「そのツイート炎上します!/本文」の版間の差分
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これは立派なマーケティングであるといえます。 | これは立派なマーケティングであるといえます。 | ||
'''対極の思想があるものはかならず炎上する''' | '''対極の思想があるものはかならず炎上する'''と言っても過言ではないでしょう。特に政治は熱くなりがちです。<br> | ||
反日という言葉は万能です。ネットに張り付いている層とネトウヨの親和性が高いのも特徴で、反日のレッテルが貼られた人々を探し出しては糾弾を続けます。糾弾を行う人は日本のためという大義名分があると信じています。<br> | 反日という言葉は万能です。ネットに張り付いている層とネトウヨの親和性が高いのも特徴で、反日のレッテルが貼られた人々を探し出しては糾弾を続けます。糾弾を行う人は日本のためという大義名分があると信じています。<br> | ||
ジェンダーというくくりがすべてかはわかりませんが、'''「目立つ女性」に対する反発も特に大きい'''と感じます。女性であるという要素が、潜在意識の中で批判の対象となる不条理も存在しています。<br> | ジェンダーというくくりがすべてかはわかりませんが、'''「目立つ女性」に対する反発も特に大きい'''と感じます。女性であるという要素が、潜在意識の中で批判の対象となる不条理も存在しています。<br> | ||
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応援するタレントが生命の危機にさらされたという事実。さらに、事態を沈静化させるために開いたはずの会見が風向きをさらに悪くしたことで、炎上の火勢は衰えることはありませんでした。 | 応援するタレントが生命の危機にさらされたという事実。さらに、事態を沈静化させるために開いたはずの会見が風向きをさらに悪くしたことで、炎上の火勢は衰えることはありませんでした。 | ||
{{ | <div style="font-size:150%">さらに燃え上がり、祭りが加速する理由</div> | ||
炎上する対象や、それに対する人間の感情、考え方は様々ですが、炎上が加速するシステムは明白です。<br> | |||
炎上させる側にとって正義感やそれに基づく怒りは重要な動機の一つです。まるで自分の身に災厄が降りかかったかのように他人の言動に憤り、実際に行動に移して炎上させます。その行為に迷いはありません。<br> | |||
炎上は単純化すると次のページのような順番で悪化していきます。 | |||
<div colspan="2" style="border:1px solid #633;padding:0 1em 1em 1em;color:black;background:#fff;margin:9px 4px"> | |||
<br><center>ネタ投下</center> | |||
<center>▼</center><br> | |||
<center>感情が刺激され</center> | |||
<center>炎上・拡散</center> | |||
<center>▼</center><br> | |||
<center>情報の蓄積・</center> | |||
<center>さらなる燃料投下</center> | |||
<center>▼</center><br> | |||
<center><span style="font-size:150%">大炎上</span></center> | |||
</div> | |||
炎上する大前提として、見ている人間に大きな反感を抱かせることが大事です。それと同時に、'''炎上を加速させる大きな要因のひとつに「まとめサイト」の存在'''があります。<br> | |||
まとめサイトとは「テーマに沿って情報を収集・編集したウェブサイト」のことです。そのとき話題になっている出来事を簡単に読めるため{{原文ママ|「読むため」が普通。}}のサービスで、ご覧になったことがある方も多いでしょう。<br> | |||
炎上が始まると、まとめサイトにはすぐに情報が編集され、炎上した経緯、経過、現状がひと目でわかるような記事がアップされます。<br> | |||
「どうやら炎上しているな」と思って検索をするとまとめサイトがヒットする{{原文ママ|ここだけですます調ではない。}}。'''まとめサイトを見ることで炎上の理由などが端的にわかる'''ようになっています。ただ、内容として偏っていたり、虚偽の事実が含まれることも多々あります。<br> | |||
まとめサイトの広告収入で稼ごうという人も多く、このようなサイトは乱立しています。 | |||
炎上を悪化させる特定班の存在 | |||
一般人が炎上するとかならず現れるのが特定班です。あの問題を起こしたのはどんな人なのだろうという興味は誰もが抱くものですが、実際にまとめサイトなどを見ると、炎上した人間の個人情報が詳細に書いてあることもあります。<br> | |||
