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恒心文庫:カレーのひみつ

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

一月二十二日はカレーの日。一般的には知られていないけど、昭和五十七年から社会法人の全国学校栄養士協議会が定めた多少だが歴史のある日だ。
全国の小中学校で一斉にカレー給食が出されるその日を、子供達は目を輝かせながら待ち望んでいる。
つい最近、モデルのうじじまいい肉氏や上級教徒である藤原太一氏もカレーの日と謳いインスタグラムやtwiterに上げた事から、ニワカな一般人からも認知され始まるようになる。
国民全員ではないが、その日は今日一日カレー一色の献立でありインドカレーの店やファミレスも大繁盛だ。
その日に、ある事件が起こった。いや、国民は思い知らされたというべきか。
突如テレビやラジオ、渋谷のスクランブル交差点のモニター、学校のお昼放送から豚のような一人の一般男性の悲鳴が轟いた。
渋く重い声のナレーションと同時に流れるその映像には、全裸で小太りの男性が多数のスパイスのみを食べさせられ泣きながら飲み込む映像が流されていた。
子供達の給食を食べる手が止まり、歩く者誰もが何事かとビルのモニターを凝視している。この異常事態に写真を上げtwitterに上げようとする愚か者の携帯もが、その一般男性がスパイスを泣きながら食べる映像を流す以外の機能を失っていた。
一般男性の醜い顔は、スパイスの刺激のせいで腫れた唇が付属し最早化物のようだ。カメラの位置が代わり、一般男性の多数の皺とブツブツと凸っとした水膨れのある尻穴を映し出す。
尻穴から多数のスパイスを含んだ糞便、いやカレーのルーが流れ出て皿に受け止める。スパイスを含み、皿には激辛と書かれている故か、一般男性は絶叫し終いには吐いてしまっていた。
泣きだす子供達。消えないテレビの画面。とうとう教師はテレビの電源を消してしまっても、教室のスピーカーからは例の映像のナレーションと一般男性の絶叫と脱糞音が響いていた。
そして、腫れあがった唇と尻穴に近づく洋の足音。洋は一般男性と呼ばれている自分の息子にペニスを突き挿し、ピストン運動をする。
腫れた唇、腫れた尻穴に突っ込まれる一般男性は痛みのあまりに絶叫し、ブチリブチリと皮膚が剥ける音も響く。
洋の絶叫と同時に、口内、腸内に出しても聞こえる程の射精音が大音量で流される。口と尻と同時に精液を流された一般男性は、またスパイスを食べる作業に戻る。彼らの精液で、コクが出るのだとナレーションが語った後で…
映像はそこでブツリと切れ、有名店のカレー料理を紹介し芸能人が嬉しそうな笑顔で食べる映像が流れた。だが、それは最早免罪符にならず、逆に暴動の起爆剤となってしまった。
学校で給食を食べていた子供達は暴れ出し、吐き、泣き、窓から飛び降りたり。ただ街を歩いていた人はどよめき、混乱し、吐き、泣き。家に居た物はただただ呆然としているだけであった。市販のルーを使ってカレーを作っていた主婦は絶叫しながらカレーを作っていた鍋を外に投げ捨てた。
投げ捨てたおかげでカレーという名目の一般男性の糞が投げ捨てられ、全国の一般道は一般男性の糞に染まっていった。
だが、それも明日になれば掃除され元の道へと戻る。それでも彼らの負った傷は癒えず、混乱と暴動はまだ続いている。とうとう殺人にまで至り、死人は増え続けている。
そんな混乱と化した街をただ二人、六本木の事務所から眺めている男達が居た。
事務所には公共の電波を占領する機械が置かれており、一仕事終えたソレを新入りの弁護士は解体していた。
「Kさん。終わりましたよ」
街が、いや国の混乱を見て安堵し心の底から達成感を得て顔がほころぶ男が居た。
これで、僕の恋人である彼は、自由だ。
そんな事を思いながら、彼はじっと、いつか終わるこの混沌と狂気の世界を眺めていた。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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