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恒心文庫:トリックオアトリート

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

ハロウィンはすっかり日本に根付いたように思える。
本来の意味合いが失われて、仮装とお菓子がメインになっているが、それはそれで良いのかも知れない。
あとは、イベント後、ゴミを持ち帰ってくれればより良いものになるだろうが。

さて、虎ノ門の某高層タワーでも、ハロウィンイベントが行われていた。
ヒゲと胸毛を生やした上半身裸の男が、「トリックオアトリート」と言って各フロアを回る。
普通、トリックオアトリートというのは、お菓子をくれ、でなければいたずらするよ、という意味である。
しかしこの男の場合は、お菓子をあげる、だからいたずらしてくれ、という意味なのである。
受動態にすべきではないか?という疑問もあるが、彼の醸し出すマゾっ気は、訪問を受けた者に何をすべきかすぐに解らせる。
彼らは、男が差し出す棒状の菓子をアナルで食べさせたり、よく見ると乳首についている弁護士バッジをいじったり、チョコと称して蝋燭を上半身に垂らしたりする。
そのたびに男は喘ぎ声をあげ、オーガズムに達するのだ。

渋谷の街がゴミだらけになるころ、男のアナルは食べ物だらけになり、上半身は蝋と汗、そして塗りたくられたチョコにまみれた。男は満足して、自分の職場に帰っていった。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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