マヨケーがポアされたため、現在はロシケーがメインとなっています。

恒心文庫:愛ゆえに

提供:唐澤貴洋Wiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

本文

貴洋は今日もモニター越しに女児を見ながら自慰行為に耽っていた。齢40近くしてロリコンで童貞である息子を心配した父洋に筆下ろしを施され、父洋と毎晩のように交わり続けてもこのザマである。
僕がこのボンレスハムのような肉体を犯す妄想が高じてハッテン場通いにはまってしまったことは誰も知らない。憎たらしくともどこか愛くるしい、そんなこの童顔で愛嬌のあるデブに僕は性的な魅力を感じており、今日も僕の陰部はだらしない汁を染み出していた。

貴洋の張り裂けんばかりのムチムチした体、無能ボイスと揶揄される少しやつれた声、デブ特有のツンとした体臭、チンカス混じりの精液、短小包茎の陰茎、すべて僕のモノにしたいがために数多の殺害予告を繰り返してきた。
無論、僕が匿名掲示板で殺害予告やサジェスト汚染に加担していることはK察にも知られていない。得体の知れない恐怖に毎日晒され続けている貴洋は精神を病んで引きこもりがちになっている。
ネット上では恒心教と呼ばれる宗教の教祖または神として尊師と呼ばれていることに本人はまんざらでもないようだ。時折、機嫌のいい時は某死刑囚の尊師マーチを口ずさみ、MMDとして作られた脱糞ダンスを真似て事務所で僕たちにBGMつきで披露するほどだ。

恒心教がここまで一大勢力になったのは多数の名無しが存在し、かつ貴洋の行動とキャラのせいであろう。今のところ目立った物理的な被害はないが、貴洋を標的にした予告や名前を騙った犯行予告、悪意のある悪戯が起こるたびにK察から電話が入り、そのたびにやつれていくようであった。
動画サイトでも開示されている貴洋の初電話対応時と玉音放送、初テレビ出演時のお気持ち表明では明らかに声の張りが違う。僕と知り合った時の能天気な無能ボイスよりもかなりやつれた声になっている。
そんな精神状況に陥れた悪事に実は僕も加担している。手に入らないならば引きこもらせる檻を用意する、これでいい。

さて、今日は同僚のY本と講演会でとある学校に来た。以前ある大学で珍しく貴洋が出ると言って講演した時に騒がれたから、今回は僕らが出てきたと騒がれそうな気がする。
これも貴洋の仕事だったのだが、前日の殺害予告でまた怯えてしまった貴洋を心配した洋さんの申し出で僕が担当することとなった。そこへ僕の疲労を知ってか、Y本が座長の役を買って出てくれた。ネットリテラシーというテーマなだけに、貴洋より有能なY本に任せる方が僕も安心だ。
Y本がクロスにきてから彼は何かと僕を気にかけてくれている。貴洋が躁鬱気味なのは僕のせいでもあるといっても、あの調子では僕に多くの負担がのしかかる。
そんな僕の様子を知ってか、Y本の気遣いと笑顔、わかりやすい性格に僕は励まされていた。

今日はY本のおかげですんなり事が済んだ。貴洋は事務所で怯えてしまい、洋さんが貴洋を慰めていた。そんな事務所を後にし、溜まった精を発散しようとハッテン場に向かうことにした。
今日も僕は薄暗いハッテン場で性欲の捌け口を探していた。雄の性欲から湧き出る湿った空気と、誰とも知らぬ男と男の交わる喘ぎ声の聞こえる一室に僕はいる。
程なくして中肉中背の男に誘われる。デブ専である僕の好みではないがたまにはいいかと黙々と応じる。
程々の筋肉と贅肉、抱き心地はまずまずといったところか。今日も貴洋を犯す妄想をしながら、貴洋ではない誰かの愛撫を受ける。この男のフェラはとてつもなく上手く、アナルに入れて欲しいという。

しばらく男の愛撫を受け、僕の陰茎は張り裂けんばかりに勃起していた。これを続けられては僕が先にイってしまいそうなのでフェラを中断させる。
ローションで男のアナルをほぐしながら男根を刺激してやると男は雌のようにビクンビクンしていた。かなり敏感そうだ。前立腺も刺激してやると男の勃起したペニスが敏感に反応し、抑えた喘ぎ声が荒い呼吸に混じっている。
このくらいかというところで、僕のギンギンに勃起したままのペニスをゆっくりと挿入する。薄暗い部屋で正常位でうっすらと、悶絶気味で気持ちよさそうな男の表情が見える。

