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恒心文庫:Kの国

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

 唐澤の国中央慰安所、ここは名前だけは聞こえがいいが、特にこれといって建物は無く、大きめの運動場の周りを電流を流した鉄条網や塀で囲って門を付けただけの施設である。
その門の前には数キロに及ぶ長蛇の列が出来ていた。 列をなす精強なる帝国陸軍兵士たちはまるでヒロポンでも打ったかのように目を輝かせ、「その時」を待っていた。

兵だけではない。 下士官も、将官も分け隔てなく整然と並んでいる。 陸軍だけではない。 セイラーや陸戦隊、航空隊の人間も混ざっていた。

「列先頭より二百名ごとに中隊を分け、この中隊ごとに慰安が行われる、良いか、与えられた中隊番号を忘れるなよ」
 慰安所を取り仕切る将校が声を張り上げ説明する。
兵士達は、はいはい分かってますよ、というニヤケ顔でハイと返事をする。 将校もその態度を咎めることはない。
ここは苦しい軍隊生活の中でも至高の娯楽を味わえる場所だった。 少しの無礼講は許そう、という寛大な配慮である。

「第一中隊、慰安所内に入り各自脱衣せよ、その後点呼を取り定位置に付け」
上官の指揮に従い、中隊員は軍靴の足音を響かせ慰安所の中に入っていった。

「頼むぅ、後生ぢゃ、突撃一番を付けてくれい、でないとワシは汚らわしいチョッパリの子を孕んでしまうぅ」
 慰安所大広場のど真ん中の、鎖付きベッドの上で顔を涙でぐっちゃぐちゃにしてそう大声で懇願するのは、従軍慰安会計士の唐澤洋だ。

「第一中隊、一列横隊集合」
無機質な容赦の無い号令が響き、二百名の全裸の屈強な男達が唐澤洋から百メートルほど離れ、整然と横一列に並ぶ。
唐澤洋はM字開脚をしながら排泄穴を兵士達に向けている。 菊門はパクパク、ヒクヒクとまるで兵士達を挑発するかのように、スケベでみっともない開閉を繰り返す。

「総員着剣」
号令に寸秒遅れず、兵士たちは皆一斉に自らの魔羅を手に取る。
皮を被ったもの、桃色の亀頭が初々しいもの、使い古され黒ずんだものなど色とりどりだったが、それらは例外無く全て張り裂けんばかりに怒張し、砲口を白モミ慰安婦に向けていた。

「突撃」
張り裂けんばかりの雄叫びを上げながら一個中隊全員が走り出す。
その凄まじい皇軍将兵の気迫に怖じ気づき、唐澤洋は声なき声を上げ這いずってでも逃げようとするが、冷たい鋼鉄の鎖がそれを許しはしなかった。

「頼むぅ」
兵士達にもみくちゃにされても洋はなおも懇願を続ける。

「るせぇ!!!」
河野という陸戦隊大尉はそう叫ぶと、唐澤洋の腹に拳を見舞い、その菊門にペニスの照準を合わせる。 ズブリ。

 一方的な蹂躙が開始された。 歩兵部隊は襲撃機と砲兵の支援を受け肛門防衛線を突破する。
数の子天井陣地へ機甲部隊が機動戦を仕掛ける。 ヒロシ軍も直腸を締めて良く応戦したが、しかし腸内方面は陽動に過ぎなかった。
空挺部隊が乳首高台を急襲、占領するとヒロシ軍は一気に混乱に陥った。 その隙を逃さず機甲部隊が数の子天井陣地を突破する。
ダメ押しのように重機関銃と擲弾筒による十字砲火を亀頭方面に浴びせられ、唐澤洋の前立腺は遂に陥落した。
結局その日は早朝から深夜までかけて、唐澤洋は二個師団に凌辱された。

