現在マヨケーがダウンしています。避難所にはカクケーモリケーがあります。

「恒心文庫:全知」の版間の差分

提供:唐澤貴洋Wiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
>チー二ョ
>チー二ョ
107行目: 107行目:
* [[恒心文庫:無知]]  - 次作
* [[恒心文庫:無知]]  - 次作
* 下記は同じくカラケーを荒らした[[包皮]]に対して教徒が正義の鉄槌を下した作品である。
* 下記は同じくカラケーを荒らした[[包皮]]に対して教徒が正義の鉄槌を下した作品である。
** [[恒心文庫:よく俺の思考読めたな]]
** [[恒心文庫:豆大福氏と豆大福]]  
** [[恒心文庫:豆大福氏と豆大福]]  
** [[恒心文庫:よく俺の思考読めたな]]
{{テンプレート:恒心文庫}}
{{テンプレート:恒心文庫}}
[[カテゴリ:恒心文庫]]
[[カテゴリ:恒心文庫]]
{{広告}}
{{広告}}

2022年5月18日 (水) 09:18時点における版

本文

「くそっ、このガキどもが……っ!」

画面に向かい悪態をつく。

はじめは掲示板を荒らすだけのつもりだった。
しかし、IDを使い分け、相手役を自ら行って煽っていた結果、数と速度を重視する余り起きてしまったミス。
自らの日本語の不備を突かれ、売り言葉に買い言葉でレスをしてしまったのがすべての間違いだった。

掲示板には、自らへ向けた性的な罵倒が並ぶ。

「法ガイジのアナル犯したい」
「法ガイジを親の前でスパンキングしたい」

初めの内は、”法ガイジ”という罵倒語が自らに向けたものではないと頭では考えるようにし、
この煽り耐性のないガキどもと同じようにはならぬと思っていた。

しかし、言葉を交わす内、俺の中で『法ガイジ=自分』という認識が出来上がってしまった。
そんな中、ある書き込みが投稿された。

「法ガイジは全知なんだから、アナルを犯される感覚ぐらいわかるだろ」

こいつらを蟻とバカにしてきたが、蟻によって堤が崩れる事例もあるのは故事にある通り。
所詮はたったの一言だが、俺の中に蟻の穴を穿つのには十分だった。

……俺が全知だったら、想像するだけで乳首がシャツに擦れる快感が襲い、
この書き込みを見ればアナルを犯されてアクメする感覚にやられるのだろうか。

ぶるり、と身震いし、俺の内なる欲求に、恐ろしいまでの一撃が加えらたことを自覚する。

俺が全知なんてことはあるわけがない。
こいつらを煙に巻くために、口からでまかせで出した言葉の言葉尻を捉えて貼られたレッテルだ。
しかし、今こいつらが書き込んだ一言が俺の心に針のように刺さり、それが感覚を鋭敏にしていることも確かだ。

淫靡な想像によって、不意に自らの股間がビクンと脈打ち、生唾を飲み込む。

「俺が、俺にそんな趣味なんかあるわけがない」

自分の気持を押さえるように胸元を掴むと、意図せずシャツが乳首を擦り、
刹那先ほどの想像が去来して、その感覚をやけに鋭敏に感じてしまう。

「……っ!!」

少し熱を持ち始めた陰部から興味をそらそうと、掲示板でのレスバトルに目を移す。

「法くんにフリフリの服着せたい」
「輪姦して出産させる」

相変わらずの罵倒が並ぶが、先ほどの感覚を引きずっているせいか、その光景が想像できてしまった。
自らが女装した状態で犯され、子宮がないはずなのに孕ませようと中出しをされ、無様に喘ぎ、尻への快感で射精する。
そんなことがあるはずがない。
しかし何だこの感じは、下半身が熱くなっている。

気がつけば勃起していた。

こんな事が、俺がそんな変態性癖を持っていたなどという事があるだろうか?
しかし現に今、自分の股間は痛いぐらいに勃起しているのである。

こんな状態で荒らしもクソもあったものじゃない。
自らがマゾヒストのホモであることを否定するために、エロ画像を探し、
それで一発抜いて落ち着こう。
そうすれば、一旦気持ちをリセットし、このガキどもをまた一喜一憂させ、掲示板を混乱させることに興じられる。

いきり立った男根を萎えさせまいと、片手にしごきながらフォルダを漁っていると、
少し前に某スレで保存した「NONSTOP!衣笠さん」というエロ同人に目が止まった。

これは主人公が女装をさせられ、終始女性側が主導で快感を与えられ続けるという内容で、
この漫画選択することは、先ほどの淫靡な想像に引っ張られるようで、些か問題が有るようには思った。
しかし、今はおかずを探している段階であり、少しでも頭のなかで関連を持てたほうが抜けることは明らか。
それに、あの妄想と違い、自分が男に犯されるわけではなく、女に気持よくさせられる内容なのだ。
これは十分にノーマルではないか。

そう自分に言い訳をし、これ以上探しまわると萎えるかもしれない事も鑑みて、これを見ながらペニスを扱く。
漫画の中で衣笠は、主人公のペニスを脚でしごき、人前で射精させている。
ぶとその瞬間、先ほどの書き込みが自分の中で、画面の主人公と重なってしまう。

「法ガイジ君が情けなく射精する姿が見たい」

とたんに絶頂感が下半身を襲い、熱いものがこみ上げてくるのがわかった。

「――――――っ!!」

射精した。
それも、これまでにないような、熱い……すごい量の射精を。

「俺が、こんな事……あるはず……」

手のひらに落ちた精液の感覚、そしてエロ漫画の女装した主人公と
自らに向けた書き込みを重ねた、その瞬間のあの感覚。
それらは、間違いなく”未知”のものだった。

もう戻れない。
しかし、知識に貪欲であるのと同じように、こうして自らの欲求に大しても貪欲であって良いのかもしれない。

俺は自らの作り上げた”全知”という虚像に向かって、確実に一歩を踏み出したのだった。

この作品について

アサケーを荒らしていた法ガイジを題材にした作品。 アサケーが閉鎖し次メインのドリケーで対策されたため、行き場を失った法ガイジは、何とこの作品のスレッドに上陸。 いつものように住人を罵倒し始めるのだが、その結果は次作の恒心文庫:無知でご確認ください。 デリュケー作家陣は、荒らしや罵倒ですら作品の題材に昇華してしまうのだ。

リンク

恒心文庫
メインページ ・ この作品をウォッチする ・ 全作品一覧 ・ 本棚 ・ おまかせ表示