恒心文庫:森々けんま動画
本文
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森公高は憂鬱であった。
それは会長としての仕事が彼の手に余るとか、彼を上回る実力を持った人物が彼を追い落とそうとしているとか、そのような事が原因ではない。
彼は会長たるに十分な能力を有していたし、彼を上回る程の才能を持った人物はいない。
いや、嘗ては居たのだが既に用水路の底に沈んでいる。
ただ、彼は退屈であった。
そこで彼は多くの若い会計士を探らせた。自らを打倒せんとする気概を持つ者を求めていたのだ。
だが、そのような者はいなかった。故に彼はかつて最大の敵であった唐澤家を探らせようと思い立ったのである。
唐澤洋は彼からすれば家柄だけの凡人ではあったが、洋の息子である厚史は近い将来、森公高に完全なる敗北をもたらすと彼が確信するだけの才能と輝きを持っていた。
彼は厚史の再来を、好敵手の存在を唐澤家に、唐澤貴洋に求めたのである。
彼が今憂鬱であるのは唐澤家の現状を、オラ森とその近辺で日々発生している現象を手下が撮った森けんま動画を介して見てしまったからである。
攻撃材料ばかりだな、とか件の手下には特別手当てをたっぷり出してやろう、などと考えながら彼は動画をもう一度最初から再生することにした。
これは非常に汚く臭く、呆れ果てるような代物ではあったが、少なくとも退屈なものではなかったのだから。
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動画は洋、貴洋、山本の見るに耐えない三連直ケツセックスで始まった。
山本の巨大なイチモツが貴洋の肥大した臀部に隠された菊門に容赦なく叩きつけられ、その衝撃は貴洋の体を揺らしながら貴洋のポークビッツを介して洋へと伝わっていく。
貴洋のアナルは山本のイチモツにしっかりと埋められ、山本の精液は余すことなく貴洋の奥深くに注ぎ込まれていく。
しかし貴洋の貧相なポークビッツはしっかりと拡張された洋の菊門を埋めるには些か小さすぎたのだろう。
ペースト状の糞便とゲル状の精液が混じりあった液体とも固体ともつかぬ茶色の何かが洋と貴洋の足を伝って事務所の床に落ちていった。
画面に表示されている時間は午前6時、夜も明けぬ内から彼らは淫行に耽っていたのだ。
録画した男は午前5時30分にかの事務所の監視体勢に入ったが、その時には既に彼らは窓を開け放った上で行為を始めていたという。
男はそれが法律事務所で発生している現象であると信じられずに30分を確認に費やしたそうだ。
淫行は貴洋が目を覚ます午前8時まで続いた。
そう、驚くべき事に貴洋は淫行を行っていた間ずっと眠っていたらしい。
「昨日は良い夢を見たナリ。かわいいダーキニーといっぱいセックスしたナリ。」
貴洋は目覚めるとそう言い放ち直ぐに日課のアイドル鑑賞を始めた。
洋が産んだ卵を用いた朝食を食べるまで、貴洋はアイドル鑑賞を止めようともしなかった。
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午前10時の事である。
法律事務所は営業を開始した。
さて、この事務所の業務内容は主にIPの開示である。それしかないとも言う。
IP開示の優先順位は一番が貴洋に関することで、次にその他である。
一見異常に見えるが、貴洋という男にとっては自分こそがこの世で最も大切なのだから至極当然の事である。
「こ、こいつ、当職を無能って書いたナリ!絶対に後悔させてやるナリ!」
今日も無能ボイスが虎ノ門に響き渡り、IPがまた一つ開示される。
IP開示だけでは何の意味もないというのに貴洋は勝ち誇って気味の悪い笑顔を浮かべていた。
彼はまた虚構の勝利を手にしたのである。
その後幾つかIPを開示すると、彼は満足して再びアイドル鑑賞を始めたのだった。
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洋が産んだカレーうどんを昼食として喰らった貴洋は彼が言うところの長時間労働(2時間)を終え、もう11月も下旬になろうというのに褌一丁で外出していた。
彼が一人で出歩くことに関して事務所の各員は特になにも言わないし、貴洋はそれを自立の証として捉えているので気にも留めていない。
真相としては貴洋が両乳首につけている弁護士バッチ風ピアスにGPSが仕込まれているから事務所各員は安心して貴洋を外に送り出せるのである。
貴洋はいつものように公園に入り、いつものベンチにボフッと座った。
入れ替わるように大人達は子供をつれてさっさと公園を出ていった。
貴洋は彼らをただ見送った。
我慢するということを知らない彼が公園の独占に対する歓喜を全て表に出さなかったのは以前、8才の少女に声をかけ、彼女の同級生の少年と喧嘩になった際に一方的な敗北を喫した事があり、余計なことをして敗北を繰り返すまいという彼の賢明な判断に基づいたものである。
さて、上級国民である貴洋は公園の独占を社会に与えられた当然の権利であると思っている。
しかしこの公園に於いて貴洋は間違いなく自分の力で公園を独占していた。
その力とは、至極単純なものである。
「も、もれちゃうナリィ!誰かおまるを持ってくるナリィ!」
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
公園に無能ボイスが響き渡り、今日の昼食のカレーが再生産される。
午後3時34分の事であった。