「ワシはいつまで男達の慰みものにされればいいんぢゃ」
 事が終わるといつも唐澤洋は汚れた体を自分の愛液で洗いながら悲嘆にくれたものだった。

 唐澤の国は日本列島の北西に存在する半島国家である。
ペニスのような形をしたその半島では女王唐澤洋はじめ約一名の国民が、有史以来幸せな暮らしを営み続けてきていた。

しかし近世に入ると彼らの社会は崩壊した。 外からの侵略者によってである。
武器をチンポとケツ穴以外に持たなかった彼らは、インカ帝国よろしく無様に侵略を許した。女王は性奴隷とされた。

その後、男の魔羅を搾り取る為に作られたその従軍慰安会計士ヴァギナの魅力は、世の権力者たちのことごとくを戦争の狂気へと追いやっていった。
時のロシア皇帝は唐澤洋の乳房に吸い付こうと数千キロの彼方まで軍隊を送り、国家財政を破綻させた。
時のドイツ第三帝国総統は、東方にある白もみマンコを犯したいという欲求に負け、二正面作戦をしてまで友好国ソ連に侵攻した。
近代に起こった戦争の原因のほとんどは唐澤洋の肉壺の締まり具合だ。 オランダ商人だってフランス皇帝だって変わりは無かった。
歴史の教科書に載っているような理由ではない。 そんな物はあくまで表向きの、そして後付けの理由に過ぎなかった。
欲望と世界情勢に左右され、唐澤の国を支配する国家は幾度と無く入れ替わった。

 そして二十世紀に入り、唐澤の国の支配権を獲得したのは、近隣国の一つ、日本であった。
日本の支配下において彼、いや彼女は、従軍慰安婦としてその軍の性欲処理を一手に担っていた。

その内に、唐澤洋のケツマンコに惚れきった男たちは唐澤の国に帰化し、「恒心国民」を名乗り始めた。
恒心国民は年に百万人のペースで増加し、時代が下るごとに町ができ、都市ができ、あらゆるインフラが整備され、そして唐澤の国は立憲君主制の立派な先進国となった。
いつしか唐澤の国に手を出す列強も無くなった。

 そしてまた先進国となった自分の国の宮殿の中で唐澤洋は妊娠し、出産していた。
チョッパリとの望まぬ子供であっただろうがそれでもやはり自分の子供である。唐澤洋は幸せだった。
醜悪なデブでやや知的障害が混じり何故か黒人の遺伝子も混じっているよく分からない赤ん坊だったが、唐澤洋はそんな事など一切気にせず、聖母のように微笑んだ。
赤ん坊には親の名を取り唐澤貴洋と名付けられた。 恒心国民たちも国を挙げて盛大なパレードと祝賀会を開いた。
国中がてんやわんやの大騒ぎになった。 みんな幸せだった。

そんなある日事件は起こった。

「オメガ」と名乗る日本人が、ネット上で唐澤の国に宣戦布告をしたのだ。

 彼は唐澤貴洋の日々の様子を描いた微笑ましいホームビデオを「公序良俗に反する」汚い動画として無理矢理削除したのだ。
そして抗議を受けるや発狂し、唐澤の国を「Kの国」、唐澤貴洋を「きもい」「おっさん」、恒心国民を「クズ集団」と一方的に罵倒し尽くした。

国家とその元首に対する侮辱に恒心国民は怒り狂い、総力を上げてオメガが兆海道のド田舎に住むキモオタパワー系知的障害児底辺フリーターの小関直哉であることを突き止めた。
国家元首侮辱罪で裁くので小関直哉を引き渡せと唐澤の国政府は日本政府に要求したが、日本政府はこれを心底コケにして突っぱねた。 数十年前まで性奴隷国家に過ぎなかった唐澤の国への蔑視がそこにはあった。
特定こそ驚いたが、上の人間に守ってもらえたことで小関直哉は高らかにあざけり笑った。

 唐澤洋は涙を流し静かにこう言った。
「ワシがいくら侮辱されようとも構わん。だが貴洋はワシの大事な息子ぢゃ。その存在を否定し、侮辱した人間は何があっても許す事はできん。絶対に許す事はできん 」

