「唐澤貴洋/新聞記事」の版間の差分
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「書き込む人は10~30代の仕事を持たない男が多い。注目を集めたいという自己顕示欲が膨らみ、相手のことを考えられなくなっていた」と指摘する。 | 「書き込む人は10~30代の仕事を持たない男が多い。注目を集めたいという自己顕示欲が膨らみ、相手のことを考えられなくなっていた」と指摘する。 | ||
その上で「悪ふざけのつもりが逮捕などの重い結果につながることを知ってほしい」と強調。「今後も書き込みによる被害の救済に取り組んでいく」と話している。 | その上で「悪ふざけのつもりが逮捕などの重い結果につながることを知ってほしい」と強調。「今後も書き込みによる被害の救済に取り組んでいく」と話している。 | ||
==憲法のいま 公布70年⑬ 「13条/プライバシー権 21条/表現の自由」(毎日新聞地方版、2016年7月2日)== | ==憲法のいま 公布70年⑬ 「13条/プライバシー権 21条/表現の自由」(毎日新聞地方版、2016年7月2日)== | ||
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==ネット中傷 弁護士が山梨学院大で講義(山梨日日新聞、2016年12月1日)== | |||
'''[https://www.sannichi.co.jp/article/2016/12/11/00165144 ネット中傷 弁護士が山梨学院大で講義]''' '''「炎上」いじめと類似性''' '''「学校でモラル教育を」'''([http://archive.is/P6p4i 魚拓]) | |||
[[ファイル:191204303.jpg|200px]] | |||
インターネットを活用し、誰もが自由に広く情報を発信できるようになった。一方で、不特定多数の人から集中的に誹謗中傷を受ける行為がまん延し被害を生むなどと、「無法地帯」が生まれている現状もある。[[山梨学院大学|山梨学院大での講義]]のためこのほど来県した、自身もネット空間で中傷などを受け続けながらネット上での権利侵害の間題に取り組む弁護士の唐沢貴洋さん(38)=東京都=にネット社会の課題を聞いた。<坂本一真> | |||
唐沢さんが中傷行為を受け始めたのは2012年。ネット上での中傷などに悩む人から相談を受け、書き込みの削除を求めたところ、ネットユーザーから反発を買い、掲示板が個人攻撃であふれる「炎上」状態になった。殺害予告が連日書き込まれたほか、親族の墓にいたずら書きをされたり、地方自治体の役所に唐沢さんの名前で爆破予告がされたりするようになった。 | |||
'''鎮静化困難''' | |||
ネット上での中傷は、名警やプライバシーなどの権利を侵害する行為に当たる。ただ、ネット空間では現実世界で全く接点がないユーザー同士のコミュニティーがつくられ、繰り返し中傷行為がされる「炎上」という現象であふれているという。 | |||
唐沢さんによると、ネット上でつくられるコミュニティーは一度できると、時間が経過しない限り沈静化は難しい。秩序よりも「ノリ」や「刺激」が重視される空間という。「炎上」は学校のいじめと似た構造をもち、加害者が過激な書き込みをすると一度は称賛されるが、いずれは詮索され、突然被害者に成り代わる危険性がある。唐沢さんは「安易に炎上に加わるべきではない」と指摘する。 | |||
'''技術が先行''' | |||
ネット空間も野放しではなく、投稿時にはネット上の住所に相当する「IPアドレス」などがサーバー上に記録される仕組みで、必要に応じて情報開示請求ができる。ただ、発信元を分からなくできる技術も進み、「法による秩序が技術の進歩に追いついていない」とネット社会の現状を語る。 | |||
「社会全体がネット社会に問題意識をもたないと何も変わっていかない。現実社会の中でどう生きていくのかと同じくらい、ネット社会会での立ち居振る舞いも教えていかなければならない」と唐沢さん。法律だけではなく学校教育の中でネットを使う際のモラルを養っていく必要性を訴えている。 | |||
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ネット中傷 弁護士が山梨学院大で講義 | |||
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==私見卓見「ネットの中傷 責任追及の仕組みを」(日本経済新聞、2017年6月27日)== | |||