程よく締まった男のアナルが僕の半身にまとわりつくようで気持ちいい。ペニスが全て入りきったところで少しずつ突くように動かす。
ピストンを繰り返していると相手の男がじんわりと射精した。いくらなんでも早い。ドライオーガズムはそんなに気持ちいいのだろうか。僕はその体質ではないらしく、過去にアナル開発を断念した。僕には痛いだけだ。

司法修習生時代に貴洋と出会ってから毎晩おかずにしてきたせいか、僕は性行為において酷い遅漏である。
たびたび貴洋の自宅へ忍び込み、洗濯されていない黄ばんだ白ブリーフやオナティッシュを盗み、狂ったように毎晩オカズにしてきた。
使用済み下着を眺め、黄ばんだそれを嗅ぎ、時には身につけ、自慰で射精に至る。たまらなく興奮する。

そんなことを思い出しながら男に両手で引き寄せられ、唇を交わした。男の感触、体臭、うっすら見える顔、齢は僕と同じくらいだろうか。悪くない。
男には僕の突きがかなり気持ちいいらしく、僕の腕を掴む力が次第に強くなる。この男の息遣いと時折漏れる喘ぎ声や感触にどこかデジャヴを感じた。前に相手したことのある輩だろうか。
男を四つん這いにさせ、バックで突く。この男のアナルは僕のペニスを程よい快楽から絶頂へと誘ってくるようだ。
たまらずピストンを早めていく。男の中が気持ちよすぎて思ったより早く僕が絶頂を迎え射精すると、相手の男もまた射精していた。ドクドクと溜まった精を解放し、僕は思わず男に覆い被さるように抱きついてしまった。精液の量も充足感もかなりのものだった。

性欲の捌け口を見ず知らずの男に求めるのも慣れた。顔もよく見えないハッテン場での性行為は、僕には人肌を感じられるオナホと変わらない。コンドームを忘れ中出しした男のアナルからローションと精液のついた肉棒をゆっくりと引き抜く。
「はぁ…めっちゃ気持ちよかったっす。突くの上手いっすね。ところでタカヒロってなんすか?」
ピロートークというやつか。いつまでたってもいい歳した体育会気取りのホモ臭い「~っす」の口調は苦手だ。
「あー、たまに言っちゃうみたいだから気にしないで」
「へぇー、オレの同僚にも同じ名前の鈍臭いのがいるんすよ。俺はあなたみたいなのがタイプっすね」
タカヒロはよくいる名前だ。珍しくもない。まあ僕のことをタイプと言ってくれるのは悪い気がしない。
「じゃ、これで。僕も気持ちよかった。また会ったらよろしく」
僕には珍しく一期一会の相手と会話した。シャワーを浴び、薄暗いハッテン場を後にした。後腐れのない刹那的な肉体関係はこんなものだ。
ふと、後ろから視線を感じた。今日はずっと誰かにつけられていた気がするがきっと疲れているのだろう。タバコと携帯を事務所に忘れたのを思い出した僕は事務所に戻ることにした。

事務所に戻ると応接室で貴洋親子が交わっているようであった。僕がピ虎4Fにいた時からこうだ。ドアの隙間から覗くと親子の肉だるまが交わっていた。
最初は父洋に嫉妬していたが、僕が溢れる嫉妬心を紛らわすためにハッテン場通いを繰り返して見ず知らずの男を抱いて性欲を発散していると、そんな気持ちも薄れてしまっていた。
貴洋を誰かに取られるくらいなら僕が殺害予告を繰り返して怯えさせ、こうして父洋と引きこもらせた方がいい。
「たったかひろ!でりゅ!でりゅよ!」
父洋の雄叫びとともに精が放たれたのか、静寂が訪れる。ねっとりとした音、デブ特有の汗と体臭で湿った生温い空気、事を終えた二人の息遣い、事務所は淀んだ空気で満ちていた。
気づかれぬようその場を離れ、デスクからタバコを静かに取り出す。
「………ナリ」
「たったかひろぉ…」
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
父洋の精が放たれた貴洋の尻からモノが噴き出したようだ。父洋の体には貴洋の放ったニラ混じりの糞尿と体液が勲章のように吹きかけられていた。
僕は気付かれぬよう事務所を出た。駅へ向かう道中タバコを吸いながら痰をアスファルトに吐き出す。

