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== なぜ炎上するのか ==
== なぜ炎上するのか ==
<div style="font-size:150%">なぜ炎上は頻繁に起こるのか</div>
 ここ最近は炎上案件が増えていると感じます。その理由はなんでしょうか。<br>
 その理由の一つは、'''スマートフォンの普及'''でどこでもだれでもどんなときでもすぐにインターネットに接続できるようになったことが挙げられるでしょう。<br>
 電車に乗れば誰の手にもスマホが握られている光景が当たり前です。数年前なら、新聞や本を読んでいる人もそれなりにいましたが、現在は圧倒的にスマホばかり。特に電車内で新聞を読む人が少なくなったと感じます。<br>
 スマホは便利ですよね。特に近年はインターフェイスが改良されて、どんどん使いやすくなっていますし、見るのにお金がかからないコンテンツも豊富になりました。それゆえスマホを見る時間は年々増えていますし、SNSを開く回数も以前と比べて増えたことでしょう。<br>
スマホとSNSの普及
 私たちの暮らしの中に浸透したスマホ、そして'''SNSの普及'''も炎上件数増加の理由に挙げられるでしょう。<br>
 若い人にはインスタグラムやツイッターが圧倒的な人気を誇っています。中年にはいまだフェイスブックが人気のようですが、ミクシーやグリーはSNSとしてかつての勢いはありません。<br>
 それらのSNSのなかでも炎上の温床として筆頭に挙げられるのがツイッターでしょう。ほかのSNSもそれなりに炎上のリスクはあるのですが、ツイッターは特に炎上する可能性を含んでいます。<br>
 その理由は'''短文で投稿できるというツイッターの仕様'''にあります。<br>
 ツイッターは短文で簡単に投稿できることが良しとされています。つまり途切れた文章でも投稿として成立する。ブログだったらそうはいかないでしょう。<br>
 ブログであるならある程度の分量が必要であるため、文の一部だけを見て誤解されるリスクは少ないでしょう。<br>
 しかしツイッターは切り取られた短文であるゆえ、過敏で不快な印象をダイレクトに与えやすい。<br>
 つまり、'''ツイッターのやりとりの中では怒りが生まれやすい'''といえます。<br>
ツイッターは炎上の温床になっている
 ツイッターをやっている人の意識は、有名人でもないかぎり「鍵アカウント」に近い意識でやっているのが実情かもしれません。たとえパブリックに公開されるプライバシー設定でも、フォロワーしか見てないと勘違いしているのです。しかし、それは大きな間違いで、あなたの'''ツイートは世界中の人に見られる'''危険性があるということを決して忘れてはいけません。<br>
 リツイート数やファボ数も、大きな意味をもっていると考えます。<br>
 これはツイートが面白かったり気に入ったときに評価するボタンとしてのイメージが強いかもしれませんが、この結果は受け手の感情を数字という目に見える単位で刺激するのです。<br>
 炎上するとその様子が数字で表示される。1回燃えると、どんどん人が集まって注目を集めさらに加速する。妬んでいる人、面白がっている人、愉快犯、ビジネス目的など様々な人が集まってきます。たとえばデマが何万人という大人数にリツイートされたとしても、それの訂正ツイートがその1/100にも及ばないように、表現の正しさは多数決で決まらないのですが'''数字が炎上の度合いの目安となっていく'''のです。<br>
 常にスマホが手元にあるおかげで、'''投稿するまでの時間が短くなったこと'''も「燃えやすさ」に一役買っている気がします。推敲をしないで動物的な感覚ですぐに投稿してしまう。スマホの功罪は計り知れません。
炎上の原動力の一つは怒り
 炎上を起こす原動力は何でしょうか。<br>
 '''怒りという感情は炎上を'''{{原文ママ|「を」ではなくて「の」。}}'''きっかけとなる大きなエネルギーの一つ'''といえるでしょう。<br>
 テレビを見ていてずっと怒っている人がいます。でも深夜の放送休止中の砂嵐を見ても怒ったりはしないでしょう。つまり、誰かが行動することで、人の感情を動かす。その中でも、怒りは大きな炎上を生み出すエネルギーとなります。<br>
 たとえば、タレントのあびる優さんがテレビ番組で自分が過去に犯した万引きを面白おかしく告白した時は、抗議が殺到して番組は打ち切りになりました。彼女の発言の真偽はわかりませんが、その店が潰れたという情報が拡散されさらに怒りの火に油を注ぎました。<br>
 あびる優さんは謝罪の末、芸能活動を休止することになりました。視聴者の怒りが「結果」を出したのです。
 バイトテロという言葉はもはや定着した感さえありますが、アルバイトが仲間内のふざけた動画を投稿して、それが目に触れて炎上するパターンもあります。たとえば食材をゴミ箱に入れたり、食洗機の中に入ってその様子を投稿するといった行為には弁解の余地はありません。その'''非常識で不衛生かつ不謹慎な行為が受け手の感情を動かした'''のです。<br>
 これらはバイトという立場の責任感のなさからくる行動ではあり、若気の至りということもできますが、その行為が招いた結果はあまりに重大で、時に企業や店の存続を揺るがす場合もあります。<br>
 ホテル従業員がタレントのお忍びの様子をツイートしたり、ショップ店員が有名人のクレジットカードの控えをツイートした事件もありました。<br>
 これらは'''プロ意識の欠落が招いた結果'''であるといえます。<br>
 バイトテロという新時代のリスクを目の当たりにした企業はそれ以降、従業員のSNS教育が必須の課題となりました。一従業員の悪意ない行動がとんでもない結果を招いた事例を他山の石としたのです。<br>
 それでも現在に至るまで、「バイトテロ」は後を絶ちません。
いびつな正義感が起こした炎上
 スマイリーキクチさんを執拗に攻撃した人たちは怒りや正義感を原動力としていました。ただし、「その根拠となる情報が間違っていたとしたら」という前提が頭から欠落していたのです。<br>
 スマイリーキクチさんを攻撃した人たちは、足立区の殺人事件の犯人であるというデマを信じてインターネット上で彼の攻撃を始めたようです。あんな凄惨な事件の犯人がまだのうのうと社会で大手を振って生きていることは絶対に許せない。そんな「怒り」に駆られた人々は、彼を侮辱する言葉を事務所の掲示板など人目に触れる場所に投稿し続けました。<br>
 その根本にあったのは'''悪人の逃げ得を決して許してはいけない'''という義憤だったようです。<br>
 ただし、その前提となる情報が間違っているという想像はできなかったのでしょうか。事務所や本人は重ねて事実無根であるとの声明を出しましたが、デマを盲信した人はその打ち消しに貸す耳を持ちませんでした。それもすべて'''間違った正義感が起こした炎上'''と言えるでしょう。<br>
 この事件は最終的に19人もの検挙者を出しました。詳しくはこの後の対談をご覧ください。
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