恒心文庫:縁談
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本文
縁談を断ったという友人に会う機会があったので話を聞いてみる事にした
「やぁ、どうしたんだい。良い縁談だったらしいじゃないか」
そう問うてみると
「キミか、なに、条件のアンマッチってとこさ」
彼は暗くほくそ笑む
僕は問う
「家柄が悪かったとか?」
「いいや、向こうの家は皇族に血統が繋がっている程の良家だったよ」
なんと、それは驚きだ 僕は続けて聞く
「では経済面、金の問題かい」
プレミアム国民といえど事業の失敗などて借金を抱えていたのかもしれない その事に彼が気づいた場合がある
「いいや、向こうの親は高名な有識者でね、財に限っては不自由な感じではなかったよ」
ほう、この時代にそんな家があったとは
では何故?ほかに思いつく理由としては
「病気だったとか?身体か精神かの」
「それも違うよ、元気な赤ちゃんを産みたいとも言っていたよ」
これまたハズレてしまった あと考えられる理由…
「わかった!容姿の問題だ!隠すなよ、おい。相手はひどい醜女だったんだろう!」
彼はやれやれといったように両手を広げ
「いいや、かなりの上玉だったよ。口元がチャーミングで母性を放っていて抱きしめたくなる雰囲気の女性だったね」
僕は諦めて問い詰めた
「じゃあなぜ?」
彼は遠くを見て呟いた
「彼女は唐澤洋だったんだ」
タイトルについて
この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。
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