利用者:グロマンコスプレイヤー
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テレビアニメ
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漫画 |
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映画 |
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テンプレート:Infobox animanga/Footer 『Fate/stay night』(フェイト・ステイナイト)は、2004年1月30日にTYPE-MOONから発売されたコンピューターゲーム。ジャンルは伝奇活劇ビジュアルノベル。
稼働プラットホームは当初はパソコンのみであったが、現在は家庭用テレビゲーム機・スマートフォンなど各種に渡る。スマートフォンでは一部のゲームパート(ルート)が無料プレイ化されている(#スマートフォンアプリの節を参照)。
概要
本作品は、それまで同人サークルとして活躍していたTYPE-MOONの商業デビュー作品である。また、TYPE-MOONによるほかの作品、『月姫』や『空の境界』などと同一世界での出来事を扱っていることでも知られている。これらの作品の間にはストーリーの直接的な関係はなく、それぞれの作品は単独で内容を理解することができるものの、共通の設定を背景に描かれており、クロスオーバーする部分も存在している。『月姫』同様ビジュアルノベル形式のゲームであり、「ストーリー、設定面に比重を置いた伝奇活劇物」の色合いが強いゲームである。
後年発売されたファンディスクも合わせた販売累計は約40万本におよび、アダルトゲームの実販売数が集計されるようになってからは(2011年時点で)最高の売上を誇っている[1]。そのヒットの余波は凄まじく、本作発売当時はコミックマーケットをはじめとする同人誌即売会を本作品一色で埋め尽くし、普段アダルトゲームをプレイしない層にも「名前くらいは聞いたことがある」ほどの知名度を獲得した。インターネット上では「Fateは文学」というコピペも流行した[2]。
物語の途中の選択肢によって生まれる状況の差異により、ストーリーがの計3ルートに分岐する方式が取られている(後述)。
2006年1月から同年6月まで、「Fate」ルートを基本にした全24話のテレビアニメが放送された。また2010年1月23日に劇場版アニメ「Unlimited Blade Works」が公開された。2014年10月より分割2クールのテレビアニメとして「Unlimited Blade Works」が放送された。2014年7月27日には劇場版アニメとして「Heaven's Feel」の制作も発表され、2017年より公開予定。
テレビアニメ第1作の放送開始に合わせて『月刊少年エース』にて西脇だっとによる「Fate」を基本にした漫画版の連載が開始され、2012年12月号まで連載された。また2015年6月号テンプレート:Rより『ヤングエース』で「Heaven's Feel」の漫画版が連載されている。
歴代作品発売略歴
ゲーム形式で販売された作品に限定して記載する。そのほかの関連作品については#外伝作品を参照。
- ファンディスク
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- 2005年10月28日 - 『Fate/hollow ataraxia』が発売。本作ファンディスクと続編的要素を併せ持つ作品。
- 2014年11月27日 - PlayStation Vita版 ataraxiaが発売(発売元:角川ゲームス)。
- [Réalta Nua]版
詳細は「#Réalta Nua」を参照。
- スピンオフ作品
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- 2007年9月13日 - PlayStation Portable専用ソフト『フェイト/タイガーころしあむ』が発売(発売元:カプコン)。ジャンルは対戦アクションゲーム。ストーリー的には本編とは関係無いスピンオフ作品。
