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恒心文庫:地鎮祭

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

神田の某ビル4階。
衣冠束帯姿の代表弁護士が即席の神棚に恭しく拝礼し、祝詞を読む。
そのあと、代表弁護士とスーツを着た他の12人の弁護士が、四方拝を行う。
「これで儀式は終わりだ。引っ越しそばを食べよう」
ちょうど出前が到着し、13人の弁護士はそばを食べた。
「君たちの働きぶりもあって、こんな大きなフロアに引っ越しができた。感謝の言葉しかないよ。」
代表はそのように述べた。感極まった者、嬉しい気持ちを押し殺して淡々とそばを食べている者、様々であるが、皆嬉しいことには違いない。
そして、そばを食べ終わった後、代表は言った。
「じゃあ、地鎮祭の続きをやろう。」
面々に緊張の色が走る。
地鎮祭の続き―それは出雲の神の化身である代表弁護士と、新天地で初めて交わるということを意味している。
それに選ばれる弁護士は、この法律事務所で最も働き甲斐を代表に認められているということだ。
皆息をのむ。
代表はゆっくりと口を開いた。
「杉本先生。やはり君しかいない。事務所設立当初から一緒に働いてくれた君しかいない。」
杉本は涙を流した。
かつて代表がカリフォルニアに留学の際、二重生活で辛いはずなのに事務所のミーティングにオンラインで参加してくれたこと、
代表の愛情を疑い、長ドスで彼を刺そうとしたこと。彼がSMプレイの一環として許してくれたこと、・・・・・・
様々な思い出があふれ、杉本は涙を流したのだ。
杉本と代表弁護士は互いの服を脱がせ、新天地で初めて交わる。
その神聖な様子は、動画記録の女性弁護士、描画担当の若手男性弁護士も含め、周囲に凄まじい緊張感を与える。
それでも本人たちは楽しそうに絶頂に達した。
その絶頂を合図に、他の弁護士も服を脱ぎ、代表の上下の口に怒張をねじ込んだ。

八雲法律事務所―新天地でもその通常業務が始まったのだ。IT法務の最先端を行く法律事務所の栄光に彩られた業務が。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

この作品について

八雲法律事務所の小川メセナビルから神田平沼ビルへの聖遷が題材となっている。

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