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「唐澤貴洋の裁判一覧/東京地方裁判所平成24年(ワ)第4008号」の版間の差分

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>津島蓮生
(ページの作成:「== 全文 == 原告 B1<br> 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋<br> 被告 ソフトバンクモバイル株式会社<br> 同代表者代表取締役 B...」)
 
*>Pokemonmaster
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== 全文 ==
{{出典明記}}
原告 B1<br>
{{Infobox Person
同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋<br>
|image=megarairyu.jpg
被告 ソフトバンクモバイル株式会社<br>
|imgdtl=
同代表者代表取締役 B2<br>
|本名=李忠博
同訴訟代理人弁護士 高橋聖<br>
|渾名=
同 寺門峻佑
|生年=
|生年2=
|住所=韓国
|出生地=
|出生地2=
|身体=
|才能=有能
|特定経緯=ツイッター上での自分語り
|関連性=[[唐澤貴洋Wiki]]避難所の管理人
|職業=未成年(中卒ニート)
|所属=
|出身高校=
|最終学歴=中卒
|趣味=ポケモン
|贔屓球団=
|嫌いなもの=
|関係者=<div>
:'''唐澤貴洋Wiki管理人'''
*[[利用者:T-カルサヴァ|T-カルサヴァ]] - 初代wiki管理人
*[[Pacal2]] - 二代目wiki管理人
}}
'''MegaRairyu'''(めがらいりゅう)とは、[[唐澤貴洋Wiki]]避難所(2016年2月10日〜)の管理人である。
== 概要 ==
'''@MegaRairyu'''('''メガ雷龍''')というツイッターアカウントを持っている。唐澤関連用にアカウントを作成しているが、わざわざ'''@MegaRairyu_KRSW'''という本アカに関連した名前にした上で、プロフィールに本アカへのリンクを貼っており、ハセカラに便乗して本アカを閲覧してもらおうという点で自己顕示欲丸しの実にすばらしい人物である。本アカの内容はポケモン関連の愚痴が中心。


=== 主文 ===
ツイッター上の本アカプロフィールは「'''ポケクラかもしれないしそうではないかもしれない。'''」と述べている(ポケクラ=ポケモンクラスタらしい)。また、ハセカラ用垢では利用者名として「'''wikiに弱い新芋'''」を名乗る。これらの発言から予防線を張りまくる癖が窺えるが、同時に溢れ出んばかりの自己顕示欲の持ち主であり、人類の英雄である。その自己顕示度はチンフェを余裕で上回り、8.3hasse(=チンフェ8.3人相当)と計測されている。これは本wikiの歴代管理人の中でも突出した値である。
1 被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ。


2 訴訟費用は被告の負担とする。
ツイッターではそのアカウント名や発言内容からコドモドラゴンではないかと思われていたが、実際に未成年者であることを自分語りしている。そして昼間に学校にもいかずツイッターで活動している。これらのことから、高校生年齢相当の中卒ニートと特定された。


=== 事実及び理由 ===
恒心関連で加害者として数々の犯罪に手を染めているが、240通のメール爆弾を送られたぐらいで狼狽えて被害者ぶる強者である。
==== 第1 請求 ====
 主文同旨


==== 第2 事案の概要 ====
本wikiに彼について否定的な事を書くと削除・規制される模様。
1 本件は,空手道場を運営する原告が,インターネット上の電子掲示板にされた匿名の4件の書き込みによって名誉を毀損されたとして,同書き込みについてインターネット接続サービスを提供したいわゆる経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,発信者の氏名,住所等の開示を求める事案である。
 
=== 2 前提事実(証拠等を掲げた事実のほかは当事者間に争いがない。) ===
(1)原告は,愛知県において特定非営利活動法人全世界空手道連盟新極真会α(以下「α」という。)を運営する者であり,同道場において師範として道場生の指導に当たっている(甲5,6の2)。
 