- 2008年6月11日 - 『Fate/unlimited codes』(フェイト/アンリミテッドコード)が全国のゲームセンターにてアーケードゲームとして稼動開始(発売元:カプコン)。『stay night』本編を対戦格闘ゲームとして再構成。
- 2010年7月22日 - PlayStation Portable専用ソフト『Fate/EXTRA』が発売(発売元:マーベラスエンターテイメント)テンプレート:Refnest。ジャンルはロールプレイングゲーム。本作とはパラレルワールドで未来の全く別の聖杯戦争を描き、歴代のTYPE-MOON作品の人物を共演させている。
- 2015年7月30日 - スマートフォン(iOS/Android)用ゲーム『Fate/Grand Order』が配信開始(配信元:アニプレックス)。ジャンルはロールプレイングゲーム。
- 2016年11月11日 - PlayStation 4/PlayStation Vita専用ソフト『Fate/EXTELLA』が発売(発売元:マーベラスエンターテイメント)。ジャンルはアクションゲーム。
- 2017年7月20日 - Nintendo Switch専用ソフト・WIN版『Fate/EXTELLA』が発売(発売元:マーベラス)。
攻略ルート
物語の途中の選択肢によって生まれる状況の差異により、ストーリーが計3ルートに分岐する方式が取られており、全てのルートで全てのサーヴァントの役回りが異なる壮大なビジュアルノベルとなっている。また、分岐できるようになる選択肢が現れる条件から、プレイ可能なシナリオの順番は固定されており、隠された真相が後のルートで明かされるという相互補完的な要素が盛り込まれているのも大きな特徴である("Heaven's Feel"シナリオの長大化の原因ともなった)。標準的な攻略時間は60時間にも及ぶテンプレート:Refnest。エンディング45の内、バッドエンドやデッドエンドが40という多さも特徴である。
構想段階では3ルートではなく、ライダールートやキャスタールートなど、もっと多くの分岐が考えられていたという。ところが、開発時間の不足と攻略時間の軽減のために削られていき、物語上必須であったイリヤルートまでが削除された結果、イリヤルートの一部は桜ルートに統合されることになった。
- "Fate"(セイバールート)
- セイバーが聖杯を望む理由と、彼女にとっての救いを描いたルート。最初にこのルートをクリアしなければ次のシナリオに進めない形式で、エンディングは1種類のみ。セイバーと士郎がお互いを理解し尊重するようになっていく過程で、自らの折れかけた「思い」を相手の生き方の中に再確認し合い、最後にはその思いを貫くためにそれぞれの道を選ぶ、というもの。
- "Unlimited Blade Works"(遠坂凛ルート)
- セイバールート終了後に分岐可能。サーヴァントとマスターの契約破りや裏切りが横行し、敵味方の関係が目まぐるしく変化するシナリオ。アーチャーの意外な正体が明らかになると共に、士郎自らサーヴァントと戦うなど、主人公・衛宮士郎のルートでもある。これから士郎が歩むことになる険しい道と、それを突きつけられてなお揺るがぬ彼の決意を描く。
- "Heaven's Feel"(間桐桜ルート)
- 上の2ルート終了後に分岐可能になる作品中もっとも長いルート。聖杯戦争を描いたこれまでのルートと根本的に異なり、そもそも「聖杯」とは何か、なぜサーヴァント同士の戦いが必要だったのかという核心の部分の謎を明らかにするシナリオである。また、士郎の人格が抱える歪みを解決し、彼が救われるための在り方の一つを提示する意味も含まれている。なおこのルートには、制作段階で断念された“イリヤスフィールルート”としての側面も含まれている。
- そのほかのエンディング
- 本作品の上記以外の40のバッド・デッドEDについては、「とっさの選択を間違え殺される」というお約束的なものがほとんどだが、中には一つの解決・結末を示すものも存在する。例として、士郎がそれまでの「正義を貫く自分」を桜ルートでも選択する、遠坂凛に記憶を消されて聖杯戦争とは無関係となり生存する[注 1]、など。
- [Réalta Nua]のみの追加エピソード
