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恒心文庫:ネコの耳を付けて乳首や胸毛を見せびらかして歩く

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

当職は石崎敦子という人事院の女性に強く憤っている。
ネコの耳を合成した画像を勝手に作られ、「乳首や胸毛を見せびらかして歩いているが温かく受け入れていただければ」などと書かれ、掲示板に晒され、更には事務所の入るビルにまで送付されたからだ。
そんなことをされれば誰だって怒るに違いない。名誉を著しく毀損された、そう思うのは無理のない話だ。
だが当事者の当職の場合は違う。なぜなら「誰にも知られたくない事実をばらまかれたから」という点で当職は憤っているのだ。

普通なら虚偽の内容で当職が被害に巻き込まれたと思うことだろう。確かに被害を受けたという点は然る通り。
しかし内容は嘘偽りのない事実なのである。それも当職の同僚にだって今までカミングアウトしたことのない機密事項だったわけだから尚更だ。
「ネコの耳を付けて乳首や胸毛を見せびらかして歩く」というのは当職の性癖なので誰にも知られたくなかった。それが公然の秘密となり同僚から笑われただけではなく、同じビルにいた奴等からも弄られることになってしまった。
それで居心地が悪くなり、逃げるようにして事務所を移動した。はっきり言って業務妨害だ。

ある日畔柳はこう言った。「所長!どうやったらネコ耳生やせるのですか?僕も欲しいです!」と。何と生意気な後輩なんだ。
ある日千葉はこう言った。「事務所でも乳首や胸毛を見せびらかしてくださいよ~」と。弁護士なのに何をほざいてる。
当職の性癖をカミングアウトされたせいで後輩から執拗にネコ耳と乳首と胸毛の開示を求められるようになってしまったのだ。
今まで巨根を容れたがる後輩にはご褒美として月の業績が最も優れた者1名にのみ尻穴を貸し出していたのに余計な者まで求めるわがまま野郎に成り下がってしまった。

危機的状況を対処すべく当職は菊地という硬派の凄腕弁護士を招き入れることにした。乱れに乱れた後輩に喝を入れるためだ。
幸い菊地には当職の性癖が知られていなかったので菊地の参画である程度是正効果が見受けられた。
更に1ヶ月後には追加で司法修習同期の笠置という弁護士も加えた。笠置も当職の性癖をまだ知らない。笠置は純白な奴ということを当職が何よりも知っている。当職は笠置の参画ですっかり油断していた。

ある日八雲のメンバーで宴会を開くことになった。コロナが続いたと言うこともあって事務所で馬鹿騒ぎするのは久々だった。鬱憤晴らしも難しい中、今日はフリーに尻穴を開放する。
群がるいつものメンバーに菊地や笠置もなかなかのハードプレイで応答してくれたので当職としては大いに満足であった。
アナルセックスもそこそこにアルコールを入れ、たわいもない話で盛り上がっていた。
すると後輩が突然当職の性癖のことを語り出したのだ。散々口止めしておいたのにも関わらず「ネコの耳を付けて乳首や胸毛を見せびらかして歩く」のが所長の性癖なんですよ~って大声で言うわけだ。

当職は「おい!やめろ!」って言うけど菊地と笠置はすっかり聞き入っていた。すると菊地は「山岡さん奇遇ですね!僕もネコ耳付けて犯されるのが性癖なんですよ!」と言う。庇っているのか馬鹿にしているのか分からない。
続けて笠置も「俺は乳首や胸毛を見せびらかすのが好きな所謂ゲイなんだ」と言う。「俺と笠置のハイブリッドですね!山岡さんを使えば2人の性癖を一度に満たせますね!画期的です!」と言う。
性癖を悉く弄られ頭が真っ白になり、言葉を失う。怒りを忘れ哀愁さえ漂い始めた。
ぼうっとする当職はいきなり服を脱がされ、脇や首をくすぐられる。当職はメスネコのような喘ぎ声を出し、隠していたネコ耳が姿を現した。
微かな淡いピンクの光沢が一層照り輝いているように感じた。ボサボサの胸毛も2つの乳首を印象づけるハイライトとなる。
当職は無意識のうちに発情期のメスネコのような声を出し、事務所内を4足歩行で駆け回った。いつの間にか下半身からズボンが脱げ落ちているがそんなことは気にも留めない。

ネコ耳を付け、乳首を胸毛を見せびらかすように歩く当職こそ真なる姿の当職だ。今まで誰にも見せなかった本当の当職の姿を世界で初めて誰かに公開する。こんな当職だけど温かく受けいれてくれれば何より。
アラフォーの当職は体力が減衰しつつあるのは言うまでもない。事務所内を自由自在に駆け回っているうちに当職は体力を消耗し、床で突っ伏し眠りに就いてしまった。

翌日、同僚達は何も触れず普段通り業務に取りかかる。昨日のことは夢であって欲しいというのが本音だが、少しだけ心が軽やかになった気がする。ネコになった当職に「ネコの耳を付けて乳首や胸毛を見せびらかして歩く」日を当職色に染めてくれたのが石崎敦子。去年起きた大事件のメインディッシュに添えておこう。

もちろん石崎敦子を許すつもりは全くない。実刑を切に望む。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

この作品について

石崎敦子逮捕マヨケーで発覚[1]してからわずか12時間後に書かれた作品である。本作品は悪芋の手によって八雲法律事務所と石崎が逮捕された大阪府警[2]、八雲法律事務所が入居しているビルのテナント[3]にもFAX送信されている。

リンク・註釈

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