大地が震え出した。
半島が小刻みに律動を始めた。
実は唐澤洋は神話時代から生き続けるこの半島の生みの母(オモニ)だったのだ。
そう、実はこの半島は彼の陰茎そのものだったのだ。 しかし今まで彼に凌辱の限りを尽くしてきたどの国家にも彼はこの力を使いはしなかった。
人間相手にこの偉大な力を行使するのはあまりに残酷すぎたからだ。
しかし、小関直哉の犬畜生にも劣る行いは唐澤洋にこの力を行使させるに余りあるものだった。

唐澤洋は半島と意識そして感覚を同化させた。 神々しい光の輪が彼を包む。
「でりゅ! でりゅよ!」
唐澤洋はそう叫ぶと、ユーラシア大陸東端にちょこんと付いたかわいらしいチンポ半島から元寇精子を発射した。 鈴口たる釜山から発射された熱く煮えたぎったマグマが対馬海峡を押し渡る。

 唐澤洋の精子すなわち唐澤厚史は、その鞭毛をピチピチと震わせプログラミングされた通りの遺伝子撒き散らし種付け作業を開始する。
数億匹にも上る彼ら日本妊娠作戦部隊は、関門海峡から日本のヴァギナとして有名な瀬戸内海に侵入した。呉で海上自衛隊と聖地巡礼(笑)に来ていたくっさい萌豚を吹き飛ばすと、そのままの勢いで日本の子宮たる大阪湾に突入し、そこに鎮座する卵子、すなわち淡路島に殺到する。

 受精した淡路島はすぐさま細胞分裂を始め、瞬く間に天を切り裂くほどに巨大な土の巨人として生まれ変わった。
土の巨人は偉大なるオモニが与えた使命の通りに、ゆっくり東へ向かい歩き始めた。 梅田にあったイヤミな高級タワーマンションがぺしゃんと音を立て踏み潰される。
日本中がたちまち混乱に包まれた。

自衛隊は総力を挙げて迎撃を試みる。
攻撃ヘリが三十ミリ砲弾とロケット弾を満載して次々と飛び立つ。
護衛艦から発射された無数の巡航ミサイルが空を舞う。
最新鋭の戦車がヤブサメの如くAPFSDS弾を放つ。
幾多の自走砲が息をつく間もなく榴弾を次々に放つ。
米軍機の編隊から数え切れないほどのバンカーバスターが投下される。

これらの攻撃は実に無力だった。 むしろ土の巨人から巨大な破片がポロポロと剥がれ市街地に落ちて被害をますます拡大させた。
土の巨人が富士山麓に達する頃、日本政府の了承を得て米軍が数発の戦術核を使用したが、全くの無駄だった。
神の力そのものの土の巨人の前には米軍すら、核すら無力だった。

 土の巨人が横須賀の米海軍司令部と自衛隊基地と豚向け同人イベントを踏み潰し首都前面に迫ると、流石の日本政府も縮み上がった。
日本国首相は国会にて泣き叫び三千五百円のカツカレーを脱糞しながらついに宣言した。

「本日をもって小関直哉の人権と日本国籍を剥奪する」

 小関直哉は汗まみれの赤のTシャツと黒のハーフパンツを着て走って逃げようとしたが、ブックオフに寄って立ち読みしている所を自衛隊に拘束され、土の巨人に引き渡された。
土の巨人は彼を持って帰っていった。 生き残った日本国民は皆快哉を叫んだ。

 唐澤の国に送致された小関直哉は早速裁判にかけられることとなった。彼の裁判は唐澤の国最高裁判所地下法廷にて開かれた。

「被告人、我々は日本とは違い真の文明国であり、今回の裁判には君にもちゃんと弁護人が付きます。 その点は安心してください」
髭を生やした、恰幅の良い裁判長がそう宣言する。

