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恒心文庫:頭文字K

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

201X年、鈴鹿サーキットにてカーレース界に新たな風が吹き込まれようとしていた。
妨害、攻撃なんでもアリのデスレースだ。
人が傷つこうが死のうがお構いなし、まさにルール無用の殺し合いが行われるのだ。

半年程前の事、荒廃した経済と腐敗した政治に皆辟易していた。
多額の赤字国債を抱えながら他国に巨額のODAをばらまきついに借金は天文学的な数値に達した。
政治の失敗により失業率は下がる一方で度重なる増税が民を苦しめる。
一向に進まぬ震災からの復興、悪法児童ポルノ法改正での解釈拡大による脅威…
人々の怒りは頂点を越えていた。
そんな時、虎ノ門からの謎の飛翔体によって首相官邸が跡形もなく吹き飛ばされたのだ。
不満の募っていた民衆が各地で呼応して、議会制の資本主義は崩壊した。
そして日本は事実上の無政府状態へと陥ったのだ。

そこからはまさに暗黒の時代…強者が弱者を食い物にする修羅の国へと日本は変貌した。強盗、殺人、昏睡レイプ、東京はありとあらゆる犯罪が起きる魔の地帯へと変貌した。東京以外の関東圏でも犯罪が多発。千葉県の一部区域では一人の水嶋ヒロ似の少年を感染源とした謎の感染症が蔓延、その街は避難命令が下り、半永久的に立ち入り禁止となった。
そんな中、金持ち達は力を持て余すアウトロー(といっても法など無いが)達を戦わせる遊びを始めた。やがてそれは大きな娯楽となり、日本各地で行われるようになった。そして、その中でも最大規模のデスレースが行われるはこびとなった。

主催は日本最大の財閥、海原コンツェルン。参加するのは日本各地で名を馳せたトップクラスの悪人達だ。
狂気の渦巻くこの大会に、かつて伝説と呼ばれた弁護士が向かっていた…

(続かない'

「どうナリか?なかなかの名文ナリ!」
息子は誇らしげにこの文章を見せつけた。
一体何の風の吹き回しなのか。
唖然としていた私に気付いて息子は胸を張る。
「当職は気付いたナリ。炎上しているのは当職が無能だと思われているからナリ。つまり、有能である事を示せば皆当職を見直すナリよ!」
最近息子はロクに弁護士としての仕事もせず、ポエムを書いたり歌を作ったりとおよそ弁護士とは思えない事ばかりしている。

曰く、色々な芸術をこなせば有能である事を示せるそうだ。
「続かない、としているのはまだその先を思いついていないからナリ。これを出版社に持ち込むナリ。モミ!早く車を用意するナリよ!!」
そういって鼻息荒く息子は迫ってきた。こうなるともう手の付けようがない。仕方なく車を出す。
心配、というより絶望している私をよそに息子は後部座席で鼻歌を歌っている。
私の苦悩はまだ終わりそうもない。

「あいつらは見る目がないナリ!!」
5つの出版社を周ったが結果はすべて門前払いとなった。力作を否定された息子は歯をきしらせながら前の座席をガンガン蹴りつけている。
「当職は弁護士ナリ!あんな低所得者なぞ一捻りナリ!!」彼だけでなく、私も大いに恥をかいた。彼が幼い頃からずっとそうだ。弟が死に、母親から捨てられても彼の悪いくせは一向に治る見込みがない。「早く殺したらどうだ」…そう仕事仲間から言われた事もある。
しかし、私は殺せなかった。というより、やめられなかった。

事務所に帰ってくるや否や、息子は私の服を引きちぎり叫ぶ。「おい白モミ!ケツマンコを差し出すナリ!」そういって乱暴に私の菊門に性器を挿入する。彼の怒りはそれでしか収まらないのだ。乱暴に犯されて私は感じていた。
「出りゅ!出りゅよ!!」恥も外聞も関係ない。このパトスに私はのめり込んでしまったのだ。もう元には戻れない。
肉と肉のぶつかりあう音が深夜の虎ノ門に響き渡った。