(2)被告は,電気通信事業を営む株式会社である。
 
(3)氏名不詳者(以下「本件発信者」という。)は,インターネット上の電子掲示板である「2ちゃんねる」(http://www.2ch.net,以下「本件ウェブサイト」という。)内の「a」と題するスレッドにおいて,平成23年11月28日,同年12月5日及び同年12月7日,別紙情報目録記載のとおりの4件の書き込みを行った(以下「本件各投稿記事」といい,それぞれを「[1]の記事」,「[2]の記事」などという。)(甲1,弁論の全趣旨)。
 
 なお,本件各投稿記事はいずれも同一の発信者により書き込まれたものである(乙4,弁論の全趣旨)。
 
 本件ウェブサイトの電子掲示板は,誰もが匿名で書き込みをすることができ,また,同サイトにアクセスした者は誰でもその記事を閲覧することができる。
 
(4)原告が,本件ウェブサイトの管理者であるパケットモンスターインク ピーティーイーエルティーディー(PACKET MONSTER INC.PTE.LTD)に対し,本件各投稿記事の発信者情報(IPアドレス,タイムスタンプ)の開示を求める仮処分を申し立てたところ(当庁平成23年(ヨ)第4482号),これが認容され,これに基づき,本件各投稿記事がそれぞれ別紙情報目録記載の各投稿日時に,同目録記載の各IPアドレスを利用して行われたことが開示され,さらにこの情報により,上記各IPアドレスはいずれも被告が管理するものであり,本件発信者は被告が提供するインターネット接続サービスを経由して本件各投稿記事を発信したことが判明した(甲2,3,4の1ないし4)。
 
(5)被告は,本件発信者の氏名,住所等の発信者情報を保有している。
 
(6)被告が,本件訴訟係属後に,本件発信者に対し,法4条2項に基づき,開示の同意の有無,同意しない場合はその理由について意見照会をしたところ,本件発信者から,開示に同意しないとして,理由について具体的に記述した回答書が提出された。本件における被告の主張はこれを踏まえてされたものである(乙1,4,弁論の全趣旨)。
 
=== 3 争点及び当事者の主張 ===
==== (1)被告の開示関係役務提供者該当性(法4条1項柱書) ====
(原告の主張)<br>
 被告は法4条1項に定める開示関係役務提供者に該当し,発信者情報開示請求の相手方となる。
 
(被告の主張)<br>
 争う。被告のようないわゆる経由プロバイダ(特定電気通信の発信者とコンテンツプロバイダとの間の1対1の通信を媒介するにすぎないプロバイダ)は,開示関係役務提供者に該当しない。
 
==== (2)権利侵害の明白性(法4条1項1号) ====
(原告の主張)
 
ア 原告に対する名誉毀損<br>
[1]及び[3]の記事は,「さいきん,B3師範の鬱病はどうなの?」,「検索の鬱はどうなの?」などと記述するものであり,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読むと,αの師範である原告(B1)が鬱病に罹っており,精神的に不安定で道場の経営者及び指導者として不適格であるとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるものである。<br>
[2]の記事は,原告の道場に通い世界大会で優勝したB4選手と原告とが「やばい雰囲気だったよ」とか,「普通じゃないね」とか,「嫁は見てなかったのか」などと記述し,一般の閲覧者をして,原告とB4選手が不貞関係ないし恋愛関係にあるとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるものである。<br>
[4]の記事は,「鬱だからというより」として,原告が「鬱」であることを前提とした上,「指導をよく休む」とか,「我慢をするというのができない」とか,「怠け癖」がある,「責任感がない」などと記述するものであり,一般の閲覧者をして,原告がまともに道場の経営に当たっていないとの印象を与え,原告の社会的評価を低下させるものである。
 
 なお,被告は,本件各投稿記事の対象とされた「B3師範」や「検索」が,原告を示しているとは直ちに判断できないとも主張するが,αにおける師範は,B1,すなわち原告ただ1人しか存在しない。また,インターネット上で特定人を誹謗中傷するときは当て字が用いられるのが一般的であり,「けんさく」という呼び名を有しているのは原告しかいないことからすると,「検索」が原告を指していることは明らかである。
 