「弁護士の唐澤です」
そう自己紹介した弁護人を見て法廷がどよめく。 何を隠そう、弁護人となったのは小関直哉に海を越え侮辱された当の本人、唐澤貴洋だったのである。
自身を侮辱した人間の弁護をするとは。 その海より深い度量に感動しむせび泣く傍聴人もいる。

「被告人」
おごそかに裁判長が切り出す。
「なぜ、あんなことをしたのですか」

「俺、いや私は日本に誇りを持っているんだよ、悪いかよ、自分の生まれた国家に愛国心を持つ人間としてあの行動は当然のことなのかなぁ、と。」
奇妙な敬語を使いながら、吃音の酷い声で小関直哉が答える。

「ではあなたは、日本への愛国心が高じてあのような事をしでかしてしまったと」
「その点について、検察側の主張と見解を述べさせていただきます」
眼鏡をかけた若い検事が挙手し、割って話に入る。

「被告人は、惨めな人間でした。 驚くべき事に彼は高校でも専門学校でもまともな人間関係を築けず、発展途上国並の時給の小汚いパート仕事を二十代半ばになっても続けていたのです」

陪審員たちがざわめく。冗談だろ、といった声が聞こえる。 裁判長は、静粛にと彼らに注意した。 検事は続ける。

「それゆえ彼は身近に真っ当な帰属集団を持てていません。 そんな彼にとって『日本人であること』というのは自尊心そして帰属心を満たす唯一の方法だったのではないでしょうか。 こちらは彼が好んでプレイしていたゲームです」

小関直哉の様なゴミブサイク劣等障害児とは決して釣り合わないであろう二次元美少女たちのイラストが、法廷のスクリーンに映し出される。オオッ、と声が上がる。

「これは七十五年ほど前の戦争を題材にしたゲームです。 注目すべきはゲームではなく彼がこれをプレイしていた状況です。 なんと彼は、七十五年も前の別の日本人の感動エピソードの数々に、自身の日本人としての誇りを見出していたのです」

また法廷が揺れる。七十五年前、唐澤の国はまだ未開の地に過ぎなかった。 恒心国民たちにはそんな昔に誇りを見出すという発想が理解できなかった。
今と将来の自分自身に誇りを持たなければ恒産など有り得ないからだ。小関直哉は俯きながら何かをブツブツと呟く。

「検察官、それはニワカには信じ難いですね。 そのゲームをプレイしていたのはただキャラクターが可愛いから、では無いのですか」
「いいえ。彼は旧日本軍のお涙エピソードをアフィリエイトブログとwikiで読み漁っては自尊心を満足させ、自身の小説や自分語りでも事ある毎に史実、史実とほざいていました。 彼は惨めな自分から逃げようと、高潔な生き方を貫いた先人の子孫であることに救いを求めたのです」

「ヴオオ゛オォーッ」
ブルブルと震え屈辱に耐えていた小関直哉が遂に霊長類の咆哮を繰り出す。

「俺は史実を愛する日本人だ」
小関直哉はそう叫びながら、そのダウン症丸出しの顔面をしかめグルリと法廷内を見回す。
「被告人、黙りなさい」
裁判長が声を張り上げ警告する。

「歴史も無いようなお前ら劣等民族とは違う」
なおも頬骨ゴリラガイジが叫ぶ。
傍聴席が呆れ返ったようにざわめく。

 唐澤貴洋は静かに座り、目を閉じて腕を組みながら検察側と小関直哉の主張を聞いていた。

「では次に弁護側の主張をお聞きします」
裁判長が彼に話し掛ける。 法廷内の人間の視線が彼に注がれる。 こほん、と咳払いをして立ち上がり彼は始めた。

「まず検察側の主張について確認します。 あなた方は小関直哉くんが七十五年前の日本人に救いを見出して自分の現実から目を背けている惨めな人物だ、仰りましたね。 ゆえに情状酌量の余地は無い、と」