翌朝出勤するとデスクに紙が挟んであった。
「今夜も待っています」
貴洋や父洋の字ではない。とするとY本か。
今夜も待っていますーーまさかハッテン場だろうか。Y本がホモという噂は大学時代に聞いたことがある。とあるサークルの上級生にスカウトされ、彼らの性処理をしていたらしい。
とすると、昨日僕がセックスした相手はY本だったのだろうか。中肉中背で聞いたことのあるような声、思い起こせば昨日僕の抱いた男とY本の特徴は一致するように思う。
Y本は同僚としては好きだが恋愛や性的対象として意識したことがなかった。しかし遅漏すぎる僕がセックスでイけたこと、行為後に思わず抱きついてしまったことを思えば、Y本との体の相性は良かったようだ。たしかに彼のフェラと程よく締まったアナルは格別に僕の性欲を満たしてくれるものであったし、どこか安心感のある温もりを感じた。

僕はY本を呼び出し紙を見せた。デブ親子はまだ来ていないようだがいつものことだ。
「今夜もってまさか…?」
そう聞くとY本は少しうつむいた。
「…そうっす。オレ、Y岡さんのことずっと好きだったんすよ。大学時代にあなたを見た時から気になっていました。だから今になってチャンスだと思って近づいたんです。あなたのことが忘れられなくて一緒に仕事がしたくてここに来たんすよ」
突然の告白めいた話に驚いた。Y本の俯いた視線の先、応接室前にコーンがあった。見なかったことにする。
「今じゃオレだけのY岡さんになって欲しくて…Y岡さんがハッテン場に通っているのを知って昨日は後をつけたんすよ。ストーカーみたいなことをして挙句セックスまで誘って、その、ごめんなさい」
「いや、いいんだ。でもなんで僕なんかのことを?」
Y本が僕のことを好いてくれているのがわかったが突然の告白に僕は混乱した。体の相性は良いのだろうが彼のことはわからない。そう考えると貴洋のことは性的な対象として見ていてもどこが好きなのかわからなくなってきていた。

「うーん、なんすかね。オレは男が好きで今までなすがままに生きてきました。でも、気になっていて近づいたY岡さんと同じ事務所で仕事をするうちに、この人とずっと一緒にいたい、この人の物になりたいって思ったんすよね。Y岡さんがからさんのことを気にしてるのはなんとなくわかってたんすけど、Y岡さんを諦めるどころか日増しにこじらせていくばかりで…こう思ったのはY岡さんが初めてっすよ」
僕は男と恋愛がしたいのではなくセックスがしたいだけなのだろうか。
たしかに男同士では男女のように結婚制度や子育てのような節目や縛りがないから同性同士の関係は不毛に思う。
僕は新宿二丁目のような場所や、汚らしいホモばかりが集まって群れる変なホモ文化が嫌いだ。こんなクソみたいなホモと一緒くたにされるのは御免だ。僕は僕の好みと信条に従う。僕はこいつらとは違う。
ホモであることを隠し社会的体裁を守るために偽装結婚するホモもいるほどだ。重度のロリコンでファザコンのTKと結ばれることが叶わないなら僕はそのようにして生きようと思っていた。

ところが今目の前にいる男はどうだろうか。僕のことを真剣に好いてくれているようだ。言葉より表情と口調でわかる。
「せっかくだからあんな所よりは今晩ホテルにでも行って話そうか。僕は少し考えたい。それに…」
「…それに?」
「…いや、なんでもない。それと、話してくれてありがとう」
Y本はニッコリ満面の笑みを見せると自分のデスクに戻っていった。なんだかいたたまれぬ気持ちになった。

今日の案件と午後の講演会の内容を整理しつつY本に言われた言葉を反芻する。今の僕はかなり複雑な気持ちになっている。
僕は貴洋を意識するあまり、情けないことに僕の嫌いな性欲発散ばかりを考える薄汚いホモになっていたことに気付かされた。
人を人として好きになることが僕の人生にあっただろうか。ホモとして、人としてというより、男との肉体関係を貪るだけの性欲の塊と罵られても仕方ない状態にいる。
Y本の気持ちを伝えられあの笑顔を見せられ、罪悪感というより自身の汚れた素行の悪さを見せつけられ戸惑っている。それだけY本の真剣なアプローチに胸を打たれたどころか殴打された思いだ。

