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恒心文庫:同期のケツを狙う弁護士

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

ひたすら丸いそれが、全体の動きに合わせ規則的に上下しながら、虎ノ門を照らす春の陽射しの中を、躍動している。
それの、背後に歩んだ男は、自分の数歩先にあるそれを注視した。
本能が、獲物を欲す獣が如く彼の全身を”そのもの”の方へと、吸い寄せていく。
ケツだ。
スーツを纏った小太りの男のケツだ。
大人の男の物にしては、非常に軟そうな、焼きたてふたごパンのような、見つめるだけで目にやさしささえ感じさせる。
天文学的に見ても非常に珍しい規模の、巨大なケツ。その上、形状は黄金比に値するようであり、
それを、背後の男の両眼に備わった高性能ケツレーダーは、見逃さなかった。
視界に入った瞬間、瞬時にケツの体積や、円周率などのデータを計算した結果、理想的なケツだという事実が発見された。
滅多にない美ケツとの遭遇。
早速、男は自身の脳内にある仮想ヴィジョンの中で、デカいケツをわが物にすることにした。
ケツを包む包装を力いっぱい乱暴に引き割くと、黒紫のスーツがはち切れる裂音と共に、雪のように白いケツの表面が白日に晒された。
時にビクビクと、時にぷるぷると、肉は震える。
そのケツの美性を視覚で確かめながら、男は遂に右手に右房を、左手に左房を、手に入れた。
そのまま、激しく揉みしだく。激しく揉みしだく。
デカケツの顔面の左曲りの恒心から微かな喘ぎが漏れ出したものの、ケツを揉む男の、関心の全てはケツであり、ケツが付属する人格、本体には一切構わない様子だ。
人が羨む端正な顔面を、汚い虎ノ門に埋め、深く息と共に臭気を吸い込んだ瞬間、全身に電流を感覚すると同時に、ケツ揉み男は、法悦に達する。

現実に復帰した瞬間、デカいケツがこちらを向き、
「…山岡ぁ!?山岡ナリか!!!!」
お、おう。
山岡は、全身全霊を掛け平静を装って、デカケツの呼びかけに対し、応答した。
あろうことに、デカケツは司法研修所同期の唐澤であった。
五反田に事務所を構えた筈の唐澤が何故ここにいるのだ。あいつ、こんなにいいケツしてたっけ?
山岡は、内心に複雑な感情を抱え混乱しながらも、久々の再会に際する唐澤の問いかけに答え続けた。
しかし、これは思わぬ幸運だ。
同期であれば、唐突にケツを揉んでも不自然ではない。
現実に揉むことは叶わないと、予測されたケツはもはや、当職のモノだ。
彼の数えるほどしかない友人の一人に偶然再会し、犬のように歓喜する唐澤の側で、これから至るケツの楽園を想像した山岡には、興奮を隠すことが困難だった。

挿絵

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