イ 違法性阻却事由の不存在<br>
 名誉毀損における違法性阻却の要件のうち,公共の利害に関する事実とは,不特定多数人が関心を寄せてしかるべき事実をいい,単なる興味あるいは好奇心の対象となるにすぎないものを含むものではないところ(東京地判平成13年9月5日判時1773号104頁参照),確かに原告は氏名が特定多数の者には知れ渡っているが,公的な地位に就いているわけでもなく,原告の精神状態や道場生との関係が不特定多数人の利害に関するとはいえない。また,原告の精神状態や道場生との関係につき特定多数の者の関心があるとしても,それは単なる好奇心にすぎず,正当な関心とはいえない。したがって,本件各投稿記事の対象とされた事実は公共の利害に関する事実とはいえない。
 
 そして,原告の精神状態や道場生との関係を公表することによって,何ら公益の増進が図られるものでなく,目的の公益性もない。
 
 さらに,本件各投稿記事によって摘示された事実はいずれも真実でない。
 
(被告の主張)
 
ア 原告に対する名誉毀損が明らかとはいえないこと<br>
 本件各投稿記事はいずれも原告の社会的評価を低下させるものではない。
 
 まず,本件各投稿記事には「B3師範」といったごくありふれた姓及び段位や,「検索」という氏名には通常用いない字が記載されているにすぎず,これが原告を示すと直ちに判断することはできない。
 
 次に,本件各投稿記事のうち,[1],[3]及び[4]の各記事については,現在,鬱病は医学的に適切な治療を受ければその症状を緩和ないし抑制することが可能であり,これに罹っていても通常の社会生活を送ることは十分可能である。したがって,ある者が鬱病に罹っているとの事実は,その者に空手道場の経営者ないし指導者としての適格性がないことを意味するものではない。したがって,上記各記事が,一般の閲覧者をして,原告が道場の経営者又は指導者として不適格との印象を与えるものではなく,原告の社会的評価を低下させるものではない。
 
 また,[2]の記事の「普通じゃない」との表現は,極めてあいまいな表現であり,不貞関係にあるとの意味を含むものとは解されない。むしろ,この表現は「両名が,通常の師範と門下生という間柄にしては親密そうである」という程度の本件発信者個人の印象を述べたにすぎず,一般の閲覧者にもそのようにしか読めない。したがって,[2]の記事から,原告とB4選手が不貞関係にあるとの内容を読み取ることは不可能であり,同記事が原告の社会的評価を低下させるものではない。
 
イ 違法性阻却事由の不存在が明らかとはいえないこと<br>
 本件発信者の回答によれば,原告は,全日本大会で多数回の優勝経験があり,空手を学ぶ者で知らない者はいないほどの有名人とのことである。また,αは,愛知県下最大級の空手団体であり,県内に50近くの空手道場を有し,門下生は数百又はそれ以上に及び,年齢層も年少者から年配者まで広範囲にわたるとのことである。そして,特に年少者の育成に力を注いでおり,その父兄を含めると,道場経営や指導内容に関心を持つ者は相当の多人数に及ぶものと考えられる。したがって,原告は準公人的な立場にあり,本件各投稿記事はそのような多数の者が関心を寄せる原告の現在の状況について記述したものであるから,公共の利害に関する事実に係るというべきである。
 
 また,上記回答によれば,本件各投稿記事は,以前から本件ウェブサイトの掲示板に原告の指導の在り方に関する疑問や不満の声が投稿されてきたこと,αにおいては原告による直接の指導を受けられることは通常ないという実態があることを踏まえて,原告が特定の優秀な選手のみを集中的に指導し,原告の指導が道場に十分行き届いていないことが問題であると考え,道場経営の改善を希望する意図で行ったものであり,専ら公益を図る目的で行ったものである。
 さらに,本件発信者は,本件各投稿記事に関する情報を複数の関係者等から入手して投稿に及んだのであり,その内容は真実であり,仮に真実でないとしても真実と信じたことに相当の理由がある。
 
