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恒心文庫:牢獄少女の囚われの幻想

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

「食事の時間ですよ」
部屋の外から聞こえた声と鍵を開ける音で私は目を覚ました。
あたりを見回す。狭い部屋。
簡易ベッドが置いてあるだけの部屋。
窓には鉄格子がはめてあって、外をちらっと覗くことしかできない。
扉にはドアノブがない。いや、正確に言えば「内側には」ドアノブがない。
鍵とドアノブは部屋の外側についていて、私は自由に部屋を出ることができない。
ここは、私を監禁するための部屋だ。
鍵を開ける音に続いてギギギと音を立てながら扉が開き小太りの男が部屋に入ってきて、私の手を取る。
「いやっ!触らないでっ!」
男の脂ぎった手の感触が気持ち悪くて、私は思わず叫んでしまった。
男は困ったような顔をしながら、手を掴み私の手錠を外す。
「さあ、食堂にいきましょう」

一体いつからここにいるのか私は忘れてしまった。ここに連れられてきたのは昨日のような気もするし、ずっと遠い昔、それこそ何十年も前のような気もする。
学校が終わり、校門を出て家へと向かったところまでは記憶がある。
しかし、そこからいきなりこの部屋の中へと記憶は飛ぶのだ。
私は15歳の女子中学生だ。あくまでも記憶の上でのことだけれど。
学校を出るときには着ていたはずの制服は気がつくと脱がされ、まるでおばあちゃんが着るようなセンスのない服に変わっていた。
あの小太りの男が私の服を変えたのだろうか。気持ち悪い。

私はずっと部屋に監禁されている。手錠を嵌められ、ベッドから動くこともできない。
トイレにも行かせてもらえず、おむつにしなければならない。日に数回、そのおむつを男が回収しにくるのだ。
お風呂だって毎日入らせてもらえない。それも「一人では心配だから」という理由でお風呂のすぐ外にはあの小太りの男がいる状態で入らなければいけないのだ。
外に出られるのは食事のときだけである。これが私の唯一の楽しみである。
だって、そこには「彼」がいるんだから。

小太りの男のあとについて食堂に入る。テーブルの上には料理が並んでいる。
焼き魚やおひたしである。嫌いではないけれど、私だって若いのだからステーキだとかパスタだとかを食べたい。
はじめの頃は小太りの男にそんな要望を出したこともある。
でも、「体に悪いから」という理由でにべもなく却下されてしまった。
テーブルには小太りの男の他に、もみあげの白い太った老人と、かっこいい男が座っている。
そして、彼こそが私の憧れであり、生きる希望である。
動物でいったらリャマに似ているその男の人はいつだって私に優しくしてくれる。
彼と話すときは私は自分の顔が火照るのを感じてしまう。きっとこれが恋で、そして初恋なんだろう。
私が彼に対して照れたりはにかんだりするのを見て、小太りの男や白もみの老人はなんだか寂しそうな顔をする。

(続く)


食事が終わると、私は決心して彼に頼み事をした。
「今日は、あなたが私を部屋まで送って鍵をしてくださらないかしら」
彼は困ったなあという顔で小太りの男の方を見遣る。小太りの男もまた困ったなあという顔になったがうなずき、許してくれた。
彼との二人きりの帰り道。デートとはとても呼べないけれど幸せなひととき。
部屋まで着く。扉が閉まる。私はベッドに横たわり、彼は手錠の鍵を閉めようとする。
そのとき、私は自分の衝動を抑えきれなかった。
彼の唇を奪ってしまったのだ。唇の感触。彼の口の中に差し入れた私の舌は彼の舌と交わり唾液を交換する。
彼は身をよじり拒否するような素振りを見せる。私は両腕で抱きついて、舌を強く彼の口の中へと入れて唾液を求める。
それでも彼は私から逃れようとするので、手にかかっているまだ鍵の閉まっていない手錠で彼の首を強く締める。
彼の顔はみるみるうちに鬱血し、赤黒くなり次いで青白くなる。
舌先で感じていた彼の舌は動きを止める。私は、彼がすでに呼吸をしていないことに気がついた。
私は彼を殺してしまったのだ。それでも私は冷静だった。これで彼は私のものになったのだ。
私は彼の服を脱がせ全裸にした。そして私自身も全裸になった。まだ温かい彼の体に重なりながら丹念に舐めまわす。
特にその股間を口に含みじっくりと味わう。既に死んでしまっているので反応はしてくれないけれど、口の中で転がし吸い付き楽しむ。
次にどうすればいいかは考えずともわかった。柔らかいままの彼のそれを私は自分の膣に挿入した。
彼の上でゆっくりと腰を振る。すぐに抜けてしまうが、私は一心不乱に振り続け、彼と一体になることを楽しんだ。

扉の外から足音が聞こえてくる。随分長い間戻ってこない彼を心配して小太りの男が見に来たのだろう。
そういえば鍵は開けたままだ。あいつが扉を開ければこの光景を見られてしまう。いやそれでもいい。
私は自分の性器が彼の性器と擦れあう感触を楽しみ続けることにした。
扉の開く音がした。続いて私達の姿を見て驚いた男の声が聞こえた。

            ・・・
「大変だ!父さん大変だ!母さんが、母さんが殺人を!」

バタバタという駆け寄る足音。きっとそれは男の叫び声を聞いて駆けつけた老人のものだろう。
「なんということだ!」
「最近、自分が少女だって思い込むまでに痴呆が進んだから部屋に閉じ込めていたのに……」
「なんでこんなことに」

そんな声を聞きながら、私は下をみる。
そこにはもう死んでしまった彼の男性器と、老婆の女性器とが擦れ合う光景が広がっていた。

(終了)

解説

デリュケーには、時折じょじゅちゅトリック(叙述トリック)を用いた作品が投稿されることも多い。 ネタばれを避けるため記載しないが、同趣向の作品は某元議員の発言を模した題名の作品や、高校の演劇部を題材にした作品など良作が多い。 一度訪れると癖になります。

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