恒心文庫:唐沢直樹
本文
「ネットで炎上ですか…?」
「ええ、はい…」
とある法律事務所の一室。
弁護士バッジを胸につけた30半ばの男を前に、一人の青年が伏し目勝ちに答える。
弁護士の名前は唐沢直樹。東大法学部在学中に司法試験に合格。
卒業を待たずに中退し大手事務所に勤務。
そして去年、ここ五反田に小さいながらも立派な自分の事務所を作ったというわけだ。
その一方で唐沢の質問に答えているのは長谷川亮太、今回の顧客である。
彼が持ってきた依頼はいわゆる「ネット炎上」であった。
コテハンをつけるという紐付けが容易な形で発言を繰り返し、その中に近所の情報を書き込んでしまったため特定されたという。
「あいつら僕に嫉妬して、僕は何もしていないのに住所をばらまいて…」
「なるほど。分かりました。誹謗中傷は解決可能です。私にお任せください」
唐沢のこの言葉に長谷川の顔が明るくなる。
「本当ですか!あ、ありがとうございます!」
「しかし、最後に確認したいことがある」
一瞬部屋の空気が凍りつく。何とも言えない威圧感がその場を満たした。
「な、なんですか?」
ひと呼吸おいて唐沢は答える。
「隠し事…していないですよね?」
「か、隠し事!?」
「ええ、例えばネット上で不特定多数の人を煽り不快にした、差別発言を繰り返した、なんてことは」
「し、してないですよ!」
長谷川は急に立ち上がり叫ぶ。
唐沢はその顔をじっと見つめる。
「分かりました。信じましょう。炎上、解決してみせましょう」
「あ、ありがとうございます」
「ただし!もしあなたが嘘をついていた場合、それなりの代償を払ってもらいます」
「な…」
「それでも構わないというならば、この契約書にサインをしてください」
長谷川は若干震える手でそこにサインをする。
唐沢はにやりと笑い口にする。
「やられたらやりかえす!倍返しだ!」
(続く)
長谷川の硬く、そして大きく屹立した男根を右手でゆっくりとさすりながら唐沢は彼に語りかける。
「もうこんなに大きくなってるじゃないですか」
長谷川の吐息が、夕暮れ迫る事務所に寂しく響く。
「んはあ…!も、もうやめてください!こんな、生殺しは耐えられません!」
唐沢の右手は絶妙な速度で長谷川の一物を擦り上げたまま、自由な左手で彼の菊紋を弄る。
にわかに長谷川のあえぐ声が大きくなる。
ここがポイントかと知った唐沢は、人差し指と中指を思い切りねじり込む。
指先に直腸の当たる感触、そして大便に触れる感覚がある。
大きく手を動かし中をぐちゃぐちゃにかき混ぜながら、長谷川の腸内を思い切り刺激する。
「嘘をついたら代償を払ってもらうといったじゃないですか」
「だからってこんなのは……!あはん!」
長谷川は大きく見をよじるが詮無いことに、ソファーに固定された彼の体は淫乱弁護士からは逃れられない。
「人を騙そうとした罰は必ず受けてもらう!そういうポリシーなんですよ」
長谷川の亀頭からはもう透明なカウパー汁が垂れている。しかし、それでも射精には至らない。至れない。
これもすべて唐沢の超絶テクニックのためであった。彼は指先で長谷川の脈動を感じ、表情や喘ぎ声からどのようにすれば長谷川が最も感じるかを計算していた。
そして、この計算によって長谷川を決して射精に至らせないこともできたのである。
「もうそろそろですかね」
机から金属の針のようなものを取り出すと、長谷川に見えるように置いた。
「指先ってのは、神経が集中しているそうですよ」
そう言うとその針を長谷川の指の爪の間に一本ずつねじ込んでいく。
悲鳴を上げる長谷川。しかし、唐沢は容赦をしない。
最後の指に針が差し込まれたとき、長谷川は射精し気絶をした。
唐沢はハサミを取り出し長谷川の乳首をジョキリジョキリと切断すると口に入れ感触を楽しみ、しばらくすると噛みちぎって飲み込んだ。
目玉も同様にハサミでえぐり、自分の口に放り込むと強膜やゼラチンの感触を楽しみ飲み込んだ。
そうやってすこしずつ長谷川の体を分解し食べていくことで終いには男根以外の彼の体はなくなった。
その男根をじっと見つめたあと、事務所の窓から放り投げて高く笑った。
3月のまだ寒さの残る日のことであった。
(終わり)
リンク
- 初出 - デリュケー 唐沢直樹(魚拓)