その陰には'''個人情報を暴き出す機動力のある特定班'''の存在があります。<br> | |||
彼らは炎上した人間のツイッターやインスタグラムのアカウントを過去まで遡り、本人の投稿はもちろん交友関係などから'''炎上者の本名、居住地、学校、勤務先、家族構成などを暴き出す'''のです。<br> | |||
彼らの存在は炎上が加速する過程において欠かせません。では彼らは何のためにそこまで頑張るのか。<br> | |||
おそらく、特定のコミュニティでヒーローになるために、誰よりも先にみんなが知りたい情報を集めて目立ちたいという気持ちがあるのでしょう。私が炎上したときとまったく同じ構造がそこにはありました。掲示板などに自分の存在感を求め、そこでの評価や承認に生きる意味を見出す人もいました。<br> | |||
まとめサイトの運営者は、特定班による情報を参考にしながら、サイトを運用していきます。<br> | |||
情報の特定が行われる根本的な原因は特定班の成果を待ち望む人がいることです。非常に醜悪な話ですが、これもまた人間の一面です。<br> | |||
こうして、'''まとめサイトに情報が集積されると、やがて個人情報などもどんどん蓄積'''していきます。<br> | |||
情報をストックして土台ができると、さらに広いところから情報が集まる。このようにして、炎上はどんどん大きく広がっていきます。 | |||
炎上させる人のモチベーションとは | |||
そもそも、炎上させる人たちはどんな気持ちで行動しているのでしょうか。<br> | |||
とにかく人を困らせたいという愉快犯もいるでしょう。ですが、おそらく大抵は、犯罪行為、ルール違反、モラルに反する言動をした人を許せない、という正義感を持って炎上に参加する人もいます{{原文ママ|「おそらく大抵は」という文頭の表現と「人もいます」という文末の表現がちぐはぐになっている。}}。'''間違いを正して、正しい世の中にしたいというまっすぐな気持ち'''を持った人なのかもしれません。<br> | |||
先ほども書きましたが、自分がルールを守っているから、それらを守らない人間が許せないという理屈から行動に移してしまう人は多いようです。<br> | |||
同時に、反社会的・モラルに反する行為を行った「非常識な」相手を追い詰めて、'''謝罪させたり社会的立場を失わせる'''{{原文ママ|「失わせたりする」が正しい。}}'''ことへの達成感や興奮'''もあるでしょう。カタルシスを感じているのかもしれません。 | |||
昨今の炎上をみるにつけ、確かに炎上の当事者の行為自体に問題がある場合でも、そこまでの社会的制裁やペナルティを受けるべきなのかという疑問を感じることが多々あります。<br> | |||
'''炎上させることで誰かを追い詰めるのは、法が認めた行為ではなく、いわゆる「私刑」にあたります。'''<br> | |||
民事裁判、刑事裁判でもなく、一部の人間による人民法廷の様相を呈しています。それはまるで、ヨーロッパで中世以降に生じた「魔女狩り」と同様の行為ともいえます。<br> | |||
現代に魔女がいると誰も思わないでしょうが、当時は「あいつは魔女だ」と断罪する人が現に存在しました。<br> | |||
法の概念で'''デュープロセスオブロー'''という考え方があります。日本国憲法第31条には、「何人も、法律の定める手続き{{原文ママ|日本国憲法の原文では「手続き」ではなく「手続」。}}によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」とその考え方が定められています。<br> | |||
法の定める手続によらず、炎上によって生活しにくくなるなど、人の自由が失われている現実がそこにはあるのです。<br> | |||
現代において'''炎上が私刑の役割を果たしているという事実'''に、私は大変な危機感を覚えています。 | |||
=== コラム「SNSの恐ろしさ」 === | === コラム「SNSの恐ろしさ」 === | ||
巷には「出会い系サイト」の広告があふれています。<br> | |||
例えば、出会い系サイトやマッチングアプリを通じて「パパ活」が生まれました。パパ活とは、若年層のお金をあまり持っていない女性が、経済的な援助をしてくれる男性(パパ)を探して、実際に金銭的な支援を受ける行為の俗称です。肉体関係のない交際だけでなく、若年層に比べて資金力のある層(主に男性)が金銭を支払い、若年層(主に女性)の性や時間を買うことも行われているようです。<br> | |||
他にも個人が’’コモディティ化’’され、個人の生活空間や時間が切り売りされて、商材として取引されている現実が存在し、そこにはSNSが介在しています。<br> | |||
インターネットは人を幸せにしているのか、改めて考えていく必要があると思います。 | |||
=== 対談 芸人 スマイリーキクチ === | === 対談 芸人 スマイリーキクチ === | ||
{{color|red|'''''以下執筆中'''''}} | |||
=== コラム「炎上に加担する人」 === | === コラム「炎上に加担する人」 === |