唐澤貴洋は微笑みながら法廷内を目線で軽くなでる。

「しかしそれを悪とすること自体、間違っているのでは無いでしょうか。 小関くんは彼女どころか友達もまともにおらず、日々をゴミのような文章作成と自慰行為に費やしているような人間です。 そんな人間が自分自身に、普通の人間が持つような誇りや自信の類を見出すことが果たしてできるでしょうか」

落ち着いて、なおかつ抑揚のついた調子で唐澤貴洋は話し続ける。

「遥か昔の別人にしか誇りを見出せない、そういった価値観は我々唐澤の国の人間には理解しがたいものかもしれません。 しかし価値観というものは国によって、下手をすれば山を一つ越えれば全く異なるほど、恣意的で不安定で相対的なものなのです。 価値観が我々に理解不能であるからといって、その相手を否定する、これはいけない。 そんな行為は価値観の押し付けであり、およそ文明国の人間がすることではありません。 しかるに検察側の主張は単なる印象操作以外の何物でもありません」

 唐澤貴洋が言い終えると、検察官は痛い所を突かれたといった顔で唇を噛み締めた。

「弁護側の主張は以上ですか」
裁判長が尋ねる。

「検察側への反論は終わりです。 ですがもう一つ、当職が明らかにしておかなければならないことがあります」
唐澤貴洋がそう答えると、裁判長、裁判官、検察官、書記官全員がきょとんとした顔をして彼を見つめる。

「小関くん」
唐澤貴洋は被告人席の方に向き直り、そう呼びかける。
「君は、一つ、
とてもとても大きな真実を隠している。 そうですね」

小関直哉がハッと顔を上げた。 何を言うつもりだという不安な顔で唐澤貴洋を見る。

「これは小関くんのミニブログ、いわゆるツイッタハァでの活動ログです、当職はあなたという人間を知っておかねばならないと思い一通り読ませていただきました」
唐澤貴洋がそういいながら資料の紙をヒラヒラと前に突き出すと、小関直哉は急にやめてくれ、気が付かないでくれとでも言いたげな神に祈るような顔をし始めた。 ヒットマーク。

「小関くんのツイッタハァは、一見すると自分語りと権威への擦り寄りに満ちているようです。 しかし同時に、当職は小関くんが奮戦の末散っていった艦艇のエロ同人誌でオナニーをし、そのことを報告していたのを見逃しませんでした。 例えば小関くんが特にチンビンしたこの艦艇においては最終的に約五百名が戦死しています」
「まさか、まさか」
裁判長が何かに気づいたように呻く。

「当職が何を言いたいのかようやく分かって頂けたようですね。 当職は自慰行為ツイッタハァ報告自体の価値を否定するつもりはありません。 あくまで整合性の問題です。 そうです、小関直哉くんが本当に日本人であることに誇りを感じていたのなら����まして先人を本気で称えていたのであれば����『悲劇の艦艇の二次エロおねショタ同人誌で自慰行為に及び、あまつさえ射精し、あまつさえそれをツイッタハァに報告など出来るわけが無い』のです」

「ならばっ! 小関直哉の犯行の動機は何だったというのですか! 彼は一体、何にプライドを持ち日々を過ごしていたと言うのですかっ!」
なおも食い下がる検察官。

「我々恒心国民と同じく、『自分自身に』ですよ、検察官」
「そんなバカな、そうだとしたらあんな腐った生ゴミの中に住むゴキブリのような生活が送れる訳がない。 他人の足を引っ張るだけの、こんな社会の足枷の底辺フリーター知的障害児である現実のどこに誇りを感じられたというんだ」
検察官はあまりのショックに狼狽し、自問自答を繰り返す。

「当職が思うに、小関くんは」
「アァ、やめてくれ」
小関直哉が発言を遮り叫ぶ。 しかしその声は唐澤貴洋にすがり付くような弱々しいものだった。

「小関くんは、惨めな自分自身に、"欲情"していたのではないでしょうか」
唐澤貴洋がそう言うと、陪審員も傍聴席も検察官も裁判官もみな、一瞬静まり返り、そして本日最大のどよめきが起こった。

