過去を引きずる結果となっている。<br>
 
<div style="font-size:150%">20 職業意識の低さ 従業員のプロ意識の低さが招いた炎上騒ぎ</div>
<u>都内の一流ホテルの従業員が有名人のデートの様子をつぶやく。空港職員が来店した芸能人のクレジットカード情報を漏らして大問題に</u>
 
 2010年、サッカー元日本代表の稲本潤一選手と当時交際中であったモデルの田中美保さんとの食事の様子が、アルバイト従業員によりツイッターに投稿された。その数時間後に2ちゃんねるにスレッドが立ち、アルバイト従業員は投稿をあわてて投稿を{{原文ママ|唐澤貴洋はどうやらあわてて「投稿を」を余計に書いてしまったようだ。}}削除するも、女性のSNSアカウントや出身高校など個人情報が次々と特定され、掲示板は祭り状態となった。現在でも女性の名前や個人情報はインターネット上で閲覧することができる。<br>
 2013年には玉木宏さんが成田空港の免税店で買い物をしたところ、店員がクレジットカードの伝票の控えをケータイで撮影した{{原文ママ|「撮影して」の間違いかと思われる。}}同僚のパート社員に転送。そのパート社員が「玉木宏さんが来店しました」とその写真を添えてツイッターにアップしたところ、すぐに非難が殺到した。写真はクレジットカードの下3桁を除く番号とサインが鮮明に写っていた。<br>
 すぐに投稿は削除されたが、その余波は大きかった。「有名人がきたことを知らせたかった」とパート社員は反省したというが同僚とともに解雇され、運営会社も玉木さんの所属事務所に謝罪。被害者の玉木さんもカードを変更するなどの負担を余儀なくされた。<br>
 アルバイト従業員の職業意識の低さはこれ以降も大きな問題になっている。


=== コラム「炎上による経済的損失・心理的負担」 ===
=== コラム「炎上による経済的損失・心理的負担」 ===
 炎上して大変でしたねとよく言われます。実態を知らない人もいますし、面白がっている人もいます。時に笑いながら聞かれることだってあります。<br>
 炎上しても気にしなければいいんだよという人もいます。<br>
 そういう人に限って自分が炎上したときに、狼狽え、普通の精神状態ではいられなくなることでしょう。<br>
 炎上をすることで、人は多大な精神的・経済的負担を強いられます。そのことを決して軽視してはいけません。これは、人の権利・自由を失わせるものであり、人権問題であると考えます。<br>
 日本では市民によって人権が勝ち取られてきた歴史があります。水平社は部落への差別と戦ってきた結社で、水平社宣言の最後はこう結ばれています。<br>
 「人の世に熱あれ、人間に光りあれ。」<br>
 ネット上でも人間に光あれと願わずにはいられません。


== なぜ炎上するのか ==
== なぜ炎上するのか ==
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=== コラム「SNSの恐ろしさ」 ===
=== コラム「SNSの恐ろしさ」 ===
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