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恒心文庫:かつては検事だった男

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

かつて検事だったという男が入所したいと
八雲法律事務所の戸を叩いてきた。
検事というのは司法試験をそれなりの成績で受かりなおかつ適性がないとなれないのである。試験に受かりさえすれば誰でもなれる弁護士とは訳が違う。
山岡は着衣の自分がしとねに横たわる絵を飾っている応接間に通し、どうしてこの事務所に入りたいのかをおずおずと尋ねるのだった。
「上野様、どうして我が事務所へ?」
「ヤリモクを捩って事務所名をつけるような淫乱な弁護士が所長をしているというこの事務所にいたく興味をそそられまして。」
うちの事務所も有名なったものだと感慨深げに頷く裕明。
ならばと小林に命じて応接間に飾ってある着衣のリャマの滑車を操作し前後を入れ替え
裸のリャマが応接間に現れるようにした。
蠱惑的な表情でシャツのボタンを外し始める裕明。
ここで欲情し僕を襲えば面接は合格だ
火照る体に渦巻く欲望を全面に押し出す裕明であったがその思惑はあっさりと崩れ落ちた。

上野がいきなり裕明の顎に肘打ちを叩き込んだのだ、椅子からひっくり返り大の字になる裕明の鳩尾を踏みつけ馬乗りになって殴り始める。
「山岡さんはゲイな上にドMの雌猫と聞いたので仕事しながらストレスが溜まるとボコボコに殴って発散できるのではと考えてここを志望したんです。男性器を咥えるのが好きなマゾなら男に暴行を加えられるのも満更じゃないでしょう?」
裕明の顔面はもうボッコボコである。
上野が自分で作ったという労働契約書と雇用条件通知書を裕明に手渡し
上野の八雲法律事務所入所が確定した。

いつ殴られるかわからない緊張感と殴られた時の苦痛に裕明はワクワクが止まらないとのことである。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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