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{{Pathnav|唐澤貴洋の発言一覧|frame=1}} | {{Pathnav|唐澤貴洋の発言一覧|frame=1}} | ||
'''テラスハウス問題'''とは、{{wpl|フジテレビ}}の人気番組「{{wpl|テラスハウス (テレビ番組)|テラスハウス}}」に出演していた女子プロレスラーの{{wpl|木村花}} | '''テラスハウス問題'''とは、{{wpl|フジテレビ}}の人気番組「{{wpl|テラスハウス (テレビ番組)|テラスハウス}}」に出演していた女子プロレスラーの{{wpl|木村花}}が、SNS上での誹謗中傷を苦にして2020年5月23日に自殺した問題である<ref>テラスハウス問題の細かい経緯はMuyopediaの{{wpl|木村花}}の項目に詳述されているので、そちらを参照されたい。</ref>。<br> | ||
本項目では、この事件についての尊師のコメントと、その問題点について記述する。 | |||
== 発言の推移 == | == 発言の推移 == | ||
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なお、木村響子はネット規制の強化に関しては反対していない。<ref>読売新聞 2020年7月10日付で木村響子がインタビューに答えており、インターネット上の書き込みについて「モラルが通じない人には厳しい処罰が必要。悪質なものを削除する仕組みを作ってほしい」と訴えている。さらに「花の名前で(ネット上の中傷に悩む人たちを救う)NPOを作りたい」とも語っている。</ref> | なお、木村響子はネット規制の強化に関しては反対していない。<ref>読売新聞 2020年7月10日付で木村響子がインタビューに答えており、インターネット上の書き込みについて「モラルが通じない人には厳しい処罰が必要。悪質なものを削除する仕組みを作ってほしい」と訴えている。さらに「花の名前で(ネット上の中傷に悩む人たちを救う)NPOを作りたい」とも語っている。</ref> | ||
== 「テラスハウス問題」に関連した尊師発言の問題点 == | |||
このようにして見ていくと、テラスハウス出演により木村が自殺に至った背景には、 | |||
*木村をヒールに仕立て上げようという演出 | |||
**キャラクター付けの演出があったにもかかわらず、「リアリティー番組」として木村の自由意思で行ったかのように放送した「やらせ」問題 | |||
*その演出に伴う、視聴者からの批判・中傷 | |||
*演出・出演の拒否や中止が難しい不利な契約 | |||
の3つの問題があったことが分かる。 | |||
当然、木村の自殺を論ずる際にはこの3つの問題を追及しなければならないが、この3点について尊師の主張を見てみると | |||
*TV番組には台本があり演出があるものであり、番組の性質に関わらずそれらが存在するとして視聴するべきだ。 | |||
*ネットで誰かを批判しても何も良いことはない。自分の人生の目標に向かってはどうか。 | |||
*契約については言及無し(木村母のインタビュー記事で判明した事実が多いため当然) | |||
となっている。 | |||
つまり、「TV番組は全て演出のあるフィクションであり、内容や発言の真実性を求めてはならない。」「他人の行為を批判することは無意味である」という一般の感覚から極めてかけ離れたものになってしまっている。<br> | |||
当然と言えば当然だが、尊師が今までしてきたテレビ出演の意図や内容、様々の批判の意図との整合性についても問われる内容である。<br> | |||
また、極めて不利な契約内容などの裏事情が伝わってからも全く言及をしておらず、木村母の危惧した「『暴力的な女子がSNSで批判され自殺』というストーリーの追認」に一役買っているといえる。 | |||
また、同記事内で尊師が主張している法改正についても、過激かつ現実味が薄い上、後に掲載する弁護士が指摘するような、違法性のある中傷と真っ当な批判の線引きの難しさ、スラップ訴訟増加の危険性といった副作用に全く触れていない。<br> | |||
このような状況を総合的に考慮すると、尊師は木村花の自殺に「便乗」し、「番組出演者がSNS炎上を苦にして自殺」というストーリーを追認して弁護士タレントとしての活動場所であるTV局に肩入れし、一方で盛り上がる世論に便乗して言論封殺・スラップ訴訟といった副作用を隠したまま[[パカ弁]]の活動しやすい環境<ref>[[国立音楽院]]、[[サイモントン療法教会]]、[[フジテックス]]など尊師はスラップ訴訟と思われる案件を多数受任している。</ref>をどさくさに紛れて作ろうとしているのであろうと思われる。 | |||
== 「テラスハウス問題」に関するまともな弁護士の記事 == | == 「テラスハウス問題」に関するまともな弁護士の記事 == | ||
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海外の類似番組におけるトラブル事例を挙げ、放送局の法的責任追及とその限界を論じている。 | |||
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({{Archive|https://www.businesslawyers.jp/articles/787|https://archive.vn/eW7Ef|該当記事へのリンク}} )</br> | ({{Archive|https://www.businesslawyers.jp/articles/787|https://archive.vn/eW7Ef|該当記事へのリンク}} )</br> | ||
大手キー局TBSの企業内弁護士としての経験を持つ筆者による「リアリティー番組」に関する論考。客観的な立場から述べられており、上記の田畑弁護士の論考と併せて読むと、テレビ番組の製作関係者には有益な情報になると思われる。 | |||
