オランジーナ
オランジーナとは、フランスの飲料会社オレンジーナ・シュウェップス社のブランドである清涼飲料水である。オレンジ果実本来の味わいがさっぱりと楽しめる微炭酸であり、太陽の降り注ぐフランスの地中海沿岸で1936年にブランドが誕生して以来、今もフランスの街角カフェで多くの人に愛され続けている。
概要
オランジーナの原型は1933年、スペイン・バレンシア出身の薬剤師であるオーギュスタン・トリーゴによって発明された柑橘の果汁、砂糖、そして炭酸水を混ぜあわせて作られたナランジーナ[1]という飲料水である。1935年にマルセイユの見本市で発表されたこの飲料のレシピと構想はフランス系のアルジェリア人であるレオン・ブトンによって買い取られ、翌年の1936年にはブランドが立ち上げられた。 しかし同年7月に勃発したスペイン内戦、またその3年後の第二次世界大戦などの影響によりこれの市場規模は大変限定されたものにとどまった。
戦後この会社を受け継いだレオン・ブトンの子共ジャン・クロード・ブトンはこの飲料の名前を「オランジーナ」と改め、巧みな経営戦略によってアルジェリアをはじめとする北アフリカのフランス植民地一帯の飲料市場を席巻し、また4年後の1951年には見事フランス本土にブランドを進出させることに成功した。
1962年のアルジェリア独立に伴いオランジーナはフランス本土のマルセイユに会社を移設、年間5億ボトルを売り出す巨大なブランドへと成長した。
オランジーナ社は1982年にフランスの飲料会社ペルノ・リカールに買収され、2000年にはイギリスの飲料会社キャドバリー・シュウェップスによるペルノ・リカールの飲料水部門買収により所有権が同社に移った。2006年にオランジーナ社は投資ファンドのブラックストーンとライオン・キャピタルによる買収を経て2009年にサントリーの手へと渡った。
2012年にはサントリーによって日本仕様のオランジーナの販売が開始、その爽やかなオレンジの味わいとオレンジピール由来の自然な苦味、フランスの「バルビーボトル」をモチーフにした斬新なペットボトルデザイン、そしてカフェやレストランでの展開が功を奏し当初の年間販売目標である200万ケースを1ヶ月で達成、3ヶ月後には当初目標の2倍にあたる400万ケースを突破し、2012年7月に販売目標を当初の4倍にあたる800万ケースに上方修正するほどの大ヒットとなった。
同ブランドより2015年3月には日本限定の姉妹商品であるレモン果汁を使用した「レモンジーナ」、11月には季節限定商品である「オランジーナ カシス&オレンジ」、そして2016年の3月には厳選された希少なシチリア産ブラッドオレンジを使用し、濃厚でプレミアムな味わいに仕上げた「ブラッドオランジーナ」が発売されておりいずれも高評価を得ている。
恒心との関係
2011年の下旬から浸透し始めた「ステルスマーケティング」という単語は、2012年の1月にニュース速報板で起こったいわゆる「ステマ騒動[3]」をきっかけとして2ちゃんねる全土で大流行する。この影響は当然なんJにも波及し、オランジーナをはじめとした宣伝がしつこい商品を無意味に持ち上げる「ステマネタ」という歪んだ文化が醸成されることとなった。オランジーナはステマはしていないと思われるが、当時やたらCMを流していることで知られた。
2012年秋に投稿されたOrpheusから2ndアルバムが発売される模様がこのネタに便乗し、動画の片隅にオランジーナのステマを施したことがきっかけで、オランジーナはなんJのみならず恒心公式飲料としても不動の地位を確立した。
2016年の6月に発見された河野一英、唐澤厚史らの墓には彼らの死を悼む教徒から複数のオランジーナが供えられた。
ただ、特に炎天下の中に密封状態の炭酸飲料を放置するのは危険であるし、オランジーナに含まれる糖分は墓石の変色の原因になるので絶対に供えたり、まして墓石にかけたりしてはいけない。
ギャラリー
CMに扮したphoto.jpg
コミックマーケット89にて盗撮された藤原太一と一般人。左下に注目。
唐澤貴洋掲示板(3代目)の扉絵のひとつ。
マンジュシュリー・ミトラにより作成されたオランジーナのMMDアクセサリ。
法廷画風イラスト。一枚目の机に注目