==== (3)正当理由の有無(法4条1項2号) ====
(原告の主張)<br>
 原告は,本件各投稿記事による名誉毀損の不法行為に基づき,本件発信者に対して損害賠償請求をするため,被告に対し,本件発信者の氏名,住所等の発信者情報の開示を求めるから,法4条1項2号の正当な理由がある。
 
(被告の主張)<br>
 争う。
 
=== 第3 当裁判所の判断 ===
==== 1 争点(1)(被告の開示関係役務提供者該当性,法4条1項柱書)について ====
(1)法4条1項は,特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は,次の各号のいずれにも該当するときに限り,当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(開示関係役務提供者)に対し発信者情報開示請求をすることができると定めており,「特定電気通信」や「特定電気通信設備」の定義は法2条に定められているところ,前提事実(3)のとおり,本件ウェブサイトの電子掲示板は,誰もが匿名で書き込みをすることができ,また,同サイトにアクセスした者は誰でもその記事を閲覧することができるのであるから,同掲示板に書き込みをする行為は法2条1号に定める「特定電気通信」に該当する。また,被告は,前提事実(4)のとおり,本件各投稿記事の書き込みに利用された特定電気通信設備(2条2号,端末機器,サーバ,交換機,ケーブル等)を用いて他人の通信を媒介する者であるから(法2条3号),本件特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者,すなわち開示関係役務提供者に該当する。
 
 なお,被告のようないわゆる経由プロバイダであっても,特定電気通信役務提供者(法2条3号)に該当し,法4条1項の開示関係役務提供者となり得ることは,最判平成22年4月8日裁判所時報平成22年5月1日が示すところである。
 
==== 2 争点(2)(権利侵害の明白性,法4条1項1号)について ====
(1)原告に対する名誉毀損の有無<br>
ア[1]の記事は,前提事実(3)のとおり,不特定多数の者が閲覧できる電子掲示板内の「a」と題するスレッドにおいて,「さいきん B3師範の鬱病はどうなの?」,「最近ずっと鬱状態だな」,「B4が世界大会で優勝したときはB4をぎゅっと抱きしめて躁状態だったな」,「ちょっとひいたよ」,「でもあとはずーっと鬱,鬱,鬱」などと記載してこれを公表するものであり,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読むと,新極真会山本道場のB3師範,すなわち原告が鬱病に罹っているとの印象を与えるものであるから,原告の社会的評価を低下させるといえる。
 
 なお,被告は,「B3師範」が原告を示すと直ちに判断することはできないと主張するが,上記[1]の記事は,「a」のスレッドに投稿されたものであるから,一般の閲覧者の普通の読み方を基準とすれば,同道場におけるB3師範について記述されたものと解されることが明らかである。そして,証拠(甲5,6の1,2)によれば,αにおいてB3師範といえば,原告以外にはいないことが認められるから,[1]の記事は原告を対象として記述したものと認められる。
 
 また,被告は,鬱病は医学的に適切な治療を受ければ,症状を緩和ないし抑制することが可能であるから,鬱病に罹っているとの事実はその者に道場経営者又は指導者としての適格性がないことを意味するものではなく,原告の社会的評価を低下させるものではないとも主張するが,鬱病に罹っているから道場の経営者又は指導者としての適格性がないかどうかはともかくとして,一般には鬱病に罹っているという事実を公表されること自体がその人に対する人格的評価に対して消極的な作用をもたらすことは否定できないから,その公表はその社会的評価を低下させるものといえる。
 
イ 次に,[2]の記事は,前記[1]の記事(レス番号157)において,「B4が世界大会で優勝したときは」,「B4をぎゅっと抱きしめて躁状態だったな」,「キスでもしそうな勢いだった」,「まるで恋人みたいだったな」などの記載の後に,同日のレス番号161として,「師範の嫁は見てなかったのか?」,「あれは,やばい雰囲気だったよ」,「B4と師範は普通じゃないね」,「まあ,B4はみんなに師範が好きだと言い回っているからね」,「抱きしめられてうっとり…」,「なる程ね」などと記述するものであり,[1]の記事を読んだ後に,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として[2]の記事を読めば,世界大会で優勝したB4選手が師範すなわちαの師範である原告にあからさまな好意を抱いており,両名の関係は,原告の妻が見ると問題になるような関係,あるいは,B4選手が抱きしめられてうっとりするのもなる程と思えるような関係であるとの印象,すなわち両名間に少なくとも恋愛関係があるのではないかとの印象を与えるものである。そして,一般に,妻のいる空手道場の師範が教え子と恋愛関係にあることは,師範が不道徳な行為をしているとの評価をもたらすものであり,その社会的評価を低下させるものといえる。
 
