LGBT: ~言論を破壊するものたち~(電子書籍)
LGBT: ~言論を破壊するものたち~(えるじーびーてぃー げんろんをはかいするものたち)とは、三田国際学園の学園長大橋清貫がAmazon Kindleで出版したとされた電子書籍である(実際の執筆者については後述)。全文はこちら[1]
概要
Amazon.comによると、著者は大橋清貫、2019年9月10日出版、紙の本の長さは35ページに相当し、価格は税込270円[2]。書籍を無料で読むことのできるサービス「Kindle Unlimited」の対象になっていた[3]。10月8日に販売ページが削除され購入できない。
本書の内容についての意見は読者に委ねるが(上に全文へのリンクあり)、新潮45の事件などを引き合いに出し一貫してLGBTを攻撃する内容である。
恒心教徒への発覚
「大橋清貫(新時代教育研究所)#さらなる火消し疑惑」も参照。
2019年10月3日、すでに2度スパム扱いで削除されていたWikipediaの大橋清貫の記事が「村上靖二」によって再作成される[4]。なお、「村上靖二」はこれ以外の編集をしておらずグローバルロックされている[5]。
これは2日後に発見され、またもやサジェスト汚染対策にWikipedia記事を復活させようとしているのかと教徒たちの呆れるところとなるのだったが、以前の記事にはなかった『LGBT: ~言論を破壊するものたち~』という本を出版しているという記載に注目が集まった。
すぐに無料サンプルに含まれていた一部分の文章、さらには全文が掲示板に開示される。特定の政治的意見を持たない恒心教徒にとってもあんまりな内容から、掲示板内では大橋清貫の悪評隠蔽への対抗措置としてかねてより細々と行われていたGoogle検索結果への攻撃など吹き飛ばすような自爆行為をしてしまったのかと驚きの声が上がった[6]。
一方Kindleなりすまし出版法を知る教徒たちの中には別人が成りすました偽書ではないかと疑う意見が当初から存在した。
外部への拡散
教徒に取り沙汰されるのに引き続いて、ハセカラ騒動とは無縁の人物からもこの書の問題点が指摘されるようになる。
教育に関心ある者の一部に、「グローバル教育を推し進める三田国際学園の学園長として著名な大橋清貫が実はマイノリティへの差別的思想を持っていた」として事態は拡散。
LGBTなどへの酷い中傷だとして激昂した人物がTogetterにまとめを作成する[7]などTwitterを中心に燃え広がっていく。またLGBTと共に、発達障害者やうつ病の患者を攻撃している点も非難された[8][9]。
ここで、先のTogetterまとめを作成した人物がなりすまし出版だという意見を受け[10]三田国際学園に問い合わせたところ本について承知していないという回答を得る[11]。大橋清貫が執筆したものでないとしてまとめは削除された。これは恒心教徒にも影響を与えてやっぱりなりすましではないかという説が掲示板上で強くなる要因ともなった。
この一件の後には三田国際学園の公式サイトでも大橋清貫が出版したかについて遠回しに否定するような声明が掲載された[12]。また、新時代教育研究所のお知らせも更新されて三田国際学園のサイトとは打って変わった直接的な表現でなりすまし本出版者やネット上の書き込みについて司法上の手続きを進めると告知されている[13]。
報道
8日にはJ-CASTニュースより事実無根のなりすましであり、捜査当局に相談中である旨のニュースが報じられた。[14]
同日TBSの番組「Nスタ」においても全国ニュースとなる[15][16]など騒動は大きな影響を社会に与えている。
これらの報道について大橋清貫側はなりすまし行為については怒りのコメントを発する一方、本書に著されたLGBTや発達障害などに対する否定的主張に抗議することはなく、我が身がかわいいだけなのかと教育者としての器を問う者も現れ[17]、ニュース内で「大橋清貫」「三田国際学園」「新時代教育研究所」といった具体的な名称が記載されていないという不可解さは訝しみを招くなど様々な反響があった。
執筆者の謎
本著は大橋の著作ではなく、恒心教徒がなりすまして書いた偽書である。
2017年の7月頃から恒心教ではKindle路線が興り、匿名を維持しながらAmazon Kindleでなりすまし本を出版する手口が確立しており、この本もそれを利用して出版された一冊であると推測される。ただし、犯人であることを証明した犯行声明などは確認されていない。
考察の経緯
10月8日の騒動当初は錯綜した状況の中でなりすまし説・本人説を中心に様々な説が提示されてきた。
まず、内容がLGBTのみならずうつ病・発達障害をも非難するものであり、炎上が容易に予想されることや、大橋の過去の著作はすべて教育関係のものであることから、なりすましが疑われた。他にも、35ページ[18]と一般書としては非常に短いこと、出版社を経由しないAmazon Directから出版されていること、文中の「シンポジウム参加→安倍晋三との会食」について裏が取れないこと、カバーのデザインが他の大橋の著書とはかなり趣が異なり、素人が作成したと思われることもなりすまし説の根拠とされた。
