恒心文庫:KARAPHANTOM
本文
"いらないナリよ捨ててしまおう"
唐澤貴洋は実家の自室で絶叫していた。
断捨離の真っ最中だ。散らかりすぎた部屋を父親に片付けろと言われて、苛立ちながらも渋々整理していた。
しかし、物が多過ぎる。出てくるものは小学校時代まで遡った。
クラスのマドンナの娘の水泳着、これはいい。当職がオカルトに凝っていた頃の本、これはいけない。
あの娘の上履き、これはいい。当職が映っていない集合写真、これはいけない。
ガラクタを目の前にして自問自答するのはかなり疲れる。
捨てることを迷うものが多い、これは当職が物持ちが良いせいもあるからだ。
キッパリ捨てる決意ができたのは法律の専門書や参考書、厚史の遺品ぐらいだ。
棚をひっくり返せば返すほど、今まで集めた女児の下着や破廉恥な写真が出てくるため勃起の繰り返しも辛いところだ。
こっちも出すもん出してスッキリしなきゃな。頭を掻き苦笑する。
ひとまず作業を中断して自慰することにした。
着ていた服を取っ払い、想い出の数々の幼児サイズのパンティに全身を通す。
みっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃん
みっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃんみっちゃん
金切り声が響き渡る。
おかずにするのは今までで一番想いを寄せ、一番リコーダーを舐めたあの娘だ。
右手はプラグ、ペニスはピストン、あの頃のオーガニズムというエンジンを積んで爆発する股間の動力は凄まじいものだった。
勢い良くペニスから時を経たソレは今に帰った。
閉められた窓は理不尽にも貴洋の汚らしい精子を浴びた。
貴洋も勢いの余り、後ろに倒れる。
後ろの押し入れは圧倒的重量に耐えきれず戸が破れた。
そのまま貴洋は丁度、押し入れの中の玩具箱に倒れ込む形になったがここで予期もしていなかったものに襲われた。
背中に刺すような鋭い痛みが走ったかと思ったらソレは腹まで貫いた。
貴洋は痛み、いや当然か。動けず目だけ腹にやる。
本当に刺さっていた、包丁が。あの日弟に刺し隠していた包丁が。
目の前の景色が霞んでいく。いくら他人の言動には強い貴洋も、20年越しの弟の直接的復讐には抗えなかった。
あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ドポポポポポポポポポポポポポ!!!!!!ブツチブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
汚い汚い部屋に動かないゴミがまたひとつ増えた。
リンク
- 初出 - デリュケー KARAPHANTOM(魚拓)