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- "Réalta Nua"(ラストエピソード)
- 全ルートを攻略すると、タイトル画面が「黎明の風景」から「無数に剣が突き刺さった地平」に変化して選択可能となる。このエピソードを終えるとタイトル画面がさらに変化する。
- まず年老いた士郎の過去(Fateルート)の回想から始まり、1つの時間に留まり続けたセイバーと、正義の味方になるという理想を追い求めた末に精神が磨耗しきった士郎が、「もう一度再会を果たす」という永過ぎる時間に阻まれた叶わぬ「ユメ」を追い求めるシナリオ。選択肢は存在せず、文章量もほかのルートの10分の1もない。攻略後にはPS2版専用のエンディングテーマが挿入されている。
タイガー道場
本編でデッドエンドやバッドエンドを迎えた時に登場する「へんてこヒントコーナー」。全40回。回をこなすごとにタイガースタンプに記録されていく。
道着を着た「タイガ」こと藤村大河と、体操着を着た「ブルマ」こと弟子1号(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン)が活躍するが、ポンチ絵で描かれた「へたれセイバー」やタバコらしきものをくわえた「やさぐれRIN」など、本編のほかのキャラクターも回によってはデフォルメやモザイクがかかった状態で登場する。ただし、リズと黒桜だけはそのままの姿で登場している。基本的にメタフィクション的な視点で進行するが、本編でどのようなエンディングを迎えたかによって、タイガー道場でのキャラクターたちも微妙に変化する[注 2]。
一応、グッドエンドやトゥルーエンドへのヒントを語っているが、回によってはキャラ同士の掛け合いに終始するだけで、ヒントになっていないこともある。
タイガースタンプ10個につきミニ劇場が1つずつ開放され、となりで眠っているトラの絵が活発化していくギミックになっており、全40回と本編のエンディングを全て見ると、タイガとイリヤのお宝映像を見ることができる。
ストーリー
「#用語解説」、「TYPE-MOON#共通した世界観」も参照。
プロローグ
日本のとある地方都市「冬木市」に数十年に一度現れるとされる、持ち主のあらゆる願いを叶える「聖杯」。7人の魔術師(マスター)は7騎の使い魔(サーヴァント)と契約し、聖杯を巡る抗争「聖杯戦争」に臨む。聖杯を手にできるのはただ一組、ゆえに彼らは最後の一組となるまで互いに殺し合う。
遠坂凛は、前回の聖杯戦争で命を落とした父の遺志を継ぎ、聖杯戦争に挑もうとしていた。凛はサーヴァントの召喚を万全の状態で行おうとしたものの、家の時計がずれていた事を忘れていたために、サーヴァントは別の部屋に召喚されてしまい、その部屋へ駆け付けるとそこにはテンプレート:読み仮名の上にふんぞり返る男がいた。彼は凛のサーヴァントであるにも関わらず、凛の言うことを聞かずに挑発する態度を取ったため、業を煮やした凛は令呪を使って言うことを聞かせるという暴挙に出てしまう。その効果は薄かったものの、彼は凛を認め自身のクラスはアーチャーだと答える。その後、学校に結界が張られていることに気付き、学生の居ない夜間に調査を開始するが、そこに敵のサーヴァント・ランサーの妨害が入り戦うこととなる。アーチャーは弓ではなく双剣で対抗し緊迫した雰囲気になるが、この戦いを学生に目撃された事により、ランサーが口封じのためにその学生を殺害する。これにより、この戦いは流れランサーに殺害された学生を凛が確認すると、その学生は凛の顔見知り・衛宮士郎だった。凛は、士郎に出来る限りの蘇生を施してその場を後にするが、ランサーが見逃すハズは無いだろうと士郎の家に向かうも、そこで新たに現れたサーヴァントに奇襲されたアーチャーが倒れ、見えない武器を突き立てられる。そのサーヴァントは小柄な金髪の少女で、凛が真に望んでいたサーヴァント・セイバーだった。
士郎は10年前(1994年)に起きた冬木大災害の生き残りで、半人前の魔術師として暮らしていた。高校生になっていた士郎はある日、夜の学校で偶然にもアーチャーとランサーによるサーヴァント戦を目撃したことから、ランサーに殺されてしまう。しかし、直後に凛によって蘇生の魔術を施され自宅へ帰っていたが、自宅へやって来たランサーに驚き庭にある蔵へ逃げ込むも、ランサーに追い詰められる。その時、蔵の床に描かれていた魔法陣[注 3]によって、偶然にもサーヴァントの1人・セイバーが召喚され、士郎自身も聖杯戦争に巻き込まれることとなる。亡き養父・衛宮切嗣のような「正義の味方」になりたいと願う士郎は、無関係な一般人の犠牲者を増やさないために聖杯戦争に参加することを自発的に決意する。
