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>貴洋のホルマリン漬
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=== ゼニスの綻び episode 1 ===
=== ゼニスの綻び episode 1 ===
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本文<ref>{{Archive|https://ensaimada.xyz/test/read.cgi/43044/1672130940/458|https://archive.md/KNAYh|【唐澤貴洋殺す】雑談★45【45歳児】【残留思念】【有馬記念ライブ】>>458}} - マヨケー、{{Archive|https://pastebin.com/raw/JMzQApGA|https://archive.md/xpUrS|本文1}}</ref><ref>{{Archive|https://ensaimada.xyz/test/read.cgi/43044/1672130940/545|https://archive.md/Y03yV|【唐澤貴洋殺す】雑談★45【45歳児】【残留思念】【有馬記念ライブ】>>545}} - マヨケー、{{Archive|https://pastebin.com/raw/JhWdCjR1|https://archive.md/S9N37|本文2}}</ref>
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<div class="mw-collapsible-content"><poem>
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菊地翳のルーツは、北海道。
菊地翳のルーツは、北海道。
父親が転勤族であったことから、友達が少ない少年。
父親が転勤族であったことから、友達が少ない少年。
本来は何不自由ない少年であった。
本来は何不自由ない少年であった。
 
一般論として、友達が少ない子供は、相手の反応に敏感だ。
一般論として、友達が少ない子供は、相手の反応に敏感だ。
顔色を窺い、相手に合わせていく。
顔色を窺い、相手に合わせていく。
しかし、合わせる中で、相手を客観視して分析する技術が身に付くと、反面馬鹿にしだすようになる者もいる。人を馬鹿にしている人間は、綻びが出て、そのコミュニケーションの端々に人を突き放す言葉や態度を出すようになる。畢竟、馬鹿にしている相手と永遠の関係を築くことはできない。
しかし、合わせる中で、相手を客観視して分析する技術が身に付くと、反面馬鹿にしだすようになる者もいる。人を馬鹿にしている人間は、綻びが出て、そのコミュニケーションの端々に人を突き放す言葉や態度を出すようになる。畢竟、馬鹿にしている相手と永遠の関係を築くことはできない。
 
北海道は菊地にとって、思い出の土地。
北海道は菊地にとって、思い出の土地。
青春時代には、さっぽろ羊ヶ丘展望台に行き、そこから見える札幌市街地の夜景に心弾ませ、石狩平野の雄大さに憧れを抱く。
青春時代には、さっぽろ羊ヶ丘展望台に行き、そこから見える札幌市街地の夜景に心弾ませ、石狩平野の雄大さに憧れを抱く。
夏に見えるラベンダー畑は、鮮烈な紫色でとても美しい。
夏に見えるラベンダー畑は、鮮烈な紫色でとても美しい。
 
誰にしもある青春、誰にしもある原風景。
誰にしもある青春、誰にしもある原風景。
 
新千歳空港は、東京へのスタートの場所であった。
新千歳空港は、菊地にとって東京へのスタートの場所であった。
昔から自分には自信があった。
昔から自分には自信があった。
自分の顔はどこか違う。美しい。
人の言動から心理を読み、御していく、オレは頭がいい。
相手との間で心を許せることはないが、相手がオレにとって不愉快な思いをしないような関係は作れる。また、菊地は、子供の頃から、かわいい顔だねと言われていたことから、自分のこと顔がどこか他の人と違うようになっていた。自分の顔はどこか違う。美しい。他の男に対する態度と違う態度で接される。
 
美の基準を持ってしまった者は時に不幸になる。
美の基準を持ってしまった者は時に不幸になる。
美しい、美しくない、世界は二分化されているかのごとく見えてしまう。
美しい、美しくない、世界は二分化されているかのごとく見えてしまう。
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片道切符を持ち東京へ飛び立ったはずであった。
片道切符を持ち東京へ飛び立ったはずであった。
時は1995年。
時は1995年。
 
1995年は、1月に阪神大震災、3月20日にオウム真理教による地下鉄サリン事件があった年だ。
1995年は、1月に阪神大震災、3月20日にオウム真理教による地下鉄サリン事件があった年だ。
不安な気持ちが社会を覆う。
不安な気持ちが社会を覆う。
 
東京に行き、菊地は変わった。
東京に行き、菊地は変わった。
菊地を知る人はそう言う。
菊地を知る人はそう言う。
憧れの東京。
憧れの東京。
菊地が搭乗する飛行機が羽田空港の滑走路にその車輪を接したとき、機体は揺れ、その日は曇天であった。
菊地が搭乗する飛行機が羽田空港の滑走路にその車輪を接したとき、機体は揺れた。その日は曇天であった。
 
東京での菊地の足取りは、憧れの東京、華々しく成功する自分とはかけ離れた日々。
東京での菊地の足取りは、憧れの東京、華々しく成功する自分とはかけ離れた日々。
 
東京は、時に恐ろしい。
東京は、時に恐ろしい。
人の欲望が台風の渦のごとく様々な場所で蠢き、飲み込んでいく。
人の欲望が台風の渦のごとく様々な場所で蠢き、飲み込んでいく。
時に金は記号となり、使うことに段々重みを感じなくさせる。
時に金は記号となり、使うことに段々重みを感じなくさせる。
 