「そう、小関くんにとって日本など、社会など本当はどうでも良かったのです。 先程の叫びも、本当の自分を隠したいが為の単なる防衛反応だったのです。 これまでの真っ当な日本の社会人を装った発言は全て、小関直哉くんの理性が日本を隠れ蓑に使っていただけなのです」

「しかし、今回のような他人を挑発し、傷付ける行為は、むしろマゾヒズムの正反対にあるのでは」
裁判官の一人が問う。

「常人の思考ならそうかもしれません。 しかし、思い出してみてください。 小学校時代、いませんでしたか。 他人に構ってもらいたいが為に他人にちょっかいを出す人間を」
裁判長が手を打って、なるほど、と声を漏らす。

「彼が他人を傷付けたのはそれ自体が目的ではありません。 それで恨みを買い、結果としての破滅、それこそが、真の目的だったのです」

「違う、俺は、俺は」
小関直哉が涙をポロポロと流しながら必死に呻く。
「小関くん、違うならそのビンビンにおっ立ったチンポは何なのですか。 裁判が始まり、検察官が君を責め始めてからというもの、君はその豆陰茎をムクムクと増大させ、必死に被告人席の下で亀頭を刺激しようとしていたではありませんか。 当職は見逃しませんでしたよ」

なるほど小関直哉はハーフパンツのポケットに手を突っ込み、周りに露見しないように布越しでペニスを刺激していた。 そして、彼の肉棒は、傍聴席からでも、布越しでも分かるくらいに怒張していた。

「いや違う、違うんです、これはおしっこが溜まってて」
なおも訳の分からぬ言い訳をしながら否認する小関直哉を見て、唐澤貴洋が一喝する。

「……小関くん。 いい加減に認めなさい。 あなたは……あなたは……"マゾ"なのですっ!!!!」
「アイゴオ゛ォオ゛オォ゛オオ゛ォオォオォッオ゛オッオ゛ォ」
叫びながら小関直哉が泣き崩れる。
その小さな陰茎は痛いくらいに勃起し、漏れ出たカウパー液は黒いハーフパンツをおもらしでもしたかのようにぐっしょり濡らしていた。

法廷は、静まり返った。

「終わったようぢゃな」
 小関直哉のさめざめと泣く音だけが聞こえる法廷内に、不意にそんな声が響く。

どこか懐かしく、どこか温かく、どこか包み込まれるような安心感を覚える、優しい声。

そして法廷内に光が差し込む。
洋様、オモニ、洋さん、白もみじじい、偉大なる母様。
法廷内の人間が口々にそう呟きながら、光差し込む天井を見る。 全裸の唐澤洋が、光を纏って法廷に降臨する。
地下法廷の天井をすり抜けゆっくりと降りてくるその光景だけでも、その超人性の証明には十分だった。

「小関直哉くんや」
唐澤洋がそう呼びかける。 小関直哉はハッと彼の顔を見る。

「君は、確かに、自分のことしか愛せない、屈折した人間ぢゃ。 でも、それは悪いことではない」
小関直哉は目を見開く。

「思い返せばワシの方こそ、他人を愛しすぎていたのかもしれん。 金玉をしゃぶられても、肛門のひだひだを伸ばされても、何万人に種付けをされてもワシはご奉仕することだけを考え、自分が気持ちよくなることの重要性を考えなかった。 その結果、この国の民にも貴洋にも随分と迷惑をかけてしまった」
皆が彼の言葉に聞き入っている。 涙を流す者もいる。