Fate
士郎とセイバーは様々な強敵たちと対抗するため、凛やアーチャーと共同戦線を張ることとなる。激闘の末、セイバーは「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」を使用して間桐慎二のサーヴァントであるライダーを撃破する。エクスカリバーを使ったことでセイバーの真名はアルトリア(アーサー王)であることが明らかとなり、王の選定の剣を抜いた時から成長が止まり、少女の身のまま男性として振る舞ってきたことが語られる。
その後、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの城にて士郎たちは最強の敵・バーサーカーと対峙する。一度はアーチャーを失うという敗北を喫するも、雪辱戦では士郎がセイバーの失われた選定の剣「勝利すべき黄金の剣(カリバーン)」を投影してバーサーカーを倒す。サーヴァントを失ったマスター・イリヤスフィールは衛宮の屋敷で保護し、アーチャーを失った凛も引き続き士郎に協力することになる。
だが間もなく、存在しないはずの8人目のサーヴァント・ギルガメッシュが現れ、その圧倒的な力でキャスターを撃破するという事件が発生する。士郎は単身、8人目のサーヴァントというイレギュラーについて監督役の言峰綺礼に聞き出そうとするが、その言峰こそがギルガメッシュのマスターであり、また残るランサーも言峰がほかのマスターから略奪したサーヴァントであったことが判明する。言峰は士郎を聖杯戦争の勝者と認め、聖杯を士郎に与えると言い、聖杯の力であれば10年前の災厄もなかったことにできるだろうと語りかける。しかし士郎は「起きたことはやり直せないし、そんなことはしてはならない」と言い、それを聞いたセイバーも「王の選定をやり直す」という自身の願いを改める。しかし、聖杯は万能の盃などではなく、呪われた力の渦に過ぎないことが言峰の口から明らかとなる。窮地に陥る士郎とセイバーだったが、ランサーの命を賭した足止めによって難を逃れる。
直後、言峰は衛宮邸を襲撃して聖杯の器であるイリヤスフィールを誘拐し、自らが聖杯を召喚しようと企てる。士郎は聖杯を壊そうとセイバーに提案し、セイバーは士郎に同意する。士郎は自身に埋め込まれていたエクスカリバーの鞘「全て遠き理想郷(アヴァロン)」をセイバーに返す。「全て遠き理想郷」はギルガメッシュの「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)」の一撃をも防ぎ、セイバーはギルガメッシュを倒し、また士郎も「全て遠き理想郷」を投影し因縁の敵である言峰を倒す。士郎はセイバーに聖杯の破壊を命じ、イリヤスフィールを救出する。そしてセイバーは、士郎に愛の告白をして彼の前から姿を消す。
聖杯戦争によって起きた被害は、教会から派遣された新しい神父によって元の形を取り戻した。士郎は凛から「セイバーが消えて、もっと落ち込んでいるかと思った」と問われるが、「未練なんてきっとない。いつか記憶が薄れても、セイバーが好きだったことはずっと覚えてる」と言い日常へ戻る。セイバーもまた過去に戻り、ベディヴィエールにエクスカリバーを湖に投げ入れるように命じ、剣が湖の乙女に返還されたことを聞き届けたのち静かに安らかな眠りにつく。
Unlimited Blade Works
紆余曲折の末、凛やアーチャーと同盟を結ぶことになった士郎とセイバーだったが、士郎はアーチャーと反りが会わず、アーチャーからも 「理想を抱いて溺死しろ」とまで告げられる。それでも士郎は何故かアーチャーの刀や剣技に惹かれていくのだった。