ウ[3]の記事は,上記[1],[2]の1週間後に,同じ「新極真会α 五段★」のスレッドにおいて,「最近,検索の鬱はどうなの?」,「悪化してるんじゃないのw」,「あれでは空手の指導はもうむりなんじゃないのw」,「あんまり,逃げてると余計に病気が悪くなるんだわw」などと記述するものであり,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読むと,αで空手の指導をしている「けんさく」が鬱であり,空手の指導はもう無理な程度に悪化しているとの印象を与えるものであり,前記[1]と同様に,原告の社会的評価を低下させるものである。
 
 なお,被告は,「検索」が原告を示すと直ちに判断することはできないと主張するが,この記事がαのスレッドに書き込まれたものであること,αにおいては,原告すなわち「B1」が空手の指導をしていること(なお,このことは同道場のホームページでも公開されている,甲6の1,2),αのスレッドには,前記のとおり,[1]においても,B3師範すなわち原告が鬱病の師範として摘示されていたこと,インターネット上では,特定人の氏名について当て字が使用されることが少なくないことからすると,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として,[3]の記事が原告についてされたものであることは容易に理解することができるといえる。
 
エ そして,[4]の記事は,「鬱だからというより」,「ワガママだから指導をよく休むし」,「我慢をするというのができないんだよ」,「所謂,怠け癖みたいなものだね」,「責任感がないんだよ」などと記述するものであり,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として読めば,原告が,鬱だからというより,わがままで指導をよく休む,我慢ができず,所謂怠け癖のある責任感のない指導者であるとの印象を与えるものであり,原告の社会的評価を低下させるものである。
 なお,この記事には,対象者が誰であるかを直接に示す記載はないが,[4]の記事も,[1]ないし[3]の記事と同様,αのスレッドに書き込まれたものであり,特に[3]の記事の2日後に書き込まれたものであることからすると,一般の閲覧者の普通の注意と読み方を基準として,これが上記[1]ないし[3]の記事などで鬱病の指導者として摘示されていた原告についての記述であることは容易に理解することができるといえる。
 
オ 以上によれば,本件各投稿記事は,いずれも原告の社会的評価を低下させるものである。
 
(2)違法性阻却事由について<br>
ア 発信者情報開示請求においては,権利侵害の明白性が要件とされているおり(法4条1項1号),これは名誉毀損(侵害)の場合には,いわゆる真実性,相当性の証明による違法性阻却の成立しないことの主張,立証をも要する趣旨と解される(ただし,相当性の証明における主観的要件を除く。)。
 
 名誉毀損における真実性,相当性の証明による違法性阻却とは,〔1〕当該名誉毀損行為が公共の利害に関する事実に係り専ら(又は主として)公益を図る目的でされた場合には,摘示された事実が真実であることが証明されたときは,その行為には違法性がなく,不法行為は成立しない,〔2〕仮にその真実であることが証明されなくても,行為者においてその事実を真実と信じるについて相当の理由があるときは,その行為には故意又は過失がなく,不法行為は成立しないとするものである(最判昭和41年6月23日民集20巻5号1118頁参照)。
 
