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恒心文庫:小林画伯の仕事

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

小林がカンバスの前に座り山岡裕明をモデルとした一連の絵を描いている
小林の前で、ベッドで2人の男がポーズを取っている。ユディトがホロフェルネスの褥に入り込みホロフェルネスを斬首するという物語にインスピレーションを受けた裕明の発案により、画題はホロフェルネスに扮した裕明の乳首とカリ首をユディトに扮した星野悠樹が切り取る様となった。

小林は1ヶ月ほどかけて
「ホロフェルネスの乳首とカリ首を切る悠ディト」を完成させた。
絵の中の裕明の肉体は40代とは思えないほどハリと生気があり若さに満ち溢れていた。
いわゆる慇懃な理想化というべきか、依頼主の要求に基づいた画家の粉飾である。

対となる絵も描き上げねばならぬ
小林は乳首とカリ首が切断された裕明扮するホロフェルネスの遺体が発見された現場を一枚の絵に仕上げた。
「ホロフェルネスの遺体発見」である。
乳首とカリ首を切り取られた時の苦痛に身を捩りシーツにできたシワが切り取られた部分の切り口を想起させるかの如くシワがより丸くなりそこを鮮血が鮮やかに彩っていた。

遺体を見つけてはっと驚く表情を取るのは阿部弁護士がモデルにされ、両手を胸のあたりに上げなんてこったという顔を浮かべる者のモデルは千葉弁護士である。
山岡裕明は自分の理想的な若々しい肉体をカンバスに永遠にとどめた小林の仕事に満足し
絵を自分の寝室に飾った。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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