冬木市内で魔力を集めるために暗躍するキャスターは士郎を柳洞寺におびき出して自分と手を組むよう迫るが、士郎は乗り込んできたアーチャーとセイバーに救われる。その際、柳洞寺の山門の守護にあたっていたアサシンは実はキャスターの傘下にあったことが判明する。さらに士郎と凛は学校に張られた結界の対応にあたるが、結局結界は発動し、その後の戦闘の中で結界を張っていたライダーが何者かに敗れて脱落する。キャスターのマスターは実は凛の担任教諭・葛木宗一郎であり、ライダーをテンプレート:読み仮名したのは彼だった。キャスターの策略によりセイバーと士郎との契約は断たれ、セイバーの令呪はキャスターに奪われてしまう。サーヴァントを失った士郎だったが、なおも単身で聖杯戦争を続行する。
続いてアーチャーが離反してキャスターに与し、孤立した凛は士郎と行動を共にして打開策を練る。同盟相手を模索してアインツベルンの城を訪れるが、そこで士郎たちはバーサーカーが間桐慎二率いるギルガメッシュに敗れ、イリヤスフィールも心臓を抉られて殺害されるという場面に遭遇する。途方に暮れる2人だったが、ランサーの協力を得たことで再びキャスターに挑む。苦戦を強いられる士郎たちだったが、裏切ったアーチャーによってキャスターと葛木は倒される。しかしアーチャーは凛の元へは戻らず、士郎にその刃を向ける。そこでアーチャーの目的が士郎の殺害であるということが判明する。そこで凛は救出されたセイバーと再契約して危機を脱するが、アーチャーの宝具と言わしめる魔術固有結界「無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)」を見せつけられ、決闘を条件として凛をテンプレート:読み仮名われてしまう。
アインツベルンの城で、アーチャーの正体が未来において英雄になった衛宮士郎その人であること、またその末路を聞かされ、お前の理想は間違いだったと告げられるが、士郎はそれを否定し対決する。一方で拘束されていた凛はランサーによって救出されるが、ランサーはマスターである言峰と相打ちになって果てる。未来の自分の姿であるアーチャーに士郎は苦戦し、またアーチャーは士郎の理想を衛宮切嗣の借り物にすぎないと否定して士郎を追い詰めるものの、士郎もまたその理想が間違いではないという信念を貫く。その様を見たアーチャーはかつての自分を思い出して次第に手が止まり、最後は士郎を認め敗北する。そして終結の最中に突如として現れたギルガメッシュの攻撃から士郎をテンプレート:読み仮名い「お前が倒せ」と言い残してアーチャーは消える。
柳洞寺にてギルガメッシュは聖杯の器であるイリヤスフィールの心臓を慎二に埋め込んだ不完全な聖杯、アヴェンジャーを現界させる。士郎と凛は聖杯のもとへ、セイバーはギルガメッシュのもとへと二手に別れて向かうが、士郎達の前にギルガメッシュが現れ、セイバーはなおも山門を守護していたアサシンに阻まれる。凛は慎二の救出へと走り、そして士郎はギルガメッシュとテンプレート:読み仮名する。ギルガメッシュの圧倒的な力に劣勢を強いられる士郎であったが、アーチャーの固有結界である「無限の剣製」を自身の手で発動させたことによって形勢を逆転させ、ギルガメッシュを追い詰める。一方、凛は消滅を免れていたアーチャーの援護もあり、聖杯の核となっていた慎二の救出に成功し、アサシンを破ったセイバーの宝具によって聖杯も破壊された。核を失った聖杯は、士郎と交戦中だったギルガメッシュを新たな核として取り込もうとするが失敗し、ギルガメッシュを巻き込んで消滅する。そしてアーチャーは凛に士郎の後事を託し、満足しながら消滅する。
その後、日常に戻った士郎は理想の自分と対峙したことを感慨深く振り返り、理想を追い求める決意を固める。そして、アーチャーもまたかつての自分と対峙したことを抱きつつ、正義の味方になることを誓った切嗣との思い出の光景を浮かべながら、「それでも―俺は、間違えてなどいなかった―」と口にし、自分を受け入れていくのだった。
Heaven's feel
凛に同盟を提案されるがこれを拒否した士郎とセイバーは、新都で一般人を襲っていたライダーとそのマスターである間桐慎二に勝利する。敗北のショックで荒んだ慎二から守るため、士郎は慎二の妹である間桐桜を衛宮邸にテンプレート:読み仮名う事を決める。しかしその頃、柳洞寺のアサシンからもう1人のアサシン(真アサシン)が召喚され、桜たちの祖父である魔術師・間桐臓硯と契約する。またキャスターがセイバーによって倒され、ランサーも真アサシンによって敗死する。監督役である言峰綺礼からも警戒を促された士郎は、セイバーとともに夜の市内巡察を行う。そして士郎や凛たちは、深夜の市街地で謎の「黒い影」と遭遇する。
