恒心文庫:プチエンジェルじゃ耐えられない!
本文
「からさ・・・ヴッ」
山岡は顔をしかめて二、三歩後じさりした。
直面した唐澤の口が臭かったからである。
しかしスイッチの入った唐澤はなおも顔を近づけ、
遂には顔を背けようとする山岡の顔を両の掌で挟み込んで正面を向かせた
「ん"ゆ"~、ん"ん"ゆ"~」
性欲に濁った唸り声が、尖った口先から熱い唾液と共にダラダラと溢れ出し、そのまま山岡の口に押し付けられる
「ちょっとwニンニク食った後にそれはキツイですってw」
「我が子ながら臭ぁ!」
もつれ合い重なり合うスーツ姿の二人の横で、山本と洋が並んで感想を好き勝手に述べ合う
くそッ、他人事だと思って・・・グェェ!
突如腹の上にのしかかった重みに、耐えきれずカエルの様な声がでる
息ができない
「ん"ゆ"っ・・・ン"!・・・ン"!」
酸欠だからか、視界いっぱいに広がるからさんの顔がぼんやりと輝く
それと鼻腔を犯すニンニク
布地の擦れる音が、重みを伴って体に響いている
バスン!バスン!バスン!
からさんが絶えず僕の上で腰を振り上げて振り下ろしているのだ
腰の浮いた僅かな間、消耗した身体では逃げることも、彼をおしのけることも出来ない
リズミカルに押しつぶされる肺から息がリズミカルに漏れる
僕はされるがまま、仕方なく押しつけられたからさんの唇から熱い唾液と共に熱い息を吸う
されるがまま、辺りに充満したニンニクの匂いを満喫する
麻痺した感覚の真ん中で、なお一層輝きを増していくからさん
覆いかぶさったからさんの顔が時折ブルリと震え、その度に腹の辺りがじわりと温かくなる
「ブヒッブヒッ」
気持ちよさそうに仰け反りながら震え数秒
視界の端では彼の父親と同僚が踊り狂い、左から右へと、そして右から左へと哄笑を残して流れていく
彼らは僕らを中心に延々回っているらしい
不意にからさんがかぶりを振って僕の顔を覗き込み、またゆっくりと動き始める
それを幾度か繰り返しふと、違和感を覚え、気づく
鉄筋製の建物なのに、ギシッギシッと床の軋む音が聞こえる
なるほどこれではプチエンジェルじゃ耐えられない
気づけば、服を脱いだ同僚と会計士が僕の頭部を挟む様に座っている
そして膨張した陰茎を僕の後頭部でクロスさせ、ちょうど両こめかみの高さから左右に突き出す様に構えた
僕はその生臭さにクラクラしながら思った
山羊のように角を生やすそのシルエットはまるで・・・
リンク
- 初出 - デリュケー プチエンジェルじゃ耐えられない!(魚拓)