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恒心文庫:もう一度だけ

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

僕の初めての相手は、名前も知らないおじさんです。
受験塾の帰り道で、十一時過ぎ、あたりはすっかり暗くなっていました。僕の出身地は島根県の田舎ですから、街灯なんてものは滅多にありません。真っ暗闇の中、僕は突然背後から腕を掴まれ、草むらの方へ引きずり込まれました。
「騒ぐな」
男はナイフを取り出して言いました。恐怖に身を震わせ、ああ僕はここで殺されてしまうんだな、と考えました。
しかし、男が取った行動は意外でした。僕をナイフでメッタ刺しにして殺すのかと思いきや、なんと恐怖で動けない僕の服を脱がせ始めたのです。そして、裸になってしまった僕の身体を、ぬらぬらとしている舌が這いました。男は僕の乳首を吸い、精通前の陰茎を扱いたのです。
僕が女の子だったら、その状況を少しは理解出来たでしょう。これは強姦だ、と。小さい女の子が好きな変質者がいることは、当時の僕でも知っています。けれど、男である僕にそんなことをする人がいるとは、とても信じられませんでした。恐怖、混乱、気持ち悪さ、様々な負の感情に涙が溢れて顔はぐちゃぐちゃです。
僕の身体を味わいつくした男は張り詰めた陰茎を僕の唇に押し付けました。これは勿論、フェラチオをしろという意味です。顔を背けると即座にビンタが飛んできました。
僕はその夜、男の陰茎の味、精液の味、飲み込んだ後のねばつく感触を知りました。排泄器官で男を飲み込むことができることも知りました。
男は満足すると、僕を草むらに放置して何処かへ去りました。取り残された僕はしばらく横たわり、立ち上がることができずにいました。全身がびりびりと痺れて熱いのです。
僕はゆっくり手を動かし、陰茎を擦りました。
そうです。僕は幼少期から、見知らぬ男に強姦されて身体を火照らせるような淫乱だったのです。
今でもパートナーには強姦じみた激しいセックスを求めます。慣らさないまま挿入してくれと頼みます。僕が抵抗したら殴ってくれと頼みます。
僕はどうしても知りたいのです。あの夜味わったような恐怖と快楽を、もう一度だけ。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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