なおも探索を続けていた士郎とセイバーだったが、セイバーが真アサシンに敗れ、黒い影に取り込まれてしまう。サーヴァントを失った士郎だったが、ライダーが実は桜のサーヴァントであったということ、そして桜とその命は臓硯の手中にあるということを知らされる。冬木に被害をテンプレート:読み仮名すかもしれないという桜を士郎は守ると誓う。士郎はイリヤスフィールを頼ろうとするが、そこで士郎は消滅したはずのセイバーがバーサーカーを破る光景を目撃する。真アサシン、そして黒い影を味方に付けたセイバーは士郎たちにも牙を剥くが、アーチャーの犠牲によって士郎たちはなんとか生還する。そしてそこで左腕を失った士郎は、アーチャーの腕を移植することで命脈を保つ。
衛宮邸で安静にしていた桜であったが、その実聖杯の器として既に覚醒しており、黒い影を操る正体であったことが判明する。ギルガメッシュをも取り込んで力を得てしまった桜は、兄・慎二を殺害してしまったことから遂に正気を失ってしまう。真の聖杯の器であるイリヤスフィールを連行した桜と臓硯であったが、士郎は言峰と協力してイリヤスフィールを奪還する。そこで士郎はセイバーと同じく黒い影に囚われたバーサーカーと対峙し、アーチャーの腕を解放することによって限界以上の力を発揮する方法を自覚し、バーサーカーを撃破する。
間桐臓硯は聖杯として膨大な魔力を得た桜に離反され、真アサシンも桜によって殺害される。桜を救いたいというライダーの協力を得た士郎は、セイバーを激闘の末に倒す。また時を同じくして凛は桜に挑むが、情から桜を殺すことができずに敗れ、桜は罪の意識にさいなまれる。そこへ現れた士郎によって、桜は黒い影から解き放たれる。また臓硯も、現れたイリヤスフィールと対峙してこの世への未練を捨て去り昇天する。
大聖杯を破壊するために1人残った士郎だったが、そこへアヴェンジャーの誕生を悲願とする言峰が現れる。士郎は言峰と激闘を繰り広げ圧倒されるが、言峰もまた既に限界を突破しており、その戦いの最中に息絶える。士郎は最後の力を振り絞って大聖杯を破壊しようとするが、イリヤスフィールがそれを制止し、その力を使い果たして大聖杯の起動を収めた。これによって第五次聖杯戦争はその幕を閉じた。
用語解説
この作品の世界観はTYPE-MOON作品の多くが共有する世界観と同一である。
「TYPE-MOON#共通した世界観」も参照。
- 聖杯
- 「万能の釜」や「願望機」とも呼ばれる手にする者の望みを実現させる力を持った存在[注 4]。
- 冬木の聖杯は聖堂教会に観測された第726個目の聖杯候補であり、表向きはテンプレート:読み仮名の判断が付いていないことになっている。しかし、実は失われた第三魔法[注 5]・魂の物質化、天の杯を再現するために作られたテンプレート:読み仮名であるとの判定はできている。
- 聖杯自体は実体を持たず、魔術回路[注 6]を持つ存在を「器」として、サーヴァントの魂が溜まった「器」に降霊することで現われる[注 7]。
- ただし、広義的に見て願いを叶える「願望機」としての役割も器は確かに備えており、サーヴァント5体以上の死亡による儀式の完成によってもたらされる膨大な魔力を用いれば大抵の願いは叶えることが可能[注 8]なので、実質的には真作の聖杯を手にしたのと変わらない。そのため、実際は贋作と分かっていてなお、魔術協会が主催を務め、聖堂教会が監督役を派遣して「聖杯戦争」を見守っている。
- しかし、第三次聖杯戦争においてルールを破って召喚されたあるサーヴァントが原因で、聖杯が溜め込む「無色の力」は汚染されて「人を殺す」という方向性を持った呪いの魔力の渦と化すようになり、それ以降、冬木の聖杯は全ての願いを「人を殺す」という結末に拡大解釈する欠陥品になってしまっている(「大金を願えば、金持ちを殺しつくしその富を奪う」など)。こうして聖杯の中に淀み始めた黒い泥は、触れたものの魂を汚染してしまい、サーヴァントさえも性格を悪しき方向へと反転させ暴走状態にしてしまう。これを黒化と呼ぶ。
- 天の杯(ヘブンズフィール)
- 物質界において唯一、永劫不滅でありながら肉体というテンプレート:読み仮名に引きずられる魂を、それ単体で存続できるよう固定化させる魔法。
