恒心文庫:ゴールデンシート
本文
シルバーシート
電車その他交通機関にセットされている優先席の別名で、主に高齢者や妊婦・子供連れなどが対象となる
基本的には誰が座っても構わないが、対象者がそれとなく苦しそうにしていた場合は席を譲ってあげるのが人情だろう
東京メトロ六本木駅・入口
そこには本日の業務を終えて疲れ果てた親子の姿があった
唐澤洋とその息子貴洋
ドラ息子であった貴洋は何度もネット上で問題を起こしており、事務所の移転による負担は父洋の体を疲労で蝕んでいた
彼らは法を犯している訳ではないが、ネット住民の興味を引いてしまいネットストーカーの被害にあっている
以前の事務所は地下駐車場にタクシーを呼ぶことでその目を振り切ることができたが今回はそうはいかない
いたずら防止のため自分の車をあえて持たない親子は今こうして公共機関での通勤を余儀なくされていたのである
基本的に机仕事であるため肉体的疲労はそう高くないが、洋は齢七十の御老体、貴洋はクソデブなこともありこの徒歩でさえ息切れをするほどである
駅構内・日比谷線ホーム
ここに来る途中エスカレーターで誰かに撮られたような気がするが追っては来ないことを見るとまだそこまで過激な犯行に及ぶ気はないと思い、胸をなでおろす
今日は移転作業も落ち着いたので、息子行きつけの浅草のリンゴ飴店で新事務所移転祝いの打ち上げをする予定だ
程なくして電車が到着したので彼らは乗り込んだ
退勤ラッシュの時間なこともあり、車内は混雑していた
ただでさえ体がボロボロな彼らはほんの数駅の移動も座りじゃないとままならないがあいにく席は埋まっている
そこで彼らはいつも独自の席取りテクを使っている
まず父洋がヨボヨボの老体なこともあり若い人に優先席を譲ってもらう
高年齢・妊婦・体の不自由と譲ってもらうにはかなりの好条件なのと比較的良心的な客層なこともあり渋々ながらもその若者は席を譲ってくれた
次に貴洋が父の膝の上に座った
一見頭のおかしい中年男性が老人に嫌がらせしているようにしか見えないが、優先席は子供連れも条件に含まれているので彼らの中ではセーフなのである
浅草線に乗り換えるために一旦東銀座で下車
浅草線内においても先程のテクニックを用い、二人で座ることができた
しかしここで事件が発生する
貴洋の尻に突如強い振動が襲いかかったのだ
尻と密着している洋の股間にもそれは伝わりギンギンとなったペニスは二人のズボンを突き破り貴洋の肛門に突き刺さる
突如襲いかかる二つの快楽に顔を歪める親子
貴洋が動転してそこらじゅうを見渡すが車内の異変に彼が気づくことはなかった
時を同じくして浅草線内
乳首ビンビンの男と帯刀してるスケベな男、二人の男性カップルはうろたえていた
実は彼らも貴洋と同じ事務所に務める弁護士であるが、ここ最近やることもないので趣味のため仕事を早く切り上げて退勤していた
その趣味とは電車内の痴漢プレイである
様々な車内で色んなプレイをするため今ここにいるわけであった
今回は尻に遠隔操作式のアナルバイブを突っ込んでそれを日本刀の男が操作することで反応を楽しむというものであった
しかしいくらスイッチを操作しても無反応な現状にどうすることもできなかった
視点を唐澤親子の方に戻す
先の原因実は息子の貴洋にあった
昼休み、弁当の買い出しで外出中の乳首弁護士の机を興味本位で探っていた貴洋
そこで彼は開封済みの二本のアナルバイブを見つけた
ご丁寧に説明書までついておりそれを読んだ貴洋は、自分の脱糞癖を防止するためそれで栓をしてしまった
当然リモコンは必要ないのでその場に置いてきたが、そこで入れ違いが発生してしまったのだ
結論を言うと貴洋の尻の振動の正体はこのアナルバイブである
現在日本刀の男が操作してるリモコンは、貴洋が挿入してるアナルバイブとつながっていた
日本刀の男が調子を確かめるため何度も電源をオン・オフ、強さを上げ下げした影響で貴洋の肛門はもう限界であった
一方の洋も息子のバイブの振動と肛門の締め付けでこれ以上ない快楽を受けておりもう限界であった
「でりゅ!!!!!!!!!でりゅよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
貴洋の黄金と洋の白金が優先席中に飛び散り、齢七十の老人と四十の中年は情けないイキ顔を晒しながら絶叫した
車内アナウンスが流れる
「――優先席付近では携帯の電源をオフに、それ以外の場所ではマナーモードに設定の上、通話はお控え願います」