「君のような、そういう自己愛、自分を大切にする心が今のこの国には必要なのぢゃ」
小関直哉のペニスがひくんと揺れる。

「そこでじゃ、君に頼みたいことがある。 ワシと結婚して、この国の女王になってはもらえんかのう。 ワシの全人類への愛情と君の自己愛、掛け合わさればこの国はもっと前に進めるはずぢゃ。 それに貴洋には、片親ということで随分と辛い思いをさせたものぢゃ。 ワシの跡を継ぎ、この国の第二のオモニ、そして貴洋の父親、そして第二代従軍慰安婦になってはくれんかのう」

「そ、そんなの、この国の国民が納得するわけ……」
小関直哉はぐるりと法廷を見回す。 傍聴席の人間も、裁判長も裁判官も検事も、微笑んでいる。
洋さんの決断なら、誰も文句は言いませんよ、という微笑みで二人を見ている。

「決まりぢゃな。 大丈夫、超弩級マゾの君ならきっと出来る。 君のちんぽも慰安婦になりたいなりたいと言っておるぞ」
そういいながら唐澤洋がパチンと指を鳴らすと、小関直哉の服が繊維レベルでバラバラになる。 赤と黒の繊維の粉が落ちると、小関直哉の生まれたままの姿があらわになった。
小関直哉をキャッと声を上げその上を向いた赤ちゃんちんちんを手で隠す。

唐澤洋は、自分の怒張したペニスの鈴口に指を添わせ、くぱぁと開いた。 中の尿道があらわになる。

「ワシの同意の下で、ここにおちんちんを挿入して射精をすれば、君とワシとの契約、君の言葉を借りればケッコンカッコカリが成立する。 いや永久に続くから仮ではないか。 その瞬間から君は、男のおちんぽにご奉仕することしか考えられないメス奴隷になる。 そして貴洋のパパに、そしてこの国のママの一人になるんぢゃ」

「僕にもパパができるの?」
唐澤貴洋がキラキラと目を輝かせ聞く。
「そうぢゃよ。 貴洋、もうお前に寂しい思いはさせん」
唐澤洋が貴洋に微笑む。

「小関直哉くん、君は確か処女好きじゃったな。 大丈夫、腸こそ何人の男に犯されたか分からんが、ワシのここは初物ぢゃ。 ワシの尿道はまだ処女ぢゃよ」
唐澤洋はそう言いながらウインクする。
「そんなになってほしいならメス犬性奴隷になってやるよ」
唐澤洋の言葉に最後の理性を崩壊させた小関直哉が吼える。
マゾメス犬奴隷従軍慰安婦精液便所生活というあまりに魅力的な誘惑には勝つことは出来なかったのだ。
手で隠すのをやめ、ズイと小さな包茎おちんちんを前に突き出して唐澤洋に歩み寄る。

「おいで、甘えん坊さんや。 ワシの尿道と小関くんの尿道で、キッスしよう」
吸い寄せられるように小関直哉の腰が動き、怒張したペニスの鈴口が、唐澤洋のそれとキッスする。
唐澤貴洋が羨ましげな顔で彼らを見つめる。そして。

ヌッププズブププブビューゥ

そんな音が響き、小関直哉の障害児ペニスが唐澤洋のメス陰茎の尿道に吸い込まれていく。
きもちいきもちいきもちいきもちい、と小関直哉が叫ぶ。 しばらく二人のピストン運動が続く。
静寂に包まれた法廷内で、ヌチュヌチュグチュグチュといういやらしい音と彼ら二人の嬌声だけが響き、全員がかつて見たことのない神聖なるセックスを何も言わずに見つめる。

「うぅっ…あぁ…ひろし…気持ちいいです。」
その熱くヌルヌルと締め付ける尿道に、正直小関直哉も限界が近づいている。
「唐澤洋っ…もう限界だ…」
「はい。なおくん、いつでも…おいで」