- 本来、三次元世界上の法則には従わず、物質世界では存在できないものである「魂」の次元を上げる、いわば「高次元の魂」を創造する魔法で、これによって魂は物質界より次元の高い概念世界である星幽界に属することになり、物質世界からは絶対に手出しできない無敵状態となって、肉体は星幽界からラジコン操作のように操られることになる。1つの魂が一度に操ることのできる肉体は1つだけで、ほかの魂を宿している肉体を強引に奪うことはできないなどの制約はあるものの、要は魂が寿命を迎えるまで死ぬことがないようにする魔法である。
- 聖杯戦争
- 広義においては真贋を問わず聖杯と呼ばれるものを手に入れるための行為全般を指す[注 9]。冬木の地の聖杯戦争は、聖杯によって選ばれた7人のマスターが、サーヴァントと呼ばれる特殊な使い魔を使役して戦いあう形をとる。
- 冬木の地の聖杯戦争は、その聖杯と同様に、失われた第三魔法の再現のための儀式である。一連の儀式は200年前、アインツベルン・遠坂・マキリの3家がそれぞれの思惑から協力したことで始まった。儀式の成功にマスターが戦いあう必要はなく、召喚された7騎のサーヴァントの魂を全て「器」に注いでしまえばそれでよい。しかし、最初にその方法をとった時は、儀式を始めた者たちの間で完成した聖杯の権利を独占するために殺しあいが始まってしまい失敗した。2回目の儀式から、円滑に儀式が進むよう権利争奪を兼ねた「聖杯戦争」の形となった。
- 聖杯戦争の実施にあたっては、柳洞寺のある円蔵山地下に隠された大聖杯と呼ばれる巨大な魔法陣により、冬木の土地の霊脈が枯渇しない程度に少しずつ魔力を吸い上げて儀式に必要な量を溜める必要がある。そのインターバルは通常60年を要するところだが、前回の聖杯戦争では呼び出された聖杯が結局使われないままに終わり、本作の舞台である第五次聖杯戦争の開催が早まる原因となった。
- アニメ版では、聖杯戦争出場者以外の部外者や一般人に見られた場合は、掟により速やかに口を封じ抹殺しなければならない。
- また、本編の10年前に衛宮切嗣により洞窟内にテンプレート:読み仮名を発生させ、そこに堆積したマナが30年から40年の間に破裂し大聖杯を龍洞に崩落させるという細工が為されていたが、第五次聖杯戦争が早まったために不発に終わった。しかし聖杯が出現した際にそれは発動し、洞窟を崩壊させた。そして本編の10年後に、遠坂凛とロード=エルメロイII世によって冬木の大聖杯が完全に解体され、冬木の聖杯戦争は幕を閉じる。
- マスター
- サーヴァントと契約して聖杯戦争に参加する者。聖杯が選別したマスター候補者が、召喚されたサーヴァントと契約することでその資格を得る。
- サーヴァントとの間には見えないつながりが築かれ、現界のための依り代と魔力供給の役割も併せ持っており、召喚者にはサーヴァントを支配・制御するための令呪が与えられる。また、マスターには人それぞれの形[注 10]でサーヴァントのパラメータを認識する能力と、英雄に関する知識が与えられる。なお、つながりによってお互いの過去を夢などで見ることもある。
- 召喚者以外の者がマスターとなる場合もあり、その際は脱落者の未使用の令呪が与えられる。ただし、聖杯が認めるマスターの最低限の条件は魔術回路があること(正確には、自身が魔力を生成できること)で、そのほかの方法でマスターになった者を聖杯はマスターと認めず、令呪を与えることはない。
- 令呪(れいじゅ)
- 聖杯により与えられるマスターの資格で、自らのサーヴァントに対する絶対命令権。
- 腕のどこかに3画の聖痕として現れ、3回までの命令が有効。個人によって形状の差異はあるが、使用するたびに1画ずつ消えていくと言う共通点を持ち、いずれも強大な魔力が込められている。命令が具体的なものであればあるほど強制力が大きく、また、場合によっては本来なら不可能な行為(例:数kmの瞬間移動)を可能にすることもできる。逆に、命令がテンプレート:読み仮名で長期に渡る具体性のないもの(例えば、常にマスターの命令通りに行動させるなど)である場合は効果が薄くなり、少なからずペナルティはかかるものの、命令に逆らうことも出来る。
- 令呪を使い果たしたとしてもサーヴァントが裏切らなければ契約自体は維持できるが、もし裏切れば自分のサーヴァントに殺害されることもあるので、基本的に使い果たすのは推奨されない。ただし、それも方便で本当の意味は別にある。
