恒心文庫:初潮
本文
「山岡くん。当職に初潮がきたナリ」
青天の霹靂だった。
「からさんに、初潮」
からさんは無言でゆっくりと、勿体ぶるストリッパーのごとく尻を揺らしてベルトを外した。そうしてズボンを下ろし、ブリーフを脱ぐ。
からさんは僕にブリーフのクロッチを見せつけた。
降ったばかりの若い雪のような色だったであろうブリーフのクロッチ。それが驚くほどどす黒く染まっていた。
うずらの卵大のレバー状の血の塊が2、3個クロッチにくっついている。確か、これは医学的に瘀血という正式名称がついていたのを僕は何故か知っていた。
からさんの垂れた萎びたペニスの先端からぼたぼたと経血とレバーが今もなお垂れていた。
床に小規模な血の海ができる。さきいかの匂いを何倍にも強くした臭いが僕の嗅覚を刺激した。
果たして、中年男性のペニスが出血しつづけるこの現象を月経と呼べるものなのだろうか。月経だとしたら、どういうメカニズムで初潮起こったのだろうか。そもそもからさんは妊娠するのだろうか。
様々な疑問がコンマ1秒で頭に浮かんで気にはなったがそんなことはどうでもよかった。
なにせ、僕のペニスは痛いほど勃起していたのだ。
僕は思わずからさんから、ブリーフをひったくる。からさんは僕よりも先輩であるはずなのに、そんな無礼な行為をしてもただただ聖女のような微笑を浮かべていた。
僕はクロッチにくっついていたからさんの体温が残る柔らかいレバーを摘む。力を入れすぎると潰れてしまいそうなので、最低限の力でだ。
そうして僕はそれを口に運んだ。
からさんの湯気が出そうなほどほかほかの経血レバー。
舌に載せるとぐちょぐちょとレバーはほろりと蕩けて僕はそれを舌で弄んだ。
何回も何回も鼻に抜けるような生臭さの鉄の味を堪能する。からさんのレバーの匂いと味は僕にとって三大欲求の中でいえば食欲と性欲を刺激するものだった。
白米が無いのが少し残念である。
とろとろのからさん経血ゼリーを炊きたてのご飯の上にのせてたっぷりの経血をかけてじゅるりとかきこむことを考えるだけで、丁度昼時だからか腹が空いてきたし、酷く興奮してきて僕は自分のペニスを扱く。
気づけば血で染まったからさんのブリーフを漂白する勢いで僕はズルズルとブリーフを啜っていた。
「そんなに美味しいナリか?」
「はい。すごく美味しいです」
ブリーフについたものだけでは物足りない。からさんの血まみれのペニスを金玉にいたるまで無我夢中且つ丁寧にしゃぶる。こぼれる経血が惜しかったのだ。
からさんはぶちぶちぶりゅぶりゅぶりゅ、と経血を僕の口の中に排出し続ける。からさんの新鮮なレバー入り経血を新鮮な果肉入りトマトジュース感覚で直に飲めるという最高の贅沢に身が震える。
僕はこんな贅沢を先輩であるからさん抜きで独占する罪悪感が芽生えてきた。
「からさんも味わってください」
僕は口から溢れそうなほどの経血とレバーをからさんに口移しする。
からさんは美味しいと言わないかわりににごくごくと喉をならした。そうして、からさんは舌をのばして僕の舌にこびりついた経血の味を味わっている。経血の味と、からさんのなまあたたかい舌のコラボレーション。
僕はそれだけで射精した。
月経は平均的な女性だと1ヶ月周期で確か1週間続くと聞いた。
からさんは女性ではないからそうとは限らないかもしれないけど、もしかしたらこれから月1で1週間はこれを楽しめるわけか。
僕はからさんの新鮮な経血に舌鼓をうちながら新たな楽しみに興奮していた。
後で山本くんにも教えてあげよう。
この作品について
題名のインパクト、それを上回る内容のグロテスクさは、猟奇的な作品が多いデリュケーの中でもトップクラスである。「したらば史上最悪のスレだろこれ」「おぞましい 文学兵器だなこれは」などの感想が読者から寄せられた。