法律事務所クロス公式サイトのトピックス「[https://cross-law.jp/post-300/ 弁護士唐澤貴洋の寄稿が日本経済新聞に掲載されました。]」で本人による寄稿記事であったことが確定。 | |||
[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO18101320W7A620C1SHE000/ ネットの中傷 責任追及の仕組みを] 唐沢貴洋氏 弁護士 2017/6/27 | |||
インターネット上で個人を標的にした誹謗(ひぼう)中傷が氾濫している。 | |||
見知らぬ人から執拗に攻撃される被害を受けた経験を踏まえ、ネット空間における中傷対策について意見を述べたい。 | |||
私への攻撃は2012年3月、匿名掲示板に関連する事件を引き受けたのを機に始まった。 | |||
複数の投稿者からネット上で中傷や殺害予告などの脅迫を受けた。 | |||
家族が盗撮されたり、親族の墓にペンキをかけられたりするなど被害は現実世界にも及び、まともな社会生活を送れなくなった。 | |||
投稿者を突き止めて警察に通報し、10人以上が脅迫容疑などで逮捕・書類送検された。 | |||
しかし投稿者特定までの道のりは困難を極めた。 | |||
サイト運営者や通信事業者にネット上の住所に当たるIPアドレスや契約者の氏名を明らかにするよう任意で求めても開示されることが少ないためだ。 | |||
通信事業者などの多くは契約者情報を開示する条件に裁判所の判決といった司法判断を挙げる。 | |||
私も法的手段を取らざるを得ず、脅迫者の身元特定まで1年近くかかった。労力や費用を考えて泣き寝入りしている被害者は多い。 | |||
投稿者を特定するための通信履歴(ログ)を保存する形式や期間が決まっていないことも問題だ。 | |||
形式が不十分だったり、保存期間が過ぎたりして投稿者が特定できないことがある。 | |||
法律で保存方法を定め、少なくとも1年間は保存を義務付けるべきだ。 | |||
契約者情報の開示も柔軟な対応を求めたい。 | |||
どんな権利侵害なら契約者情報を開示してよいのか、国が通信事業者にガイドラインで示すことが必要だ。 | |||
「文章の中に理由(根拠)も示さずに中傷する」といった基準があれば事業者も判断しやすくなる。 | |||
最近は発信者の身元を隠せる特殊なソフトを使った投稿が増えている。 | |||
サイト運営者が設定を変更し、匿名化ツールを使った接続を遮断して投稿をできなくすることも中傷を防ぐ有効な手段だ。 | |||
私たちは日本国憲法21条で「表現の自由」を手にした。 | |||
国家権力による市民の抑圧を防ぐための規定だが、ネット空間では本来の目的と違った形で「表現の自由」が乱用され、市民同士の無益な争いを生んでいる。 | |||
匿名性はネットの特徴であり、その利点は否定しない。 | |||
とはいえ、書き込みをした人物の法的責任が最終的に追及される担保があってこそ、ネット上でも本当に意義ある言説が展開されるはずだ。 | |||
==「ひと」(朝日新聞、2017年8月4日)== | ==「ひと」(朝日新聞、2017年8月4日)== | ||
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ネット上のニュースサイトや掲示板、ブログ、SNSに投稿された書き込みなどを、テーマごとに整理し一覧できるよう掲載したサイト。 | ネット上のニュースサイトや掲示板、ブログ、SNSに投稿された書き込みなどを、テーマごとに整理し一覧できるよう掲載したサイト。 | ||
より多くの閲覧者を集めるため、管理者らが見出しを付け投稿の順番を変えるなど編集していることが多い。 | より多くの閲覧者を集めるため、管理者らが見出しを付け投稿の順番を変えるなど編集していることが多い。 | ||
==ネットにあふれる「トレンドブログ」 フェイクニュースの温床に(毎日新聞、2017年12月7日)== | ==ネットにあふれる「トレンドブログ」 フェイクニュースの温床に(毎日新聞、2017年12月7日)== | ||
