恒心文庫:貯金箱の末路
本文
今日はからさんとお出かけだ。
世間的にはお出かけなのだろうが、デブ専ホモ同僚の僕としてはデートであって欲しいと願う。
「山岡くん、アイス買ってくれナリ」
またですか、と僕は答える。頼られているんだなあという嬉しさに頬が緩む。
にやけながらも「からさんお金ないんですか?お財布の中は?」と聞いてみると、とんでもない答えが返ってきた。
「当職の財布はからっけつナリよ」
財布が空っ穴…違う!
当職の財布が唐っケツ…!?
「からさん!」
僕はからさんのズボンを下ろした。彼は常にノーパンだからすぐに菊の門とご対面。いやらしくひくつく菊の門からほとばしる微かな便臭を胸一杯に吸い込む。
この間実に2.783秒。
「山岡くん!?何してるナリ!?」
制止の声は耳に入らない。それよりお金だ。
僕は財布から一万円札を取り出す。福沢諭吉のスカルファックショーが始まろうとしていた。
「やめるナリいいいい!!!」
福沢諭吉をねじ込む、ぬるりと入る、隙間から便が漏れる、福沢諭吉が茶色く染まる。
芳醇な香りに包まれた福沢諭吉の顔がほころんで見える。
そして僕は次々とお金を入れ続けた。千円札、一万円札、硬貨、カラコイン、ウォン札、金塊、パチンコ玉など…からさんのお腹は妊婦のように膨らんでいた。
僕はホモなので五千円札は捨てていた。辺りに五千円札が舞う。
「からさん、これで大金持ちですよ」
「ありがとう山岡くん…ところで、早速アイスを食べたいナリよ…」
これは盲点だった。詰め込んだのはいいが取り出さなければ意味はない。これはいけない。
取り出すのだ。豚の貯金箱を壊すが如く。
「出しましょう」
僕の渾身のパンチがからさんに当たる。
これで流産させられるだろう。
「もぉダメェ!!我慢できないナリ!!漏れちゃうナリィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
齢三十四にもなる男の奇声がSOWAの前でこだました。
挿絵
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