しかし、Kindle路線で出版された書籍の内容は掲示板のレスや当Wikiの記事のコピペがほとんどであり、新規に執筆された文章というのはほとんどなかった。その点この本はコピー元が今なおまったく見つかっていない。改行を乱用する・話が二転三転するといった尊文のような文章は見られず、新書程度の内容が35ページに渡って書き上げられており、経歴や時系列に明らかな誤りは無く、「女子学生が泣きながら駆け込んできた」「安倍晋三との会食」などエピソードが非常に具体的であったため、本人説も支持を集めた。即削除のリスクが高い[19]にも関わらず嫌がらせ目的で1から執筆されたとは考えにくかったこともあり、様々な憶測が飛び交った。
なりすまし説と本人説の他に、大橋清貫の依頼を受けたSEO業者が都合の悪い検索結果を消すために出した本がかえって炎上しているという説も提示されていた[20]。
8日夜ついにAmazonの販売ページが削除されると、これをもって議論はなりすまし・偽書であることがほぼ確定したものとして、誰がなりすましたのかにシフトしていく。
9日には本の一部の文章に恒心語録が含まれていることが発見されて[21][22]教徒説が大きく補強された。
そして同年12月7日に、本書の発信者情報開示にかかる意見照会書回答書が開示され、教徒のなりすましであることが確定[23][24]。また、このなりすまし事件の解説と称して大橋清貫の疑惑を告発する電子書籍も併せて出版された[25][26]。これはなりすまし事件で世間の興味を引きつつ告発本を流布させる二段構えを狙ったものと思われる。
一方、経歴・時系列の正確性やエピソードが非常に具体的であることから、大橋清貫やかつて務めた学園との関係が深い教育関係者の怨恨による犯行であるという説もある。なお、かつて大橋清貫を敵視していた人物として高橋嘉之がいる。
なお、同書をWikipediaに掲載した「村上靖二」は犯人と同一人物なのか、それともただの一般市民なのかという疑問は悪芋の口から語られぬままである。
関連項目
- 大橋清貫
- 大橋清貫/サジェスト汚染 - 大橋清貫が当WikiへDMCAを用いた攻撃を仕掛けたために起こった恒心教徒の報復
- Amazon Kindle
- ニッセ路線
外部リンク
出典・註釈
- ↑ txti.esにあるコピー(魚拓)
- ↑ 10/7までは価格が税込350円だったようである。350円の時の魚拓
- ↑ Amazon.co.jp: LGBT: ~言論を破壊するものたち~ eBook: 大橋 清貫: Kindleストア(魚拓)
- ↑ 「大橋清貫」の変更履歴 - Wikipedia(魚拓)
- ↑ Global account information for 村上靖二 - Meta(魚拓)
- ↑ 当時のスバケー大橋清貫スレの様子(魚拓)
- ↑ 【衝撃】グローバル教育トップの三田国際学園中学校「LGBTは病気」「発達障害は子育ての失敗」「同性愛を告白した生徒を3度呼び出し指導」など学園長の差別主義が酷すぎる件 - Togetter(魚拓)
- ↑ スバケー 大橋清貫スレ綜合 >>607(魚拓)
- ↑ はてな匿名ダイアリー 有名私立校学園長がLGBTを「現実逃避依存症」と批判(魚拓)
- ↑ Twitter @toshimasaotaと@schooljyukenのツイート(魚拓)
- ↑ Twitter @schooljyukenのツイート(魚拓)
- ↑ 図書館だより|三田国際学園中学校・高等学校(魚拓)
- ↑ 一般財団法人新時代教育研究所 - お知らせ(魚拓)
- ↑ 著名学園長かたって「LGBT差別」本 学校・当人側「事実無根。捜査当局に相談」 : J-CASTニュース(魚拓)、2ページ目(魚拓)
- ↑ “成りすまし”で電子書籍、LGBT“差別”アマゾンで販売 (魚拓)
- ↑ @JobRainbowのツイート(魚拓)
- ↑ @H1SAB4hDzH97iDaのツイート(魚拓)
- ↑ Kindle路線のうち、唯一生き残っている「ハセ学」が34ページ相当であることから、amazonの削除ラインを探るための分量設定とも考えられる。
- ↑ GMOカラッキング事件以降amazonの削除体制は非常に厳しくなっている。
- ↑ スバケー 大橋清貫スレ綜合 >>614-615(魚拓)
- ↑ スバケー 大橋清貫スレ綜合 >>702(魚拓)
- ↑ 1章の「自然の理に反した行動には明日がない」
2章の「このままではAIDSはあっという間に世界を覆ってしまうのではないか」
4章の「恐ろしい監視が始まっている」
および「逃れられない状況でありのままの社会と出会う。自分の力で困難を克服する体験をする。いくつもの葛藤を経て大人へと成長する。」 - ↑ スバケー 【唐澤貴洋殺す】雑談★23【ゲリラ弁護士】 >>946(魚拓)
- ↑ 回答書画像
- ↑ スバケー 大橋清貫スレ綜合 >>823(魚拓)
- ↑ 全文(魚拓)