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とはいえ、検索結果から悪質なブログを除外するために規制を強めると、良質のブログまで排除される可能性があり、悩ましい。グーグル側もウェブはオープンであるべきだとしている。検閲が許されない以上、ユーザーのモラルやリテラシーに頼るしかない。 | とはいえ、検索結果から悪質なブログを除外するために規制を強めると、良質のブログまで排除される可能性があり、悩ましい。グーグル側もウェブはオープンであるべきだとしている。検閲が許されない以上、ユーザーのモラルやリテラシーに頼るしかない。 | ||
ネット上をフェイクニュースが席巻する時代。送り手も受け手も、虚偽情報が瞬時に拡散するリスクを踏まえ、ネットに向き合う必要がある。 | ネット上をフェイクニュースが席巻する時代。送り手も受け手も、虚偽情報が瞬時に拡散するリスクを踏まえ、ネットに向き合う必要がある。 | ||
== ネット中傷後絶たず 人権侵害1900件(日本経済新聞、2018年1月12日) == | |||
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ネット中傷後絶たず 人権侵害1900件 | |||
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[[ファイル:Nikkei2018112.jpeg|600px]] | |||
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[https://r.nikkei.com/article/DGXMZO25652460S8A110C1CC1000 ネット中傷後絶たず 人権侵害1900件]([https://archive.is/Nhdxn 魚拓]) | |||
[[ファイル:Nikkei2018.jpg|200px]] | |||
インターネット上の事実無根の書き込みが発端で、いわれのない中傷電話やメールなどに苦しめられる被害が後を絶たない。法務省によると、ネット上の人権侵害は4年連続で過去最多を更新した。 | |||
「容疑者の勤務先です」。北九州市の石橋建設工業の石橋秀文社長(47)は、「ある日」を境にネット上の書き込みを常に確認するようになった。 | |||
神奈川県大井町の東名高速道路で2017年6月、ワゴン車の夫婦が死亡した追突事故。神奈川県警が容疑者を逮捕した直後から、ツイッターやネット掲示板には石橋社長を「容疑者の父」などとする誤った情報が書き込まれた。会社の電話番号や自宅住所も拡散された。 | |||
会社には「罪を償え」といった中傷や脅迫めいた電話が相次ぎ、ピーク時は1日100件以上も。福岡県警は、ネットに情報を流した数人の関係先を名誉毀損容疑で家宅捜索。石橋社長は「事実無根で取引先の信頼も失った。同様の被害が出ないように捜査してほしい」と訴える。 | |||
17年12月には米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)近くの「緑ケ丘保育園」の屋根に米軍ヘリコプターの部品が落下した事故が発生。「自作自演疑惑が浮上」など根拠のない情報が一部サイトで拡散した。以降、園には中傷の電話が殺到。「子供を預けられない」などと書かれたメールも送られた。神谷武宏園長(55)は「なぜこんな被害に遭わなければいけないのか」と途方に暮れる。 | |||
被害は全国各地に及ぶ。法務省によると、誹謗(ひぼう)中傷やプライバシー侵害などのネット上の人権侵害は16年に1909件に上り、4年連続で過去最多を更新した。背景にはスマートフォンの普及に伴い、誰もが気軽に投稿できるようになったことがある。 | |||
サイト開設者が閲覧数を稼いで、広告収入を得るための書き込みにより被害を受けたケースもある。ある俳優は「違法薬物で逮捕」などと虚偽の中傷記事をまとめたサイトが掲載され、俳優の仕事に影響が出るなどしたという。警視庁は17年7月、偽計業務妨害容疑で男女3人を書類送検しており、調べに対し「興味を引いて閲覧数を伸ばし、広告収入を増やしたかった」などと供述した。 | |||
法務省は被害者に、サイト管理者に削除依頼する方法を教えたり、直接管理者に削除要請するなどの対応を進めている。'''自身もネット上の中傷を受けた経験を持つ唐沢貴洋弁護士は「ネット上で中傷する人には罪の意識がない人が目立つ。ネットリテラシーを高める教育を充実させることが必要」と指摘する。''' | |||
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