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恒心文庫:黄金週間

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

たった今二人はただのペニスだ。
粘液はどこかから、絶え間なく分泌され、鼻や口さえ塞ぎ呼吸が摂れなくなるほど、二人の体を潤沢に満たしている。
パカデブの肉めいた頬はテカテカと輝き、怪しい笑み作りながら、その瞳が射す者は、ただ目の前のリャマに似た男。それしか居ない。
そのテカリにより、Tの全身はパッキングされた肉塊のようで、肉塊はYの体を上から下へ、下から上へ、密着しながら滑りを繰り返す。
鼻がでかい男は直立不動のまま苦悶か恍惚か解らぬ表情をしている。だらしなく垂れた舌の先を、下から上へ上昇してきたパカデブの舌が、ちろちろ、ちろちろと通じる。端正な顔を歪ませ、荒い吐息を吐きながらも、YもTの舌使いに応えるように舌を絡ませる。
二つのペニスが交わることを兜合わせと言う。これが、クロスの真の意味なのだ。
無能の運動が激しくなる。昼の無能も夜だけは有能とばかりに、リャマ野郎の反応を読みながら泣き所を見つけ、敏感な部分だけを執着に擦り続ける、彼にも彼にも涅槃(ニルヴァーナ)が切迫していた。
Tの上下運動が最も激しくなった時、Yが白眼を剥いてダブルピースをした瞬間、限界まで空気を入れた風船をナイフで滅多刺しにしたかのように、破局がやって来る。
パカデブの頭部は、中央から真っ二つに破裂し、中から白濁液が噴き出し、鼻デカ男も同様に、アヘ顔を飛散させて、涅槃へと達していた。
頭部が無くなった二つの体は、地面に崩れてもなお、地面を覆う粘液と白濁液の中でナメクジのように絡み続ける。それは五連休の間休みなく続いたそうだ。

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