'''日刊ゲンダイDIGITAL:「表と裏」の法律知識 木村花さん襲った誹謗中傷 断ち切るには2つの法改正が必要 髙橋裕樹 弁護士(2020年5月31日)'''</br>({{Archive|https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/273906|https://archive.vn/ggx5r|該当記事へのリンク}} )</br> | '''日刊ゲンダイDIGITAL:「表と裏」の法律知識 木村花さん襲った誹謗中傷 断ち切るには2つの法改正が必要 髙橋裕樹 弁護士(2020年5月31日)'''</br>({{Archive|https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/273906|https://archive.vn/ggx5r|該当記事へのリンク}} )</br> | ||
ネット上での誹謗中傷について、'''「明らかな名誉毀損・侮辱の場合の投稿者情報の開示」'''と'''「投稿者情報の1年程度の保存の法制化・義務化」''' | ネット上での誹謗中傷について、'''「明らかな名誉毀損・侮辱の場合の投稿者情報の開示」'''と'''「投稿者情報の1年程度の保存の法制化・義務化」'''とい尊師に近い内容を提唱している。ただし、髙橋弁護士は'''「何を以って明らかな名誉毀損とするかは難しい」'''とも指摘しており、'''言論の自由とネット上の発言規制を両立することの難しさについてもはっきりと言及している'''。 | ||
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({{Archive|https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/1872288/|https://archive.vn/iErN5|該当記事へのリンク}} )</br> | ({{Archive|https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/1872288/|https://archive.vn/iErN5|該当記事へのリンク}} )</br> | ||
「テラスハウス」の事実上の前身となる恋愛バラエティー「あいのり」に出演した経験を持つ横粂勝仁弁護士によるコメント。「あいのり」と「テラスハウス」の時代背景の相違や番組内でのヤラセ演出の有無、そしてネット上の書き込み規制の必要性を主張する内容である。東スポらしくゆるい内容ではあるが、'''「『死ね』は誹謗中傷です。『辞めろ』は批判。『無能』も批判の範ちゅうでしょう。」'''というコメントが注目される。横粂弁護士の見解に基づけば、'''尊師に対して「無能弁護士」と書くことは「批判」なので名誉毀損や侮辱に該当せずセーフ'''ということになる<ref> | 「テラスハウス」の事実上の前身となる恋愛バラエティー「あいのり」に出演した経験を持つ横粂勝仁弁護士によるコメント。「あいのり」と「テラスハウス」の時代背景の相違や番組内でのヤラセ演出の有無、そしてネット上の書き込み規制の必要性を主張する内容である。東スポらしくゆるい内容ではあるが、'''「『死ね』は誹謗中傷です。『辞めろ』は批判。『無能』も批判の範ちゅうでしょう。」'''というコメントが注目される。横粂弁護士の見解に基づけば、'''尊師に対して「無能弁護士」と書くことは「批判」なので名誉毀損や侮辱に該当せずセーフ'''ということになる<ref>ただし、これはあくまでも一弁護士の個人的見解であり、文脈や用例などによってはアウトになるリスクもある。例えば、かつて[[仲間邦雄|沖縄君]]が尊師に対して異常な回数の殺害予告を行ったのと同様に、尊師に対して「無能」を何百回、何千回も繰り返した場合は「批判」の範囲を超え、名誉毀損や脅迫などの要件を満たす可能性がある。</ref>。 | ||
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({{Archive|https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00132/062200005/|https://archive.vn/JWeUH|該当記事へのリンク(要会員登録)}} )</br> | ({{Archive|https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00132/062200005/|https://archive.vn/JWeUH|該当記事へのリンク(要会員登録)}} )</br> | ||
「テラスハウス問題」をきっかけとしてネット書き込み規制の強化論が盛り上がっているが、そのことにより発生しうるであろう問題点を指摘する内容である。記事中で、森弁護士は次のように「スラップ訴訟」のリスクについて言及している。 | |||
今回、総務省の研究会では開示する情報に電話番号を新たに加えるなどして、被害者がよりスピーディーに投稿者を特定し、損害賠償を請求できるよう議論している。 | 今回、総務省の研究会では開示する情報に電話番号を新たに加えるなどして、被害者がよりスピーディーに投稿者を特定し、損害賠償を請求できるよう議論している。 | ||
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評価の低い投稿を消し、高い評価の投稿だけを残せば、本来は品質の悪いサービスや商品が高品質であるかのように印象づけることが可能だ。SNS運営会社に対する削除要請は誹謗中傷の被害者を救う半面、印象操作によって消費者をミスリードする手段にもなり得る。 | 評価の低い投稿を消し、高い評価の投稿だけを残せば、本来は品質の悪いサービスや商品が高品質であるかのように印象づけることが可能だ。SNS運営会社に対する削除要請は誹謗中傷の被害者を救う半面、印象操作によって消費者をミスリードする手段にもなり得る。 | ||
なお、このコメントを執筆した森亮二弁護士は、日本のSNS業界団体がSNS上における誹謗中傷などの諸問題を解決するために2020年4月に立ち上げた{{wpl|ソーシャルメディア利用環境整備機構|一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構}}において、理事を務めている。「ネット炎上の被害をなくしたい」と自称している尊師が、この団体と連携して活動を開始したという情報が未だに入ってこないのは、きわめて不可思議である。 | |||
== 脚注 == | == 脚注 == |