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恒心文庫:便意の迷走

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文


唐澤貴洋、47歳。腹回りが制服を圧迫する巨漢の元弁護士。半グレ集団の「御用弁護士」として裏社会をかすめ取り、ドヤ顔で法廷に立ったが、的外れな弁論で「無能」と呼ばれた男。それでも本人は「俺は大物」と信じて疑わない。そんな彼が恐喝罪で懲役5年の実刑を食らい、千葉の古びた刑務所に放り込まれた。
入所初日、独房のベッドが彼の体重で軋む中、唐澤は呟いた。「ここでも俺のルールでいくぜ。」だが、その「ルール」は奇妙な形で炸裂した――「排便願い」の乱発だ。
「看守さん! 緊急です! 排便願いを!」作業場の昼休み、唐澤が汗だくで手を挙げた。看守の山本は怪訝な顔。「お前、さっき行ったろ?」だが、唐澤は腹を押さえ、必死に訴える。「これは…健康問題なんです!」その迫力(と汗)に押され、山本は渋々許可した。
これが地獄の始まりだった。唐澤は朝から晩まで、時に深夜にまで「排便願い」を連呼。食事中、点呼時、果ては消灯後――規則のトイレ時間外に吠え続ける。看守たちはうんざりした。「唐澤、またか! 医務室行け、デブ!」と、ベテラン看守の佐藤が一喝。医務室では「過食のせい?」と疑われたが、唐澤は「ストレスです」と笑って誤魔化す。診断は毎度「異常なし」。
囚人たちの間では、唐澤は格好のネタだった。「あのデブ弁護士、腹が喋ってるぜ」と、詐欺師の田中がニヤつく。だが、唐澤には「計画」があった――ような気がしていた。半グレのボスに「目立て」と吹き込まれた過去を、彼はなぜかトイレで実行中。「注目は力だ!」と自分を鼓舞するが、実態はただの迷惑行為。無能なりに、彼なりの「生き様」だった。
ある日、佐藤がブチ切れた。「唐澤! 次やったら懲罰房だ!」唐澤はゼイゼイ息を切らしつつ反論。「規則では緊急時は許可が…!」その瞬間、独房棟に笑いが響く。囚人たちが「さすがデブ弁護士!」と囃し、佐藤は額を押さえた。
厄介者の烙印は唐澤を孤立させた。看守は目を光らせ、囚人は距離を置く。だが、独房の夜、唐澤は腹を撫でながら呟く。「まだだ…俺はここで輝く…」次の「排便願い」が、刑務所にどんな波紋を投じるのか――たぶん、大したことはない。

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