その弁護士の名は誰も知らない。知った人間は影で殺されている、という恐ろしい噂が絶えず、誰も知ろうとはしない。なので通称として「K」とだけ呼ばれている。
相棒はタイチ・ヤガミという青年だ。マシンのチューニングを行っており、レースにもアドバイザとして同乗している。深くニット帽を被りサングラスをしている為素顔は誰も知らないが、水嶋ヒロ似であるというのがもっぱらの噂だ。この二人は幾度となく危険な賭けレースに参加しては毎度毎度勝利を勝ち取るものの、賞金を受け取ると何処へともなく去って行く。

この二人に勝負を挑んで命を失った物は星の数程いる。海原コンツェルンのヒットマンもかなりの数殺されたのだ。そう、このレースは表向きは只の趣味の悪い殺し合いだが、本当はKをおびき出して殺害する為に開催されたのだ。

「奴は現れそうか?」大会前夜、主催者ピロシ・デリュデリュは秘書に話しかけた。
「奴は必ず来ます。」と自信たっぷりに応えるのはハーフの美人秘書シジマ・デイブ・イニク。
「会場にはデカデカと殺害予告を書き込んだノボリを大量に設置しました。」
ピロシはこれを聞いてニヤリとアヒル口を歪ませた。
K弁護士殺す…この文字が闇の中に幾つもはためいている。
「当職に対する誹謗中傷ナリ」Kは誰にともなく呟いた。「行くナリよ、タイチ」「顔真っ赤ンゴォ」阿吽の呼吸でマシンに乗り込んだ二人は真っ直ぐ会場へと向かった。

大会当日。世界各国から集まったレーサー(そのほとんどが殺し屋だ)がグリッドに並ぶ。マシンには規定などない。ぴかぴかに光るフォーミュラ・カーの脇にロケット用エンジンに耐えきれずマフラーから火を吹く農業用トラクター、更にその後ろにはモンスタートラックが唸りをあげている様はまさに百鬼夜行と言った所か。
そして49台の車が終結する……しかし最後の一台、Kの車はそこには無かった。
「何故奴はいないのだ!」白いもみあげをぷるりと揺らし憤慨するのは当のピロシ。「もう言い逃れは出来んぞ!」キンタマをさすって怒りを露わにするピロシとは裏腹にシジマはつまらなそうに「もうすぐ来ますよ」とだけしか言わない。いよいよピロシがズボンをズリ下げようとした時会場に大歓声が沸き起こった。

「ようやっと来たか!身が震えりゅ!震えりゅよ!」先ほどまでのことはさっぱり忘れたピロシは特等席から身を乗り出す。見間違えようもない、K自慢のマシン「カラクロス」が飛び出してきたのだ。

ここでこのマシンについて解説をしよう。
カラクロスは4輪駆動のいわゆる「車」だ。しかし他のマシンとは決定的な違いがある。それは見た目だ。なんとこのマシンは古いパイプオルガンを改造しているのだ。
(パイプオルガンを倒し、上部パイプの部分を後ろにして前にキャディラックエルドラドをくっつけたような感じといえばわかりやすいだろうか)
メカニックタイチが作り出したモンスターエンジンは並の車には取り付けられず、急遽改造を行ったのだ。実はこのモンスターエンジン、直列40298気筒なのだ。沢山の空気孔があるパイプオルガンはマフラーに最適だったのだ。
明らかに異常なマシンが最後のグリッドに並ぶ。
いよいよレースの幕上げだ。



「さあ、これでどうナリ!これなら人気間違いなしナリよ!!」
失神していた私の顔を息子がビンタして嫌でも現実へと意識を引き戻される。
息子は私の尻にペニスをぶち込むだけでなく同時に乳首にエナメル線を巻きつけ微弱な電流を流したのだ。快楽が私の脳を焼き切り失神しており、話の内容はさっぱり入ってこなかった。

「そうか、言葉が出ないほどよかったナリか!明日の朝イチで新聞社へうりこんで連続小説として連載させるナリよ!」興奮した息子は腰のグラインドをより大きくする。私の体内でイチモツは更に大きくなる。絶頂寸前の合図だ。
幾度となく達した私は声なき声をあげた事を記憶して再び意識は闇へと堕ちた。

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