東京モード学園は新宿にある。
東京モード学園は新宿にある。
その近くには新宿の不夜城、歌舞伎町がある。
その近くには新宿の不夜城、歌舞伎町がある。
ここは、ある種の鬼門。
ここは、ある種の鬼門。
常に自分が問われる街。
常に自分が問われる街。
新宿区ではまだ、客引きを禁止する条例がない時代。
新宿区ではまだ、客引きを禁止する条例がない時代だ。
若者たちはバイトで客引きをすることもあった。
若者たちはバイトで客引きをすることもあった。
普通のバイトよりも稼げる仕事。
普通のバイトよりも稼げる仕事。
石原慎太郎が都知事になり、浄化作戦を始める前の時代だ。
石原慎太郎が都知事になり、浄化作戦を始める前の時代だ。
街には嬌声があふれ、それは時に化け物小屋のごとく、若者たちを引き付ける。
街には嬌声があふれ、それは時に化け物小屋のごとく、若者たちを引き付ける。
 
菊地は、東京に行き、菊地翳となってしまった。
菊地は、東京に行き、菊地翳となってしまった。
東京を磁場とする欲望の渦に引き込まれ、自分を見失っていく。
東京を磁場とする欲望の渦に引き込まれ、自分を見失っていく。
 
それは、時によくある物語だ。
それは、時によくある物語だ。
金がすべて狂わせる。
金がすべて狂わせる。


翳は、バイトとして、歌舞伎町の呼び込みを選ぶ。
菊地は、バイトとして、歌舞伎町の呼び込みを選ぶ。
声をかける日々。
声をかける日々。
ごく稀に自分でも飲みに行ってみる。
ごく稀に自分でも飲みに行ってみる。
2,050行目: 2,052行目:
と親に話した時、親は、不安な顔で
と親に話した時、親は、不安な顔で


「なんでさ、そういうこと言うんだ。北海道でもデザイン学べるんじゃないか。」と菊地に尋ねる。
「なんでさ、そういうこと言うんだ。北海道でもデザイン学べるんじゃないか。」と菊地に尋ねた。


「東京でなきゃダメだ。北海道にこのままおることは、自分に腐らせることになる。東京は日本の中心だ。オレはそこで学びたいんだ。」と菊地は何度も懇願した。
「東京でなきゃダメだ。北海道にこのままおることは、自分に腐らせることになる。東京は日本の中心だ。オレはそこで学びたいんだ。」と菊地は何度も懇願した。


親の顔色を伺い、コミュニケーションを変え、何とか東京に行く許可を得た。
親の顔色を伺い、コミュニケーションを変え、時には悲壮感を漂わせて説得を試み、何とか東京に行く許可を得た。


菊地の旅立ちを祝う友達が新千歳空港に集う。
菊地の旅立ちを祝う友達が新千歳空港に集う。
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東京に行くっていうのもすごいな。応援してる。」。
東京に行くっていうのもすごいな。応援してる。」。


菊地は、「ありがとう。オレは必ず成功してくるさ。見ててな。」、自分を応援してくれる数人に見送られ、東京に飛び立った。
菊地は、「ありがとう。オレは必ず成功してくるさ。見ててな。」、そう言い、友達が少ない菊地は、わざわざ見送りに来てくれる友人達を見て、胸に期するものがあった。
機上で、何度も、オレは成功する、成功する、念じ続けた。
そして、自分を応援してくれる数人が手を振る中、東京に飛び立った。
 
窓から小さくなっていく札幌を見ながら、機上で、不安を打ち消すように、何度も、オレは成功する、成功する、念じ続けた。
 
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菊地は、自分は賢いと思う少年時代であったが、勉強にいまいち身が入らず、道内で普通の公立高校に入学した。
 
特にスポーツができるわけでもなく、アニメや占いが趣味と言える趣味だった。
 
機動戦士ガンダムが好きで、内向的なアムロ・レイに自分を重ねた。
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」は何度も見た映画だ。
いつか、チェーン・アギのような人と出会うことを夢想した。
アムロ・レイには尽くす女性だが、どこか天真爛漫さを感じるのがチェーン・アギだった。
 
高校では、彼女もできた。
 
自分がモテるのはわかっていたが、彼女が出来たら、他の女性には興味が湧かなかった。自分が好きにならないと、相手になにを言われようが、人には見えなかった。
 
親は菊地に期待して、勉強をしてほしいと願ったが、高校に入り、勉強を怠り、成績は落ちていった。
 
「あんたなんでそんなに勉強しないのさ。お父さん、一生懸命働いているんだよ。お父さん、色んな人に頭下げて保険売ってるんだよ。」、母親はそれまで過保護なくらいに守ってくれていたのに、自分を責めるようになっていた。
 
オレは、頭がいいし、顔もいい、その思い込みは、中々消えることはなかった。
 
次第に、親の言うことは無視するようになり、彼女、アニメ、占いだけが心の拠り所にあった。
 
彼女は、「菊地君は頭いいから。きっとすごい人になるよ。」と菊地に言い、2人は陽が沈む西岡公園で青春のひと時を過ごした。
 
高校3年になると皆、将来を考え出す。成績が落ちていく菊地は、どこか取り残されていく気持ちになっていた。親からは、大学に行ってほしいとも言われなくなり,高校を卒業したらどうしようか不安が胸を襲った。いきなり働きに出るもの怖かった。
 
北海道にこのままいても生きづらさが真綿で首を締めるように襲ってくる。


高校の進路相談で、先生から、
「お前のアニメ好きなんだな。であれば、そういう絵だったり、ファッションだったり学べる専門学校があるぞ。」と言われた。


その言葉をきっかけに調べていくと、東京モード学園という学校があることを知った。
そこに行こう。東京に行こう。


※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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