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午後5時の事である。
学校帰りの女子中学生を襲おうとした貴洋は射殺されていた。
経緯としては貴洋が「当職が夢に見たダーキニーちゃんナリィ!」と、目をつけた少女が一人になったところを襲撃したが、大人しそうで、か弱そうな印象のその少女は無言かつ無表情で拳銃を発砲。
貴洋を無事射殺したのである。
銃弾は彼の肥え太り大油田と化していた胴体に2発、すっからかんで頭唐澤貴洋の脳天に1発叩き込まれていた。
結果として腹から油田でもあるかのように吹き出した油が血の海に浮かび、更には今朝の卵と山本の精液の混じった大便もぶちまかれていた。
頭からは彼が臥薪嘗胆の日々に積み上げたすべてが漏れだしていた。
要は頭からは特に何も出てこなかったのである
と、そこに貴洋を迎えに山岡が表れた。
ため息混じりに「ああ、またからさんが死んでる。まったく世話の焼ける人だなぁ。」と言うと、
彼は血塗れの豚肉(38)を引き摺って事務所へと帰っていった。
虎ノ門のいつもの夕暮れであった。
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午後6時の事である。
洋は今晩の夕飯のコロッケを作るべく茹でたじゃがいもを彼のアナルに入れ、山本が手に持っているアナルバイブにより潰そうとしていた。
この事務所での何時もの、平和な調理の光景だ。
そこに豚肉(38)を引き摺って山岡が帰ってきた。
「洋さん、からさんを連れて来ましたよ。」
その言葉を聞いて洋は急いでアナルからじゃがいもを取り出してボウルに一旦戻すと、彼の尻が貴洋に向くように仰向けになり、両の手を彼自身の菊門に向かわせアナルを全開にした。
「たかひろ、おかえりなさい。」
おかえりの儀式の始まりである。
さて、洋のアナルはしっかりと拡張されているもののそのままでは豚肉(38)を洋の中に回帰させることはできない。
肩までならば何とかならないこともないが豚肉(38)の糞デカイ胴体を押し込むことは不可能であるからだ。
山本と山岡は手馴れた様子で粉砕機を倉庫から取り出すと躊躇うことなく豚肉(38)を投入口に投げ込み、機械を起動させた。
モーターの駆動音、大便の飛び散る音、骨の砕ける音と肉が潰れる音が鳴り響く。
洋はさっきの体勢のままアナルをひくひくさせながら待ち続け、山本と山岡は洋の腸液混じりのじゃがいもを使ったコロッケをつくっていた。
後はコロッケを揚げるだけ、というところで粉砕機はその動きを止めた。豚肉骨粉入り大便(38)が完成したのである。
「山岡、俺はアレ(38)を洋に注いでくるからコロッケを揚げておいてくれ。」
山本はそう言うと肉と骨と精液の入り混じった大便(38)を粉砕機から取り出し、洋に注ぎ込む。
大便(38)を注ぎ終えるとエイナスストッパー10を洋のアナルに捩じ込み蓋をする。
「これで懐妊しただろ。」
山本はキッチンタイマーを5分にセットし、コロッケの調理を終えた山岡と雑談に興じ始めた。
内容は今日のニュースや政治情勢、法律の話などごくごく普通のものだった。
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5分後、洋の普段から異様に膨れている腹は更に巨大なものとなっていた。
「早く生まれると良いですね。」
山岡がそう言うと洋は頭を激しく揺らし始めた。
洋の出産の前兆である。
洋が暴れ始めてから10秒としない内に鈍い音と共にエイナスストッパー10が弾け飛ぶ。
洋水が数リットルと大便が数十リットル流れ出たかと思うと、洋のケツ穴から大便にまみれた一つの生命が生まれ出でてきた・・・
「アイスが食べたいナリ。」
頭脳は頭唐澤、胴回りは異様にデカく、ペニスは正しく短小包茎。両乳首で輝くは弁護士バッチ風ピアス。彼は間違いなく、疑いようもないほどに唐澤貴洋であった。
「おかえりなさい。」
これが、おかえりの儀式。
三人から暖かい声がかけられ、四人は何時ものように、ごく普通に夕食を始めた。
動画はこのあと夕飯の風景を写して終わっている。夕飯は面白味もない、ごく普通のものだ。精々貴洋が脱糞した位で他に特筆すべき事はなかった。
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森公高は溜め息をついた。
それは先程まで画面に写っていた脱糞弁護マンに対してのものなのか、厚史を始末させた過去の自分に対してのものなのか、彼自身にもわからない。
ただ、彼は一つ理解した・・・いや、最初と同じ結論に至ったという方が正しいだろう。
もはや唐澤貴洋に期待すべき事は何もない。
ネット住民の為の燃え盛るおもちゃ以上の価値などない男であると。
彼は動画をアップロードすると、退屈そうに床に就いた。
この作品について
暇を持て余した会長が唐澤洋への嫉妬心から事務所にスパイを送り込んだり、デリュケーに小説を投稿したり、法律事務所クロスの痴態をカラケーに投稿しているという創作上の設定が根強くあり、本作品もその流れを汲むものである。
リンク
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- 恒心文庫:「なぜモリケーは盛り上がらないのか」 - 同趣向の作品
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