小関直哉はそのまま絶望を発射した。 同時に唐澤洋は希望を発射する。 唐澤洋と小関直哉が深くシンクロしあう。

唐澤洋の発射した希望が、小関直哉の前立腺を通じて体の隅々にまで行き渡る。 脳細胞のひとつひとつに神の恩寵が染み渡って行くのを小関直哉は感じた。

小関直哉の意識が天空に登る。この世界のヒトの営みの一つ一つが見下ろせる。
小関直哉の意識が地下に潜る。 熱いマントルの胎動が見える。
小関直哉の意識が宇宙を俯瞰する。 数億光年の泡構造が彼を包む。
小関直哉の意識が素粒子を弄る。絶えず生成と消滅を繰り返すワームホールが彼に触れる。
小関直哉の意識が時間を超越する。 彼はビックバンに立ち会いそして冷えきった宇宙の終焉を見届ける。
これが宇宙。 これが魂。 これが真理。 これが人間。 これが神。 これが、メスの悦び。
小関直哉は、全てを理解した。

小関直哉が、この世界の支配原理すなわち神となった瞬間であった。

 晴れ渡った空。 降り注ぐ日光。 花火がポンポンと上がり、鳥は悠々空を飛ぶ。

今日は唐澤の国、新女王即位式の日だった。
どうしても手の離せない者を除き、国民たちは新しい従軍慰安婦、すなわち従軍慰安婦改を一目見ようと帝都ソウルヒロシの宮殿前広場に殺到した。
国民だけではない。 国外からもメディアや観光客が詰め掛け、世界一の広さを誇るソウルヒロシ宮殿前広場には、ゆうに数百万人を超える人々が集まっていた。
視界の果てまで続く人の山。 宮殿が見える山から望遠鏡を使って尊顔を拝もうという人間も少なくはない。

宮殿前広場に向かって付けられた高さ三十メートルの演壇に、全裸の唐澤洋がたゆんたゆんとした腹を揺らしながら登っていく。

「今日は私の後を継ぐ従軍慰安婦、メス犬ケツ穴チンポ奴隷が誕生する日であり、この国の歴史に新たな一ページが刻まれる日でもあります。 今日は心ゆくまで我々のもてなしをお楽しみください」
先代の従軍慰安会計士のスピーチに歓声が上がる。 そこら中でヒロシコールも上がり、みな笑顔で大盛り上がりだ。

 王族らの挨拶の後には、ニンニク鼻の自分語りショーやビッコマンのお人形劇、財布窃盗犯のチンポ火の輪くぐりなど国民を楽しませる為のイベントが盛り沢山と準備されていた。
それでもやはり一番の大目玉はやはり、新旧女王への参加型集団レイプショーだった。 数千万の国民と外国人が無料で従軍慰安婦とセックスを楽しむためのイベントがトリに準備されると聞いて行かない男が居る訳も無かった。

 唐澤洋に続いてこの国の新たな女王であり従軍慰安婦、小関直哉が登壇する。 今や彼の乳首とペニスには隷属の証のピアスが付けられ、尻穴には漬け物の材料となる白菜を常時ブチ込まれていた。
その一糸まとわぬアヘアヘとトコロテン精子を垂れ流す便所慰安婦が姿を表しペコリと一礼すると歓声が巻き起こった。
彼の痴態は、国内国外問わず、民放国営問わず、電波ケーブルインターネット問わず、世界同時生中継されている。
ソウルヒロシ宮殿前広場に行けなかった男たちも、例外なくその新たなオモニの勇姿を見ながらチンチンをシュッシュした。

小関直哉が全裸でぺたぺたと階段を上がり、マイクの所に達するといっそう大きな歓声と拍手が巻き起こった。
演壇の上の新女王から見えるのは見渡す限りの大群集と、果てしない青い青い空だろう。
小関直哉は、初々しく、しかし自信に満ちた調子でマイクに語りかけ始めた。

「本日、遠路はるばるこのようなささやかな式にお見えになって下さいました恒心国民の皆さん、そして世界の皆さん。 わたしたちの唐澤の国に、そして、恒心の国に、そして……」
新たな女王はそこで息継ぎをして、言った。

「小関の国へ、ようこそ」

祝福が彼らを包み込んだ。


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