- サーヴァント
- 聖杯の助けによりマスターに召喚され、彼らに使役されることになった英霊[注 11]。ただし英霊本体を呼び出せるのは世界のみであるため、厳密には英霊の情報を元に作り出された分身というべき存在である。攻撃能力はおよそ戦闘機1機分[注 12][3]。
- 本来、英霊として召喚される彼らは意思を持たない純粋な「力」として使役されるが、冬木の聖杯戦争においては、一度の聖杯戦争につきあらかじめ通常7つの器(クラス)、セイバー(剣の騎士)・アーチャー(弓の騎士)・ランサー(槍の騎士)・ライダー(騎乗兵)・キャスター(魔術師)・バーサーカー(狂戦士)・アサシン(暗殺者)が用意され[注 13]、そのクラスに該当する属性を持った英霊を召喚し、クラスの役割に1騎ずつテンプレート:読み仮名させることで人としてのカタチと人格を再現する仕組みになっている。セイバー・アーチャー・ランサーは三騎士と呼ばれ、総じて強力なクラスとされる。三騎士は確実に聖杯によって用意されるが、ほかのクラスはたびたびイレギュラークラスに変わる。このクラスシステムによって英霊の能力をそぎ落とすことで、魔法使いにも不可能な英霊の召喚を容易にしている。ただしクラス制限により、例えばランサー(槍兵)のサーヴァントとなった者がセイバー(剣兵)であれば持っていたはずの剣の宝具を失うということがあり得る。だが単純に武装でクラスが決まるのではなく、クラスの特性である。例として、アーチャー(弓兵)は自身の低ステータスを補う優れた宝具を所有する特性があり、飛び道具が存在しないか主体でない者でもなる者もいる。また、バーサーカー(狂戦士)など属性の強いクラスの場合、英霊の一部の面を強調することでほかのクラスと異なる姿で現れる場合がある。バーサーカーとアサシンは召喚の詠唱に2小節を加えることによって、任意で召喚できる。また、サーヴァントの[[諱|テンプレート:読み仮名]]を知られるということは、同時に弱点を晒すということにつながる[注 14]ため、真名がマスター以外の者に知られないよう普通はクラス名で呼ばれる。英霊の肉体の年齢は逸話や呪いなどがない限り、全盛期の肉体で召喚される。
- 英雄である彼らは、基本的に人間がまともに戦って敵うような相手ではなく、彼らの半身ともいえる宝具をはじめとして現代の人間より遙かに強い力を持った存在であり、さらに本来の力に加えて伝説の知名度や信仰による恩恵を得て力を振るうことができる[注 15]。これに加え、戦争が開催される土地が地元の文化圏に近いほど劣化(ステータスの低下、装備スキル宝具の喪失)を避けられる。また、器(クラス)に収まることで、クラスに応じた固有の技能(剣・弓・槍の三騎士の「対魔力」、狂戦士の「狂化」など)や、その時代や地域、聖杯戦争のシステムに対する知識が与えられている。それと別でマスターの性質により能力に補正がかかる。また、上述のとおり架空の英霊の召喚は可能だが、それは本人ではなくその英霊の特徴や神話などに該当する人物が呼び出される。ただし、聖杯の概念がない者、つまり東洋の英霊はそれらの時代には概念がまだ浸透していないため召喚できない[注 16]。また、サーヴァントは死者でなければ召喚は出来ない。すなわち死の要素を持たない不死者や神はサーヴァントになり得ない為呼び出すことは出来ない[注 17]。
- 彼らは使役する立場であるマスターより遥かに強力な存在だが、「現界のための絶対条件」としてマスターからの絶対命令権である令呪の縛りが課せられていて、マスターはサーヴァントに3度だけ絶対に従わせる命令を下せる。さらにサーヴァントらは現世に留まるために現代の依り代を必要とし、現界のための魔力もほぼ自給できないため、マスターとの協力関係を余儀なくされる。
- 彼らの本質は霊体であるため、たとえ彼らが実体化している時でも、神秘の存在しない攻撃は効果がない。逆に神秘さえあれば、ペーパーナイフでも傷つけられる。魔力供給を断たれると霊体に戻り、マナ[注 18]の薄い無機物を通り抜けることができる。その状態でもマスターと意思を通わせることは可能である。霊体のままだと通常干渉を受け付けないが、現実への干渉力が落ちる。
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