…ダメだ、仕事が手につかない。僕自身の汚さに苛立つ。外でタバコを吸おうと立ち上がるとデブ親子がノコノコと出勤してきた。
チッと舌打ちをする。洋さんはそもそも有能会計士として事務所を構えていたのだからともかく、貴洋はというと僕がサジェスト汚染に加担してきた通りの無能である。
貴洋の無能さを思い起こしていた途端にどうでもよくなってきたが、まともな仕事の大半は洋さんのコネで得ているほどだ。事務所間借りとコネにあやかっているうちは息子の貴洋を無碍にはできない。
「Y岡くん、Y本くん、朝早くからご苦労ナリ。当職の代わりに今日も裁判所に行って開示請求を頼むナリ」
上からご苦労と言われて今日は無性に腹が立ってしまった。聞き流せていたことが聞き流せなくなっている。
「…からさん、そろそろ自分で行かれては?僕は僕で案件を複数抱えているんです。からさんの分までやる余裕なんて本来はないんですよ」
「!?当職は裁判所に行きたくないナリィィ、きっと誰かが見ていて当職が外に出るのを監視しているナリィィ…殺されるナリィィ…Y本くんでもいいから頼みたいナリィィィィ…」
また貴洋が青ざめて怯えてしまった。予想外であったろう僕の発言に洋さんも動揺しているようだ。
「はぁ…からさん、すみません。でもそろそろ精神科に行かれては?今日は僕が行きますが、交通費をご自分で出されて自分の足で裁判所へ行くのも洋さんからの自立への一歩になりますよ」

貴洋がこうなった悪事の片棒を僕は担いでいるのだから少なからず罪悪感を感じている。それに、洋さんの息子を心配げに見つめる母親のような眼差しを見ると、息子をコケにするのは高齢の洋さんの心臓にも良くないだろう。
息子の給与は洋さんの財布からそのまま別会計だしお世話代も僕らには出ている。ネットを与えればロリドル鑑賞とSNSで大はしゃぎ、言語能力すら怪しいこのデブは一人では何もできない。
「洋さん、朝から取り乱してすみません。ちょっと休憩してきます。からさんをお願いしますね」

オラ森に越してから久しく食べていなかったSOWAのアイスが食べたくなり、足を運ぶ。外の椅子に座ってアイスを食べながらタバコを吸い、アスファルトに痰を吐く。
一思案する。貴洋のことはともかく、Y本の突然の真剣な告白に僕は動揺してしまっている。
何故あの時断らずホテルで話そうと言ったのだろう。Y本の僕への真剣な思い、そしてあの笑顔には正直惹かれるものがあった。
Y本のことを知りたい、五感で感じたい。そんな思いが僕の中に芽生えてきていた。
からさんの好きだったこの味、事務所のみんなにも買って帰ることにした。

仕事を終え事務所から少し離れたホテルでY本と会うことにした。
予約を取った部屋でY本を待つ。僕の考えもだいぶ整理がついてきた。
約束の数分前にノックの音がして、Y本が入ってきた。洋さんが出かけてしまい、戻るまで貴洋の世話をしていたらしい。いつものことっすよと健気に笑いながら流すY本はいつも通りの彼だった。

そんな日常の他愛ない話を続ける。
「それで…僕のことなんだけど、Y本くんとはいい同僚だし、これからも変わらず同僚としていて欲しいと思ってる。からさんや洋さんとも」
「…そうっすよね、わかります。オレが早漏すぎなんすよね」
Y本は少しガッカリしながら誤魔化すように笑っていた。
「そりゃそうだ。体裁はきちんとしておきたい。Y本くんのことは好きだし、からさんも洋さんも好きだ」

「でもプライベートでは、その…一緒になってみたい。察しの通り僕はからさんが気になっていたし、ハッテン場で性欲を発散してきたようなクズ男だ。でもY本くんの真剣な思いと笑顔、今まで同僚として接してきた日々と昨日のことを思うと、Y本くんともっと近くで過ごしたいと思うようになった。だから、その…」
俯いて半泣き気味だったY本の表情が少し明るくなる。こういうわかりやすい所にも惹かれるものがあったのかもしれない。
「僕は人とまともに付き合ったことはないが、Y本くん、いや、S平と少しずつ心身とも深めて付き合いたいと思った。だから…」
「じゃ、じゃあ…オレと…?」
「まだ正直、僕の中できちんと整理がついていない。でも、からさんとはただの同僚として接していこうと決めたし、S平の実直な思いに僕は惹かれてしまった。だからS平とこれからはもっと深く付き合っていきたいのだけど…こんな僕で本当にいいのかな?」
「Y岡さん…!じゃなくて、H明!やった!オレめっちゃ嬉しいっすよ!」
体全体で嬉しそうなY本が抱きついてきた。僕も優しくY本を抱きしめる。僕はこんな実直すぎるほどのS平に知らぬ間に惹かれていたようだ。
僕の心が温かいもので覆われていく。貴洋を荒んだ目で見ていた僕はもういない。僕とS平はこの時から心身ともにパートナーといえる仲になった。

僕とS平はゆっくりと深く唇を重ねた。

挿絵

リンク

恒心文庫
メインページ ・ この作品をウォッチする ・ 全作品一覧 ・ 本棚 ・ おまかせ表示