イ これを本件について見ると,前記の認定判断によれば,[1]及び[3]の記事は、原告が鬱病に罹っているとの印象を与えるもの,[2]の記事は,原告とその教え子であるB4選手とが恋愛関係にあるのではないかとの印象を与えるもの,[4]の記事は,原告がわがままで指導をよく休む,怠け癖のある責任感のない指導者であるとの印象を与えるものとしていずれも原告の名誉を毀損するものであると認められるところ,証拠(甲6の1,乙4)及び弁論の全趣旨によれば,原告が師範として主宰するαは,愛知県内に本部のほか,少なくとも春日井道場,一宮道場,名東道場,中道場及び弥富道場など,複数の道場を有する空手道場であり,その門下生は少なくとも数百人ないしそれ以上に及ぶこと,特に年少者の育成に力を注いでおり,小学生以下の門下生が占める割合が多く,その父兄を含めると,道場の経営や指導に関心を持つ者はさらに多人数に及ぶことが認められる。これらの事実に照らせば,たとえ原告の社会との関わる範囲が,主として空手,特に愛知県内の空手道場における指導を中心とした範囲に限られるとしても,その指導を現に受けている者,あるいはこれから受けようとする多数の者にとって,指導者が精神的な問題を抱えていないかどうか,指導者が不道徳な行為を行っていないか,指導者が熱心に指導を行うことができる人物であるかどうかがおよそ正当な関心の対象にならないものとはいえず,本件各投稿記事が公共の利害に関する事実に係るものでないと断定することはできない。
 
ウ しかしながら,本件各投稿記事は,その表現内容を見ると,[1]の記事は,「さいきん,B3師範の鬱病はどうなの?」,「最近ずっと鬱状態だな」との書き出しに始まり,B4選手との関係を記述した後,「でもあとはずーっと鬱,鬱,鬱,,」などと記述するものであり,その表現の態様からすれば,興味本位ないし単なる好奇心から出た記述といわざるを得ず,そこに公益を図る目的は窺われない。また,[2]の記事は,原告とB4選手とが「やばい雰囲気だったよ」とか,「普通じゃないね」,「抱きしめられてうっとり…」,「なる程ね」などと記述するものであり,上記[1]と同様,興味本意ないし単なる好奇心から出た記述といわざるを得ず,公益を図る目的は窺われない。[3]の記事も,「最近,検索の鬱はどうなの?」,「悪化してるんじゃないのw」などとして原告の状態を揶揄するものであり,そこに公益を図る目的は窺われない。[4]の記事についても,「ワガママだから」とか,「我慢をするというのができないんだよ」などと記述して,単に原告の人格を避難し,誹謗するものであって,その表現の態様に照らして公益を図る目的は窺われない。 
 
 以上によれば,本件各投稿記事に公益を図る目的は窺われない。
 
 なお,被告は,本件発信者の回答によれば,αにおいては原告による直接の指導を受けられることが通常はないのが実態であることを踏まえて,原告が特定の優秀な選手のみを集中的に指導し,その指導が道場に行き届いていないことが問題であると考えて,道場経営の改善を希望する意図で行ったものであると主張するが,本件各投稿記事の表現内容に照らして,そのような目的を窺うことはできない。
 
エ したがって,その余の点について判断するまでもなく,本件各投稿記事に違法性阻却が成立することはない。
 
==== 3 争点(3)(正当理由の有無,法4条1項2号)について ====
 証拠(甲5)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,本件各投稿記事が名誉毀損の不法行為に当たるとして,本件発信者に対し損害賠償請求をするため,本件の開示請求をしているものと認められるから,開示請求をする正当な理由があると認められる。
 
=== 4 結論 ===
 よって,原告の請求は理由があるからこれを認容し,訴訟費用の負担につき民訴法61条を適用して,主文のとおり判決する。
 
東京地方裁判所民事第24部
 
裁判官 吉田純一郎
 
=== (別紙)発信者情報目録 ===
 別紙情報目録記載の投稿日時において,被告が管理する別紙情報目録記載のIPアドレスを使用して,別紙情報目録記載の記事を投稿した者についての次の情報<br>
1 氏名又は名称<br>
2 住所<br>
3 電子メールアドレス
 
{{デフォルトソート:へいせい24ねんわたい4008こう}}
 
[[カテゴリ:資料]]
[[カテゴリ:唐澤貴洋]]
[[カテゴリ:判決文]]
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